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2022.12.20 更新

【医師監修】生理前になると眠れないのはなぜ?考えられる原因や対処法を紹介

【医師監修】生理前になると眠れないのはなぜ?考えられる原因や対処法を紹介

生理前特有の症状として、日中に襲ってくる眠気があることは広く知られています。しかし、なかには「生理前になると眠れずに困っている」という方もいるのではないでしょうか。

生理前の不眠は、普段の睡眠の質を高めることで改善できる可能性があります。この記事では、生理前に眠れなくなる原因や、睡眠の質を高める方法について紹介します。

  1. 生理前に眠れない主な原因
  2. 生理前に眠れない場合の対処法
  3. 規則正しい生活を心がける
  4. 寝る前にリラックスできる飲み物を飲む
  5. アロマを焚く
  6. 食事のメニューに工夫する
  7. 夕食は就寝3時間前に済ませる
  8. 湯船に浸かってリラックスする
  9. 睡眠環境を整える
  10. 習慣的に運動する
  11. 更年期障害が不眠の原因となっている可能性もある
  12. まとめ

生理前に眠れない主な原因

生理前の症状はさまざまですが、人によっては「寝つきが悪くなる」「眠りが浅く夜間に何度も目が覚めてしまう」「熟睡できない」など不眠に関する症状が起きる場合があります。

生理前になると眠れなくなる原因は正確には分かっていませんが、月経周期に伴うエストロゲンプロゲステロンという女性ホルモンの変化や、ビタミン不足、カルシウム不足が関係しているといわれています。

藤東淳也

藤東淳也

藤東クリニック 理事長・院長

生理前に眠れなくなることについて、PMS(月経前症候群)の症状がある人に睡眠の質が低下している人が多いということがわかってきています。

生理前に眠れない場合の対処法

生理前に眠れず悩んでいる方は、普段の睡眠の質を高めるように意識してみましょう。普段の睡眠の質を高めれば、生理前の不眠を緩和できる可能性があります。 睡眠の質は下記の方法で高めることができるので、ぜひ実践してみてください。

<睡眠の質を高める方法>
  • 規則正しい生活を心がける
  • 寝る前にリラックスできる飲み物を飲む
  • アロマテラピーをする
  • 食事のメニューに工夫する
  • 夕食は就寝3時間前に済ませる
  • 湯船に浸かってリラックスする
  • 睡眠環境を整える
  • 習慣的に運動する

規則正しい生活を心がける

睡眠の質を高めるためには、普段から規則正しい生活を送るように心がけましょう。規則正しい生活は、体内時計を調整するために重要です。

体内時計とは、睡眠のタイミングや生理的な活動を調節する役割を持つメカニズムのことで、人の体には必ず備わっています。

体内時計が正しく機能していれば、「朝に目が覚めて夜に眠気が訪れる」という健康的なリズムに沿って生活を送れます。しかし、体内時計が狂ってしまうと就寝のタイミングで眠気が訪れず、不眠に繋がる可能性があります。

体内時計は自分の力でコントロールできるものではなく、規則正しい生活によって正しいリズムに調整ができる仕組みになっています。体内時計を正しく機能させるためにも、規則正しい生活を送るように意識してください。

寝る前にリラックスできる飲み物を飲む

不眠に悩んでいる方のなかには「寝る前に考えごとをしてしまい、なかなか寝つくことができない」という方もいるでしょう。このように心身が緊張していると、眠れなくなる可能性があるため、就寝前はリラックスすることが大切です。

リラックス方法はさまざまですが、より手軽にリラックスしたい方は就寝前に飲み物を飲むことをおすすめします。ホットミルクやハーブティーなど、リラックスできる飲み物を就寝前に飲んでほっと一息つけば、心身の緊張も解けて眠りやすくなるでしょう。

ただし、カフェインやアルコールが入っている飲み物は、睡眠を妨げる要因となるので注意してください。例えば、ビールなどのお酒にはアルコールが含まれていますし、紅茶やコーヒー、エナジードリンクにはカフェインが含まれています。

就寝前はこれらの飲み物を避け、気分が落ち着くものを選ぶと良いでしょう。

アロマを焚く

アロマを焚く

不安やストレスが原因で眠れなくなってしまう場合は、アロマオイルを使ったアロマテラピーもおすすめです。心地良い香りに包まれるとリラックスできるのはもちろん、自然と呼吸も深くなり寝つきが良くなります。

アロマオイルと一口にいっても、その種類は数多くあります。お気に入りのアロマオイルがない方は、この機会に自分が好きな製品を探してみると良いでしょう。

食事のメニューに工夫する

より睡眠の質を高めたい方は、食事のメニューに気を配ることをおすすめします。特に「トリプトファン」「GABA」「グリシン」の3つは睡眠をとるために重要なアミノ酸です。

