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2024.04.17 更新

【医師監修】熟睡できないと悩む方に!眠りが浅くなる原因や睡眠の質を高める方法を紹介

【医師監修】熟睡できないと悩む方に!眠りが浅くなる原因や睡眠の質を高める方法を紹介

睡眠は心身の疲労を回復するために必要な生理現象であり、日々を活き活きと過ごすためにも熟睡することは大切です。

しかし、そもそも熟睡がどのような状態を指すのかわからない方や、「熟睡できない理由が知りたい」「熟睡できないのは病気?」など、さまざまな悩みを持つ方もいるでしょう。

熟睡して健康的な毎日を過ごすためにも、熟睡できない原因を探り、熟睡するための具体的な方法を把握しましょう。

この記事では、熟睡とはどのような状態かを解説し、熟睡できない原因や熟睡するために日常生活で取り組めることを紹介します。眠りが浅くて悩んでいる方や、睡眠の質を高めたい方はぜひ参考にしてください。

  1. 熟睡とは目覚めが良く倦怠感がない状態
  2. 熟睡できない主な要因
  3. 生活習慣が乱れている
  4. 寝る前の行動が不適切
  5. 寝具が自分に合っていない
  6. ストレス・悩みを抱えている
  7. 何らかの病気が睡眠を妨げている
  8. 熟睡に必要な睡眠時間は約6時間以上
  9. 熟睡するために日常生活で取り組めること
  10. 生活習慣を見直して体内時計のリズムを整える
  11. 自分なりのリラックス方法を見つける
  12. 運動習慣を身につける
  13. 寝る前のアルコールを控える
  14. 体に合っていて眠りやすい寝具を選ぶ
  15. まとめ

熟睡とは目覚めが良く倦怠感がない状態

そもそも「熟睡できた」という感覚は人によって異なり、必要な睡眠時間も人それぞれなため、明確な基準があるわけではありません。

ただし、朝爽快に起きられて日中の眠気やだるさがなく、意欲的に動ける状態であれば「熟睡できた」といえるでしょう。

なお、「熟睡できない」と感じる場合、レム睡眠ノンレム睡眠という睡眠サイクルが関係している可能性があります。

  • レム睡眠:体は休んでいるが、脳は起きている状態
  • ノンレム睡眠:脳も体も熟睡している状態

睡眠時は、レム睡眠とノンレム睡眠が1サイクル90分程度で交互に起こっています。

レム睡眠が長すぎる時は脳が休めていないため、何時間寝ても目覚めが悪く、倦怠感が残りやすくなります。その結果、起きた時に「熟睡できていない」と感じる可能性が高くなります。

逆に、正しくノンレム睡眠の状態になっていれば、数時間の睡眠でも人によっては「熟睡できた」と感じられる場合があります。

熟睡できない主な要因

熟睡できないのは、身体的な問題や精神的な問題、生活習慣のリズムなど、さまざまな要因が考えられますが、主な例は以下のとおりです。

  • 生活習慣が乱れている
  • 寝る前の行動が不適切
  • 寝具が自分に合っていない
  • ストレス・悩みを抱えている
  • 何らかの病気が睡眠を妨げている

それぞれを詳しく解説します。

生活習慣が乱れている

睡眠には生活習慣が大きく影響しており、生活リズムが乱れると、起きるべき時間に起きられなかったり眠れなかったりといった弊害が生じます。

人間には生活のリズムを刻むための体内時計が備わっていますが、体内時計は一度乱れるとなかなか元に戻りません。太陽光を浴びない、運動しない、夜更かしをする、朝食を食べないなどの行動は、体内時計のリズムを乱す原因となります。

睡眠の質を高めるためには、体内時計を整えることが大切なため、日ごろから規則正しい生活を送るように心がけましょう。

寝る前の行動が不適切

熟睡するためには、脳がリラックス状態になっていることが大切です。就寝直前の激しい運動やカフェイン・アルコールの摂取、喫煙などは脳を覚醒させ、リラックスとは真逆の状態になってしまうため、就寝直前のこれらの行動は避けましょう。

また、寝る前のスマホ操作も睡眠に悪影響を与える要素の一つです。

眠気は、睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」が分泌されることで自然と促されます。寝る前にスマホ操作をすると、スマホが発するブルーライトによってメラトニンの分泌が抑制されるため、眠れなくなる可能性が高くなるのです。

