仰向け寝は背中全体で体重による負荷を支えますが、横向き寝は体の片側へ負担が集中するため、肩や首の痛みに繋がる可能性があります。
普段から横向き寝をしており、「肩が痛い」という症状に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、横向き寝で肩が痛くなる具体的な原因や対処方法について解説します。
肩の痛みを放置すると、体全体の歪みやそのほかの体調不良に繋がるリスクもあるため、痛みに悩んでいる方は快適に横向きで寝られる方法を理解しておきましょう。
横向き寝で肩が痛い原因
横向き寝で肩が痛い原因として、以下のようなものが挙げられます。
- 肩に負担がかかる寝姿勢であるため
- 横向き寝で「巻き肩」になっているため
それぞれの理由を詳しく解説します。
肩に負担がかかる寝姿勢であるため
前述のとおり、横向き寝は体の片側のみに負担が集中しやすく、肩が痛みやすい寝姿勢です。
横向きで寝ると、片側の肩が圧迫されて体の内側に入り込み、負担がかかります。内側に入り込む形になると、背骨と肩甲骨(けんこうこつ)を繋ぐ筋肉の間に離れていく外力が働き、常に引っ張られる状態になります。
その結果、筋肉の緊張状態が続いて筋肉が硬くなり、横向き寝による肩の痛みに繋がります。
腰痛持ちなどで「横向き寝のほうが楽」と感じる場合もありますが、横向き寝は肩へ負担がかかりやすい寝姿勢なので注意してください。
また、横向き寝の姿勢は、肩だけではなく首の痛みに繋がる場合もあります。横向き寝をする時は、頭から背骨にかけて真っすぐになった状態を保つことが理想的であるため、正しい姿勢で寝ていない場合は注意が必要です。
例えば、枕が高すぎたり低すぎたりする場合は、首が真っすぐにならずに捻れて、首の痛みに繋がると考えられるため、気を付けましょう。
横向き寝で「巻き肩」になっているため
横向き寝は、「巻き肩」の原因にもなりやすい寝姿勢です。
「巻き肩」とは、通常よりも肩の位置が前方へとスライドした状態のことで、上から見ると両肩が巻いたように見えることから「巻き肩」と呼ばれています。
「巻き肩」は病名ではなく姿勢のことを指しますが、放っておくと体のバランスが崩れやすくなります。その結果、以下のように心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
- 頭痛
- 腰痛
- 背中の痛み
- 自律神経の乱れ
巻き肩の原因として、横向き寝により肩が正常な位置からずれているケースや、猫背になっていたり、スマホやパソコンを見すぎたりすることなどが挙げられます。
ストレッチやヨガなどでセルフケアを行う対処法もありますが、症状がひどい場合には病院や接骨院などの専門機関への通院を検討しましょう。
巻き肩について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
不自然な横向き寝は肩以外の痛みに繋がる可能性もある
不自然な横向き寝を長期的に続けると、肩以外の痛みに繋がる可能性があるため注意が必要です。
横向き寝は体の片側に大きな負担がかかるため、背骨の曲がりや骨盤のねじれが起こりやすくなります。さらに、体の片側だけに圧力がかかり続けると、下になっている頬の筋肉が発達しやすくなり、歯並びに影響することもあります。
体にかかる負担を減らすためには、正しい姿勢で寝ることが大切です。横向き寝をする場合は背骨と床が真っすぐ平行になるように心がけ、背骨が曲がるなどの不自然な姿勢にならないように気をつけましょう。
横向き寝で肩が痛い時の5つの対策
横向き寝で肩が痛む症状を改善させたい場合、取り組める対処方法は主に下記の5つです。
- ストレッチをする
- 敷パッドやマットレストッパーを使う
- 抱き枕で負担を分散させる
- 横向き寝に向いているマットレスを使う
- 横向き寝に適した枕を使う
それぞれの対処方法を詳しく解説します。
①ストレッチをする
