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2022.11.02

【医師監修】δ波(デルタ波)って何のこと?睡眠との関係性やほかの脳波の種類など解説

【医師監修】δ波(デルタ波)って何のこと?睡眠との関係性やほかの脳波の種類など解説

睡眠に関する脳波の一つにδ波(デルタ波)があります。デルタ波がどのような脳波なのか、または睡眠との関連性が知りたいと思っている方もいるのではないでしょうか。

睡眠の質の向上を目指してデルタ波について調べているなら、加えてα波(アルファ波)についても正しく理解しましょう。

この記事では、デルタ波を含めた睡眠に関係する脳波について紹介します。医師の解説も交えて説明するため、デルタ波に関する疑問がある方はぜひ参考にしてください。

  1. δ波(デルタ波)は深い睡眠時にあらわれる脳波
  2. デルタ波をはじめとした脳波の種類
  3. 日中のデルタ波は病気の可能性の示す?
  4. 運動とデルタ波の関係性
  5. 睡眠前はα波(アルファ波)を発生させると良い
  6. まとめ

δ波(デルタ波)は深い睡眠時にあらわれる脳波

δ波(デルタ波)は、0.5Hz~4Hz(ヘルツ)未満のゆっくりした大きな波形を示す脳波です。

睡眠時は、眠りが浅い状態の「レム睡眠」と深い睡眠の状態の「ノンレム睡眠」が約90分の周期で交互に訪れていますが、デルタ波は睡眠初期のノンレム睡眠時に多くあらわれることがわかっています。

デルタ波をはじめとした脳波の種類

脳波にはデルタ波のほかに、γ波(ガンマ波)、β波(ベータ波)、α波(アルファ波)、θ波(シータ波)があります。デルタ波を含めたそれぞれの特徴は、以下の表のとおりです。

脳波の種類特徴
γ波(ガンマ波)緊張・不安・イライラなど興奮した時に出る
β波(ベータ波)脳が活動状態の時に出る
α波(アルファ波)リラックスしている時に出る
θ波(シータ波)眠気を感じる時などに出る
δ波(デルタ波)熟睡した状態の時に出る

通常、脳波は起きている時や睡眠中に関わらず混在していますが、状態によって主体となる脳波が異なります。脳波のうち睡眠に関係するのは、主にアルファ波・シータ波・デルタ波です。

アルファ波は、脳がリラックスしている時に主体となる脳波です。就寝前は脳がリラックスした状態になるのが理想なので、アルファ波が主体になった状態が良いとされています。

シータ波は、ウトウトした状態や浅い眠りの時に見られますが、眠りが深くなりノンレム睡眠の状態になると、主体がデルタ波へと変化していきます。

なお、ノンレム睡眠と交互に訪れるレム睡眠では脳が一時的に活動するため、シータ波が主体としてあらわれてきます。

日中のデルタ波は病気の可能性の示す?

一般的に成人の場合、通常だと「活動中はベータ波」「リラックス時はアルファ波」「眠気を感じてウトウトしている時はシータ波」「熟睡時はデルタ波」のように、状態によって主体となってあらわれる脳波が決まっています。

覚醒しているにもかかわらずシータ波やデルタ波があらわれる場合は、脳の機能低下が疑われ、何らかの病的状態である可能性が高くなります。主に考えられる病気は、以下のとおりです。

  • てんかん
  • 意識障害
  • 認知症

なお、脳波を日常生活で意識することはあまりないと思いますが、医療機関では症状を診断する時に脳波検査が行われることもあります。

脳波を見るためには専用の機材が必要になるため、健康状態が気になる方は脳波検査を受けられる医療機関を受診してみると良いでしょう。

塚本浩

塚本浩

けんせいクリニック院長

脳波検査はてんかん、睡眠障害、認知症などが疑われない場合、特段検査する必要はありません。

運動とデルタ波の関係性

運動とデルタ波の関係性

適度な運動は睡眠の質が高まるといわれる一方で、激しい運動は睡眠の質を低くするともいわれていましたが、筑波大学の研究(※)によると、比較的激しい運動も深い眠りを誘発することがわかっています。

