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2023.11.27 更新

【医師監修】寝過ぎてしまうのはストレスが原因?うつ病や過眠症の可能性についても解説

【医師監修】寝過ぎてしまうのはストレスが原因?うつ病や過眠症の可能性についても解説

仕事の人間関係や家庭の問題でストレスを抱え、「寝過ぎてしまう」と悩む方は多いかもしれません。

厚生労働省が示す「健康づくりのための睡眠指針 2014」によると、6~8時間が標準的な睡眠時間とされています。これは、6時間以上8時間未満の睡眠をとる人が多い傾向があるためです。

ただし、睡眠時間が短すぎても長すぎても病気のリスクが高まる可能性があるため、自分にとって適切な睡眠時間をとることが大事です。

この記事では、ストレスを受けると寝過ぎてしまう原因から対処法までわかりやすく解説します。

寝過ぎてしまう原因を知りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

  1. ストレスを受けると寝過ぎてしまう原因
  2. ストレス以外で考えられる寝過ぎの原因
  3. 睡眠不足
  4. 体の疲れ
  5. ロングスリーパーの体質
  6. 女性ホルモン
  7. ストレスによる寝過ぎはうつ病や過眠症などの可能性が考えられる
  8. うつ病
  9. 過眠症
  10. 睡眠時無呼吸症候群
  11. むずむず脚症候群
  12. 自律神経失調症
  13. 寝過ぎを防ぐために睡眠の質を高める方法
  14. ストレス解消法を見つける
  15. 仮眠をとる
  16. 食生活を改善する
  17. 就寝の90〜120分前までに入浴する
  18. 就寝環境を見直す
  19. まとめ

ストレスを受けると寝過ぎてしまう原因

人間がストレスを受けると、体温や代謝といった体の機能をコントロールする役割をもつ「自律神経」のバランスが崩れます。

自律神経が乱れると、頭痛や吐き気といったさまざまな体の不調が引き起こされますが、過眠も自律神経の乱れによって生じる症状の一つです。

自律神経は自分の意思とは関係なく働いており、活動的な「交感神経」と、リラックス状態の「副交感神経」から成り立ちます。

例えば、夜になると眠くなるのは、日中に働く交感神経から副交感神経への切り替わることによるものです。

健康な時には、交感神経と副交感神経のバランスが取れているものの、精神的なストレスを受けて体に疲れが蓄積すると、両者のバランスが崩れて過眠症に繋がる場合があります。

なお、ストレスの原因については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひこちらもご一読ください。

ストレス 原因
【医師監修】知っておきたいストレスの原因6選!病気が隠れている可能性や対処法も解説
大井美恵子

大井美恵子

女医によるファミリークリニック 院長

人間は生きている限り、自分の体をできるだけ守ろうとします。ストレスなどで自律神経が乱れてくると自分の体を休めて、ストレスから保護しようとするため、過眠に繋がります。

ストレス以外で考えられる寝過ぎの原因

ストレスによって過眠が引き起こされるだけでなく、寝過ぎてしまう時にはほかの原因が関係しているケースもあります。

原因はいくつか考えられますが、今回は以下の4つを紹介します。

  • 睡眠不足
  • 体の疲れ
  • ロングスリーパーの体質
  • 女性ホルモン

本項目では、それぞれの内容を詳しく解説します。

睡眠不足

必要な睡眠時間を確保できず「睡眠負債」が溜まると、過眠を引き起こす可能性があります。

睡眠負債とは、自分にとって必要な睡眠時間が確保できず、慢性的な睡眠不足になっている状態のことです。平日に眠れない分、休日に長く眠る方もいるかもしれませんが、睡眠負債は「寝だめ」しても解消されません。

そのため、溜まった睡眠負債を返済するには、「寝だめ」ではなく、数日間かけて必要な睡眠時間を確保できるよう生活を整えていく必要があります。

大井美恵子

大井美恵子

女医によるファミリークリニック 院長

私の場合は、もともと患っていた甲状腺の病気が睡眠不足によって悪化しました。睡眠は、人間の自然治癒能力を高めるだけではなく、自己免疫能力も高めてくれるため、1番大切にしなければいけないものです。

睡眠不足に陥ると脳内の疲労が蓄積し、食欲が止まらなくなり肥満に繋がったり、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなったりするだけでなく、場合によっては悪性腫瘍の悪化にも繋がる可能性もあります。

