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2023.07.13 更新

【医師監修】寝落ちしてしまう原因は?弊害や回避するための方法も解説

【医師監修】寝落ちしてしまう原因は?弊害や回避するための方法も解説

寝落ちしてしまうことが多く、その原因について知りたいと思っている方もいらっしゃると思います。

寝落ちしてしまうと、その時行っている作業などが中断してしまうため困りものですが、それ以外にも弊害があります。

寝落ちしないようにするには、原因を把握したうえでの対策を心がけなければなりません。

この記事では、寝落ちする原因や寝落ちによる弊害、寝落ちしないための方法などを説明します。

  1. 寝落ちの状態とは
  2. 寝落ちする原因
  3. 睡眠不足
  4. 睡眠の質の低下
  5. 睡眠時無呼吸症候群などの病気
  6. 寝落ちする弊害
  7. 入浴ができなくなる
  8. 睡眠の質が低下する
  9. 自律神経のバランスが乱れやすくなる
  10. 寝落ちしないための方法
  11. ストレッチなどをして軽く体を動かす
  12. 規則正しい食生活を意識する
  13. 就寝時間の約90~120分前に入浴する
  14. 体に合った寝具を使う
  15. 温かい飲み物で体温を上昇させる
  16. 就寝前のアルコールやカフェインの摂取を控える
  17. アロマを焚いたり心地良い音楽を聴いたりしてリラックスする
  18. まとめ

寝落ちの状態とは

寝落ちの状態とは

寝落ちとは、何かを行っている最中にいつの間にか眠りに落ちてしまうことを指します。

回線の接続を切ることを「落ちる」と表現する言葉が語源で、「寝てしまったため、“落ちて”しまうこと」の略称が「寝落ち」です。オンラインゲームやSNS、電話などの最中に寝てしまう事象について言われるケースが多いようです。

言葉としてよく使われるようになったのは比較的最近で、特に若年層の間でよく用いられています。

寝落ちする原因

寝落ちしてしまう原因としては、「眠いのを我慢して夜更けまで通信をしている」「退屈で集中力が続かない」などが考えられます。そのほかに以下のような理由もあるでしょう。

  • 睡眠不足
  • 睡眠の質の低下
  • 睡眠時無呼吸症候群などの病気

それぞれの原因について、詳しく説明します。

睡眠不足

日常的に睡眠不足の状態が継続していると、肉体的にも精神的にも疲労が蓄積していきます。

この状態を「睡眠負債が溜まっている」と言います。

睡眠負債が溜まっている状態が続くと、覚醒状態を維持するのが難しくなり、寝落ちしやすくなります。

睡眠の質の低下

上述のように、睡眠不足は寝落ちの原因の一つです。

しかし、睡眠時間を確保できていれば寝落ちすることはないのかと言われると、そういうわけではありません。

睡眠の質が低下すれば、長時間寝ていても睡眠不足になってしまうことは十分あり得ます。

睡眠の質が低下してしまう理由としては、ストレス・ホルモンバランスの乱れ・自律神経の乱れなどが考えられます。

睡眠時無呼吸症候群などの病気

睡眠不足になったり睡眠の質が低下したりするのは、病気が原因の場合もあります。たとえば、睡眠時無呼吸症候群などです。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まることで体が酸欠状態になるため、睡眠が中断される病気です。

目を覚ました後でもあらためて眠ることはできますが、眠り始めると再び無呼吸の状態になるので、慢性的な睡眠不足の状態に陥ります。

また、睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や糖尿病といったさまざまな生活習慣病と密接に関連していることも知られています。

寝ている間の無呼吸にはなかなか気付きにくいため、多くの潜在患者がいると考えられている病気です。

寝落ちする弊害

寝落ちによる弊害としては、主に以下のようなことが挙げられます。

  • 入浴ができなくなる
  • 睡眠の質が低下する
  • 自律神経のバランスが乱れやすくなる

それぞれについて、以下で詳しく説明します。

寝落ちの頻度があまりにも高い場合は上述のように病気の可能性もあるので、医療機関を受診してみる必要があるということを、念頭に置いておきましょう。

入浴ができなくなる

寝落ちをするということは、寝る体制をきちんと整える前に眠りに落ちてしまうということです。

そのため、入浴する前に寝てしまうということも十分考えられます。

入浴は疲労を回復させるために重要なので、入浴しないまま寝てしまうことで疲れが取れにくくなるでしょう。

睡眠の質が低下する

寝落ちをする際は眠りに適した環境ではないことがほとんどなので、それが睡眠のを低下させる要因になります。

例として、「布団に入らず机に突っ伏して眠る」「音楽や音声を流しっぱなしで眠る」などが該当します。

また、入浴には、交感神経優位の状態から副交感神経優位の状態にさせる効果もありますが、入浴できないとその効果が享受できません。

自律神経のバランスが乱れやすくなる

寝落ちの習慣が付いてしまうと、自律神経のバランスも乱れやすくなります。自律神経が乱れると、疲れがなかなか抜けない、肩こり、頭痛、動悸、耳鳴りといったさまざまな体の不調に繋がります。

ストレスも溜まりやすく、睡眠の質も低下しやすくなるため、さらなる悪循環に陥ってしまうことも考えられるでしょう。

名倉義人

名倉義人

新宿ホームクリニック 理事長・院長

睡眠の時間も大切ですが、睡眠の質も同様に重要です。寝落ちをする際は眠りに適した環境ではないことがほとんどのため、睡眠の質を低下させてしまい、結果的に、自律神経の乱れに繋がります。

