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2024.02.09 更新

【医師監修】寝る前にはちみつを食べると健康に良い?期待できる効果や注意点を紹介

【医師監修】寝る前にはちみつを食べると健康に良い?期待できる効果や注意点を紹介

蜜蜂が作った天然甘味料であるはちみつには、さまざまな効果があるといわれています。そのため、寝る前にホットミルクや紅茶に入れて、はちみつを摂取したいと思っている方もいるのではないでしょうか。

たしかに、はちみつを食べると美容や健康への効果が期待できるとされていますが、食べる際の注意点も理解しておくと良いでしょう。

この記事では、寝る前にはちみつを食べる効果や食べる時の注意点、おすすめの食べ方を紹介します。寝る前の習慣としてはちみつの摂取を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

  1. はちみつの種類は大きく3つに分類される
  2. 寝る前にはちみつを食べると期待できる効果
  3. メラトニンの分泌を促す
  4. 肥満を防ぐ
  5. 活性酵素を取り除く
  6. 寝る前にはちみつを食べる時の注意点
  7. 食べたら歯磨きをする
  8. 過剰に摂取しない
  9. 1歳未満の赤ちゃんには食べさせない
  10. 寝る前にはちみつをおいしく食べるおすすめの方法
  11. ヨーグルトに混ぜて食べる
  12. レモンに漬ける
  13. シロップや調味料の代わりとして使う
  14. まとめ

はちみつの種類は大きく3つに分類される

はちみつは、原料となる花の種類や産地によってたくさんの種類があり、大まかに「純粋はちみつ」「加糖はちみつ」「精製はちみつ」の3つに分類されます。

種類特徴
純粋はちみつ加工処理をしていない天然のはちみつ。はちみつ本来の香りや色、栄養価が残っています。
加糖はちみつ水あめやショ糖などで甘味を足して加工されたはちみつ。純粋はちみつより栄養価が劣ります。
精製はちみつ加熱により香りや色などを取り除いたはちみつ。精製の過程で、はちみつ本来の栄養価も失われます。

上記のうち、家庭で食べられているのは、純粋はちみつ加糖はちみつです。

純粋はちみつは人工的な加工をせずに、蜜蜂が集めてきた花の蜜だけで時間をかけて作られているところが特徴です。そのため、加工品である加糖はちみつより価格が高くなります。

また、精製はちみつは、甘味料として主に清涼飲料水や食品に使用されるものです。一般的に家庭用に購入する機会はほとんどないでしょう。

寝る前にはちみつを食べると期待できる効果

はちみつを食べると、睡眠などに関するさまざまな効果が期待できるといわれています。以下では、はちみつと睡眠・肥満・老化がどのように関係しているのか、詳しい内容を解説します。

メラトニンの分泌を促す

睡眠を促すホルモン「メラトニン」は、トリプトファンというタンパク質がなければ生成されませんが、腸内環境が乱れるとタンパク質の吸収不良が生じて、トリプトファンが正常に生成できなくなります。

はちみつには、オリゴ糖やグルコン酸が豊富に含まれており、腸内環境を整えてくれる働きがあるため、間接的にメラトニンの分泌を促すことに繋がるでしょう。

肥満を防ぐ

はちみつの中でもアカシアはちみつは、低GI値の食品としても知られています。

GI値とは食後の血糖値の上昇度を示す指標のことで、GI値が高い場合は食後に血糖値が急上昇、低い場合は血糖値の上昇が緩やかになります。

また、睡眠と肥満の関係は密接といわれており、睡眠の質が悪い状態がつづくと、食欲が乱れ、ついつい食べ過ぎてしまう可能性が高くなります。寝る前にはちみつを食べることで低血糖を防ぎ、睡眠の質が安定することで、食欲が乱れにくくなり、肥満防止に繋がります。