また、睡眠負債によるアトピーの悪化やニキビの増発などの肌への悪影響は、受診される方が多い疾患です。

体の疲れ

体に疲れが蓄積していると寝ても疲れが取れないので、だるさやつらさが解消されず、自然と睡眠時間が長くなります。

通常は、ある程度の休養をとると体の疲れは回復します。

しかし、6ヶ月以上にわたり異常な疲労感が続く場合や、微熱のような体の不調を伴う場合には、「慢性疲労症候群」の疑いもあるため注意が必要です。

慢性疲労症候群は単なる疲労ではなく病気なので、睡眠時間を確保して休養するだけでは解消できません。

異常な眠気が長期間続く場合は、医療機関を受診しましょう。

ロングスリーパーの体質

生まれつき、長めの睡眠時間を必要とする体質の方を「ロングスリーパー」と呼びます。

ロングスリーパーの睡眠時間の定義はありませんが、一般的には10時間以上の睡眠を必要とする方を指すことが多いようです。

ロングスリーパーは遺伝的な要素が強い「体質」であり、病気ではありません。

病気である「過眠症」の場合は日中に強い眠気があらわれますが、ロングスリーパーは日中に眠くならず、問題なく日常生活を送れます。

女性ホルモン

女性はホルモンの影響で強い眠気に襲われることがあります。

特に生理前の時期は、妊娠に関係する女性ホルモンの「プロゲステロン」が多く分泌され、眠気を感じやすくなります。

また、生理前は高温期が続き、体温が高めになることも眠気を感じる原因の一つです。妊娠初期に感じる強い眠気にも、プロゲステロンが関係しています。

プロゲステロンが持っている「体を休ませようとする働き」によって、だるさや熱っぽさも感じるようになるのです。

ストレスによる寝過ぎはうつ病や過眠症などの可能性が考えられる

ストレスによる寝過ぎはうつ病や過眠症などの可能性が考えられる

一般的な睡眠不足による寝過ぎであれば、さほど心配する必要はありません。

しかし、あまりにも症状がひどい場合には、病気の症状として眠気が出ている可能性もあります。

  • うつ病過眠症
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • むずむず脚症候群
  • 自律神経失調症

自己判断で「睡眠不足」と「病気」を見分けることは難しいので、以下に紹介する症状に心当たりがある方は早めに医療機関を受診しましょう。

うつ病

うつ病の代表的な症状に不眠がありますが、人によっては過眠があらわれることもあります。過眠は特に双極性障害の方に多く見られる症状です。

うつ病によって過眠が引き起こされている場合、睡眠時間が長くてもなかなか疲れがとれません。疲れがとれないことで、さらに睡眠を必要として、結果的に睡眠時間が長くなります。

過眠症

過眠症とは、睡眠を調節する脳のはたらきに問題が生じる病気です。日中に起きていられないほどの強い眠気を感じます。

過眠症は3つのタイプに分かれ、以下の特徴があります。

過眠症の種類特徴
ナルコレプシー・突然強い眠気に襲われる
・十分な睡眠をとっても症状が出る
・日中に居眠りを繰り返す
・金縛りや脱力感を伴うことがある
特発性過眠症・強い眠気で生活に支障が出る
・一度にまとまった睡眠が必要
・ナルコレプシーの症状(金縛りや脱力感など)を伴わない
反復性過眠症・過眠期と正常な睡眠期間を繰り返す
・過眠期は数日〜数週間の周期
・過眠期は不定期に訪れる

過眠症は自己治療ができないので、通院や薬による治療が必要です。

日中の強い眠気に加えて、上記で紹介した症状が見られる場合には医療機関で相談してください。

大井美恵子

大井美恵子

女医によるファミリークリニック 院長

ナルコレプシーは急に眠気が襲ってくるので、例えば運転中や大切な会議中でも寝落ちしてしまうことがあります。急に電気がオフになったような状況です。

特発性過眠症は、「朝起きられない」または「起きている時間は元気なのに、起きようと思った時に起きられず仕事や学校を休む」といった支障が生じます。

反復性過眠症は動物の冬眠と似ていて、ある時期になるとほとんど起きられなくなり、1日中寝ることもあります。しかし起きていられる時期には、ほかの方と全く変わらない睡眠パターンで過ごせるところが特徴です。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に呼吸が止まり、体が酸欠状態になって目が覚める病気です。いびきや中途覚醒などで眠りが浅くなることで、慢性的な睡眠不足になり、日中に強い眠気を感じます。

睡眠時無呼吸症候群は症状を自覚しにくい病気なので、家族に「睡眠中に呼吸が止まっている」「いびきがひどい」などの症状を指摘されて気付くこともあります。

放置すると、高血圧や心筋梗塞、脳梗塞など別の病気を招く可能性もあります。

むずむず脚症候群

むずむず脚症候群とは、じっとしている時や横になっている時に、脚にむずむずする感触やかゆみといった不快感があらわれる病気です。

脳内の神経系の異常や貧血が原因とされています。

眠りたくても脚に違和感が生じるためなかなか眠れず、結果的に睡眠不足になります。「むずむずする」といった特有のつらさによる精神的・身体的なストレスを軽減するためにも、早めの治療が必要です。

自律神経失調症

自律神経失調症とは、ストレスやホルモンバランスの乱れが原因で交感神経と副交感神経のバランスが崩れて起きる、さまざまな心身症状の総称です。

症状は多岐に渡るものの、おもな身体症状は疲労感や睡眠障害、動悸、めまい、下痢や便秘があります。精神症状には、情緒不安定やイライラ感が挙げられます。

自律神経失調症の睡眠障害の一つである寝過ぎは、交感神経が優位に働き血管が収縮し、全身の血流が悪くなることが原因です。全身の血流が悪くなると脳の血流も低下し、眠気が強くなります。

