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2022.09.15 更新

【医師監修】飲み会後に眠れないのはなぜ?睡眠に影響しにくいお酒の飲み方も解説

【医師監修】飲み会後に眠れないのはなぜ?睡眠に影響しにくいお酒の飲み方も解説

飲み会などでお酒を飲んだ後に、眠りが浅くなり困っている方もいると思います。

お酒を飲んだ後に眠りが浅くなる理由を知っておけば、お酒の飲み方を工夫できるかもしれません。また、十分に眠れない時の対処はさまざまありますが、飲み会後には推奨できないこともあるため注意が必要です。

この記事では、飲み会後に十分に眠れないと感じる原因や睡眠に影響しにくい飲み方の工夫、お酒を飲んで眠りが浅くなった場合にやらないほうが良いことについて説明します。

  1. 飲み会後に十分に眠れないと感じる原因
  2. アセトアルデヒドによって睡眠が浅くなる
  3. 利尿作用によって目覚めやすくなる
  4. いびきをかきやすくなる
  5. 睡眠に影響しにくい飲み方の工夫
  6. お酒を飲み過ぎない
  7. 飲み会を早めに終わらせる
  8. 水も同時に飲む
  9. お酒と同時に食事を摂る
  10. お酒を飲んで十分に眠れない場合に推奨しない行為
  11. 睡眠薬を飲む
  12. お風呂に入る
  13. 運動をする
  14. まとめ

飲み会後に十分に眠れないと感じる原因

飲み会後に十分に眠れないと感じる原因

アルコールが睡眠に与える悪影響は、主に以下のようなことが挙げられます。

  • アセトアルデヒドによって睡眠が浅くなる
  • 利尿作用によって目覚めやすくなる
  • いびきをかきやすくなる

それぞれの悪影響に関して、詳しく説明します。

アセトアルデヒドによって睡眠が浅くなる

アルコールはリラックス効果があるため、飲んだ直後は体の力が抜けて眠気を誘います。

体内に入ったアルコールは2、3時間後に代謝されてアセトアルデヒドに変化しますが、アセトアルデヒドは覚醒作用を持ちます。

そのため、個人差もありますが、夜中に目覚め十分に眠れないという現象が起こる可能性があります。

利尿作用によって目覚めやすくなる

アルコールには利尿作用があるため、トイレが近くなり目覚めやすくなります。また、用を足すことによって体内から水分が奪われることも、眠りの質を下げる要因の一つです。

いびきをかきやすくなる

アルコールには筋弛緩作用があります。筋弛緩作用によって舌がのど奥に下がってきて、気道が狭くなることがあります。

狭い気道を空気が通ると、周辺の粘膜を振動させるため、いびきをかきやすくなります。また、のど奥に下がってきた舌によって気道がふさがる場合もあります。

さらに、この時に睡眠時無呼吸を起こしている可能性があります。睡眠時無呼吸により、体内の酸素が低下し、覚醒作用を持つ二酸化炭素が上昇するため、目覚めやすくなります。

睡眠に影響しにくい飲み方の工夫

アルコールを摂取しても快適に眠るためには、眠るまでにアルコールを体内に残さないことが重要です。睡眠に影響しにくい飲み方の工夫は、主に以下が挙げられます。

  • お酒を飲み過ぎない
  • 飲み会を早めに終わらせる
  • 水も同時に飲む
  • お酒と同時に食事を摂る

それぞれの工夫を、詳しく説明します。

お酒を飲み過ぎない

お酒の量が適切であれば、アルコールが睡眠に影響する可能性は低いです。厚生労働省は「節度ある適度な飲酒」の量を、「1日平均純アルコールで20g程度」と定義しています。アルコール20gは、ビールであれば中瓶1本程度、日本酒であれば1合程度です。

自分の体質なども踏まえて、飲み過ぎないように心がけましょう。

飲み会を早めに終わらせる

摂取したアルコールは、時間が経つごとにアセトアルデヒドに分解されていきます。そのため、飲み会を早めに終わらせてアルコールが分解される時間を確保することで、睡眠への影響を小さくできます。

一般的に1時間で分解できるアルコールの量は、「体重×0.1g程度」とされています。ただし、酵素の遺伝子型や飲酒習慣など、人によって代謝速度は異なります。

水も同時に飲む

アルコールは血液などの水分のある所に分布するため、体内水分量が少ないと自然と血中アルコール濃度も高くなります。そのため、飲酒と同時に水分も摂取することが重要です。

水を飲むことでお酒の摂取量も自然と抑えられ、アルコールの利尿作用による脱水症状も緩和できる可能性があります。

お酒と同時に食事を摂る

空腹状態ではアルコールの吸収が早くなるため、血中アルコール濃度が高くなりやすいです。肝臓に負担をかけないためにも、食事と共に飲酒をすることが大切です。

良質なタンパク質やビタミン、ミネラルが摂取できるものが望ましく、刺身や焼き鳥、枝豆、海藻サラダなどがおすすめです。

お酒を飲んで十分に眠れない場合に推奨しない行為

眠りが浅い時は眠ろうとしてさまざまなことを試す場合が多いですが、好ましくない行為もあります。お酒を飲んで十分に眠れない場合に推奨しない行為は、主に以下が挙げられます。

  • 睡眠薬を飲む
  • お風呂に入る
  • 運動をする

それぞれを詳しく説明します。

睡眠薬を飲む

アルコールと睡眠薬を一緒に飲むと、ふらつきやもの忘れなどの副作用が生じる場合があります。また、いびきの悪化や睡眠時無呼吸が発生するリスクもあります。

上述したように、摂取したアルコールが分解されるにはそれなりの時間がかかります。酔いが醒めたように感じても、完全に分解されていないことがあるため、飲酒後の睡眠薬の服用は避けることが無難です。

お風呂に入る

入浴は、睡眠の質を高めるためには効果的です。ただし、飲酒後の入浴は不整脈や血圧の変動を起こすなどのリスクがあります。また、湯船に浸かったまま眠っておぼれる可能性もあるので、なるべく避けましょう。

運動をする

ストレッチなどの適度な運動は、睡眠の質を高めます。ただし、飲酒後に運動をすると、血液が筋肉に分散されて内蔵に集まらなくなり、アルコールの代謝が遅れる可能性があります。

また、運動によって水分が失われることで脱水症状を起こしてしまうリスクもあるので、飲酒後の運動は控えましょう。

まとめ

飲み会後に眠りが浅くなる原因は、アルコールの可能性が高いです。アルコールを摂取しても睡眠に影響を及ぼしにくくするためには、お酒を飲み過ぎない、水も同時に飲むなどの工夫が重要です。

十分に眠れない場合でも、睡眠薬を飲む、お風呂に入る、運動をするといった行為は、体に悪影響があるため控えることが賢明です。

この記事の監修者
中山明峰
中山明峰めいほう睡眠めまいクリニック 院長
めいほう睡眠めまいクリニック 院長。耳鼻咽喉科専門医、睡眠専門医、めまい専門医。1985年、愛知医科大学医学部卒業。愛知医科大学耳鼻咽喉科准教授、名古屋市立大学睡眠医療センター部長を経て、2021年に睡眠障害・めまい専門診療施設「めいほう睡眠めまいクリニック」開院。
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