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2022.11.18

【医師監修】ノンレム睡眠とレム睡眠の違いは?90分周期で繰り返すメカニズムなども解説

【医師監修】ノンレム睡眠とレム睡眠の違いは?90分周期で繰り返すメカニズムなども解説

「最近目覚めが悪い」「日中に眠気がある」など、睡眠について悩んでいる方のなかには、睡眠のメカニズムを知りたいと感じている方もいるのではないでしょうか。

また、睡眠に関して調べていると、ノンレム睡眠レム睡眠という言葉をよく聞きますが、違いや役割がよくわからない方も多いと思います。

この記事ではノンレム睡眠とレム睡眠の特徴や違いのほか、睡眠のメカニズムもわかりやすく解説します。睡眠について理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。

  1. 眠気はなぜ起こる?睡眠のメカニズムを解説
  2. ノンレム睡眠とレム睡眠の違い
  3. ノンレム睡眠は脳が活動していない深い眠り
  4. レム睡眠は脳が活動する浅い眠り
  5. ノンレム睡眠とレム睡眠の睡眠サイクルが持つ役割
  6. すっきりと起きるための睡眠のとり方
  7. 自分に必要な睡眠時間を確保する
  8. 起きるタイミングより睡眠の質を重視する
  9. 快眠するためには生活習慣を整えることも大事
  10. まとめ

眠気はなぜ起こる?睡眠のメカニズムを解説

ノンレム・レム睡眠の違いを説明する前に、まずは睡眠のメカニズムの概要を解説します。

毎日同じ時間に起きて、活動し、寝るという睡眠のリズムは、体内時計、覚醒力と睡眠欲求のバランスによって作られています。

  • 体内時計:体内時計により、ホルモンや体温の変動があり、睡眠と覚醒が調整される。
  • 覚醒力:覚醒をするオレキシンが分泌されることで覚醒状態が維持される。
  • 睡眠欲求:覚醒している脳に疲れが溜まり眠くなる。恒常性維持機構と呼ばれる。

体内時計はホルモンや体温の変動により、休息や活動をしやすい体の状態を作ります。睡眠欲求は目が覚めている時間と比例して強くなり、入眠すると急速に低下する特徴があります。覚醒力はオレキシンという神経ペプチドが関連しており、覚醒状態を維持させます。

人間は深部体温が高い時に活動的になり、深部対応が低下した時には活動が下がります。人間の体温は睡眠中が最も低くなり、起床後の朝と夕方に高くなります。夜になると体温がさがり、この体温の勾配により眠気が生じます。

人間の体内時計は24時間より少し長く、太陽や強い光により体内時計がリセットされます。光を浴びると睡眠ホルモンのメラトニンは分泌が止まり、光を浴びた14~16時間後に再び分泌が始まります。

睡眠中にもサイクルはあり、一晩にのうちに深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」を約90分周期で3~5回繰り返しています。

睡眠の前半はレム睡眠の時間が短く、後半に向けて一回ごとのレム睡眠の時間が徐々に長くなり、目覚める準備が整っていきます。

(※)厚生労働省ホームページ 「眠りのメカニズム」

ノンレム睡眠とレム睡眠の違い

ここから、この記事の本題であるノンレム・レム睡眠について解説します。

睡眠中のサイクルを形成するノンレム睡眠とレム睡眠には、それぞれ異なる特徴があります。それぞれの特徴は、以下の表のとおりです。

睡眠の種類眠りの深度急速眼球運動体の状態血圧・呼吸・脈拍
ノンレム睡眠深いない脳は休んでいるが筋肉の緊張は保たれている安定している
レム睡眠浅いある脳は休んでいないが筋肉は弛緩している変動している

ノンレム睡眠とレム睡眠について詳しく解説します。

ノンレム睡眠は脳が活動していない深い眠り

REM(レム)とは「急速眼球運動(Rapid Eye Movement)」のことで、ノンレム睡眠は眼球運動がほとんどない、深い眠りの状態をあらわします。

ノンレム睡眠は4段階にわかれており、睡眠の前半ではステージ3以上の深いノンレム睡眠が多くあらわれ、朝が近づくにつれてステージ2以下の浅いノンレム睡眠へと変化していきます。

また、ノンレム睡眠は脳と体の両方が休んでいる状態のため夢はほとんど見ませんが、体は軽い緊張状態が保たれており、血圧や呼吸、脈拍は安定しているところが特徴です。

睡眠の質を高めるためには、脳も体も休息した状態であるノンレム睡眠をしっかりと確保することが大切だといえるでしょう。

レム睡眠は脳が活動する浅い眠り

レム睡眠は急速眼球運動を伴った睡眠です。急速眼球運動がみられ、浅い眠りの状態です。

1回10~20分程度でノンレム睡眠の間にあらわれて、朝になるほどレム睡眠の時間が長くなります。

レム睡眠中は筋力が緩んでおり、体は休まっている状態ですが、脳は活動しているため夢を見ることもあります。そのほか、レム睡眠では交感神経の活動も見られるため、血圧や呼吸、脈拍も変動するのが特徴です。

