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2023.08.14 更新

【医師監修】寝言をいう原因・よくいう人の特徴は?改善方法もわかりやすく解説

【医師監修】寝言をいう原因・よくいう人の特徴は?改善方法もわかりやすく解説

これまでに寝言をいった経験がある方の中には、なぜ人は寝言をいうのか気になっている方も多くいるでしょう。

場合によっては、「寝言をいう人は病気なの?」「家族が寝言で暴言を吐いて怖い」など、寝言についての不安を抱えているかもしれません。

そんな不安を解消するために、この記事では、寝言をいう原因をはじめとして、どのような人が寝言をいいやすいのか、寝言で発する言葉は本性なのかなど、寝言でよくある疑問について解説していきます。

寝言を発する場合の対処法も紹介するので、寝言が気になっている方はぜひ参考にしてください。

  1. 人が寝ている時に寝言を発する理由を解説
  2. 寝言をいう人の特徴
  3. 寝言は睡眠時随伴症の一つ
  4. 睡眠時随伴症にはどんな現象がある?
  5. ノンレム睡眠の時に起こる現象
  6. レム睡眠の時に起こる現象
  7. 寝言を改善する方法
  8. 食生活を見直す
  9. ストレスを解消する
  10. 生活リズムを一定に保つ
  11. 寝室の環境を整える
  12. まとめ

人が寝ている時に寝言を発する理由を解説

はじめに、なぜ人は寝言を発するのかについて確認していきましょう。

寝言を発する原因としてさまざまなことが考えられますが、主に挙げられるのは以下の5点です。

  • ストレス
  • 食生活
  • 睡眠不足
  • 病気

まず考えられるのは、「布団が重くて寝づらい」「仕事が大変」など、心身のストレスの影響を受けて寝言を発するケースです。

もし過去に極度のストレスを受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患っている場合には、悪夢の影響が寝言にあらわれている可能性もあります。

次に考えられるのが、就寝中に見ている夢に関連した寝言を発しているケースです。睡眠には、脳の情報を整理する「レム睡眠」と、脳や体を休める「ノンレム睡眠」という2つの種類があり、このうち夢を見やすいレム睡眠中に寝言を発しやすいといわれています。

このほか、アルコールやカフェイン摂取によって眠りが浅くなっている場合や、睡眠不足で眠れず脳が活動的になっている場合も寝言を発しやすい状態の一つです。

もし、てんかんの発作や睡眠時無呼吸症候群などの病気を患っている場合、低いうめき声のような音を出すことがあります。

寝言を発しながら体が痙攣する、毎日うなされているといった場合には、何らかの病気である可能性もあるため、医師に相談することをおすすめします。

名倉義人

名倉義人

新宿ホームクリニック 理事長・院長

寝言はストレスや飲酒、睡眠不足が原因であることが多いですが、そのほかに病気の疑いもあります。寝言が毎日のように継続する場合には、身体的異常がないか、内科の医師に診てもらいましょう。

寝言をいう人の特徴

寝言を発する原因が理解できたところで、どのような特徴をもつ方が寝言を発しやすいのかについても見ていきましょう。

寝言を発しやすい傾向があるのは、主に以下に挙げる人です。寝言を発することが気になっている方は、自分が当てはまっているか一度チェックしてみてください。

  • 生活習慣が乱れている人
  • 過度な疲労を感じている人
  • ストレスを抱えており、いいたいことがいえていない人
  • 寝る前にアルコールやカフェインを過度に摂取する習慣のある人

一般的に寝言を発しやすいとされているのは、心身に強いストレスを受けている人や、生活習慣の乱れがある人などです。

また、今までに身近な人の寝言を聞いて「普段の穏やかな様子に反して、強く怒ったような寝言を発していて、それが本性なのか?」と心配になった経験がある方もいるかもしれません。

怒ったような寝言は本人の意思とは関係なく、夢の中で起こった出来事に対する発言の可能性が考えられます。また、レム睡眠中は誰でも寝言を発しやすくなる状態なので、普段我慢していることやストレスが寝言として出ているのかもしれません。

