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2022.11.10 更新

【医師監修】睡眠中に何度も起きる不眠、中途覚醒の症状や対処法など詳しく解説

【医師監修】睡眠中に何度も起きる不眠、中途覚醒の症状や対処法など詳しく解説

不眠」は、入眠困難・中途覚醒・熟睡感欠如・早朝覚醒などのことで、こうした不眠に加えて、昼間の倦怠感、眠気など、日中に症状をきたす場合「不眠症」といいます。

また、睡眠中に目が覚めることを「中途覚醒」と呼び、就寝中に中途覚醒が頻回に起きると睡眠不足になり、日常生活にも影響が出てしまいます。

この記事では、睡眠中に何度も起きる「中途覚醒」の主な原因や対処法を紹介します。

  1. 睡眠中に何度も起きる「中途覚醒」
  2. 中途覚醒以外の不眠のタイプ
  3. 睡眠中に何度も起きる主な原因
  4. 加齢が影響している
  5. ストレスを抱えている
  6. 運動不足
  7. 就寝環境が乱れている
  8. 就寝前にアルコール・カフェインを摂取している
  9. 睡眠時無呼吸症候群など、何かしらの病気が隠れている
  10. 不眠の放置は病気のリスクを高めることに注意
  11. 睡眠中に何度も起きる時の対処法
  12. 規則正しい生活を心がける
  13. 就寝前のスマホ操作を控える
  14. 就寝環境を整える
  15. ストレス対処力を高める
  16. まとめ

睡眠中に何度も起きる「中途覚醒」

睡眠中に目が覚めるのは誰にでもあり得ることですが、何度も起きる場合は「中途覚醒」です。

原因はさまざまありますが、うつ病や睡眠時無呼吸症候群、脳卒中や痴呆などの疾病では多く発現する傾向があるほか、高齢者も生理的な関係で症状が出やすいといわれています。

中途覚醒の症状が深刻化すると熟睡感が得られなくなり、朝起きた時に頭がすっきりせず、昼間に眠気が残ることもあります。

中途覚醒が起こると、日中に意欲的に活動するための活力や気力が損なわれるだけではなく、仕事や健康などにも影響を与えてしまいます。

中途覚醒以外の不眠のタイプ

中途覚醒を含めて、不眠は4つのタイプに分類されます。中途覚醒以外の不眠症のタイプと症状は、以下のとおりです。

不眠症症状
入眠困難・寝床に入って寝つくまで30分~1時間以上かかる
・入眠できないことが苦痛と感じる
早期覚醒・予定の起床時刻より2時間以上早く目覚める
熟睡感の欠如・十分に眠っても熟睡感が得られない

不眠の症状は、必ず単体であらわれるわけではありません。例えば、寝付きが悪くなる「入眠障害」と夜中に目覚める「中途覚醒」など、場合によっては2つ以上が重複してあらわれるケースもあります。

不眠は、症状によって対処法や治療法が異なるため、自分がどの不眠症のタイプかを把握することが大切です

睡眠中に何度も起きる主な原因

中途覚醒の症状が生じる主な原因には、以下のものが挙げられます。睡眠中に何度も起きることに悩んでいる方は、当てはまるものがないか確認しましょう。

  • 加齢が影響している
  • ストレスを抱えている
  • 運動不足
  • 就寝環境が乱れている
  • 就寝前にアルコール・カフェインを摂取している
  • 睡眠時無呼吸症候群など、何かしらの病気が隠れている

それぞれを解説します。

加齢が影響している

入眠・覚醒のリズムは年齢とともに変化し、年を重ねるほど早寝早起きになったり、睡眠が浅くなったりする傾向があります。高齢になるほどちょっとした尿意や周囲の明るさなどが気になりやすいため、睡眠中に何度も目が覚めやすくなるようです。

加齢によって睡眠が浅くなるのは一般的なことなので、そこまで気にする必要はなく、目覚めて眠気がないようなら、そのまま起床しても良いでしょう。眠くないのに無理に寝ようとすると、逆に寝付きが悪くなる可能性があるため、おすすめしません。

ただし、睡眠不足で体調が悪くなったり、精神的なつらさを感じたりするようなら、医療機関を受診して医師に相談しましょう。

ストレスを抱えている

人の体温や血圧など、体の機能をコントロールする「自律神経」には、日中の活動時に優位になる「交感神経」と、夜に優位となる「副交感神経」があります。睡眠時は副交感神経が優位になり、脳がリラックスした状態を保つのが理想です。

