ウォーターサーバーは、基本的に冷水と温水を利用できますが、どの程度の温度の水やお湯が使えるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
また、冷水と温水が使える仕組みはウォーターサーバーによって異なります。仕組みごとに特徴があるため、ウォーターサーバーを導入するのであれば理解しておきましょう。
この記事ではウォーターサーバーの冷水・温水の温度や内部の仕組みを解説するほか、より便利に水とお湯を利用できる機能も紹介します。
ウォーターサーバーの冷水温度は4℃~10℃前後
ウォーターサーバーの冷水の温度は、4℃~10℃前後に設定されているケースが多いです。製品によって温度の幅はありますが、一番飲みやすい温度に設定されているため、いつでも美味しく冷水を飲めるようになっています。
水道水の水温は、季節や地温によっても変動しますが、東京都水道局が公表している水道水の水温(令和2年度)は、最高28.3℃、最低7.6℃です(※)。
環境によって温度が変わる水道水と違い、ウォーターサーバーの冷水は常に一定温度である点が特徴です。
(※)東京都水道局「水源・水質 水道水の水温」
ウォーターサーバーの温水温度は80℃~90℃前後
ウォーターサーバーの温水の温度も製品によって異なり、一般的には80℃~90℃前後に設定されているケースが多いです。これは、コーヒーや煎茶が飲みやすい温度です。
なお、100℃のお湯を利用できるウォーターサーバーは、基本的に少ないです。水は100℃に達すると沸騰して水蒸気に変わるため、沸騰した状態を維持するには高い電気代がかかります。加えて、熱で本体に負担がかかり劣化する可能性もあるため、沸騰した状態を維持することが難しいためです。
ウォーターサーバーで冷水・温水が利用できる仕組み
ウォーターサーバーでは冷水と温水を利用できますが、その仕組みは製品によって異なります。冷水・温水ともに2種類の方式が採用されており、特徴が異なるので覚えておきましょう。
- 冷水(電子方式・コンプレッサー方式)
- 温水(金属棒方式・ヒーターバンド方式)
それぞれ解説します。
冷水(電子方式・コンプレッサー方式)
ウォーターサーバーから冷水がでる仕組みには、電子方式とコンプレッサー方式の2種類があります。
電子方式は、冷水タンクの周囲に半導体素子(ペルチェ)が設置されており、そこに電気を通して水を冷却する仕組みです。ペルチェとは、冷却・加熱の温度調整がおこなえる半導体の一種です。
冷却にやや時間はかかりますが、作動音が静かなため、音が気になりづらいメリットがあります。
一方、コンプレッサー方式は、冷却タンクの周囲に冷媒(ガス)が通る金属管が付属しており、冷媒の循環時に発生する気化熱で水を冷やす仕組みです。
エアコンや冷蔵庫などでも使われている仕組みで、短時間での冷却が可能なことから、多くのウォーターサーバーではコンプレッサー方式を採用しています。
温水(金属棒方式・ヒーターバンド方式)
ウォーターサーバーから温水が出る仕組みには、金属棒方式とヒーターバンド方式の2種類があります。
金属棒方式は、タンク内に入っている金属棒に電気を通すことで温める仕組みです。電気ポットでも用いられるシンプルな仕組みのため、多くのウォーターサーバーは金属棒方式を採用しています。
一方、ヒーターバンド方式は、タンクの周囲をヒーターバンドで覆い、電気を通してタンク内を加熱する仕組みです。
なお、温水に関しては、仕組みに関係なく、水を補給してから温水になるまで一定の時間がかかります。すぐに使用すると、温度の低いお湯が出てくるため注意しましょう。
より便利に冷水やお湯を使うなら温度調節機能のあるウォーターサーバーがおすすめ
ウォーターサーバーによっては、段階的に温度調節ができる製品もあります。水やお湯をより便利に使いたい方は、以下のような温度調節機能搭載のウォーターサーバーがおすすめです。
- 弱冷モード
- 省エネモード(エコモード)
- 高温モード・再加熱機能
それぞれ解説します。
弱冷モード
弱冷モードは、冷却を弱くできる機能です。弱冷モードを搭載したウォーターサーバーでは、12℃~15℃前後の常温に近い水を利用できます。
体を冷やしすぎずに水分補給ができるため、寒い季節や寝る前の水分補給に便利な機能です。
また、弱冷モードでは水を冷やすために必要な電力も少ないので、冷水を使わない時に利用することで節電にも繋がります。
省エネモード(エコモード)
冷水・温水タンクの温度を調節して消費電力を抑える、省エネモード(エコモード)を搭載したウォーターサーバーもあります。
本来、省エネモードは消費電力の節約を目的とした機能ですが、この機能を利用して冷水と温水の温度調節も可能です。
- 冷水:常温に近い温度の水を利用できる
- 温水:70℃前後のお湯を利用できる
赤ちゃんの粉ミルクは70℃以上のお湯で溶かす必要がありますが、省エネモード利用時に70℃以上のお湯が出るウォーターサーバーであれば、そのまま利用できるため便利です。
また、白湯の適温は約50℃~60℃とされていますが、70℃前後のお湯に冷水を足せば、白湯の適温まで簡単に調節できます。
高温モード・再加熱機能
ウォーターサーバーによっては、高温モードや再加熱機能が備わったものもあります。
一般的なウォーターサーバーの温水は80℃~90℃が多いですが、このような機能が備わっていれば、必要な時に90℃以上の熱湯を利用できるため便利です。
例えば、温水が95℃以上まで上がる場合にはカップ麺を食べる時に利用できます。パスタを茹でる時のお湯として利用すれば、お湯を沸かす時間を大幅に短縮できます。
小さなお子さまがいるご家庭はチャイルドロック機能の有無も要確認
小さなお子さまがいるご家庭では、ウォーターサーバーの温度調節機能だけでなく、チャイルドロックの有無も確認することをおすすめします。
チャイルドロック機能とは、冷水や温水のコックを簡単に操作できないようにする機能です。チャイルドロック機能搭載のウォーターサーバーであれば、子どものいたずら、温水によるやけどのリスク、感電事故などの防止に繋がります。
小さな子どもは好奇心でコックを触ってしまうこともありますが、チャイルドロック機能があれば安全にウォーターサーバーを利用できるでしょう。
まとめ
ウォーターサーバーの冷水と温水の温度は製品によって異なりますが、冷水は4℃~10℃前後、温水は80℃~90℃前後に設定されているケースが多いです。
また、ウォーターサーバーによっては、温度調節機能を搭載したものもあります。温度調節機能があれば使える温度の幅が広がるため、ウォーターサーバーをより便利に活用できるでしょう。
日々の生活ではこまめな水分補給が大切です。いつでも美味しい水が飲めるウォーターサーバーを導入し、こまめに水分補給を行う習慣を身につけましょう。