寝落ちしないための方法

寝落ちしないためには、まず「キリのいいところで作業をやめて、眠いのを我慢してまで続けないこと」が必要です。さらに、睡眠の質を高めることを意識すると良いでしょう。

睡眠の質を高めるための方法としては、主に以下のようなことが挙げられます。

  • ストレッチなどをして軽く体を動かす
  • 規則正しい食生活を意識する
  • 就寝時間の約90~120分前に入浴する
  • 体に合った寝具を使う
  • 温かい飲み物で体温を上昇させる
  • 就寝前のアルコールやカフェインの摂取を控える
  • アロマを焚いたり心地良い音楽を聴いたりしてリラックスする

眠る時間をあらかじめ決めておき、上記の行動を心がければ、入眠体制を整えられます。

それぞれの方法について、以下で詳しく説明します。

ストレッチなどをして軽く体を動かす

人の体は、温度が下がることで自然と眠くなるようになっています。普段は手足などの末端部分から熱を放出して温度を下げていますが、血行が悪いと上手く熱が放出されないため、不眠および睡眠の質の低下に繋がりやすいです。

足裏や手先といった末端部分のストレッチを行って血行を良くすることで、熱を上手く放出できるようになるので、質の高い睡眠をとりやすくなるでしょう。

規則正しい食生活を意識する

規則正しい食生活を心がけることも、睡眠の質を向上させるためには重要なポイントです。食事をとるタイミングにも注意を払う必要があり、寝る直前に食事をすると、食べたものを消化するために胃腸が活発に動いている状態で眠りにつくことになります。

胃腸が活発に動いている分、肉体が熟睡できない状態になり、睡眠の質が低下してしまいます。食べたものを胃腸が分解し終わるには約3時間が必要なため、寝る時間から逆算して夕食を食べる時間を決めると良いでしょう。

名倉義人

名倉義人

新宿ホームクリニック 理事長・院長

1日3食決まった時間に食事をすることをお勧めします。

1日1~2食の場合、基礎代謝が減るうえに、かえって1回の食事量が過多となりやすいため、生活習慣病や肥満症の原因になります。

1日4食以上の場合、一概に悪いわけではないですが、摂取カロリーが過多になってしまう場合が多く、結果的に生活習慣病や肥満症の原因になります。

食事の生活リズムを整えることで、生活習慣病の予防や睡眠の質を高めることに繋がります。

就寝時間の約90~120分前に入浴する

寝る直前の入浴は睡眠の質を高めるうえでは好ましくないため、就寝時間の約90~120分前の入浴を意識しましょう。

お湯の温度は38℃程度で、入浴時間は25~30分程度が理想的です。そうすることで副交感神経が優位になり、睡眠の質を高めることに繋がります。

熱いお風呂が好きな方もいますが、熱いお風呂に入ると交感神経が優位になるので、逆に眠りにくくなってしまう可能性があります。

42℃程度の熱めのお湯に浸かる場合は、入浴時間を短くすると良いでしょう。

体に合った寝具を使う

睡眠環境を見直して体に合った寝具を使うことも、眠りの質の向上に繋がります。

今利用しているものよりも自分に合った寝具を選ぶことで、熟睡できるようになるかもしれません。特に寝具の硬さ体圧分散性は睡眠の質に大きく影響するため、それらの点を意識して寝具選びを行いましょう。

以下の記事では、低反発・高反発マットレスについて詳しく解説しています。興味がある方はぜひチェックしてみてください。

マットレス 低反発 高反発
低反発・高反発マットレスの特徴やメリット・デメリット、選び方のポイントを解説

温かい飲み物で体温を上昇させる

温かい飲み物は、体の内側から一時的に体温を上昇させる作用があります。上述のように体温が下がるタイミングで眠気が自然と生じるため、睡眠前に温かい飲み物を飲むことは、睡眠のリズムを作るという点で効果的です。

ただし、カフェイン入りのものを飲むと目が冴えて眠りにくくなるので、白湯やカモミールティーといったノンカフェインのものを選ぶことが重要です。

就寝前のアルコールやカフェインの摂取を控える

アルコールは、神経に作用したり代謝によって尿意をもたらしたりする可能性があるため、睡眠前にお酒を飲むいわゆる「寝酒」は、控えることが賢明です。

また、先ほども少し触れましたがカフェインには覚醒作用があります。コーヒー・緑茶・チョコレートといったカフェインを含むものの摂取も、就寝の3〜4時間前からは控えるようにしましょう。

アロマを焚いたり心地良い音楽を聴いたりしてリラックスする

リラックスすると副交感神経が優位になるので、眠りにつきやすくなります。リラックスする方法は人それぞれのため、自分にあった方法を試してみてください。

ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かる、アロマを焚いたり好きな音楽を聴いたりするなどがおすすめです。

ただし、寝る直前に強い光を長時間見るという行為は、睡眠に悪影響を与える可能性が高いです。そのため、ゲームをしてリラックスするというのは、睡眠の質を高めるという観点からは好ましくありません。

まとめ

何かを行っている最中にいつの間にか眠りに落ちてしまう「寝落ち」は、眠いのを我慢して夜更けまで作業をしていると起こりやすいです。

場合によっては、睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因となっていることも考えられます。

寝落ちを防ぐために重要なことは、就寝時間を決めて入眠体制を整えることです。ストレッチなどで体を動かしたり、自分なりの方法でリラックスしたりして、睡眠の質を高めることを意識しましょう。

この記事の監修者
名倉義人
名倉義人新宿ホームクリニック 理事長・院長
新宿ホームクリニック 理事長・院長。名古屋市立大学医学部卒業後、春日井市民病院で救急医療に従事。東京女子医科大学病院 救急救命センターに4年間勤務し専門医を取得。東戸塚記念病院で勤務。新宿ホームクリニック開院。当院では病気になってから治療を行うのではなく、日ごろからの健康管理によって病気を予防していく “予防医療”に力を入れています。
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