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2023.10.11 更新

【医師監修】二度寝は健康に悪い?体に与える影響や予防方法などを解説

【医師監修】二度寝は健康に悪い?体に与える影響や予防方法などを解説

朝の寝覚めが悪く、二度寝をすると日中の活動に支障をきたす場合があります。そのため、二度寝が健康にどのような影響を与えるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

二度寝を予防するには、具体的な対策を知って、日頃から実践することが重要です。

この記事では、二度寝が健康に与える影響や二度寝する時に気をつけたいことのほか、予防策も紹介します。二度寝の影響やすっきり起床する方法が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

  1. 二度寝は健康に良いとも悪いともいえない
  2. 二度寝が健康に与える影響
  3. 起きても眠気がある時の対処法
  4. 二度寝は「1度だけ」かつ「短時間」にする
  5. 二度寝はしないで昼寝をする
  6. 二度寝を予防する方法
  7. 生活リズムを一定にする
  8. カーテンを開けて太陽光を浴びる
  9. 就寝前の過ごし方に気を付ける
  10. 就寝環境を整える
  11. 二度寝防止アプリを使う
  12. 二度寝を予防して健康に過ごそう

二度寝は健康に良いとも悪いともいえない

「二度寝は健康に良いのか?」という疑問への結論は、「ケースバイケース」となります。二度寝は健康に必ずしも良いとも悪いともいえず、状況によって異なります。

例えば、何度も寝たり、長時間二度寝したりすると、体内時計の乱れにより体のだるさを引き起こすかもしれません。そのため、このような二度寝は体に悪い影響を与えます。

一方で、5分~20分程度の比較的短時間の二度寝をすると、ストレス耐性や血圧・血糖値の上昇に影響を与えるコルチゾールが分泌され、起床しやすくなります。

つまり、二度寝は長時間だと体に悪い影響を与え、短時間だと逆に良い影響を与えます。

なお、二度寝の原因について詳しく知りたい方は、下記記事をご覧ください。

二度寝
【医師監修】二度寝をしてしまう方必見!原因から対処法まで具体的に解説
高島雅之

高島雅之

たかしま耳鼻咽喉科院長

コルチゾールは抗炎症および免疫抑制など、生体にとって必要なホルモンですが、ストレスに対し分泌が増えることからストレスホルモンとも呼ばれています。睡眠中は起きる2時間ほど前から分泌が増え、朝起きるための体の活動準備を促しています。

二度寝が健康に与える影響

長時間または何度も繰り返す二度寝は体内時計に影響を与えます。体内時計とは、生物に備わっている約24時間周期のリズムのことで、夜になると眠気が増すのは体内時計の影響です。

長時間の二度寝は、普段なら起きている時間に寝ていることとなり、睡眠のリズムが崩れ体内時計が乱れます。

二度寝によって体内時計が乱れると、夜の睡眠の質が低くなる可能性があるため注意が必要です。体内時計の乱れや睡眠の質の低下は、次のような影響を与えます。

  • 生活リズムの乱れ

  • 疲労の蓄積
  • 成長ホルモンの分泌量の減少
  • 脂肪の燃焼効率が悪化
  • 日中の眠気
  • 集中力の低下

体内時計の乱れにより起床時間や就寝時間が遅くなると、その後の生活リズムそのものが崩れてしまい、日常生活に悪影響を与えます。

体内時計が乱れると自律神経も上手く作用しなくなるため、疾病のリスクが高くなることも懸念点です。

体内時計が乱れるほか、疾病のリスクが高くなるなどのデメリットが多いため、長時間の二度寝はなるべく避けましょう。

高島雅之

高島雅之

たかしま耳鼻咽喉科院長

多くの場合、慢性的な寝不足が休日などの二度寝の原因となることが多いと考えられます。二度寝をしないといられないような慢性的な睡眠不足が長年継続すると、認知症の発症リスクが早まったり、生活習慣病やガンのリスクも高まったりするとされています。

