ウォーターサーバーの設置を検討している方の中には、設置場所の都合で延長コードの使用を検討している方がいるかもしれません。
この記事では、ウォーターサーバーに延長コードを使用して良いのか、ウォーターサーバーを設置したい場所にコンセントがない場合の対処法を解説します。
延長コードの選び方や使う際の注意点、延長コードを使わずにウォーターサーバーを使用する方法も紹介します。ウォーターサーバーの設置を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
- ウォーターサーバーに延長コードを使用できる?
- ウォーターサーバーに延長コードを繋げると火災の原因になりやすい理由
- 過電流
- トラッキング現象
- グロー現象
- ウォーターサーバーに適した延長コードとは?
- 一口の延長コード
- アース線付きの延長コード
- スイッチのない延長コード
- 適度な長さの延長コード
- ウォーターサーバーに延長コードを使用する際に火災を防ぐための注意点
- 単独で使う
- 延長コードを傷つけない
- コンセント周りにほこりを溜めない
- 電源プラグやコンセントを水で濡らさない
- 電源プラグを奥まで差し込む
- ウォーターサーバーを安全に使うなら延長コードを使わない方法も検討しよう
- コンセントがある場所にウォーターサーバーを設置する
- 置き場所に融通の利く卓上型を検討する
- まとめ
ウォーターサーバーに延長コードを使用できる?
ウォーターサーバーに延長コードを使えるかどうかは、ウォーターサーバーメーカーや機種によって異なりますが、延長コードを使用すると火災のリスクが高まるため、なるべく使用せずに設置することをおすすめします。
しかし、ウォーターサーバーを設置したい場所にコンセントがなく延長コードを使いたい方は、ウォーターサーバーの契約前に本体の電源コードの長さや延長コードを使用できるかを確認しましょう。
すでにウォーターサーバーを購入し、設置場所で迷われている方は必ず取扱説明書で延長コードの使用可否を確認してください。ウォーターサーバーに延長コードを使用するリスクを知ったうえで、安全に使用しましょう。
ウォーターサーバーに延長コードを繋げると火災の原因になりやすい理由
ウォーターサーバーに延長コードを使用すると、漏電や感電、発火などの電気火災のリスクが高まります。延長コードを使用することによる電気火災の主な原因は、以下の3つです。
- 過電流
- トラッキング現象
- グロー現象
それぞれ解説します。
過電流
ウォーターサーバーに延長コードを使う場合、単独での使用を推奨、または必須としているメーカーがあります。これは、延長コードにウォーターサーバーの電源プラグとほかの電源プラグを一緒に差し込むと、決められたワット数を超える可能性があるためです。
延長コードには消費電力の容量が決まっており、容量以上の電流を流すと過電流により発熱し、火災の原因に繋がります。
トラッキング現象
延長コードの差込口部分の掃除を怠ると、コンセントと電源プラグの間にほこりが溜まることがあります。コンセントについたほこりに空気中の湿気が加わり、電源プラグの刃と刃の間に「トラック」と呼ばれる電気の通り道が作られて発火する現象を「トラッキング現象」と呼びます。
差込口が複数ある延長コードにウォーターサーバーの電源プラグを単独で接続した場合、ほかの差込口に水をこぼす可能性もあります。コンセントの内部に水が入るとショートし、漏電や感電する危険もあります。
グロー現象
電源プラグが抜けかけてゆるんだままのコンセントの接続部分で電流の断続を繰り返すと、接続部が異常に発熱し、発火に繋がります。これを、「グロー現象」と呼びます。
グロー現象は、漏電・短絡用の保護装置(漏電ブレーカーなど)では防止できないので注意が必要です。
先述のとおり、延長コードを使用すると火災のリスクが高まるため、使用を控えたほうが安全です。しかし、どうしても延長コードが必要な場合は上記のリスクを考慮し、ウォーターサーバーに適した延長コードを選びましょう。
ウォーターサーバーに適した延長コードとは?
