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2024.01.22 更新

【医師監修】いびきは男性だけではない!女性のいびきの原因と対処法を解説

【医師監修】いびきは男性だけではない!女性のいびきの原因と対処法を解説

女性よりも男性のほうがいびきをかきやすいとされていますが、女性でもさまざまな原因によりいびきをかくことがあります。放置すると病気を発症するリスクがあるので、早めに対処するべきです。

この記事では、女性がいびきをかく原因や対処法を解説します。いびきで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

  1. いびきのメカニズム
  2. 女性がいびきをかく原因
  3. 女性ホルモンの減少
  4. 女性特有の骨格
  5. 肥満
  6. 口呼吸
  7. 飲酒や疲労
  8. いびきを放置するリスク
  9. 睡眠時無効吸症候群のリスクが高まる
  10. 睡眠の質が低下する
  11. パートナーの睡眠に悪影響を及ぼす
  12. いびきの対処法
  13. 寝具を見直す
  14. 横向きで寝る
  15. 部屋の湿度を調整する
  16. 口テープを使う
  17. マウスピースを使う
  18. いびき対策のツボを押す
  19. 肥満を解消する
  20. お酒やタバコを控える
  21. いびきが気になったら病院へ
  22. まとめ

いびきのメカニズム

鼻から気管支あたりの空気の通り道を上気道と呼びます。上気道が何らかの原因で狭くなると空気の流れが速くなり、気道の粘膜が振動するといびきとして音が出るようになります。

いびきをかくことは睡眠中の呼吸が正常ではない証であり、睡眠の質が下がる恐れがあります。また、放置していると体に悪影響を及ぼす可能性もあるので、早めの対処がおすすめです。

女性がいびきをかく原因

女性がいびきをかく原因

男性も女性も加齢とともにいびきをかく頻度が多くなる傾向はありますが、いずれの年齢層でも女性のほうがいびきをかきにくいとされています。

ただし、女性でも次のような原因により、いびきをかくことはあります。

  • 女性ホルモンの減少
  • 女性特有の骨格
  • 肥満
  • 口呼吸
  • 飲酒や疲労

女性がいびきをかく原因について順番に解説します。

女性ホルモンの減少

女性がいびきをかく原因として最も多いのは、加齢により女性ホルモンが減少することです。女性ホルモンの分泌は閉経後に少なくなるので、50歳前後を境にいびきをかく可能性が高まります。

女性ホルモンには、上気道を開く上気道開大筋を広げる作用があります。しかし、加齢により女性ホルモンの分泌量が低下すると代謝が低下し、筋肉が緩みやすく、上気道の開きを維持できなくなります。

上気道が狭まると、気流が乱れるので、いびきが発生しやすくなります。

女性特有の骨格

女性は男性に比べて、「下顎が小さい」「顎が後ろに引っ込んでいる」など骨格的な特徴があります。そのため、気道が狭くなりいびきが発生します。近年小顔が流行していますが、小顔といわれている方は要注意です。

顔が小さい、歯のかみ合わせが悪いなどの条件に当てはまる方は、いびきをかいている可能性があります。

肥満

肥満だと首回りや舌の周りに脂肪が付き、睡眠中に上気道を圧迫する場合があります。上気道が圧迫されると気流が乱れるため、いびきをかきやすくなります。

口呼吸

花粉や鼻炎などが原因で鼻詰まりが起きると、睡眠中に無意識に口呼吸をしている場合があります。

睡眠中に口呼吸をすると舌が喉に沈みやすくなり、上気道が狭まるため、いびきをかきやすくなります。

睡眠中の口呼吸はいびき以外にも、口臭などのさまざまな悪影響を及ぼします。起きた時に口の中が乾いていると口呼吸をしている可能性があるので、早めに対処をしましょう。

飲酒や疲労

アルコールや疲労によるストレスなどは筋肉を弛緩させる働きがあります。喉付近の筋肉が弛緩すると、上気道を狭めるので、いびきが発生しやすいです。

普段はいびきをかかない方でも、アルコールを摂取したあとにいびきをかいてしまうケースがあります。

いびきを放置するリスク

いびきは身体に悪影響を及ぼすこともあるため、放置していると次のようなリスクが発生します。

  • 睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる
  • 睡眠の質が低下する
  • パートナーの睡眠に悪影響を及ぼす

上記のリスクを順番に解説します。

睡眠時無効吸症候群のリスクが高まる

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まる、あるいは呼吸が浅くなり低酸素状態が発生する病気です。

低酸素状態が続くと眠りが浅くなり、日中に眠気を覚えたり、仕事や学業に悪影響を及ぼしたりします。また、高血圧や脳卒中、心筋梗塞などの発生リスクを高めるので、いびきが続くようなら早めに医療機関に相談しましょう。

睡眠の質が低下する

いびきをかいていると睡眠中の覚醒を引き起こすため、睡眠の質が低下します。睡眠の質が低下すると、次のような悪影響を招く恐れがあります。

  • 日中に眠気を覚える
  • 集中力が低下する
  • 活動度が低下して消費エネルギーが減少する
  • 精神的にうつ状態となる
  • 食事の量が増加して肥満になりやすい

