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2023.06.15 更新

【医師監修】睡眠時に胸が痛い場合は病気の可能性がある?原因や対処法・予防策を解説

【医師監修】睡眠時に胸が痛い場合は病気の可能性がある?原因や対処法・予防策を解説

睡眠時をはじめ、横になっている時に「胸が痛い」と感じると不安になることもあるでしょう。胸が痛くなる原因はさまざまですが、何らかの病気が潜んでいることもあるため、医療機関を受診したほうが良いケースがあります

また、ストレスによる心的要因によって胸が痛んでいる可能性もあります。このような場合は医療機関の受診に加えて、自分でも取り組める対処法や予防法を把握しておくことが大切です。

この記事では、睡眠中に胸が痛いと感じた時に考えられる病気や主な原因、対処法、予防法を解説します。胸が痛くて悩んでいる方や不安に感じている方は、ぜひ参考にしてください。

  1. 睡眠時など横になると胸が痛い場合は病気が潜んでいる可能性がある
  2. 胸が痛い場合に考えられる病気の具体例
  3. 胸が痛い場合は速やかに医療機関を受診する
  4. 睡眠時に胸が痛くなるのはストレスが原因の場合もある
  5. ストレスによって胸が痛い場合の対処法・予防策
  6. 安静に過ごす
  7. ストレスを解消し自律神経を整える
  8. 生活習慣を整える
  9. まとめ

睡眠時など横になると胸が痛い場合は病気が潜んでいる可能性がある

睡眠のために横になった時、胸が苦しい・痛いと感じる場合、心不全によって痛みが生じている可能性があります。

心不全とは、狭心症や心筋梗塞、高血圧、貧血、不整脈など、さまざまな病気が進行して、心臓のポンプ機能が落ちた状態の総称です。

横になると、心臓へ戻る血液の量が急激に増えます。ポンプ機能が低下した心臓では、その血液を再び体に送り出す力が足りず、息切れや胸の痛みを感じている場合があります。

心不全に至る血管に関係した疾患は、生活習慣の乱れが原因の一つとされています。特に喫煙や肥満、運動不足、ストレス、睡眠不足はリスクを高める傾向があるので、生活習慣を整え健康的な生活を送ることが大切です。

胸が痛い場合に考えられる病気の具体例

胸が痛いと感じる場合、心不全だけでなく以下の病気も考えられます。

胸が痛くなる病気胸が痛くなる原因
気胸何らかの原因で肺に穴が空き、痛みを生じる
胸膜炎ウイルスに感染し、胸の中で炎症が起きる
帯状疱疹肋骨付近に潜むウイルスの活性化により胸痛を感じる
逆流性食道炎胃酸が食道に逆流して炎症が起きる
胃潰瘍胃酸が増え胃の組織が溶かされて痛みを生じる

なお、上記の病気以外にも胸が痛くなる原因はさまざまであるため、自己判断での対処は避けましょう。

胸が痛い場合は速やかに医療機関を受診する

睡眠中や横になると胸が痛いと感じる時は、病気の可能性を考慮して、医療機関を受診することをおすすめします。

特に、以下の症状は緊急性が高い可能性があるため、早めに受診しましょう

  • 突然痛みに襲われた
  • 安静時も持続している
  • 背部や頸部の痛みを伴い、圧迫感を感じる
  • 冷や汗、嘔気、呼吸困難を伴う
  • 意識レベルの低下、しびれや麻痺を伴う

胸の痛みを感じていなくても「最近血圧が高くなった」「階段を上がると息が上がる」といった気になる症状がある場合は、一度医師に相談しましょう。

受診する科は症状によって異なりますが、主に循環器内科、呼吸器内科が挙げられます。内科を受診しても原因がわからない場合は、心療内科を受診するケースもあります。

何科を受診すれば良いのかわからない時は、かかりつけ医に相談するのも良いでしょう。

睡眠時に胸が痛くなるのはストレスが原因の場合もある

睡眠時に胸が痛くなるのはストレスが原因の場合もある

胸が痛む原因は病気や怪我だけでなく、ストレスが原因となっている可能性もあります。ストレスが胸の痛みを引き起こすのは、人間に備わっている「自律神経」の影響です。

自律神経は、内臓の働きや代謝、体温などをコントロールする役割を持っており、日中の活動時に優位になる「交感神経」と、リラックスした状態で優位になる「副交感神経」の2つの種類があります。