日中であれば抑制できることでも、睡眠中は理性が働かないため抑制できなくなります。寝言がすぐに治まって本人が苦しそうでなければ、寝言の内容については心配しなくて良いでしょう。

ただし前述のとおり、レム睡眠行動障害の症状として怒鳴り声の寝言があらわれる場合もあるため、気になるのであれば医療機関を受診して適切な診断を受けることをおすすめします。

名倉義人

名倉義人

新宿ホームクリニック 理事長・院長

特定の寝言に対する受診基準はありませんが、怒鳴り声などの寝言が継続的にでるようであれば、一度内科の医師に診てもらいましょう。

寝言は睡眠時随伴症の一つ

寝言は、就寝中に寝ぼけた行動を起こす「睡眠時随伴症(すいみんじずいはんしょう)」の一つです。睡眠時随伴症の具体的な例としては、寝言・ねぼけ・おねしょ・睡眠時遊行症・歯ぎしりなどが挙げられます。

おねしょなど小児期のみに見られるものは、さほど大きな問題には繋がらないケースも多いです。しかし、極度に異常な行動を取るなど、場合によっては治療が必要となる場合もあるため気を付けなくてはなりません。

睡眠時随伴症にはどんな現象がある?

睡眠時随伴症を発症すると、どのような現象が起こるのでしょうか。睡眠時随伴症が起こるタイミングは大まかに以下の2種類に分けられ、タイミングによって起こる現象も異なります。

  • ノンレム睡眠の時に起こるもの
  • レム睡眠の時に起こるもの

この項目では、それぞれの内容について詳しく解説します。

ノンレム睡眠の時に起こる現象

ノンレム睡眠とは、深い眠りで脳や体を休めている状態を指します。脳や自律神経は休んでいますが、体の筋肉は完全には緩んでいません。

ノンレム睡眠の時に起こる代表的な睡眠時随伴症には、睡眠時遊行症(夢遊病)睡眠時驚愕症(夜驚症)があり、どちらも小児期に多く見られます。

睡眠時遊行症(夢遊病)とは、睡眠中の人が無意識で歩き回る現象のことです。就寝環境を整えるなどして睡眠トラブルへの対策を行うのが基本ですが、治らない場合は薬剤による治療を行うこともあります。

睡眠時驚愕症(夜驚症)は、睡眠中に恐怖で叫んだり起き上がったりする現象です。子どもの場合は親が安心感を与えることで改善に向かうケースがありますが、成人の場合は薬物療法などが行われることもあります。

レム睡眠の時に起こる現象

レム睡眠とは、浅い眠りで脳の情報を整理している時の睡眠の種類を指します。脳や自律神経は活動していますが、体の筋肉は緩んだ状態です。

レム睡眠の時に起こる代表的な睡眠時随伴症にはレム睡眠行動障害があり、この病気は高齢の男性に多く見られます。

レム睡眠行動障害とは、レム睡眠中に寝言を発したり異常な行動を起こしたりする現象です。例えば、怒鳴る・殴る・蹴るといった乱暴な動きをすることがあります。

レム睡眠行動障害はレビー小体型認知症やパーキンソン病と関連する可能性もあるため、症状が気になる方は医療機関を受診して適切な診断を受けましょう。

寝言を改善する方法

寝言を言う時に実践したい3つの対策

ストレスや夢によって寝言を発している場合は、日常生活を正して睡眠の質を高めることから始めていきましょう。

睡眠の質を高めるためにすぐに実践できる対策として、以下4つを紹介します。

  • 食生活を見直す
  • ストレスを解消する
  • 生活リズムを一定に保つ
  • 寝室の環境を整える

家族から「毎日寝言をいっている」「寝言がうるさくて困る」などと指摘されて寝言を改善したいと思っている方は、ここからの内容をぜひ参考にしてください。

食生活を見直す

健康的な生活を送って心地良く眠るためにも、バランスの取れた食生活を心がけましょう。

胃腸に負担を与えないように、夕食は就寝する約3〜4時間前までに済ませることをおすすめします。夕食後は、睡眠を妨げる恐れがあるアルコールやカフェインの摂取はできる限り控えてください。