起きても眠気がある時の対処法

一旦起きても眠気があって「寝たい」と感じることはあります。しかし、そのまま眠ってしまうと長時間の二度寝に繋がる恐れがあるため、次の対処法を試してください。

  • 二度寝は「1度だけ」かつ「短時間」にする
  • 二度寝はしないで昼寝をする

上記、起きても眠気がある時の対処法を順番に解説します。

二度寝は「1度だけ」かつ「短時間」にする

一旦起きてどうしても眠たい時は、適切な方法で二度寝をするのも選択肢の一つです。

1度だけ」かつ「短時間」の二度寝をとることで、眠りが深く起きづらいノンレム睡眠からレム睡眠に移行すると、すっきりと目覚められる可能性があります。そのため、起きても眠気がある時は、20分以内を目安に短時間の二度寝を、何度も繰り返さずに1度だけ取ってみましょう。

短時間の二度寝をとる時は、二度寝の仕方を工夫すると良いです。例えば、カーテンを開けて寝室を明るくする、5~20分後に鳴るように目覚ましや睡眠アプリをセットするなどの方法を行うと、二度寝が短時間で収まります。

1~2時間にも及ぶ長時間の二度寝や、二度寝を何度も繰り返すと、かえって目覚めが悪くなるため気を付けてください。二度寝したらなかなか起きられない方は、上記のような対策を講じてから二度寝をしましょう。

二度寝はしないで昼寝をする

起きてすぐに二度寝をせず、昼寝する方法もおすすめです。昼寝をすると、集中力や注意力の向上も期待できます。

昼寝をとるなら、早めの時間帯が良いでしょう。夕方以降の昼寝は夜に寝付きを悪くするなどの影響が出る可能性もあります。

また、昼寝の時間は長時間ではなく、15~30分程度の短時間にしましょう。長時間の昼寝は深い眠りのノンレム睡眠となる可能性があり、目覚めが悪くなるためです。

職場で昼寝をとるケースのように周囲の音や光が気になる場合は、耳栓やアイマスクを使う策もあります。時間に余裕がある方は、適切なタイミングに適度な時間の昼寝を試してください。

高島雅之

高島雅之

たかしま耳鼻咽喉科院長

人の体内時計は約25時間ですが、その半分の約12時間の時にも眠気を感じ、それが昼食後の時間帯になります。よって15時までの昼寝によって、午後の眠気は軽快することが多く、学習や作業の効率が高まり、気分の落ち込みも軽減が期待できます。

二度寝を予防する方法

二度寝の予防には生活習慣を整えることが大事

短時間の二度寝であれば、決して悪いことばかりではありません。

しかし、起きられずに長時間寝てしまうと体内時計が乱れ、健康へのリスクが高まる可能性があります。そのため、二度寝をなるべく避けたい、あるいは止めたいと考える方もいるのではないでしょうか。

二度寝せずにすっきりと目覚めるためには、次のような対策を行う必要があります。

  • 生活リズムを一定にする
  • カーテンを開けて太陽光を浴びる
  • 就寝前の過ごし方に気を付ける
  • 就寝環境を整える
  • 二度寝防止アプリを使う

上記の対策を順番に解説します。

生活リズムを一定にする

生活習慣を整えるために、生活リズムを一定にしましょう。生活リズムを整えるために重要なのは、食事のタイミングと起床・就寝のタイミングです。

バランスの良い食事をしっかりと摂り、毎日一定の時間帯に食事・就寝・起床をする生活を送っていれば、自然と生活リズムは一定になります。

翌日が休みだからといって夜更かしはせず、普段どおりの生活リズムを保つことが大切です。

また、睡眠と覚醒のバランスは体内時計や昼間の活動量などによってコントロールされています。毎日一定の時間帯に就寝・起床すれば体内時計が整いやすくなるため、休日でも平日に比べ2時間以上寝すぎないよう注意しましょう。

さらに、昼間の十分な活動も重要な意味を持ちます。「活動する・しない」のメリハリが無いと疲労感による睡眠欲求は高まらず、体内時計も乱れやすくなり、昼夜逆転などがよく起こります。