ウォーターサーバーに延長コードを接続する場合、「単独であればOK」「アース線を取り付ける」などの条件付きで、延長コードの使用を可能としているメーカーもあります。
ウォーターサーバーの近くにコンセントがない場合は、取扱説明書を確認したうえで延長コードを使用しましょう。
ウォーターサーバーを安全に使うために適した延長コードは、次の4つです。
- 一口の延長コード
- アース付きの延長コード
- スイッチのない延長コード
- 適度な長さの延長コード
延長コードの選び方を、それぞれ詳しく解説していきます。
一口の延長コード
多くのメーカーで、タコ足配線が禁止されています。うっかりウォーターサーバー以外のコンセントを差してしまわないよう、一口の延長コードにしたほうが良いでしょう。
また、コードを選ぶ際は、水やほこりをガードする防水扉がついている延長コードがおすすめです。差込口の穴に扉がついているため、水やほこりが入りにくくなりっています。
アース線付きの延長コード
落雷時に瞬間的に発生する過剰な電流・高電圧(雷サージ)や停電が原因で漏電することがあるため、アース線付きの延長コードを選びましょう。アース線は万が一漏電した際に、余分な電気を地面に逃がして感電や漏電を防ぐ安全装置です。
スイッチのない延長コード
ウォーターサーバーは常に電源を入れておく必要があるため、スイッチ付きの延長コードはおすすめしません。何かの拍子でスイッチを切ってしまうと、ウォーターサーバーのタンク内の温度を一定に保てず、細菌が繁殖しやすくなります。
衛生上の理由だけではありません。スイッチを切ったことで常温に戻ってしまった水を再度温めたり冷やしたりすると、消費電力が大きくなり、かえって電気代が高くなります。
なお、長期の旅行や出張などで長期間使用しない場合の取扱い方法は、ウォーターサーバーのメーカーや機種によって異なるため、事前に取扱説明書で確認しておきましょう。
適度な長さの延長コード
延長コードが長すぎると、家具や家電で延長コードを踏む可能性があります。また、延長コードを束ねたり折り曲げたりすると、延長コードの損傷による火災に繋がるため、長すぎる延長コードはおすすめしません。
反対に延長コードが短すぎると電源プラグが外れる可能性もあるため、適度な長さのものを選びましょう。
ウォーターサーバーに延長コードを使用する際に火災を防ぐための注意点
先述したとおり、ウォーターサーバーに延長コードを接続して使用すると、火災のリスクが高まります。より安全に使用するために、次の5点に注意しましょう。
- 単独で使う
- 延長コードを傷つけない
- コンセント周りにほこりを溜めない
- 電源プラグやコンセントを水で濡らさない
- 電源プラグを奥まで差し込む
それぞれ詳しく解説していきます。
単独で使う
前述の通り、タコ足配線によって決められた容量以上で使用すると過電流になり、発熱して火災を引き起こす原因となります。
延長コードを使用する場合は、ほかの家電を一緒に接続せず、ウォーターサーバーだけで使用してください。
延長コードを傷つけない
延長コードが傷つくと、発熱やショートの原因となります。
生活動線上に延長コードがあると、足が引っかかり危険です。例え延長コードに足を引っかけて転倒しなくても、延長コードを踏んで傷つけたり、電源プラグがコンセントから外れたりするかもしれません。
また、家具や家電に挟まれることでも延長コードが傷つく可能性があります。足で引っかけたり傷つけたりしないように延長コードを壁に固定するなど、配線を工夫しましょう。
コンセント周りにほこりを溜めない
延長コードは差込口が上向きになっていることが多く、ほこりが溜まりやすくなります。電源プラグとコンセントの間に溜まったほこりが湿気を帯びると、火災の原因となります。
電源プラグと延長コードの接続部分にほこりが溜まらないよう、こまめに掃除しましょう。
電源プラグやコンセントを水で濡らさない
電源プラグやコンセントが水に濡れると、感電や漏電に繋がります。ウォーターサーバーは水を扱うため、給水時やボトル交換時には注意が必要です。
延長コードのコンセントを湿度が高い場所や水がかかる場所に置かないようするほか、濡れた手でコンセントに触れないようにしましょう。
電源プラグを奥まで差し込む
先述の通り、電源プラグがコンセントに中途半端な状態で差さっていると接続部分で電流の断続が繰り返され、異常な発熱や発火に繋がる「グロー現象」が発生することがあります。
また、電源プラグとコンセントの間にほこりが溜まったり、水が入り込みやすくなったりすることで「トラッキング現象」を起こす可能性もあり危険です。電源プラグはしっかりと奥まで差し込み、足を引っかけないような配線にしましょう。
ウォーターサーバーを安全に使うなら延長コードを使わない方法も検討しよう
より安全に使用したい方は、延長コードを使わずにウォーターサーバーを使う方法も検討しましょう。
延長コードを使わないためには、まずウォーターサーバー自体の電源コードの長さを把握しましょう。ウォーターサーバーのコードの長さは、約1.5~2m程度が一般的です。
ウォーターサーバーの購入を検討している場合、まずは、ウォーターサーバーのコードの長さを公式サイトから確認してください。
以下からは、延長コードを使わずにウォーターサーバーを使う方法を紹介します。
コンセントがある場所にウォーターサーバーを設置する
ウォーターサーバーの電源プラグがコンセントに届く範囲に移動できれば、延長コードが不要になり、安全です。ウォーターサーバーをコンセントの近くに設置できないか、ほかの家具や家電とあわせて検討してみましょう。
ただし、コンセントがあっても直射日光が当たる場所や湿度の高いところ、床が不安定なところは避けることが大切です。
また、ウォーターサーバーは放熱するため、背面を壁やほかの家具、家電から10~15cm以上離しましょう。
置き場所に融通の利く卓上型を検討する
ウォーターサーバーには、「床置き型」と「卓上型」があります。
床置き型は家具や家電のレイアウトによって置き場所に制限が出やすくなります。しかし、卓上型なら床置き型よりコンパクトに置けるため、テーブルや棚の上、キッチンカウンターなど置き場所を工夫しやすいでしょう。
ただし、設置場所の耐荷重を確認する必要があります。卓上型ウォーターサーバー本体だけでも10kg以上あり、ボトルを合わせると20kg以上になるものもあります。
床置き型を設置したい場所で延長コードが必要になりそうな場合は、設置場所の安定性を確保したうえで、卓上型のウォーターサーバーも検討してみましょう。
まとめ
ウォーターサーバーに延長コードを使用して良いかどうかは、メーカーによって異なるため、使用前に必ず確認してください。延長コードを使わずに設置できるところへ移動する、卓上型を選ぶなどの選択肢もあります。
延長コードが使用可能な場合も単独で使用し、延長コードを傷つけない配線の工夫も必要です。ウォーターサーバーを安全に使用するために、なるべく湿気の少ない所に設置し、電源プラグをしっかり差し込み、ほこりを溜めないよう定期的に掃除をしましょう。