寝る前のストレッチは、体に溜まっている疲労の解消や心身のリラックス効果などを期待できるため、おすすめです。
ただし、ストレッチを行う時の注意点を知らないと、逆に睡眠の質を低下させる恐れがあるため注意が必要です。
この記事では、寝る前におすすめのストレッチのやり方と注意点を解説します。寝る前に行うストレッチの効果も解説するので、ぜひ参考にしてください。
寝る前のストレッチの3つの効果
寝る前のストレッチは、一日の終わりに蓄積した疲労を解消し、心身を深いリラックス状態へと導いてくれます。
筋肉をほぐしコリや痛みを緩和
デスクワークや立ち仕事など、同じ姿勢での長時間作業は、特定の筋肉に負担をかけ、疲労を蓄積させます。筋肉が硬くなると血管が圧迫され、酸素や栄養が十分に行き渡らなくなり、肩こりや腰痛などの原因になります。
寝る前のストレッチは、こうした筋肉の硬直を和らげ、血流を改善し、筋肉の痛みやコリの解消に繋がります。
血行促進で疲労回復をサポート
現代社会では、肉体的な疲労だけでなく、手先の部分疲労、眼精疲労、腰や肩の緊張疲労、そして精神疲労が多く見られます。これらの疲労は、ただ横になって休むだけではなかなか解消されにくいものです。
ストレッチによって血流が良くなることで、酸素や栄養が体全体に行き渡りやすくなり、疲労回復を効果的にサポートします。
心身をリラックスさせ、睡眠の質を向上
ストレッチは、心身の緊張を解き放ち、神経を休ませる効果も期待できます。特に、ゆっくりとした呼吸とともに行うストレッチは、副交感神経を優位にし、心身をリラックスモードへ切り替える手助けをしてくれます。
これにより、寝つきが良くなったり、睡眠が深くなったりと、結果的に睡眠の質の向上に繋がるでしょう。
数分間の寝る前ストレッチを習慣にすることで、体も心も整え、より快適な眠りを手に入れられるはずです。
寝る前におすすめのストレッチ4選
寝る前におすすめのストレッチを4種類紹介します。
- 脱力のポーズ
- あぐらストレッチ
- 首をひねるストレッチ
- スパイナルツイスト
1. 脱力のポーズ
脱力のポーズとは、立ちながら行うストレッチです。体のこわばりを解き、心身をリラックスさせる効果が期待できます。
脱力のポーズの手順は以下のとおりです。
- 立った状態から無理のない範囲まで前屈する
- 前屈したまま頭・手・肩の力を抜く
- 強張っている部分があれば意識的に脱力する
頭を地面に向けた状態で深い呼吸を90秒ほど繰り返します。
ストレッチ中に全身を脱力した状態になることがポイントです。無理に体を曲げないように注意しましょう。
2. あぐらストレッチ
あぐらストレッチは、座った状態で行うストレッチです。股関節周辺の筋肉が伸び、疲労の軽減に役立つ可能性があります。
あぐらストレッチの手順は以下のとおりです。
- 床に座って左右の足裏を合わせる
- 背筋は真っすぐ伸ばす
- 両手で足を包み込む
- 背筋は伸ばしたまま目を閉じる
- 息を吐きながら踵を手前に引き寄せる
- 上体を前にゆっくり倒して静止する
上体を前に倒して静止した状態で、60秒キープを3セット繰り返しましょう。
体を前に倒す際は、背筋を伸ばしたままにした状態で行います。肘で太ももの内側を軽く押し、股関節の周辺を伸ばしましょう。
3. 首をひねるストレッチ
首をひねるストレッチは、座った状態で行うストレッチです。主に首や肩を動かすストレッチで、肩こりの解消に繋がる可能性があります。
首のストレッチの手順は以下のとおりです。
- 座った状態で正面を向く
- 首をゆっくりと横に捻る
- 横向きのまま顔をゆっくり上げて、ゆっくり下げるの流れを3回繰り返す
- 顔を正面に戻したら、反対側も同じように動かす
ポイントはゆっくりと呼吸しながら動くことです。筋肉の伸びを感じながら行いましょう。
4. スパイナルツイスト
スパイナルツイストは、仰向けに寝そべった状態で行うストレッチです。