一般的に、就寝2時間前にはスマホを見ないほうが良いとされているので、日々の生活の中で心がけてみてください。

寝具が自分に合っていない

熟睡するためには、快眠しやすい環境で寝ることが大切です。就寝時に使う寝具(枕・ベッドマット・布団など)も熟睡に大きく影響を与えるため、快適に眠りやすいと感じる寝具を使って眠りましょう。

寝具には、以下のように大きく2つの役割があります。

  • 寝ている時の体温、湿度の調節
  • 体への負担が少ない姿勢を保つ

睡眠時は、深く眠るために汗をかいて体温が下がるため、寝具は吸放湿性に優れたものが理想です。

また、寝具が体に合っていないと寝姿勢が崩れて寝返りを打ちづらくなり、体の一部に負担がかかってしまうため、体にフィットして寝返りを打ちやすい寝具を選ぶと良いでしょう。

そのほか、寝室環境(温度や湿度・音・光など)も、快適なものに整えることが望ましいです。個人差はありますが、一般的には以下のような寝室環境が理想とされています。

室温夏場:25℃〜26℃
冬場:22℃〜23℃
湿度通年50%〜60%

なお、就寝時はテレビや音楽、明るい照明は消して、落ち着いた就寝環境を整えるよう意識しましょう。

ストレス・悩みを抱えている

精神的な問題も、熟睡できなくなる要因の一つです。仕事や家庭の問題、友人関係など、日常的なストレスや悩みを抱えていると、自律神経のうち活動的な「交感神経」が優位になって、熟睡しづらくなります。

また、ストレスや悩みがあると寝床に入ってからも考えごとをしてしまい、なかなか寝付けなかったり、眠れても深い眠りに移行できなかったりする可能性も考えられます。

生きるうえで受けるストレスをゼロにするのは難しいため、受けたストレスを溜めずに解消する意識が重要です。ストレスや悩みの度合いは人によって異なりますが、適度にストレスを解消する術を身につけるよう努めましょう。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

ストレスによって熟睡できない時は、好きな音楽や読書をして心を落ち着かせましょう。

副交感神経を優位にすることが重要なため、穏やかな音楽や読みやすい本を選ぶと良いでしょう。

何らかの病気が睡眠を妨げている

身体的病気や精神的病気が、熟睡を妨げてしまう可能性もあります。

例えば、体に痛みやかゆみ、呼吸異常などの身体的病気がある場合、症状が気になって眠りが浅くなるケースがあるでしょう。うつ病などの精神的病気を抱えていると、不安によって寝付きづらくなるほか、夜中に目覚めて眠れなくなるケースも考えられます。

このような病気の影響が考えられる場合は、医療機関に相談し診察を受けて、治療に専念することが大切です。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

「横になると苦しくなって、起き上がると楽になる」といった症状により、なかなか眠れない場合、呼吸器や心臓の疾患の可能性があるため、早めに医療機関に相談しましょう。

熟睡に必要な睡眠時間は約6時間以上

熟睡に必要な睡眠時間は約6時間以上

「熟睡できた」と感じるためには、深い眠り(ノンレム睡眠)の状態になる必要があるため、睡眠の「質」が重要になりますが、睡眠の質に加えてどのくらいの睡眠時間が必要なのか気になる方は多いと思います。

先述したように、必要な睡眠時間は人によって違うため明確な基準はありませんが、一般的に、日本の成人では6時間~8時間ほど睡眠をとる方が多いようです。そのため、必要な睡眠時間の目安は6時間~8時間ほどだと考えられるでしょう。

ただし睡眠時間は季節によって変化するものであり、日が長ければ短くなり、日が短ければ長くなる傾向があります。また、睡眠時間には年齢も関係しており、健康な方だと20年ごとに30分程度の割合で睡眠時間が減少していくこともわかっています。

そのため、あくまで「6時間~8時間」という睡眠時間は目安と考え、自分に合った睡眠時間を確保して睡眠の質を高めるように心がけると良いでしょう。

熟睡するために日常生活で取り組めること

熟睡するためには、体内時計を整えて快眠できる環境を作ることがポイントです。熟睡できないと感じている方は、以下の行動を心がけましょう。

  • 生活習慣を見直して体内時計のリズムを整える
  • 自分なりのリラックス法を見つける
  • 運動習慣を身につける
  • 寝る前のアルコールを控える
  • 体に合っていて眠りやすい寝具を選ぶ

