ダニが原因でかゆみが出ているのであれば、布団を清潔に保つための対策を行うことが大切です。今日からできることはたくさんあるので、まずは体のかゆみの原因を特定することから始めましょう。
この記事では、ダニに刺されたのか気になっている方に向けて、ダニが原因なのか、もしくはほかに原因があるのか判別方法を解説します。今後ダニに悩まされないために知っておきたい知識も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
体がかゆい時に考えられる原因
赤いポツポツができてかゆみがある場合、原因としてダニを考える方は多いでしょう。ここでは、次の2つのケースについて解説します。
- ダニがかゆみの原因となるケース
- ダニ以外がかゆみの原因となるケース
それぞれ症状や発疹が出やすい場所などについて解説するので、どちらが自分のかゆみに当てはまるのかチェックしてみてください。
ダニがかゆみの原因となるケース
ダニは小さいため肉眼では見えづらいですが、実は家のなかに大量に潜んでいます。布団の中・押し入れ・和室・ソファ・カーペットなど、あらゆる場所にいると思っていいでしょう。
ダニに刺された時の症状として、肌に赤いポツポツとした発疹が出ますが、刺された翌日以降に強いかゆみが出て、3〜7日程度続くこともあります。
ダニは体ならどこでも刺すのではなく、下腹部・脇の下・腰・内ももなど、衣類で隠れる部分や皮膚が柔らかい部分を刺すことが多いです。
自分がダニに刺されたかどうかチェックするために、以下4点を確認してみましょう。
- 赤い発疹と強いかゆみがある
- 衣類で隠れている部分に症状がある
- 2〜3日経ってもかゆい
- 赤い発疹が不規則に並んでいる
このような症状に当てはまれば、ダニに刺されている可能性があります。
ダニ以外がかゆみの原因となるケース
かゆみの原因はダニ以外にもさまざまあるため、前述した症状と違っていたら別のことが原因なのかもしれません。ダニに刺された時と似た症状には、あせも・蕁麻疹・繊維による刺激などがあります。
あせもは、高温多湿の環境で皮膚に汗がたまって起こる炎症のことです。ダニに刺された時と似た、強いかゆみを伴う赤い発疹ができます。発疹は、ひじやひざの裏・首元・脇の下・洋服で締め付けられている部分にできやすいです。
また、蕁麻疹は、汗や日光の刺激、疲労やストレスなど、さまざまな原因で起こります。蕁麻疹になると皮膚の一部が赤く盛り上がりますが、数時間以内に消えることが多いです。全身どこにでもできるのが特徴といえます。
どちらにも当てはまらない場合は、繊維による刺激の影響かもしれません。化学繊維が肌に合わない時にアレルギー反応を起こし、下着や洋服が触れている部分に発疹やかゆみが生じることがあります。
ダニを含めたかゆみの原因について説明しましたが、素人では自分のかゆみがどれに当てはまるのか判断するのは難しいでしょう。症状が数日続く、かゆみが我慢できないという場合には、無理せず皮膚科の受診をおすすめします。
家のなかに生息するダニの種類
家のなかにはさまざまな種類のダニが生息していますが、すべてのダニが人を刺すのではありません。
家に生息するダニのうち、多く生息しているのは以下の3種類です。
- ヒョウヒダニ
- コナダニ
- ツメダニ
餌にするものや生息場所など、それぞれどのようなダニなのか詳しく解説します。
ヒョウヒダニ
ヒョウヒダニは人を刺すことはありませんが、アレルギーの原因となることがあるダニです。家のなかに生息しているダニの大半は、ヒョウヒダニだといわれています。
布団・カーペット・家具などに生息していることが多く、高温多湿の場所を好むようです。ほかのダニの餌となるため、駆除しないとより大きなダニを引き寄せてしまいます。
コナダニ
コナダニは、小麦粉・砂糖・チーズ・チョコレートなど、その名前のとおり粉類を中心とした食品に潜んでいるダニです。食品だけでなく、畳にも生息していることがあります。
ヒョウダニと同じく人は刺しませんが、ツメダニの餌となるため駆除が必要です。高温多湿を好み、梅雨や秋に発生しやすいといわれています。
大井美恵子
女医によるファミリークリニック 院長
コナダニを食べてしまった場合は、アレルギー科を受診しましょう。
症状の目安としては、体に湿疹や、かゆみ、咳、呼吸困難などの症状が出てきたら受診をおすすめします。
ツメダニ
ツメダニは吸血しないものの、間違って人を刺して体液を吸うことがあり、これがダニによるかゆみの原因です。刺された部分は赤く腫れ、強いかゆみが1週間ほど続きます。
高温多湿を好み、特に8〜9月に多く発生するダニです。布団・カーペット・畳などに生息することが多く、餌としてヒョウダニやコナダニを捕食します。
かゆい時に実践したい5つのダニ対策
ダニに刺されたら、すぐに対策しないと再び刺される可能性があります。すぐに実践できるダニ対策として、以下の4つを試してみましょう。
- 布団を洗濯して徹底除去する
- 布団乾燥機でダニを退治する
- ダニ駆除剤を使う
- ダニが住み着いた寝具は買い替えを検討する
それぞれ詳しく紹介するので、ぜひ実践してみてください。
布団を洗濯して徹底除去する
もしダニに刺されてしまったら、ダニの生息地となりやすい布団を丸洗いして徹底除去しましょう。
ダニは、60℃以上の熱処理を行うと、ほとんどが死滅します。低い温度ではダニ退治できないため、ガスの熱風でダニを退治できるコインランドリーの利用がおすすめです。