カーテンを開けて太陽光を浴びる

体内時計は太陽光のような強い光を浴びるとリセットされます。

朝、目が覚めたらカーテンを開けて太陽光を浴びることで、体内時計がリセットされ夜に自然と眠気が促されるでしょう。

また、朝の時間に余裕があるならば、軽めのジョギングウォーキングを行うのもおすすめです。外で行えば太陽光を浴びられるうえに、適度な運動は睡眠の質を高められます。

就寝前の過ごし方に気を付ける

就寝前の行動は、睡眠の質に大きく影響を与えます。睡眠の質が低くなると寝不足になり、二度寝したり予定した時間に起きられなかったりするなど、体内時計が乱れる原因になるため注意しましょう。

就寝前に避けたほうが良い主な行動は、以下のとおりです。

  • スマホ操作
  • カフェインやアルコールの摂取
  • 喫煙
  • 食事
  • 就寝前の入浴

ただし、入浴は就寝の約60~90分前までなら、深部体温の上下によって自然な眠気を促す効果が期待できます。

高すぎる湯温は目を覚ます原因に繋がるため、適度な温度でゆっくり入浴することがおすすめです。例えば、38℃のぬるま湯に約25~30分程度浸かるのを目安にすると良いでしょう。

もし、時間が取れない場合は、40℃くらいのお湯に15分ほどしっかり浸かる方法もおすすめです。

就寝環境を整える

睡眠の質を高めるためには、生活リズムを一定にしたり、就寝前の行動に気を付けたりするだけでなく、就寝環境を整えることも重要です。

まず、枕やマットレスは寝姿勢が崩れず、自分の体に合っているかを見直しましょう。自分の体型に合う高さの枕や、適度に反発力があって寝返りが打ちやすいマットレスが理想です。

また、睡眠に最適な寝室環境を整えることも大切なので、温度や湿度にも気を配ってください。就寝時に推奨される寝室の環境は、以下のとおりです。

寝室環境睡眠に最適な状態
温度夏場は25℃〜26℃、冬場は22℃〜23℃
湿度通年50%〜60%
音環境騒がしい空間は避けて静かな空間を作る
照明明るい照明は消す

照明は暗いほうが入眠を促すメラトニンが分泌されやすくなり、質の高い睡眠に繋がるので、消すか足元灯などのわずかな明かりのみにしましょう。

二度寝防止アプリを使う

睡眠の深さを感知して、浅い睡眠の時に起こしてくれるアプリが開発されています。

睡眠が浅いタイミングで起こしてくれるため、二度寝をせずにすっきりと起きられるでしょう。

スマホやウェアラブル端末によっては、目覚まし機能などのヘルスケアアプリが搭載されている場合があるため、それらを試すことおすすめです。

二度寝を予防して健康に過ごそう

二度寝の仕方によって健康に与える影響が異なります。短時間の二度寝は目覚めが良くなるほか、ストレスへの耐性が高くなる効果も期待できます。

ただし、短時間の二度寝と決めていても必ず起きられるとは限りません。そのため、二度寝の可否を考えるより、二度寝が必要なくなるように予防し、睡眠の質を高めることが重要です。

二度寝を予防するために、「朝からカーテンを開けて太陽光を浴びる」「入浴は就寝の約60~90分に済ませる」「二度寝防止アプリを使う」など、取り組みやすいことから実践してください。

この記事の監修者
高島雅之
高島雅之たかしま耳鼻咽喉科院長
たかしま耳鼻咽喉科・内科 院長。耳鼻咽喉科医。睡眠時無呼吸を中心に睡眠医療を展開。睡眠のとりかたや大切さなど地域での講演等、啓発活動にも積極的に取り組んでいる。テレビやラジオなどメディアでも色々なジャンルにおいて医療情報を発信。著書に「専門医が教える鼻と睡眠の深い関係 鼻スッキリで夜ぐっすり」があり、Amazonのカテゴリー7つで1位を獲得。日本耳鼻咽喉科学会専門医・日本睡眠学会専門医・日本禁煙学会認定指導医として活躍。
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