冷感敷きパッドなど、接触冷感素材を使用した寝具は夏などの暑い時期に重宝されますが、なぜ冷たいと感じるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
また、冷感敷きパッドの購入を検討している方の中には、本当に効果を感じられるのか疑問に思っている方もいるかもしれません。
この記事では、接触冷感素材を使用した寝具が冷たく感じる仕組みや、接触冷感素材のデメリット、冷感敷きパッドの選び方を解説します。
冷感寝具とは?
冷感寝具とは、接触冷感素材を使用した寝具のことです。冷感寝具にはいくつかの種類がありますが、代表的な冷感寝具に「敷きパッド」があります。
敷きパッドとは、シーツや敷布団、マットレスの上に敷く寝具です。冷感敷きパッドは、一般的にツルツルした手触りの商品が多いですが、なかにはタオル生地の柔らかい手触りの商品などもあります。
冷感敷きパッドを使用すれば、暑い時期でもひんやり感じて快適に眠ることができます。
敷きパッドについて詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
接触冷感素材がひんやりする仕組み
接触冷感とは、肌と接触した際にひんやりと冷たく感じる効果のことで、接触冷感の効果を持つ生地を接触冷感素材と呼びます。
接触冷感素材をひんやりと感じる仕組みは以下のとおりです。
- 熱伝導率の高い繊維を使用している
- 触った時にシャリ感がある
それぞれ解説します。
熱伝導率の高い繊維を使用している
熱伝導率とは、熱が物質にどの程度伝わりやすいかを示す数値のことです。接触冷感素材では、熱伝導率の高い繊維が使用されています。
熱は、高温から低温へ移動する性質を持っており、熱伝導率が高いほど熱が移動しやすくなります。
接触冷感素材は、この熱の性質によって、肌に触れた部分の熱が瞬時に生地に移動し、熱を奪われることで冷たく感じられます。
触った時にシャリ感がある
接触冷感素材は繊維の中に多くの水分を含んでおり、触った時にシャリ感(やや硬さを感じる)があります。
また、接触冷感素材は、一般的にさらっとした肌触りに仕上げられているものが多いです。シャリ感やさらっとした肌触りによって、生地が肌にまとわりつきにくくなります。
冷感敷きパッドにデメリットはある?
冷感敷きパッドの主なデメリットは以下のとおりです。
- ひんやりする感覚は長く続かない
- 素材によっては熱がこもりやすい
- 室温によってはひんやり感を得られない
それぞれ解説します。
ひんやりする感覚は長く続かない
前述のように、接触冷感素材は熱伝導の仕組みを利用することで、肌が生地と接触した時にひんやり感じます。
そのため、肌が生地に接触した後は熱が生地に移動し、時間の経過とともに効果が薄れる点がデメリットです。
就寝中は寝返り以外ではあまり身動きしないため、寝具は体の同じ部分が接触し続けます。そのため、冷感敷きパッドを使用しても、肌と生地の温度差がなくなると生暖かく感じる傾向があります。
なお、肌の熱が生地に移動する性質上、特に冷え性の方などは、体の熱が必要以上に奪われて体が冷えすぎてしまう場合があるため注意しましょう。
素材によっては熱がこもりやすい
接触冷感素材には、一般的にポリエステルやナイロンなどの化学繊維が使用されることが多いです。このような化学繊維は汗を吸収しにくく、暑く感じる場合があります。
特にポリエステルやナイロンなどの化学繊維は吸湿性や吸水性が低いため、汗によって布団の中が蒸れる可能性があります。
室温によってはひんやり感を得られない
接触冷感素材は、熱が温度の高い場所から低い場所に移動する仕組みを利用しています。
室温が高すぎる場合、冷感敷きパッドのほうが肌の温度よりも高くなり、ひんやり感を得られない可能性があります。
そのため、室温が高くなりやすい夏場の暑い時期は、エアコンなどを活用して室温を下げる必要があるかもしれません。
エアコンで室温を26〜28℃程度に保ちつつ冷感敷きパッドを使うことで、設定温度を過度に下げなくても快適に入眠でき、節電にも繋がります。
冷感敷きパッドを選ぶポイント
冷感敷きパッドを使用する際には、以下のポイントを考慮して選ぶことをおすすめします。
- Q-max値の高さ
- 通気性と吸湿性
- 防臭機能や抗菌加工などの機能
- 洗濯の可否
それぞれのポイントを詳しく解説します。
なお、暑くて寝苦しい夜を快適に過ごしたい方は、冷感敷きパッドの活用に加えて、以下の記事も参考にしてください。
Q-max値の高さ
Q-max値とは、最大熱吸収速度のことで、生地に触れた時の熱移動量を数値化したものです。接触冷感素材は、Q-maxが高いほど肌に触れた時に冷たいと感じます。
冷たく感じる目安の数値は、一般的に0.2W/cm2以上とされていますが、よりひんやり感を得たい場合は、それ以上のQ-max値の商品を選びましょう。
通気性と吸湿性
冷感敷きパッドを選ぶ時は、Q-max値に加えて、通気性と吸湿性の考慮が重要です。人は就寝時にコップ1杯程度の汗をかくとされており、通気性が劣っている場合は熱がこもって蒸れてしまいます。
また、吸湿性が劣っている場合は汗を吸収しにくいため、肌がベタベタして寝苦しさを感じるかもしれません。
一般的に、冷感敷きパッドによく使用されるナイロンなどの化学繊維は、通気性と吸湿性に劣る傾向があり、睡眠の質が低下する可能性があります。
なお、天然繊維を使用した冷感敷きパッドは通気性と吸湿性に優れている傾向があり、同じQ-max値でも化学繊維を使用した冷感敷きパッドよりも快適に眠りやすいとされています。
防臭機能や抗菌加工などの機能
冷感敷きパッドの中には、防臭機能や抗菌加工が施された商品もあります。前述のとおり、就寝時にはコップ1杯程度の汗をかき、これが臭いや菌の繁殖の原因となります。
防臭機能や抗菌加工が施された冷感敷きパッドであれば、臭い対策や菌の繁殖を抑えることが可能です。
洗濯の可否
敷きパッドはシーツの上に敷いて使用するため、肌に直接触れる寝具です。ほかの寝具に比べて汚れやすいため、清潔に使用するにはお手入れのしやすさを考慮して選ぶことが大切です。
不衛生な寝具を使用すると、睡眠の質に影響する可能性があります。敷きパッドに使用されている素材によって洗濯の可否やお手入れのしやすさが異なるため、事前に確認しましょう。
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維はそのまま洗濯しても問題がなく、基本的にお手入れがしやすい素材です。
また、天然繊維ではコットン(綿)やリネン(麻)が洗濯できる場合が多いため、比較的お手入れがしやすい傾向があります。ただし、天然繊維によっては自宅で洗濯できない場合があるため、洗濯の可否をしっかりと確認しましょう。
まとめ
冷感敷きパッドなどの接触冷感素材を使用した寝具は、生地が肌に触れた時に冷たく感じ、暑い時期でも快適に眠ることができます。
ただし、接触冷感素材は熱伝導の仕組みを活用しているため、冷たい感覚が継続するわけではありません。また、使われている素材によっては熱がこもって蒸れることもあります。
接触冷感素材を使用した寝具は、最大熱吸収速度を示すQ-max値だけでなく、通気性や吸湿性、機能性などを考慮して、自分に最適なものを選びましょう。
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