「巻き肩」のような筋肉の硬直によって起こる痛みの場合、ストレッチやマッサージで筋肉の硬直を緩和させることが大切です。
以下は、簡単でおすすめのストレッチ方法です。
- タオルを使ったストレッチ
- 椅子に座ったまま行えるストレッチ
「タオルを使ったストレッチ」は、仰向けで寝た時に、首の下に隙間が生じる場合に試してほしいストレッチ方法です。タオルを縦に丸めて首の下に入れ、ゆっくりと左右を見て首を動かしてください。首の筋肉がストレッチングされ、気持ち良く感じるでしょう。
「椅子に座ったまま行えるストレッチ」では、椅子に座った状態で、後頭部に手を当てる形で両手を組みます。そのまま、20回を目安に腕を前後に動かしてください。
両方とも場所を選ばず取り組めるストレッチなので、巻き肩による肩の痛みが気になる方は、ぜひ試してください。
また、筋肉が引っ張られることで肩に痛みが生じているケースもありますが、自分で痛みの原因を判断することは難しいと考えられます。痛みがつらい時には、無理せず医療機関を受診して、適切な指導を受けましょう。
②敷パッドやマットレストッパーを使う
厚めの敷パッドやマットレストッパーを使い、理想的な寝姿勢である「頭から背骨にかけて真っすぐになった状態」に調整することで、肩の痛みが軽減される場合があります。
敷パッドには、ひんやり、もしくは温かく感じる生地や素材もあるため、寝心地の改善にも繋がります。敷パッドでは厚さが物足りない場合、やや分厚いベッドパッドを選ぶこともおすすめです。
また、マットレストッパーは、体圧分散性の改善にも効果があります。そのため、肩に負担がかかることが避けられ、痛みの軽減に繋がるでしょう。
③抱き枕で負担を分散する
横向き寝をする際の工夫として、抱き枕の使用もおすすめです。
抱き枕を抱いて横向き寝をすると、体の側面に加えて抱き枕の面積の分も、マットレスや敷布団と接することになります。すると、体の側面のみがマットレスなどと接するケースと比べて、肩・腰などの部位にかかる圧力が分散されるため、体の一部へ負担が集中することを防ぐ効果が期待できます。
また、抱き枕だけでなく、パートナーやペットなど何かしらの人やものに抱きつくことで、心理的にリラックスできるといわれています。
リラックスしてストレスが軽減された状態で入眠できれば、睡眠の質を高めることにも繋がるでしょう。
横向き寝によって体の圧力が一部に集中していると感じる方は、抱き枕を有効活用してください。
④横向き寝に向いているマットレスを使う
前述のとおり、横向き寝は肩に負担がかかりやすい寝方といわれていますが、マットレスによってはその負担を軽減できることがあります。
横向き寝をする時は、硬すぎず柔らかすぎないマットレスが理想です。適度な硬さがあると寝返りがしやすくなり、体にかかる負担の軽減に繋がります。
⑤横向き寝に適した枕を使う
枕を変えることで、理想的な寝姿勢に正すことが可能です。寝姿勢が崩れて肩などの痛みが崩れている場合は、枕を見直すことも検討してください。
枕が高すぎたり低すぎたりしても負担がかかるため、理想的な寝姿勢を保てる枕を使用しましょう。波型形状の枕を選ぶと、横向き寝をすると生じる首とマットレスの隙間が埋まり、肩への負担軽減に繋がります。
なお、横向き寝に適した枕の選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
横向き寝に適したマットレスの特徴
横向き寝に向いているマットレスを選ぶ際は、主に以下のポイントに着目してください。
- 硬さ
- 体圧分散性
- 体を「点」と「面」どちらで支えるか
- 厚さ
それぞれ簡単に説明します。
①硬さ
横向き寝の方は、硬すぎず柔らかすぎないマットレスを選ぶことが望ましいです。柔らかすぎるマットレスは、体が沈み込んで「寝返り」が打ちにくくなる傾向があるため、適度な反発力があるものが良いでしょう。