睡眠の質が低下するとさまざまなデメリットが発生するので、いびきは早めに対処しましょう。

パートナーの睡眠に悪影響を及ぼす

いびきをかいていると、本人だけでなく、一緒に寝ているパートナーの睡眠にも悪影響を及ぼします。

過去には、いびきが原因で離婚となったケースもあるので、パートナーや家族と一緒に寝ている方はいびきをかいていないか注意を払いましょう。

いびきの対処法

いびきは上気道が狭まると発生しやすくなります。そのため、睡眠中に気道を確保しておくことが重要です 。

睡眠中に気道を確保する方法やいびきの対処法として、次のことを試しましょう。

  • 寝具を見直す
  • 横向きで寝る
  • 部屋の湿度を調整する
  • 口テープを使う
  • マウスピースを使う
  • いびき対策のツボを押す
  • 肥満を解消する
  • お酒やタバコを控える

上記の方法を、順番に解説します。

寝具を見直す

枕の高さが合っていないと気道を塞いでしまい、いびきをかく原因になります。仰向け寝をしている方は、立っている時に近い寝姿勢を保てる高さの枕がおすすめです。枕に頭を置いた時に、目線が天井とほぼ垂直な状態が適切な高さの目安になります。

ただし、仰向け寝だと重力の影響により舌が沈んでしまい気道が狭くなりやすいので、いびきが発生する場合があります。

横向きで寝る

横向き寝で寝る方法もおすすめです。横向き寝は気道が確保されやすいので、呼吸しやすいです。

横向き寝の場合、頭から首、背中にかけての骨が真っすぐに伸びて、マットレスや布団と平行になる寝姿勢が理想的です。

理想的な横向きの寝姿勢のために、「枕の下にタオルなどを置いて傾斜を付ける」「抱き枕を使う」などを試しましょう。

部屋の湿度を調整する

部屋が乾燥していると、風邪や鼻炎が発生しやすくなります。鼻が詰まって鼻呼吸ができなくなると、睡眠中に口呼吸をしてしまい、いびきをかく可能性が高くなります。

部屋が乾燥している時は加湿器を置いたり、枕元にぬれタオルを置いたりして湿度を調整しましょう。

口テープを使う

寝ている時に口呼吸をするなら、口テープを試しましょう。口テープとは、睡眠中に口呼吸ができないように唇に張り付けるテープです。睡眠中の口呼吸やいびきを防ぐ効果が期待でき、睡眠の質を高められます。

ただし、鼻呼吸できない方が使用すると、呼吸自体ができない恐れがあるので、事前に確認しましょう。

マウスピースを使う

いびきの治療にマウスピースを使うことがあります。マウスピースを付ければ、仰向け寝でも舌が喉に落ち込みにくくなり気道が確保できるため、いびきが発生しにくくなります。

いびき対策のマウスピースは市販品もありますが、医療機関で相談して入手するほうが望ましいです。

いびき対策のツボを押す

いびき対策として、ツボを押す方法もあります。次の表は、いびきに有効な「上星(じょうせい)」「天突(てんとつ)」「人迎(じんげい)」の位置や押し方を簡単にまとめたものです。

ツボ押しはすぐにできる対処法なので、位置を確認しながら試しましょう。

ツボの名前位置押し方
上星前頭部の髪の生え際の中央から横向きで指1本分上にいったところ多少強めに押して、ズーンと重く感じるくらい
天突左右の鎖骨の間、胸骨の上端にあるくぼみ骨に引っ掛けるようにした方向に押す
押し込みすぎると咳き込んだりするので注意
人迎喉仏の両脇指2本分のところ
左右にあり、触れると動脈の拍動を感じる
親指と人差し指で軽めに挟むようにして、前後に20回~30回転がす

肥満を解消する

喉の周りに脂肪が付いている方はいびきをかく傾向があるので、ダイエットをして肥満を解消しましょう。肥満はいびき以外にも、生活習慣病の原因にもなるので早めの解消が重要です。

お酒やタバコを控える

アルコールは睡眠中の筋肉を弛緩させる働きがあります。また、タバコは気道の炎症や障害を招き、いびきや睡眠時無呼吸症候群のリスクを高めます。

そのため、お酒やタバコを控えることは、いびき対策として有効です。

いびきが気になったら病院へ

いびきを放置していると、睡眠の質が低下して身体に悪影響を及ぼすため、睡眠時無効吸症候群のリスクが高まります。そのため、いびきをかいている方はなるべく早く対処するべきです。

この記事で紹介した方法はあくまでも対処法になります。いびきの治療を考えるなら病院の受診がおすすめです。

病院ならマウスピースの作成や専門的な治療を受けられます。いびきに悩んでいる、いびきの治療を考えている方は、病院の受診を検討しましょう。

まとめ

女性は女性ホルモンの働きにより、男性に比べるといびきをかきにくいです。しかし、加齢による女性ホルモンの減少や、女性特有の骨格などが原因でいびきが発生する可能性はあります。

いびきは睡眠の質を低下させるとともに、体に悪影響を及ぼす場合があるので、原因を突き止めて早めに対処しましょう。おすすめの対処法は、以下のとおりです。

  • 寝具を見直す
  • 横向きで寝る
  • 部屋の湿度を調整する
  • 口テープを使う
  • マウスピースを使う
  • いびき対策のツボを押す
  • 肥満を解消する
  • お酒やタバコを控える

上記の対処法でいびきが改善されない場合は、病院の受診をおすすめします。

この記事の監修者
中山明峰
中山明峰めいほう睡眠めまいクリニック 院長
めいほう睡眠めまいクリニック 院長。耳鼻咽喉科専門医、睡眠専門医、めまい専門医。1985年、愛知医科大学医学部卒業。愛知医科大学耳鼻咽喉科准教授、名古屋市立大学睡眠医療センター部長を経て、2021年に睡眠障害・めまい専門診療施設「めいほう睡眠めまいクリニック」開院。
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