トリプトファンは、心身を覚醒させる作用があるホルモン「セロトニン」を分泌し、セロトニンは夜になると、人を休息モードに導く「メラトニン」に変化します。

それぞれのホルモンが不足せずにしっかり機能していれば、「朝にスッキリ目が覚めて夜には眠くなる」というサイクルに沿って1日を過ごせます。

また、リラックス作用があるGABA、体の深部体温を下げる効果を持つグリシンも快眠を手助けしてくれる重要な栄養素です。それぞれのアミノ酸を食事から摂取すれば、よりスムーズに入眠できるでしょう。

なお、生理前の不眠はビタミンやカルシウム不足の説もあるため、併せて摂取することをおすすめします。

藤東淳也

藤東淳也

藤東クリニック 理事長・院長

生理前に意識して摂取したい栄養素として、ビタミンでは特にB1・B2・B6・Dが効果があります。また、鉄を多く含む食材をこまめに摂ることもすすめられます。

夕食は就寝3時間前に済ませる

夕食の時間が就寝直前になってしまうと、睡眠中に消化活動が行われてしまうので注意しましょう。睡眠中に胃腸が働くとその活動によって脳が刺激されてしまい、「途中で目が覚めやすくなる」「眠りが浅くなる」など、睡眠の質の低下に繋がる場合があります。

一般的に、消化活動には2時間〜3時間程度かかるといわれています。消化活動が終わった状態で眠るためにも、夕食は就寝3時間前までには済ませるようにしてください。

どうしても夕食の時間が夜遅くなってしまう場合は、食物繊維や脂肪の少ない消化の良いメニューにすると良いでしょう。

湯船に浸かってリラックスする

普段の入浴をシャワーで済ませている方は、湯船に浸かることをおすすめします。ゆったりと湯船に浸かれば疲れを癒せるのはもちろん、心身の緊張が解けてより眠りやすくなります。

また、入浴は就寝時間の90分〜120分前がおすすめです。人の体は深部体温が下がると眠くなるようになっているため、入浴して体温をコントロールすれば丁度良いタイミングで眠気が訪れてくれます。

ただし、お風呂の温度が高すぎたり、入浴時間が長すぎたりすると逆効果なので注意してください。入浴の温度と時間は38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度、半身浴の場合は約40℃のお湯で30分程度に留めましょう。

睡眠環境を整える

質の高い睡眠をとるためには、寝室の環境や寝具などの睡眠環境を整えることが重要です。いくら不眠に対して対策をしていても、自分が眠る環境が悪いと寝つきの悪さに繋がります。

ここでは睡眠環境を整えるポイントをいくつか紹介するので、ぜひ参考にしてください。

<睡眠環境を整えるポイント>
  • 自分に合った寝具を使う
  • 外部から光や音が漏れる場合は遮光カーテン・耳栓などを使う
  • 寝室の温度や湿度を調整する

習慣的に運動する

適度な運動も睡眠の質を高めるためには大切な要素です。習慣的に運動をすると、寝つきが良くなり深い睡眠をとりやすくなるといわれています。

普段あまり体を動かさない方は、この機会に運動をする機会を設けるようにしましょう。

ただし、1回きりの運動では効果が薄いため、運動は継続して行いましょう。

また、運動の内容が激しすぎると眠りを妨げる可能性があるので注意してください。睡眠の質を高めるためには、ウォーキングランニングなど軽い有酸素運動に留めましょう。

更年期障害が不眠の原因となっている可能性もある

女性特有の不眠の原因としては、生理だけでなく更年期障害の影響も考えられます。更年期障害とは、閉経に向けて訪れる体の変化に対応できず、日常生活に支障が出るレベルでの症状が発生している状態のことです。

症状にはめまいや動悸などの身体的な症状のほか、不眠をはじめとした精神的な症状があらわれる場合もあります。心配な方は近くの医療機関に相談してみると良いでしょう。

藤東淳也

藤東淳也

藤東クリニック 理事長・院長

更年期では、ほてりや発汗といった血管運動神経症状が夜間に起こることで睡眠が妨げられることが考えられます。更年期障害の症状はさまざまありますので、症状に悩むようでしたら医療機関を受診しましょう。

まとめ

生理前の不眠の原因として、月経周期に伴うエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの変化や、ビタミン不足、カルシウム不足が関係しているといわれています。

不眠の症状があらわれていると「日中に眠気が襲ってきて集中できない」「眠りたいのに入眠できずイライラする」など、日常生活に悪い影響が及ぶ可能性もあります。

生理前に眠れずに悩んでいる方は、より質の高い睡眠をとれるように睡眠環境や生活習慣を見直してみましょう。

この記事の監修者
藤東淳也
藤東淳也藤東クリニック 理事長・院長
藤東クリニック 理事長・院長。東京医科大学病院 産科婦人科学教室 研修医、中野総合病院、戸田中央産院、東京医科大学、東京医科大学産科婦人科学教室、東京医科大学麻酔科学教室、東京医科大学八王子医療センタ-、東京医科大学産科婦人科学教室、米国カンザス大学医学部 細胞生物学教室へ留学、東京医科大学産科婦人科学教室、東京医科大学病院産科婦人科学教室、県立広島病院医局長を経て藤東クリニック院長へ。
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