心臓の動きも自律神経の影響を受けるため、ストレスを感じると交感神経が活発になり、心拍数や血圧が上昇し、動悸が生じます。

夜に眠ろうと横になると、通常は副交感神経が働くために心拍数や血圧は徐々に落ち着きますが、ストレスの影響で自律神経のバランスが乱れてしまうと、正常な状態に戻りにくくなります。

その結果、横になっても交感神経が優位な緊張状態が続き、胸の痛みに繋がることがあるのです。

ストレスが原因の胸の痛みの場合も、圧迫感や息切れ、吐き気、腹痛、手足のしびれ、めまい、頭痛を伴うことがあります。ほかの病気との区別が難しいため、心配であれば医師に相談しましょう。

ストレスによって胸が痛い場合の対処法・予防策

前述したように、胸の痛みや圧迫感がある場合は、基本的に医療機関の受診がおすすめです。ただし、ストレスが原因の場合は、医療機関の受診に加えて、自分で取り組める対処法や予防策もあります。

主な対処法や予防策は、以下のとおりです。

  • 安静に過ごす
  • ストレスを解消し自律神経を整える
  • 生活習慣を整える

それぞれを解説します。

安静に過ごす

精神的または肉体的ストレスが過度にかかって胸が痛いと考えられる場合は、楽な姿勢になり、深呼吸して安静にしましょう。

ネクタイやベルト、ボタンで体が締め付けられているなら、締め付けているものを緩めて、以下のような姿勢をとると症状が和らぐ可能性があります。

  • 起き上がっているなら前屈みの姿勢になる
  • 寝ているなら仰向けで頭を高くし、膝を曲げた姿勢になる

ただし、狭心症のように、安静にすると一時的に症状が治まるケースもあるため、注意が必要です。特に、先ほど解説した緊急性が高い可能性のある症状を伴う場合は、ストレス以外の原因が疑われるため、速やかに医療機関で受診するようにしましょう。

ストレスを解消し自律神経を整える

ストレスによる自律神経の乱れが睡眠中の胸の痛みの原因となっている場合は、日頃からストレス解消法を取り入れて自律神経を整えることで、予防できる可能性がありますストレスを溜めないための行動には、以下のものがあります。

行動内容
暴飲暴食を避ける暴飲暴食でストレス解消するのではなく、食事を楽しみ気分転換を図る。
ゆっくり湯船に入浴する38℃のぬるめのお湯に25分~30分ほど浸かり、リラックスする。就寝直前の入浴は避ける。
適度な運動をするストレッチやウォーキング、ジョギングなど、太陽の下で適度な運動を行う。
リラックスできる時間を作る読書や映画鑑賞、スポーツ、ゲームなどで気分をリフレッシュする。

生活習慣を整える

生活習慣を整えると、胸の痛みの原因となる病気の進行や再発を予防できます。生活習慣を整えるおすすめの方法は以下のとおりです。

  • 塩分控えめのバランスが良い食事をとる
  • 適度な運動を取り入れる
  • 飲酒を控える
  • 便通を整える
  • 睡眠の質を高める
  • 禁煙する

胸の痛みだけでなく、生活習慣病や睡眠障害などの対策としても有効なため、積極的に取り入れましょう。

まとめ

睡眠時や横になっている時に胸が痛いと感じる場合は、心臓や肺、食道や胃などに病気が潜んでいる可能性や、ストレスなどの心的要因が原因の可能性もあります。

自分で原因を突き止めるのは難しいため、気になる症状がある時は早めに医療機関を受診しましょう。

また、ストレスを解消したり生活習慣を整えたりするなど、日頃の生活にも気を配ることが大切です。

記事内で紹介した対策方法や予防方法を取り入れながら、胸の痛みの改善を目指しましょう。

なお、胸以外の睡眠時の痛みについても、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひこちらもご一読ください。

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【医師監修】背中が痛む原因を知りたい!痛みの種類やセルフケア方法を具体的に紹介
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この記事の監修者
三井愛
三井愛総合高津中央病院 医師
総合高津中央病院内科常勤医。主に呼吸器疾患全般と救急医療を担当。地元・川崎市の皆様の健康のため、患者様とご家族に寄り添いながら毎日診療に奔走。休日は27年の登山歴を活かし、かながわ山岳ガイド協会所属登山ガイド・長野県認定信州登山案内人として活動中。医師としてガイドとして、山に登りたい患者様を外来から山の中までサポート。
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