なお、睡眠と美容の関係性については、以下の記事も参考にしてください。

睡眠 美容
睡眠にはどんな美容効果がある?成長ホルモンやゴールデンタイムについて解説
望月瑠璃子

望月瑠璃子

ルリクリニック院長

はちみつを食べると、夜間の低血糖の予防になります。これは睡眠の質の話にも繋がりますが、夜中に目覚める、夢ばっかり見る、歯ぎしりがひどい、朝から肩こり、体が冷えているといった症状がある人は、睡眠の質が低い可能性が高いです。

これらの症状は、寝ている時に血糖値が下がっていることが原因だと考えられます。その低血糖を防ぐ目的で、はちみつを食べることは血糖値を緩やかに上げて、長時間血糖値を安定させる働きがあるので、睡眠の質を向上させるのに有効です。

活性酵素を取り除く

老化の原因の一つは活性酸素です。活性酸素が大量に作られると、老化だけでなく動脈硬化や免疫力低下にも繋がる可能性があります。そのため、活性酸素を取り除くことが重要です。

はちみつに含まれる「ポリフェノール」には、この活性酸素の生成を抑えたり、取り除いたりする抗酸化作用があります。したがって、健康維持にも役立つでしょう。

寝る前にはちみつを食べる時の注意点

睡眠や美容に効果が期待できるはちみつですが、食べる時は以下の点に注意が必要です。

  • 食べたら歯磨きをする
  • 過剰に摂取しない
  • 1歳未満の赤ちゃんには食べさせない

それぞれ解説します。

食べたら歯磨きをする

はちみつの主成分は、ブドウ糖果糖です。虫歯菌はショ糖を分解してプラークを作りますが、ブドウ糖と果糖からはプラークが作られないため、はちみつを食べても虫歯にならないといわれています。

しかし、虫歯菌を含めて口内に存在する多くの菌はブドウ糖と果糖から酸を作り、歯を溶かす可能性があるため、虫歯菌にならないとはいいきれません。そのため、はちみつを食べた時は歯を磨くようにしましょう。

過剰に摂取しない

適度な摂取は健康に繋がるはちみつですが、過剰摂取には注意が必要です。

まず、はちみつは果糖とブドウ糖であるため、砂糖よりは低カロリーであるものの、過剰摂取はカロリーや糖の摂りすぎにつながります。

また、はちみつに含まれるオリゴ糖やグルコン酸は、腸内環境を整える働きから、便秘解消に役立ちます。そのため、はちみつを過剰摂取すると、便が緩くなり下痢を引き起こす可能性があります。このように、肥満や体調不良に繋がる可能性もあるため、適量の摂取を心がけましょう。

1歳未満の赤ちゃんには食べさせない

1歳未満の赤ちゃんがはちみつを食べると、乳児ボツリヌス症になる可能性があるため注意が必要です。ボツリヌス菌は、土壌中などに広く存在する細菌で、食品などを介して体内に入る可能性があります。

大人であれば、ボツリヌス菌が腸内細菌との競争に負けるため問題ありませんが、腸内環境が整っていない赤ちゃんの場合は、ボツリヌス菌が腸内で増殖する可能性が高くなります。

ボツリヌス症は適切な治療を受ければ完治しますが、便秘や筋力の低下といった症状が生じ、重篤な状態になることもあります。そのため、1歳未満の赤ちゃんには、はちみつを与えないようにしましょう。

望月瑠璃子

望月瑠璃子

ルリクリニック院長

一般に市販されているものの中には、砂糖などを加えたはちみつも販売されており、注意が必要です。加糖はちみつでは、低血糖を防ぐどころか、急激な高血糖を引き起こしてしまうので、せっかく補食としてとったのに意味がありません。

また加熱すると成分中の酵素が失われたり、発酵が止まったりするため、非加熱のものがおすすめです。さらには、無農薬の畑のそばで採取されたものがより良いでしょう。

寝る前にはちみつをおいしく食べるおすすめの方法

寝る前にはちみつをおいしく食べるおすすめの方法

寝る前にはちみつを食べる際は以下のような食べ方をすると、よりおいしくかつ効率的に食べられます。

  • ヨーグルトに混ぜて食べる
  • レモンに漬ける
  • シロップや調味料の代わりとして使う

それぞれ詳しく解説します。

ヨーグルトに混ぜて食べる

はちみつをヨーグルトに混ぜることで、はちみつの甘さとヨーグルトの酸味によっておいしく食べられ、乳酸菌やミネラル・ビタミンといった体に必要な栄養素をまとめて摂取できます。

