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2025.07.02 更新

【医師監修】足が熱くて眠れないのはなぜ?考えられる原因や病気の可能性について解説

【医師監修】足が熱くて眠れないのはなぜ?考えられる原因や病気の可能性について解説

夜、寝る時に足が熱く感じて眠れない場合、「何が原因?」「もしかしたら病気?」など、不安に感じると思います。

足の熱さが原因で眠れないと翌日の活動にも悪影響を及ぼすため、可能な限り早急に改善させたいものです。

足が熱いと感じる原因はいくつか考えられるため、自分がどのケースに当てはまるのかを把握して、対処に努めましょう。

この記事では、就寝時に足が熱くなる原因や主に考えられる病気を解説します。眠れない時に心がけたい行動も紹介するので、就寝時に足が熱くなり、眠れなくて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

  1. 足が熱い時に考えられる主な原因
  2. ストレスや不規則な生活習慣
  3. 体の冷え
  4. 筋肉の疲労
  5. 足が熱くて眠れないのは病気の可能性もある
  6. 対処法を自己判断せずに医療機関を受診することが大切
  7. 足のほてりを解消するための対処法
  8. 足湯で血行を整える
  9. 通気性の良い寝具・衣類を使う
  10. 眠れない方が知っておきたい快眠のための心がけ
  11. 規則正しい生活を送る
  12. 入浴して体を温める
  13. 就寝前にリラックスできる行動を取り入れる
  14. ストレッチをして緊張をほぐす
  15. 寝室の環境を整える
  16. 自分の体に合う寝具を選ぶ
  17. まとめ

足が熱い時に考えられる主な原因

寝る時に足の熱さが気になる方は、主に足の裏が熱いと感じることが多いようです。足の裏が熱い時に考えられる主な原因には、以下のものが挙げられます。

  • ストレスや不規則な生活習慣
  • 体の冷え
  • 筋肉の疲労

それぞれ解説します。

ストレスや不規則な生活習慣

ストレスや不規則な生活習慣は自律神経の乱れに繋がるため、注意が必要です。

自律神経には、生命を保つために必要な機能を自動的に調整する働きがあります。血管の働きも自律神経に基づいているため、自律神経が乱れると、体温を調節する機能や血管を開閉する機能が正常に働かなくなり、足が火照ることがあるようです。

心当たりがある方は、生活習慣を見直すと良いでしょう。自律神経の乱れが慢性化すると、後述する「自律神経失調症」と呼ばれる状態に陥るおそれがあります。

体の冷え

エアコンの付けっぱなしや寒い環境で寝ているなど、体の冷えも足が熱いと感じる原因の1つです。

体が冷えると、防衛反応により熱を集めて冷えから守ろうとしますが、その結果、血管が収縮して血液が足に滞るため、血行不良になります。すると、血液がうまく循環せず足に留まり、熱がこもって足の熱さに繋がる場合があります。

筋肉の疲労

筋肉に疲労が蓄積すると足がむくんで血行不良を招き、前述のとおり血液が足に留まることで熱がこもり、足が熱く感じることがあります。

特に、激しい運動をする方や長時間立ち仕事をしている方は、足に負担がかかることで筋肉が疲労して、血行が滞りやすい傾向があるようです。

足に負担をかけた時はストレッチをするなどして、足全体の血液を循環させる工夫をしましょう。

足が熱くて眠れないのは病気の可能性もある

足が熱くて眠れないのは病気の可能性もある

夜、足が熱くて眠れないのは、何らかの病気が関係している可能性もあります。足が熱い時に考えられる主な病気として挙げられるのは、以下のとおりです。

  • 自律神経失調症
  • 糖尿病
  • 更年期障害
  • レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群・下肢静止不能症候群)
  • 足根管症候群

病気の原因には、精神的なものや年齢的なもの、ホルモンバランスの影響など、さまざまあります。

自分で病気を突き止めるのは難しいため、気になる症状があれば医療機関を受診して適切な診断を受けましょう。

対処法を自己判断せずに医療機関を受診することが大切

前述のとおり足が熱いと感じる原因は、自律神経の乱れや血行不良、何かしらの病気が関係している可能性など、多岐にわたります。原因を自分で判断するのは難しいため、対処法を自己判断せずに、気になる症状がある時は医療機関の受診をご検討ください。

受診する科は症状によって異なりますが、現在通院している医療機関がある方は、かかりつけの医師に相談するのも良いでしょう。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