それぞれについて詳細を解説します。

生活習慣を見直して体内時計のリズムを整える

体内時計のリズムを整えるためには、生活習慣の見直しが必要です。生活習慣を見直す際には、以下の方法に取り組んでみてください。

生活習慣ポイント
食生活3食きちんと食べて、食事の時間帯は一定にする
就寝前の行動寝る直前の入浴や激しい運動、カフェイン・アルコールの摂取、喫煙、スマホの操作はやめる
就寝・起床時間就寝・起床時間を決めて、平日・休日に関係なく一定にする
太陽光を浴びる毎朝起床した時にカーテンを開けて太陽光を浴びる

生活習慣の改善は、日常生活で意識すればすぐに変えられることばかりです。規則正しい生活を送って体内時計のリズムを整え、睡眠の質を高めることを目指しましょう。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

熟睡にとって重要な生活習慣は規則正しい就寝・起床時間です。休日の寝だめは体内リズムを狂わせ逆効果との指摘もあります。なるべく平日と休日の就寝・起床時間のズレを少なくすることが重要です。

自分なりのリラックス方法を見つける

眠りにつこうと意気込むと、かえって頭がさえて寝付きが悪くなることがあります。軽い読書や音楽を聴く、好きな香りを嗅ぐ、ストレッチをするなど、自分なりのリラックスできる方法を見つけましょう。

寝る時間にこだわりすぎず、眠気を感じてから寝床につくように心がけると良いでしょう。

運動習慣を身につける

適度な運動は、心地良い疲労をもたらし熟睡に繋がるため、定期的な運動習慣を身につけましょう。

特に、夕方から寝る3時間ほど前の適度な運動が効果的だといわれています。寝る直前の運動や激しい運動は逆効果になり得るため、負担が少なく長続きするような、散歩や軽いランニングなどの有酸素運動がおすすめです。

寝る前のアルコールを控える

アルコールを飲むと、寝付きが良くなると感じる人もいるかもしれません。しかし、夜中に血液中のアルコール濃度が下がると、睡眠の前半にあったアルコールによる催眠作用がなくなるため、早朝覚醒の原因になります。

さらに、アルコールの利尿作用により尿意をもよおし夜中に起きてしまったり、いびきをかきやすくなったりすることでも睡眠の質は低下するため、寝る前のアルコールは控えましょう。

また、慢性的なアルコールの摂取も中途覚醒や睡眠の質の低下を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

体に合っていて眠りやすい寝具を選ぶ

自分に合う寝具を選ぶことで、体への負担が軽減され、快適な睡眠をとりやすくなります。特に、就寝中の体に直接触れるマットレス(敷布団)・枕・掛布団の質にはこだわりましょう。

これらの寝具の具体的な選び方を下記にまとめました。

寝具ポイント
マットレス(敷布団)正しい寝姿勢を保つために、硬すぎず柔らかすぎず、寝返りが打ちやすいものを選ぶ
寝姿勢や体格に応じて高さを選び、寝返りを打っても頭が落ちないサイズを選ぶ
掛布団吸湿性・放湿性・保温性に優れ、体にフィットするものを選ぶ

なおマットレスに関しては、適度な反発力があれば体が押されるようにしてスムーズに寝返りを打ちやすくなります。頭、腰、足といった体の出っ張った部分に集中してかかる負荷を分散させるために、体圧分散性に優れていることも重要です。

上記の表で紹介した内容を参考にして、快適に眠りやすい寝具を選び、熟睡を目指しましょう。

まとめ

「熟睡」状態に明確な基準はありませんが、朝すっきりと目覚められて、倦怠感がなく日中意欲的に活動できる状態であれば、「熟睡できた」といえるでしょう。

また、熟睡できない原因には身体的・精神的な問題もありますが、生活習慣の乱れや寝る前の習慣、使っている寝具も大きく影響します。

熟睡できないと感じている方は、生活習慣を整えることやリラックス方法を見つけること、適度な運動習慣、寝る前のアルコールを控えることなどを意識しつつ、自分に合った眠りやすい寝具を選ぶことが大切です。

まずは取り組みやすいことから実践してください。

この記事の監修者
齋藤幹
齋藤幹さいとう内科・循環器クリニック院長
1996年北海道大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院にて内科研修。その後東京大学医学部付属病院(循環器内科)や専門病院での経験を経て、2019年に「さいとう内科・循環器クリニック」を開業。医学博士、内科認定医、総合内科専門医、循環器専門医・指導医、臨床研修指導医。
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