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2023.07.13 更新

【医師監修】足が熱くて眠れないのはなぜ?考えられる原因や病気の可能性について解説

【医師監修】足が熱くて眠れないのはなぜ?考えられる原因や病気の可能性について解説

夜、寝る時に足が熱く感じて眠れない場合、「何が原因?」「もしかしたら病気?」など、不安に感じると思います。

足の熱さが原因で眠れないと翌日の活動にも悪影響を及ぼすため、可能な限り早急に改善させたいものです。

足が熱いと感じる原因はいくつか考えられるため、自身がどのケースに当てはまるのかを把握して、対処に努めましょう。

この記事では、就寝時に足が熱くなる原因や主に考えられる病気について解説します。眠れない時に心がけたい行動も紹介するので、就寝時に足が熱くなり、眠れなくて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

  1. 足が熱い時に考えられる主な原因
  2. 自律神経の乱れ
  3. 筋肉の疲労
  4. 体の冷え
  5. 足が熱くて眠れないのは病気の可能性もある
  6. 対処法を自己判断せずに医療機関を受診することが大切
  7. 眠れない方が知っておきたい快眠のための心がけ
  8. 規則正しい生活を送る
  9. 入浴して体を温める
  10. 就寝前にリラックスできる行動を取り入れる
  11. ストレッチをして緊張をほぐす
  12. 眠りやすい環境を整える
  13. まとめ

足が熱い時に考えられる主な原因

寝る時に足の熱さが気になる方は、主に足の裏が熱いと感じることが多いようです。足の裏が熱いと感じる原因はさまざま考えられますが、代表的な原因として以下の3つが挙げられます。

  • 自律神経の乱れ
  • 筋肉の疲労
  • 体の冷え

それぞれ解説します。

自律神経の乱れ

自律神経には、生命を保つために必要な機能を自動的に調整する働きがあります。血管の働きも自律神経に基づいているため、自律神経が乱れると、体温を調節する機能や血管を開閉する機能が正常に働かなくなり、足が火照ることがあるようです。

自律神経が乱れる原因は、ストレスや更年期、不規則な生活などさまざま考えられます。不規則な生活は自分で意識して改善できるケースもあるため、心当たりがある方は、一度ライフスタイルを見直すと良いでしょう。

筋肉の疲労

筋肉に疲労が蓄積すると足がむくみ、血行不良を招いて足が熱く感じることがあります。特に、激しい運動をする方や長時間立ち仕事をしている方は、足に負担がかかることで筋肉が疲労して、血行が滞りやすい傾向があるようです。

足に負担をかけた時はストレッチをするなどして、足全体の血液を循環させる工夫をしましょう。

体の冷え

エアコンの付けっぱなしや寒い環境で寝ているなど、体の冷えも足が熱いと感じる原因の一つです。

体が冷えると、防衛反応により熱を集めて冷えから守ろうとします。その結果、血管が収縮して血液が足に滞ってしまうため、血行不良になって足の熱さに繋がる可能性があります。

足が熱くて眠れないのは病気の可能性もある

夜、足が熱くて眠れないのは、何らかの病気が関係している可能性もあります。足が熱い時に考えられる主な病気として挙げられるのは、以下のとおりです。

  • 自律神経失調症
  • 糖尿病
  • 更年期障害
  • レストレスレッグス症候群
  • 足根管症候群

病気の原因には、精神的なものや年齢的なもの、ホルモンバランスの影響など、さまざまあります。

自分で病気を突き止めるのは難しいため、気になる症状があれば医療機関を受診して適切な診断を受けましょう。

対処法を自己判断せずに医療機関を受診することが大切

前述のとおり足が熱いと感じる原因は、自律神経の乱れや血行不良、何かしらの病気が関係している可能性など、多岐にわたります。原因を自分で判断するのは難しいため、対処法を自己判断せずに、気になる症状がある時は医療機関の受診をご検討ください。

受診する科は症状によって異なりますが、現在通院している医療機関がある方は、かかりつけの医師に相談するのも良いでしょう。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

医療機関を受診する場合、まずは内科を受診してください。

内科で診察をした結果、循環器内科や心臓血管外科、糖尿病・内分泌代謝内科、脳神経内科、婦人科、心療内科、精神科へ受診をすすめることもあります。

眠れない方が知っておきたい快眠のための心がけ

眠れない方が知っておきたい快眠のための心がけ

前述したように、足が熱くて眠れない状況が続く場合は、医療機関を受診して適切な診断・治療を受けることをおすすめします。

さらに、快眠するためには就寝前の行動や就寝環境、日頃の生活習慣を整えることも大切です。生活習慣を整えて快眠するためにも、以下5つのことを心がけましょう。

  • 規則正しい生活を送る
  • 入浴して体を温める
  • 就寝前にリラックスできる行動を取り入れる
  • ストレッチをして緊張をほぐす
  • 眠りやすい環境を整える

それぞれについて、詳しく解説します。

規則正しい生活を送る

睡眠には生活習慣が大きく影響します。生活習慣が乱れると体内時計が狂い、本来起きるべき時に起きられなかったり、寝るべき時に寝られなかったりする可能性があるため、規則正しい生活を送るよう努めましょう。

規則正しい生活を送るためには、きちんと食事をとったり、定期的に適度な運動をしたりすることが大切です。体内時計を整えるためにも、食事は1日3食毎日同じ時間帯に食べて、軽めの有酸素運動を習慣にしましょう。

また、体内時計は、太陽光のような強い光を浴びることでリセットされるため、朝起きたらカーテンを開けて、太陽光を浴びるのもおすすめです。朝から散歩をすると、太陽光を浴びながら適度な運動にもなるため、時間に余裕がある方はぜひチャレンジしてください。