ノンレム睡眠とレム睡眠の睡眠サイクルが持つ役割

ノンレム睡眠とレム睡眠の睡眠サイクルが持つ役割

睡眠は、脳と体のメンテナンスに重要な生理現象です。睡眠には主に以下のような役割があります。

  • 身体の疲労回復
  • 脳の休息
  • 記憶の整理と定着
  • 成長ホルモンの分泌など

睡眠の前半ではステージ3以上の深いノンレム睡眠によって集中的に脳の疲労を回復させています。

そのため、睡眠の質が低下してノンレム睡眠の状態をしっかりと確保できていない場合は、脳が休息できずに、目覚めが悪くなったり日中に倦怠感を伴ったりすることが多くなるでしょう。

また、ステージ3以上の深いノンレム睡眠時は、成長期における骨格形成や免疫力の向上など、さまざまな働きがある成長ホルモンも分泌されています。

一方、レム睡眠では体を休めながら、脳では日中に見たり覚えたりした情報を整理し、記憶として定着する作業が行なわれています。

このように、睡眠中はノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しながら1日の疲れを回復させると同時に、ホルモンの分泌や記憶の整理が行われ、私たちは翌日も健康に過ごすことができています。

そのため、健康的かつ活動的に日々の生活を送るためには、質の高い睡眠をとることが大切といえるでしょう。

すっきりと起きるための睡眠のとり方

ここまでノンレム睡眠とレム睡眠の重要性について紹介しましたが、朝にすっきりと目が覚めないのは睡眠時間が足りていない、もしくは睡眠の質が低下している可能性があります。

ここでは、質の高い睡眠をとるためのポイントを紹介します。

自分に必要な睡眠時間を確保する

朝すっきりと目が覚めないのは脳がしっかりと回復しておらず、まだ睡眠欲求が強い可能性があります。脳の疲労を回復させるためには、自分にとって必要な睡眠時間を確保しなければいけません。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針 2014」によれば、一般的な成人の平均睡眠は6~8時間となっており、この睡眠だとノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルを4~5回繰り返すことになります。

必要な睡眠時間は季節や加齢、体質などが影響し、人によって異なるため明確な基準はありませんが、自分に必要な睡眠時間がわからない方は、一般的に必要とされる6~8時間という睡眠時間を目安にすると良いでしょう。

起きるタイミングより睡眠の質を重視する

約90分周期に訪れるレム睡眠のタイミングで起きると目覚めが良いとする噂がありますが、睡眠の周期はさまざまな要素に影響を受けるため90分からずれることもあります。そのため、90分周期で起きたからといって必ず目覚めが良いわけではありません。

 起床のタイミングとしては、90分単位は参考にしても良いですが、おおよそいつも同じ時間に起き、光を浴びて体内時計をリセットする時間を変えないほうが脳や身体に負担はかけにくくなります。

自分に必要な睡眠時間を確保したうえで睡眠の質を高める意識を持つようにしましょう。

快眠するためには生活習慣を整えることも大事

ノンレム睡眠・レム睡眠の睡眠周期や睡眠時間を気にするのは大切ですが、睡眠の質を高めるためには生活習慣を見直すことも重要です。

睡眠にはホルモン分泌や自律神経など、人体のさまざまな機能が総動員されています。人体の機能は脳に備わった体内時計によって管理され、正常に働くものです。

生活習慣が乱れると体内時計も狂ってしまうため、規則正しい生活を心がけて、体内時計の周期を乱さなければ質の高い睡眠に繋がるでしょう。

生活習慣を整えるために日常で気を付けたいことには、主に以下のものが挙げられます。

  • 朝から太陽光を浴びる
  • 食事は一定の時間帯に3食きちんと食べる
  • 曜日に関係なく一定に就寝・起床する

また、睡眠の質を高めるためには、就寝前の行動も重要です。寝る前のスマホ操作やカフェインの摂取・喫煙は睡眠の質の低下を招く原因になるため、控えることをおすすめします。

田中奏多

田中奏多

東京TMSクリニック院長

スマホ操作はブルーライトにより、メラトニンが下がってしまった脳が覚醒してしまうため、眠る1,2時間前には手元から離すとよいかもしれません。

まとめ

睡眠のメカニズムは、覚醒力と睡眠欲求のバランスで作られており、睡眠中は深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠が約90分周期で交互に繰り返されています。

ノンレム睡眠とレム睡眠が交互に訪れるなかで、心身の回復や記憶の整理・定着などが行なわれるため、健康的な生活を送るためには、睡眠サイクルが整っていることが大切だといえるでしょう。

質の高い睡眠をとるためにも、日頃から生活習慣を整えて体内時計の周期を乱さない意識を持つように心がけてください。

この記事の監修者
田中奏多
田中奏多東京TMSクリニック院長
産業医視点からビジネスマン・ビジネスウーマンを支えております。 生薬ベースの漢方内科での経験を活かし、腹診を含めた四診から和漢・井穴刺絡などの東洋医学を扱い、ホルモン、生活習慣をベースに身体から心にアプローチする診療を担当。 米国マウントサイナイ大学病院へ留学、ハーバード大学TMSコースを修了。 TMSをクリニックへ導入、日本人に合わせたTMSの技術指導、統括を行っております。 著書『眠る投資 ハーバードが教える世界最高の睡眠法』など。
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