また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌は、フルーツにも含まれる食物繊維をエサにして増えるため、腸を整える効果も期待できます。寝ている間に善玉菌を増やす効果もあるため、便秘にお悩みの方にもおすすめです。

ただし、寝る直前に食べてしまうと太る可能性があるため、寝る2時間前までに食べ終えると良いでしょう。

寝る前にヨーグルトを食べる効果を以下の記事で解説しているため、合わせて参考にしてください。

寝る前 ヨーグルト
【医師監修】寝る前のヨーグルトにはどんな効果がある?量やタイミングなど注意点も解説

レモンに漬ける

スライスしたレモンをはちみつに漬けて食べる方法も、手軽に取り入れやすくおすすめです。レモンの酸味とはちみつの甘さがマッチして、おいしく食べられるでしょう。

また、はちみつが持つ抗酸化作用や、レモンに含まれるクエン酸による疲労回復が期待できます。寝ている間に疲れた筋肉を修復させ、疲れを取りたい方に特におすすめです。

シロップや調味料の代わりとして使う

はちみつをパンケーキやトーストに塗って食べたり、砂糖の代わりとして料理や飲み物に入れたりする取り入れ方もあります。

はちみつは栄養価が高く、比較的脂肪を蓄積させにくいため、甘味料としてはちみつを活用する食べ方は、ダイエット中の方にも向いているでしょう。

ただし、寝る直前にパンケーキなどのおやつを摂取してしまうと、消化するために内臓が働くので、睡眠の質が悪くなってしまう可能性があります。睡眠の質を向上させるためにも、寝る直前はがっつりと食べることは避け、適度に食べるようにしましょう。

なお、砂糖よりはちみつのほうが甘みの感じ方は強い傾向があります。そのため、砂糖の代わりにはちみつを使う場合は、少し量を減らしたほうが良いかもしれません。一般的に目安は砂糖の8割程度といわれているので、覚えておきましょう。

望月瑠璃子

望月瑠璃子

ルリクリニック院長

効率的に栄養を摂取するには、ホットワインとハチミツの組み合わせがおすすめです。赤ワインに含まれるレスベラトロールは生活習慣病予防や抗老化作用を持つ成分として注目を集めています。

レスベラトロールはポリフェノールの一種ですが、赤ワインは白ワインの5倍ものポリフェノールを含んでいます。ホットワインにするなら赤を、それもできるだけフルボディの赤ワインを選ぶと、より高い健康効果が期待できます。そこにハチミツを足せば、血糖値を安定させることができるので、さらに睡眠の質も良くなり、美容効果も上がります。

まとめ

はちみつは、大きく「純粋はちみつ」「加糖はちみつ」「精製はちみつ」の3種類に分類されます。はちみつ本来が持つ栄養成分を摂取できるのは、純粋はちみつです。

また、はちみつは睡眠の質の向上やダイエット効果など、美容・健康への効果が期待できるといわれています。

食べ方の自由度も高く、はちみつを甘味料代わりとしてホットミルクや紅茶などに入れる方法のほか、レモンやヨーグルトと一緒に食べる方法もあります。はちみつの味に飽きた時は、食べ方を変えると良いでしょう。

なお、1歳未満の赤ちゃんは、はちみつを食べると乳児ボツリヌス症になる可能性が高いため、赤ちゃんには食べさせないよう注意してください。そして、過剰摂取は肥満や体調不良に繋がる場合があるため、健康のための適量摂取を心がけましょう。

この記事の監修者
望月瑠璃子
望月瑠璃子ルリクリニック院長
ルリクリニック院長。兵庫医科大学卒。大阪警察病院、大阪大学医学部付属病院などを経て、ルリクリニック院長を務める。日本内科学会専門医、抗加齢医学学会専門医として、美容内科、栄養学、アンチエイジング、再生医療にも精通している。
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