しかし、不安や心配事などストレスを多く抱えている場合は、交感神経から副交感神経への切り替えが上手くできませんその結果、寝付きが悪くなったり、睡眠中に何度も起きてしまったりという症状が出やすくなります。

なお、ストレスは気持ちが落ち込む出来事だけではなく、楽しみな出来事が控えている時にも感じるものです。例えば、一般的に喜ばしいことである「就職する」「結婚する」などのイベントなどが控えている場合も、睡眠中に目が覚めやすくなる場合があるでしょう。

そのため、ストレスへの対処力を高めることが大切です。読書や運動習慣、趣味を見つけるなど、新しい考え方や行動で、ストレス対処力を高めていきましょう

ストレスに適切に対処できない場合、うつ病などの精神的な疾病に繋がります。うつ病などの精神的な疾病は、睡眠時間の不足や睡眠の質の低下が症状を悪化させてしまうことがあり、悪循環を招くケースもあります。

運動不足

運動不足は、不眠の大きな要因です。運動は、睡眠の質を高めます。

激しい運動でなくても構わないので、日頃から運動習慣を身に付けることをおすすめします。きつい運動を1日だけやるのではなく、無理のない範囲の運動を毎日続けることが大切です。運動は就寝の1時間前までには終了してください。

就寝環境が乱れている

睡眠には就寝環境も大きく影響します。以下のような眠りづらい寝具の使用や、就寝環境の乱れは、眠りが浅くなる原因になり得ます。

就寝環境具体例
寝具・マットレスが硬すぎる、柔らかすぎる
・枕が高すぎる
・掛布団が重い
寝室内の状態・部屋が暑い
・寝る時にまぶしい
・周囲の音がうるさい

就寝環境は自分で改善できる部分が多いため、「室内の温度をエアコンで調整する」「寝やすい寝具を購入する」など、改善に取り組むことをおすすめします。

就寝前にアルコール・カフェインを摂取している

就寝前のアルコールやカフェインの過剰摂取は、睡眠の質を低下させる原因の一つです。

アルコールには寝つきを良くする作用があるものの、酔いが醒めると中途覚醒を増加させることがわかっています。加えて、アルコールへの耐性が生じると、飲酒量が増えてしまい、アルコール依存を招くリスクもあるため注意が必要です。

また、コーヒーは香りによるリラックス効果がありますが、カフェインには覚醒作用があるため、入眠しにくくなったり眠りが浅くなったりする原因になります。

睡眠時無呼吸症候群など、何かしらの病気が隠れている

睡眠中に何度も起きる状態が続いている場合は、治療が必要な病気が隠れている可能性もあります。とくに中高年の肥満な方は要注意です。

例えば、うつ病などの精神的な疾病があると眠りが浅くなり、何度も起きてしまうことがあるようです。精神的な疾病は、睡眠時間の不足や睡眠の質の低下が症状を悪化させ、悪循環を招くことも考えられます。

また、身体的な病気に伴う痛みや下痢、かゆみ、発熱なども、睡眠中に何度も起きる原因の一つです。睡眠に影響を与える身体的な疾病の代表的なものとして、以下の3つが知られています。

疾病症状
睡眠時無呼吸症候群睡眠中に呼吸が止まり、目覚めて呼吸を開始するといったことを繰り返す
レストレスレッグス症候群座っている時や横になっている時に、足がむずむずして「動かしたい」という欲求が生じる
周期性四肢運動障害睡眠中、周期的に足のピクツキが生じる

特に、睡眠時無呼吸症候群は、突然死のリスクもあるため、夜間にいびきを指摘されたことがあり、熟睡感がない方などは、医療機関で相談しましょう。

不眠の放置は病気のリスクを高めることに注意

不眠の放置は病気のリスクを高めることに注意

睡眠は、体や脳を休めるために大切な生理現象です。中途覚醒をはじめとした不眠症の症状を放置すると、心身に大きな影響を与える可能性があります。

十分な睡眠がとれない状態が続くと、「やる気がでない」「イライラする」といった意欲・集中力の低下に繋がるほか、注意力や判断力の欠如も生じるため、仕事や日常生活に支障が出てしまうでしょう。

また、睡眠不足になると食欲が増大し、糖尿病や心筋梗塞、狭心症などの生活習慣病にかかりやすくなったり、眠れないことによるストレスの増加によって、うつ病になったりするリスクも高くなるといわれています。

前述したように、不眠症はタイプによって対策法・改善法が異なるため、疑われる場合は医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう

睡眠中に何度も起きる時の対処法

睡眠中に何度も起きてしまい、睡眠不足の状態が続く場合は、一度医師に相談することをおすすめします。それに加えて、根本的な原因を取り除くために、日頃の生活を見直すことも重要です。

以下は、自分でも取り組める対処法となるため、医療機関の受診を検討するのと同時に、実践してみましょう。

  • 規則正しい生活を心がける
  • 就寝前のスマホ操作を控える
  • 就寝環境を整える
  • ストレス対処力を高める

それぞれを解説します。

規則正しい生活を心がける

体内時計を整えるためには、規則正しい生活が大切です。毎日同じ時間帯に就寝・起床することで、体内時計や睡眠リズムを整えやすくなります。

休日は普段より多く睡眠時間をとる方もいると思いますが、できる限りリズムを崩さないように心がけましょう。

また、地球よりやや長い周期を刻む体内時計を整えるためには、日々体内時計をリセットさせる必要があります。朝から太陽光を浴びて、朝食をきちんと食べることで体内時計がリセットされるため、ぜひ習慣にしましょう。

就寝前のスマホ操作を控える

規則正しい睡眠・起床ができるのは、睡眠ホルモンとも呼ばれる「メラトニン」の働きが関係しています。

睡眠を促すメラトニンは明るい光を浴びると分泌量が減り、暗い場所では分泌量が増加する性質があるため、就寝前は強い光を避けて、適度に暗い環境で就寝するのが理想です。

しかし、就寝前にスマホを操作すると、スマホから発せられるブルーライトの影響で、脳が昼間と勘違いしてメラトニンの分泌が抑制されるため、寝つきが悪くなる傾向があります。

就寝前は、リラックスできる行動に努めることが大切なので、就寝前のスマホ操作は控えて、代わりに以下のような行動を取り入れてみましょう

  • ゆっくりストレッチする
  • 就寝時刻の約90~120分前に入浴する
  • 温かい飲み物を飲む
  • アロマやお香を楽しむ
  • リラックスできる音楽を聴く

落ち着いた状態で眠りに付けるよう、自分が心身ともにリラックスできる方法を見つけてみてください。

就寝環境を整える

睡眠の質を高めるためには、就寝環境を整えることも重要です。自分に合った寝具の使用や理想的な寝室環境を整えることで、熟睡しやすくなるでしょう

寝具を購入する際には、自分の体にぴったりのものを選びましょう。なかでも、寝姿勢が崩れない高さの枕や、体圧分散性と適度な反発力があるマットレスを選ぶのがおすすめです。

また、寝室は以下のような環境が推奨されているので、参考にしてください。

  • 寝室の温度:夏場は25℃〜26℃、冬場は22℃〜23℃
  • 寝室の湿度:通年50%〜60%
  • 就寝時の光・音:明るい光は消して、静かな環境を整える

「枕が硬くて眠れない」「蒸し暑くて目が覚める」などの状況を回避するためにも、自分が寝やすいと思える就寝環境を目指して、改善に取り組みましょう。

ストレス対処力を高める

日常生活を過ごすなかで、受けるストレスを完全になくすことは難しいです。そのため、日頃からストレスへの対処力を高めるよう意識しましょう。

前述したとおり、例えば運動したり読書したりなど、ストレス解消できる自分なりの方法を見つけることをおすすめします。

まとめ

睡眠中に何度も起きる状態が続く場合は、不眠症の一つである中途覚醒の可能性があります。不眠症はさまざまな種類が重複してあらわれることもあるため、ほかの不眠症タイプも理解しておくと良いでしょう。

中途覚醒は、加齢や生活習慣などさまざまな原因が考えられますが、症状が長く続くようなら医療機関を受診することをおすすめします。不眠症を放置すると、生活習慣病やうつ病などに繋がるリスクもあるため、我慢は禁物です

なお、中途覚醒の対処法には、規則正しい生活を心がけたり、就寝環境を整えたりといった自分でできることもあるため、医療機関の受診を検討するとともに、実践してみてください。

この記事の監修者
中山明峰
中山明峰めいほう睡眠めまいクリニック 院長
耳鼻咽喉科専門医/睡眠専門医/めまい専門医 1985年、愛知医科大学医学部卒業 愛知医科大学耳鼻咽喉科准教授、名古屋市立大学睡眠医療センター部長を経て、2021年に睡眠障害・めまい専門診療施設「めいほう睡眠めまいクリニック」開院。
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