食事をとる時間がバラバラで不規則な生活が続くと、体内時計のリズムが崩れて睡眠の質が低下する可能性があるため、3食規則正しく食べることが大切です。

忙しくて時間がないから朝食を食べない」という方もいるかもしれませんが、朝食には体内時計をリセットする役割があります。体のリズムを整えるために、簡単なものでも良いので朝食を食べるようにしましょう。

ストレスを解消する

ストレスによって寝言を発している方は、不安や心配事などのストレスを溜めないようにすることも重要です。ストレスを受ける環境から逃れられない場合には、溜まったストレスを上手く解消させるよう努めてください。

ストレスを解消させる方法は何でも構いません。例えば、眠る前にアロマを焚いてリラックスする、読書や音楽を楽しむなど、気分転換になるものを生活に取り入れると良いでしょう。

また、ウォーキングやヨガなど、適度に体を動かす習慣をつけると、リフレッシュできるうえに、ほど良い疲れが睡眠を促してくれるためおすすめです。ストレスや不安で心が落ち着かない方は、瞑想をすることも効果があると考えられています。

生活リズムを一定に保つ

睡眠の質を高めるためには、起床後の行動や就寝前の行動を中心に、日々の生活習慣を整えることも大切です。

まず、朝起きたら太陽の光を浴びて、生体リズムを整えましょう。

地球の周期は1日24時間ですが、人の体内時計の周期は約25時間といわれており、この約1時間のずれが生体リズムのずれにも繋がります。太陽光には体内時計を調整する役割があるため、朝から意識して太陽光を浴びると良いです

夜は寝る前にパソコンやスマホなど、画面が明るいものを触らないようにしましょう。画面から出る強い光によって脳が興奮し、寝付けなくなるうえに睡眠の質の低下にも繋がる可能性があります。

また、「平日はゆっくり寝られないから、休日に多く睡眠を取りたい」という方でも、平日の睡眠時間との差は1〜2時間程度にするのがおすすめです。寝だめでは睡眠負債が解消されないばかりか、睡眠リズムが崩れることも考えられます。

安定した睡眠リズムを保つためにも、できるだけ毎日同じ起床時間と就寝時間になるように心がけてください。仕事で不規則になることが多い方も、できることから取り入れてみましょう。

寝室の環境を整える

寝室の環境が整っていないと、眠りが浅くなってしまう可能性があります。睡眠の質を高めるためには、快適な温度・湿度を保つなど、寝室の環境を整えることも大切です。

温度・湿度に加えて、音や光にも気を配ると良いでしょう。外の音はできるだけ遮断し、照明も暗くすることで、快眠できる環境に整えることができます。

睡眠の質を高めるための環境の作り方について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

睡眠環境
快適な睡眠環境作りを行って熟睡しよう!簡単に取り組める改善策など紹介

まとめ

寝言は、ストレスや生活習慣の乱れによって引き起こされることが多くあります。また、見ている夢に反応して言葉を発しているケースも考えられるでしょう。

ストレスや生活習慣が原因となって寝言を発しているのであれば、ストレスを溜めずに安心して眠れる環境を整えることが大切です。

家族や友人に寝言を指摘されて気になっている方は、この記事で紹介した睡眠の質を高める対策を生活に取り入れてみましょう。

また、すぐに治まる寝言は問題ありませんが、寝言をいいながら体が痙攣する、毎日うなされるといった場合には病気の可能性があります。このような症状が気になるのであれば、専門の医師に相談して指示を仰ぐようにしてください。

この記事の監修者
名倉義人
名倉義人新宿ホームクリニック 理事長・院長
新宿ホームクリニック 理事長・院長。名古屋市立大学医学部卒業後、春日井市民病院で救急医療に従事。東京女子医科大学病院 救急救命センターに4年間勤務し専門医を取得。東戸塚記念病院で勤務。新宿ホームクリニック開院。当院では病気になってから治療を行うのではなく、日ごろからの健康管理によって病気を予防していく “予防医療”に力を入れています。
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