寝過ぎを防ぐために睡眠の質を高める方法

過眠は睡眠不足が影響して引き起こされる場合が多いため、自分にとって必要な睡眠時間を確保しつつ、睡眠の質を高めるよう意識しましょう。

  • ストレス解消法を見つける
  • 仮眠をとる
  • 食生活を改善する
  • 就寝の90~120分前までに入浴する
  • 就寝環境を見直す

普段の過ごし方を見直し、ストレス解消法を取り入れるのも良いでしょう。睡眠の質を高める方法を以下で詳しく紹介します。

ストレス解消法を見つける

ストレスが蓄積すると自律神経のバランスが乱れ、過眠や不眠の睡眠トラブルが生じるきっかけとなります。自律神経のバランスを良好に保つためにも、日々のストレス解消が大切です。

ストレスが溜まっていると感じたら、趣味や運動に打ち込むなどして解消させましょう。スポーツや音楽、カラオケ、買い物、外出など、気分転換になる活動であるならば何でも構いません。また、心が落ち着くようなアロマやヒーリング系の音楽を取り入れることも効果的です。

仮眠をとる

睡眠不足を補うためにも、日中に15~30分程度の仮眠をとると良いでしょう。眠気を感じる前にあらかじめ仮眠をとっておくと、頭がすっきりしてより活動的に過ごせます。

長く仮眠をとると、夜に眠くならず入眠しづらくなる可能性があるので、夜の睡眠に影響が出ない程度の仮眠に留めましょう。

食生活を改善する

覚醒作用があるアルコールやカフェインは、就寝前には摂取しないようにしましょう。個人差はありますが、カフェインの覚醒作用は2〜4時間ほど持続するとされているので、夕方以降の摂取はできる限り避けるほうが望ましいです。

また、生活リズムを整えるためには朝・昼・夜の食事をしっかり食べましょう。特に朝食は体内時計をコントロールする重要な役割を果たしているため、軽めなものでも構わないので毎日食べる習慣をつけましょう。さらに、毎回バラバラな時間帯に食事をとると体内時計のリズムが乱れるため、食事は毎日決まった時間にとるよう心がけてください。

就寝の90〜120分前までに入浴する

体温が上がって下がるタイミングで眠気が促されるため、入浴は就寝の90~120分前に済ませましょう。就寝の90~120分前に入浴すると、就寝時刻頃に眠気を感じやすくなります。

入浴は、38℃のぬるめのお湯に25分~30分ほど浸かる方法がおすすめです。シャワーでなく湯船に浸かってゆっくり温まるとリラックスでき、筋肉のこりがほぐれる効果も得られます。42℃以上の熱めのお湯に浸かりたい場合は、入浴時間を5分程度に短くしてください。

就寝環境を見直す

「使っている寝具が体に合わず疲れが残る」「部屋の温度が不快で眠れない」のような、就寝環境が整っていないために睡眠の質が低下している場合は、見直しが必要です。

枕やマットレスは、体に負担がかからず寝返りが打ちやすいものをおすすめします。季節に合わせて掛布団の厚みを変える、重すぎる掛布団は避けるといった工夫も大切です。

明るい光は体内時計を狂わせる原因となるため、蛍光灯の明るい光が気になる場合には、寝室に暖色系の照明や間接照明を取り入れましょう。

就寝直前までパソコンやスマホを使用し、ブルーライトの光を浴びることも良くありません。就寝時間の2時間前までには使用をやめることが望ましいです

また、寝室の室温を適切に保てると、「なかなか寝付けない」「寝苦しくて起きる」といったリスクを軽減できる可能性があります。一般的に快適な室温は、夏場は25〜26℃、冬場は22〜23℃とされています。

ほかにも、音楽を消して静かな環境で眠るなど、睡眠の質を高めるためにできることから始めてみてはいかがでしょうか。

まとめ

人はストレスを受け続けると自律神経が乱れ、過眠をはじめとした体の不調が引き起こされます。食生活や体の疲れも過眠に繋がる可能性があるため、原因を取り除くと「寝過ぎてしまう」状況を回避できるかもしれません。

睡眠不足によって一時的に寝過ぎることは問題ありませんが、中には病気が隠れている可能性もあります。「過眠以外にも気になる症状がある」「異常な眠気が長く続いている」場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

単なる睡眠不足で寝過ぎてしまう場合は、「食生活を改善する」「就寝環境を見直す」など、まずは日常生活でできることから取り組んでみてください。

この記事の監修者
大井美恵子
大井美恵子女医によるファミリークリニック 院長
女医によるファミリークリニック 院長。金沢医科大学医学部医学科卒業、医療法人あかね会 土谷総合病院、広島市立広島市民病院小児科、広大前皮フ科内科・アーバンビューグランドタワーメディカルコート・重症心身障害児施設 ときわ呉・日本赤十字社等で勤務を経て、女医によるファミリークリニック 院長へ。
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