入浴して体を温める

眠気は、体温が上がって下がる時に生じるため、就寝前に入浴して体を温めることで快眠に繋がりやすくなります。

就寝時間から逆算して約90~120分前に入浴すると血行が良くなり、体温も上がって睡眠の質が高まりやすくなるため、目安として覚えておきましょう。

また、入浴時間はお湯の温度によって変えることをおすすめします。お湯の温度と入浴時間の目安は、以下のとおりです。

  • 38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度
  • 42℃の熱めのお湯で5分程度
  • 半身浴なら約40℃のお湯で30分程度

なお、熱すぎるお湯に入るとかえって目が覚めてしまい、眠れなくなる可能性があるため注意しましょう。

就寝前にリラックスできる行動を取り入れる

睡眠に深く関わる「自律神経」には、日中に働く「交感神経」と、体を休める時に働く「副交感神経」という2種類があります。夜に自然な眠気を促すためにも、就寝時は、交感神経から副交感神経へと上手く切り替わることが大切です。

副交感神経はリラックスした状態の時に優位となるため、就寝前に以下のようなリラックスできる行動を取り入れてみましょう。

  • アロマやお香を楽しむ
  • 穏やかな音楽を聴く
  • 温かい飲み物を飲む
  • 軽い読書をする

一方、就寝前にスマホやパソコンを操作すると、ブルーライトの影響で目が覚める可能性があるため、注意が必要です。

例えば、就寝前に読書する際には電子書籍は避ける、布団の中でSNSを見続けないなど、ブルーライトを浴びないように気を付けましょう。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

市販のブルーライトカットのめがねや、画面保護シートの効果について気になる方もいるでしょう。

はっきりとしたエビデンスはありませんが、夜に強い光を浴びることで体内時計が狂い睡眠障害をきたす可能性があります。

ブルーライトカットの効果を過信せずに、夜にデジタル端末を操作するのはなるべく控えましょう。

ストレッチをして緊張をほぐす

就寝前にストレッチを行って、体の緊張をほぐすのもおすすめです。緊張した筋肉がほぐれて心身ともにリラックスできると、副交感神経が優位になって眠りやすくなります。

ここでは、寝る前にベッド上でできる簡単な全身のストレッチを紹介するので、ぜひお試しください。

  1. 仰向けに寝転がって両腕と両脚を伸ばす
  2. 上下に引っ張られるように背伸びした状態を保つ

これ以外にもさまざまなストレッチ方法があるため、自分がやりやすい方法を見つけてみましょう。

ストレッチは簡単に取り組めるうえに、腰痛や肩こりへの対策にもなります。そのため、就寝前だけでなく日中の空いた時間にも取り組むように習慣づけると良いでしょう。

眠りやすい環境を整える

快眠するためには、温度や湿度、使用する寝具など、自分にとって「眠りやすい」と感じる環境を整えることが大切です。

就寝中に使う寝具は、自分の体に合うものを選ぶと体への負荷が軽減されます。特に、就寝時の体や頭を支えるマットレスと枕の選び方にこだわることをおすすめします。

マットレスは、適度な反発力があり体圧分散性に優れていれば、スムーズに寝返りを打って体圧を分散でき、眠りやすくなるでしょう。さらに、吸放湿性に優れていると、寝汗による湿気を逃しやすく、就寝中の蒸れを軽減できます。

枕は、寝返りを打った時に頭が落ちて寝姿勢が崩れないよう、自分の頭3つ分ほどの余裕があるサイズを選びましょう。枕の高さは、高すぎても低すぎても寝心地が悪く感じやすいため、自分の体格に合うものを選んでください。

なお、寝具の選び方については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひこちらもご一読ください。

寝具 選び方
寝具の選び方を徹底解説!自分の体に合うマットレスや枕を使って快眠しよう
枕 柔らかい
柔らかい枕の種類とは?使うメリット・デメリットや選ぶ際のポイントも解説

また、寝室環境は、主に「室温・湿度・音・光」に気をつけることをおすすめします。理想的とされる寝室環境について、以下の表にまとめたので参考にしてください。

寝室環境内容
室温夏場は25℃〜26℃、冬場は22℃〜23℃
湿度通年50%〜60%
音・光テレビや音楽、明るい照明は消して落ち着いた環境を整える

なお、寝室の暑さや寒さの感じ方は、季節や使っている寝具によっても異なります。エアコンやヒーターなどの家電を使って調節するほか、季節に応じて寝具の素材を変える工夫を行うと、より快適に眠りやすくなるでしょう。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

寝室は広すぎず狭すぎず、快眠しやすい適切な大きさであることが大切です。

また、家具の配置等に不安的なものがないように、なるべくワークスペースとの兼用を避けるか、余計なものを置かずにくつろげる環境が望ましいです。

まとめ

寝る時に足の裏が熱いと感じる原因は、自律神経の乱れや筋肉の疲労、体の冷えなど、さまざま考えられます。足の裏が熱い状況が続くようなら病気の可能性も疑われるため、医療機関で医師の診察を受けましょう。

また、睡眠にはさまざまな要因が影響を与えるため、眠れない時は就寝前の行動や生活習慣を見直すことも大切です。

生活習慣を整える方法は、「規則正しい生活を心がける」「就寝前に入浴して体を温める」「ストレッチを行う」など、簡単にできることが多いため、まずは自分ができることから取り組んでみてください。

この記事の監修者
齋藤幹
齋藤幹さいとう内科・循環器クリニック院長
1996年北海道大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院にて内科研修。その後東京大学医学部付属病院(循環器内科)や専門病院での経験を経て、2019年に「さいとう内科・循環器クリニック」を開業。医学博士、内科認定医、総合内科専門医、循環器専門医・指導医、臨床研修指導医。
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