筑波大学のエンベロープ解析を用いた研究によれば、最大酸素摂取量の60%強度の比較的激しい運動を1時間行なった場合、主観的には睡眠の質の低下が見られたものの、脳波ではデルタ波が大幅に増大し、睡眠初期の状態でも強くなったとのことです。

つまり運動を行なうことで、主観的には睡眠の質が改善されないものの、客観的には安定した深い眠りを誘発することが証明されたことになります。

また、運動によって睡眠の質が高まると睡眠初期から深い眠りとなり、短時間でも睡眠欲求を満たすことが期待できるとしています。

なお、最大酸素摂取量とは、1分間に体重1kgあたりどれだけ酸素を摂取できるかという指標です。一般的な平均は、男性だと40~45ml/kg/min、女性だと35〜40ml/kg/minといわれています。

(※)出典:筑波大学「運動は深い睡眠の質を向上させる〜δ波の安定性を検証する睡眠脳波の新しい解析法〜」

塚本浩

塚本浩

けんせいクリニック院長

最大酸素摂取量の60%の強度は年齢ごとに目標とする心拍数が変わるため一概にはいえませんが、30歳だと138/分の心拍数となるため、比較的激しい運動と同程度になります。

睡眠前はα波(アルファ波)を発生させると良い

睡眠には自律神経が影響を与えていますが、自律神経には活発な状態で優位になる「交感神経」と、リラックスしている時に優位になる「副交感神経」があります。

日中は交感神経が優位になることで意欲的に活動できるようになりますが、夜になると副交感神経が優位な状態へと切り替わり、就寝の準備ができてきます。

前述したように、リラックスしている時は、アルファ派が主体になった状態です。そのため、就寝前はアルファ波があらわれている状態が理想となるのですが、手軽にアルファ派を誘発できる方法として知られるのが音楽を聴く方法です。

アルファ波を生じさせる効果が期待できる音楽には、以下のような特徴があります。

  • 高周波の音楽
  • 歌詞が含まれない音楽
  • ゆったりとした一定リズムの音楽

代表的な音楽としては、モーツァルトの音楽や自然音があります。

音楽を聴くことで集中力や記憶力の向上、ストレス解消といった効果も期待でき、心身ともに良い影響を与えると考えられています。

アルファ波の音楽についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事で詳細に解説しているので、ぜひご参照ください。

アルファ波 睡眠
α波(アルファ波)と睡眠の関係性を調査!就寝前におすすめの音楽の特徴も紹介
塚本浩

塚本浩

けんせいクリニック院長

アルファ波が多い状態(リラックス状態)ではその後のシータ波の状態(浅睡眠)に移行しやすい状態といえます。より早く眠るためには前段のアルファ波を増やした状態が適しているといえるでしょう。

まとめ

デルタ波は、深い睡眠時にあらわれる脳波の一種です。脳波にはデルタ波のほかに、アルファ波やシータ波、ベータ波、ガンマ波があります。

特にアルファ波とシータ波、デルタ波は睡眠に大きく関係する脳波です。通常、就寝前はアルファ波、就寝直後はシータ波があらわれ、眠りが深くなるにつれてデルタ波が主体になります。

また、筑波大学の研究では、適度な運動だけではなく比較的激しい運動でも睡眠の質を高める可能性があるとされています。睡眠の問題で悩んでいる方は、日常に運動する習慣を取り入れて、睡眠の質の改善を目指しましょう。

この記事の監修者
塚本浩
塚本浩けんせいクリニック院長
けんせいクリニック院長。帝京大学医学部神経内科研修医。帝京大学医学部神経内科助教、ローマ聖心カトリック大学(Università Cattolica del Sacro Cuore, Roma)留学を経て、帝京大学医学部脳神経内科・医学教育センター助教、帝京大学医療技術学部 臨床検査学科 准教授。東京医科大学茨城医療センター脳神経内科 臨床准教授。現在は、けんせいクリニック院長、筑波大学付属病院臨床教授(病院)を務める。
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