胸を大きく開き、背骨とお腹をねじることで腸を刺激するため、内蔵機能改善が期待できます。内臓機能が改善されると、腹痛や便秘予防、ストレス解消などにも繋がります。
スパイナルツイストの手順は以下のとおりです。
- 仰向けに寝る
- 両膝を立てる
- お腹をへこませて両手を横に伸ばす
- 立てた膝を揃えたまま足を横に倒す
- 顔は脚と逆向きにねじる
- ゆっくり呼吸しながら30秒キープ
- 反対側も同様に行う
左右各30秒を2セット行います。ねじる際は両肩が浮かないように注意しましょう。
寝る前にストレッチをする時のポイント
寝る前にストレッチをする時の注意点は以下のとおりです。
- リラックスした状態でゆっくりとストレッチを行う
- ゆっくりと呼吸しながらストレッチを行う
- 部屋の照明を暗くしてからストレッチを行う
- 無理に体を動かそうとしない
上記の注意点を順番に解説します。
リラックスした状態で時間をかけてストレッチを行う
寝る前に行うストレッチは体を激しく動かすのではなく、ゆっくりと時間をかけて動かすことを心がけましょう。
体に備わっている自律神経は、活動モードにする交感神経と休養や回復モードにする副交感神経の2種類があり、それぞれが状況に応じて優位になって体をコントロールしています。
寝る前のストレッチで体を激しく動かしてしまうと、自律神経の交感神経が優位になり、睡眠の質が低下する可能性があります。寝る前に激しいストレッチを行うことは避けましょう。
ストレッチをする際は、じっくり時間をかけることで気持ちよく体を伸ばすことができます。脳の前頭葉ではアルファ波が増加して、心身のリラックス効果を生む副交感神経の活性化が期待できます。
ゆっくりと呼吸しながらストレッチを行う
寝る前のストレッチを行う際は、ゆっくりとした呼吸を意識しましょう。
呼吸も交感神経と副交感神経に影響を与える場合があります。呼吸する時に息を吸うと交感神経が刺激され鼓動が早くなり、吐き出すと副交感神経が刺激されて鼓動が遅くなります。
一般的に、寝る前は副交感神経が優位なほうが睡眠の質が向上するとされており、体に良い影響を及ぼす可能性が高いといえるでしょう。
つまり、息をゆっくりと長めに吐くようにストレッチを行うことで、副交感神経が優位になり、呼吸や心臓の鼓動が落ち着く、効果があります。なお、呼吸を止めた状態でストレッチすると、筋肉が緊張してしまうので注意しましょう。
部屋の照明を暗くしてからストレッチを行う
寝る前のストレッチを行う際は部屋の照明を暗くして、フットライトや間接照明、キャンドルなどを活用してみましょう。
寝る前の時間を明るすぎる部屋で過ごしたり、眩しい画面を見続けたりしてしまうと、交感神経が優位になりスムーズな寝付きを妨げる可能性があります。
また、心地良いヒーリングミュージックをかけたりエアコンを使用して最適な温度に設定したりするなど、リラックスしやすく、副交感神経が優位になりやすい環境を作ることも重要です。
無理に体を動かそうとしない
体の柔軟性や関節が動く範囲は人によって異なります。
この記事で紹介したストレッチは、寝る前に行うことを想定しているため軽めの内容ですが、体への負荷は人によって異なります。
体に必要以上の負荷を無理にかけてしまうと、筋肉などが損傷する恐れがあります。寝る前のストレッチはゆっくりと行いながら、痛みを感じる手前程度の気持ち良さをキープしましょう。
まとめ
体は疲労を溜め込んでいると、筋肉が緊張し、肩こりや腰痛などの原因になる可能性があります。寝る前のストレッチは筋肉の痛みやコリを解消し、リラックスする効果などを期待できるため、おすすめの休養方法です。
ほんの数分間のストレッチでも筋肉を和らげ血流を良くする効果があり、心身がリラックスして睡眠の質の向上も期待できます。睡眠の質を高めたい方はこの記事を参考に、寝る前に数分間のストレッチを行うことから初めてみましょう。