もしコインランドリーの利用が難しければ、費用はかかりますがクリーニングに出すことも検討すると良いでしょう。
布団乾燥機でダニを退治する
自宅でダニ対策したいなら、布団乾燥機の熱風でダニを退治する方法もあります。この時、布団の内部まで高温で乾燥させることが大切です。
一度だけでは効果が薄いため、ダニに刺された時には、毎日布団乾燥機を使用することをおすすめします。布団乾燥機のあとは、布団クリーナーや掃除機でダニの死骸を吸い取るのを忘れないようにしましょう。
手軽に熱を加える方法として天日干しを考える方もいるかもしれませんが、天日干しでは布団の内部まで高温にならないため、あまりダニを退治できません。しっかりダニ退治したいなら、布団乾燥機を利用しましょう。
掃除機でダニアレルゲンを吸い取る
畳やカーペットなど、洗濯することや布団乾燥機を使うことが難しいものは、掃除機でダニを吸い取る方法を試してみてください。生きているダニは繊維にしがみつく力が強く、完全に吸い取ることは難しいですが、表面のダニは退治できます。
掃除機で吸い取るのは、ダニの死骸やフンなどのダニアレルゲンがメインです。ダニの餌を減らすことで、ダニの繁殖を防ぐことができます。
ダニ駆除剤を使う
畳やカーペットに潜むダニを内側からしっかり退治したいなら、ダニ駆除剤の利用がおすすめです。前述のとおり掃除機では表面しか退治できないため、根本的な解決は難しいでしょう。
一般家庭で使えるダニ駆除剤として、煙や霧を発生させるタイプが販売されています。
使用時は窓や扉を閉め切り、ダニやほかの虫が隠れやすい引き出しや押し入れは開けておきましょう。食器や食品などは、駆除剤が付かないようにカバーしておくことが大切です。
商品によって詳細な使用方法は異なるため、説明書をよく読んでから使用してください。
ダニが住み着いた寝具は買い替えも検討する
寝具の汚れがひどい場合や長年使用している場合は、ダニが住み着いてしまったら、いっそのこと寝具を買い替えるのも一つの手です。
新しく購入する際には、防ダニ加工済みの寝具を選ぶと良いでしょう。ダニが布団の内部に入りにくい、高密度織りの生地を使用したものもおすすめです。丸洗いできるタイプであれば清潔に使えるため、ダニが住み着くのを防ぎやすくなります。
ウールや羽毛など、動物が素材のものはダニを寄せ付けやすいため、よりダニ対策に気を配らなくてはなりません。
大井美恵子
女医によるファミリークリニック 院長
ダニに刺されて赤い発疹や炎症が見られる場合は、市販の薬を塗っても差し支えありませんが、心配な場合は皮膚科を受診しましょう。市販で売っているものは、皮膚科で処方されるものと効力や用途が違うため、皮膚科で処方された薬の方が早く改善が見られる場合があります。
普段から取り組める3つのダニ予防策
ダニによるかゆみを避けたいなら、ダニに刺されてから対処するのではなく、普段から予防しておくことも大切です。日常生活で実践を続けると予防しやすくなるため、ぜひ習慣にしてください。
手軽にできるダニ対策として、以下の3つがおすすめです。
- 定期的に掃除してダニの餌を減らす
- 寝具を洗濯して清潔さを保つ
- 部屋を換気して湿気対策を行う
それぞれ詳しいやり方を説明します。
定期的に掃除してダニの餌を減らす
ダニの餌となるほこり・フケ・髪の毛・食べ物などを取り除くことで、ダニが発生するのを抑えることができます。定期的に自宅内を掃除して、ダニの餌が溜まらないようにしましょう。
カーペットや畳、フローリングなど、水洗いできないものは、掃除機をかけたあと水拭きすると良いです。ソファは食べかすが溜まりやすいため、掃除機で隙間までしっかり吸い取ってください。
棚の上やカーテンレールに溜まったほこりにもダニが発生することがあるため、普段から隅々までしっかりと掃除しておくことが大切です。
寝具を洗濯して清潔さを保つ
高温多湿になりやすい布団やマットレスなどの寝具は、ダニが好む場所です。さらに、布団のほこり・髪の毛・フケ・汗など、ダニの餌が豊富にあるため、ダニが繁殖しやすい環境となっています。
ダニの繁殖を防ぐためにも、寝具のシーツやカバーはこまめに洗濯して、清潔に保つように心がけましょう。
また、布団やマットレスを定期的に干す、または布団乾燥機を使用するなどして、ダニが好む湿気が溜まらないように努めることも重要です。布団用の掃除機ノズルを使って、布団のほこりや髪の毛などをしっかり吸い取ることも忘れないようにしてください。
部屋を換気して湿気対策を行う
ダニは湿度のある空間を好むため、部屋の換気をして湿度を低く保ちましょう。寒い冬には換気を避ける人が多いかもしれませんが、室温を下げてダニの繁殖を抑えるためにも、積極的に空気を入れ替えることをおすすめします。
部屋の湿度は50%以下を目安にしてください。リビングや寝室の換気はもちろん、浴室やトイレの換気扇を回しておくことも効果的です。
まとめ
体に赤いポツポツがあってかゆい場合は、ダニ・あせも・蕁麻疹といった可能性が考えられます。
衣類で隠れた部分に赤い発疹と強いかゆみがあれば、ダニに刺されているのかもしれません。ダニに刺されると、2〜3日経ってもかゆい、赤い発疹が不規則に並んでいるという症状も見られます。
かゆみが我慢できない場合や、つらい症状が数日続く場合には、医療機関を受診して専門家の診断を受けてください。
それと同時に、ダニの発生を抑えるには掃除を定期的に行い、部屋を清潔に保つことが大切です。掃除・洗濯・換気をきちんと行って、ダニが家のなかで繁殖するのを防ぎましょう。