寝返りは、就寝中の筋肉を緊張状態にしないために重要な生理現象です。体の一部に負担がかかり、血行不良になることを防ぐ効果があるため、寝返りを打ちやすい適度な硬さのマットレスを選ぶことが重要です。
②体圧分散性
横向き寝に合うマットレスを選ぶ時は、「体圧分散性」にも注目しましょう。
体圧分散とは、寝ている時に体にかかる圧力(体重による負荷)を分散させることを意味します。睡眠中の体重をマットレスに分散させることで、体の一部に負担が集中することを防ぎやすくなります。
横向き寝の場合は、仰向け寝の時よりも少ない面積で体を支えなければならないため、マットレスの体圧分散性はとても重要です。
③体を「点」と「面」どちらで支えるか
横向き寝に合うマットレスを選ぶ時は、体を「点」と「面」どちらで支えるのかも大切なポイントです。
使用する方の体を「点」で支える構造のマットレスは、体の曲線を細かいポイントで支えるため、前述した「体圧分散性」にも優れていておすすめです。
一方で、体を「面」で支える構造のマットレスは、沈み込みすぎる心配がなくなりますが、体圧が分散されにくいため、横向き寝の方にはおすすめしません。
④厚さ
最後に、横向き寝の方は、マットレスの「厚さ」にも注目してください。
これまで紹介したような「反発力」や「体圧分散性」に優れていても、マットレスが薄ければ床の硬さが体に伝わって「底付き感」を感じ、寝心地が悪く感じる可能性があります。
素材によっても異なりますが、基本的に厚さは10cm以上のものを選ぶことがおすすめです。
一定の厚さがあれば、睡眠時の姿勢も保ちやすいと考えられるでしょう。
NELLマットレスは、一般的なマットレスに使用されるコイル数の約2倍以上のポケットコイルを使用し、適度な硬さと優れた体圧分散性があるため、寝返りがしやすく綺麗な寝姿勢が得られます。
さらに厚さも全サイズ約21㎝あるので、底付き感も感じにくいでしょう。
NELLマットレスの詳細は、こちらから確認できます。
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四十肩や五十肩の場合は横向き寝が推奨される場合も
ここまで、横向き寝は体の痛みに繋がる可能性があるとお伝えしてきましたが、四十肩や五十肩の場合は横向き寝が推奨される場合もあります。
四十肩や五十肩は夜間に痛みが出やすいため、肩の痛みが気になって眠れない時は、痛みがある肩を上にして背中をクッションで支えましょう。加えて、腕が落ちるのを防ぐために、クッションや丸めた毛布を抱きかかえるようにして持つと良いでしょう。
対処方法を試しても肩が痛い場合は医療機関に相談しよう
この記事で紹介した対処方法を試しても痛みが改善しない場合は、早めに医療機関に相談しましょう。肩の痛みを感じる時は、整形外科の受診が一般的です。
肩の痛みは横向き寝だけが原因とは限らず、四十肩や五十肩などの可能性もあります。適切な診断と治療を受けて、早期回復を目指しましょう。
まとめ
普段、横向き寝をする方が肩の痛みを感じている場合、肩に負担がかかっていたり巻き肩になっていたりする可能性があります。
「巻き肩」は肩こりや頭痛、目の疲れ、自律神経の乱れなど心身へ悪影響を及ぼすリスクがあるため、痛みを感じたら早めに対処しましょう。
横向き寝は仰向け寝よりも少ない面積で体を支えるため、痛みを悪化させないためにも、自分の体に合うマットレスを選ぶことが重要です。
特に、体にフィットして体圧分散性に優れており、寝返りが打ちやすい適度な反発力があるマットレスがおすすめです。硬すぎる、もしくは柔らかすぎるものは避けて、スムーズに寝返りが打てるマットレスを選んでください。
マットレスの買い替えが難しい場合、敷パッドやマットレストッパーを取り入れることで、今あるマットレスを生かして対処ができます。また、横向き寝に適した枕で寝ることもおすすめです。
この記事で紹介した、横向き寝で肩が痛い場合の対処方法も参考に、快適な睡眠になるよう工夫してください。