医療機関を受診する場合、まずは内科を受診してください。

内科で診察をした結果、循環器内科や心臓血管外科、糖尿病・内分泌代謝内科、脳神経内科、婦人科、心療内科、精神科へ受診をすすめることもあります。

足のほてりを解消するための対処法

足のほてりからなかなか寝つけない夜が続くと、日中の集中力や体調にも影響してしまいます。以下では、毎日の生活の中で手軽に実践できる足のほてり対策を具体的に紹介します。

リラックスしながら心地よく眠るために、できることから試してみましょう。

足湯で血行を整える

就寝前にぬるめのお湯で足湯をすることで、足の血行が良くなり、体温のバランスが整いやすくなります。熱がこもっていた足先の血液循環を促すことで、火照りの感覚が落ち着く場合もあります。

足湯は心身をリラックスさせる効果も期待でき、自然な入眠にも繋がります。

通気性の良い寝具・衣類を使う

寝ている間に熱がこもらないよう、寝具や衣類を見直すことも大切です。素材によっては余計に足元が暑く感じられることもあります。

パジャマやシーツ、布団カバーなどは綿や麻などの通気性が高い素材がおすすめです。夏季は冷感パッドや通気マットを寝具に取り入れるのもよいでしょう。「冷やしすぎない快適さ」を意識して選ぶことがポイントです。

眠れない方が知っておきたい快眠のための心がけ

眠れない方が知っておきたい快眠のための心がけ

前述したように、足が熱くて眠れない状況が続く場合は、医療機関を受診して適切な診断・治療を受けることをおすすめします。

さらに、快眠するためには就寝前の行動や就寝環境、日頃の生活習慣を整えることも大切です。生活習慣を整えて快眠するためにも、以下5つのことを心がけましょう。

  • 規則正しい生活を送る
  • 入浴して体を温める
  • 就寝前にリラックスできる行動を取り入れる
  • ストレッチをして緊張をほぐす
  • 寝室の環境を整える
  • 自分の体に合う寝具を選ぶ

それぞれ詳しく解説します。

規則正しい生活を送る

睡眠には生活習慣が大きく影響します。生活習慣が乱れると体内時計が狂い、本来起きるべき時に起きられなかったり、寝るべき時に寝られなかったりする可能性があるため、規則正しい生活を送るよう努めましょう。

また、生活習慣の乱れが自律神経の乱れに繋がることもあれば、ストレスなどで自律神経が乱れると体内時計が乱れ、生活習慣病に繋がることがあります。それぞれは相互に影響を及ぼすため、日頃から規則正しい生活を心がけましょう。

規則正しい生活を送るためには、きちんと食事をとったり、定期的に適度な運動をしたりすることが大切です。体内時計を整えるためにも、食事は1日3食毎日同じ時間帯に食べて、軽めの有酸素運動を習慣にしましょう。

また、体内時計は、太陽光のような強い光を浴びることでリセットされるため、朝起きたらカーテンを開けて、太陽光を浴びるのもおすすめです。朝から散歩をすると、太陽光を浴びながら適度な運動にもなるため、時間に余裕がある方はぜひチャレンジしてください。

入浴して体を温める

眠気は、体温が上がって下がる時に生じるため、就寝前に入浴して体を温めることで快眠に繋がりやすくなります。

就寝時間から逆算して約90~120分前に入浴すると血行が良くなり、体温も上がって睡眠の質が高まりやすくなるため、目安として覚えておきましょう。

また、入浴時間はお湯の温度によって変えることをおすすめします。お湯の温度と入浴時間の目安は、以下のとおりです。

  • 38℃のぬるめのお湯で25~30分程度
  • 42℃の熱めのお湯で5分程度
  • 半身浴なら約40℃のお湯で30分程度

なお、熱すぎるお湯に入るとかえって目が覚め、眠れなくなる可能性があるため注意しましょう。

就寝前にリラックスできる行動を取り入れる

睡眠に深く関わる「自律神経」には、日中に働く「交感神経」と、体を休める時に働く「副交感神経」という2種類があります。夜に自然な眠気を促すためにも、就寝時は交感神経から副交感神経へと上手く切り替わることが大切です。

副交感神経はリラックスした状態の時に優位となるため、就寝前に以下のようなリラックスできる行動を取り入れましょう。

  • アロマやお香を楽しむ
  • 穏やかな音楽を聴く
  • 温かい飲み物を飲む
  • 軽い読書をする

一方、就寝前にスマホやパソコンを操作すると、ブルーライトの影響で目が覚める可能性があるため、注意が必要です。

例えば、就寝前に読書する際には電子書籍は避ける、布団の中でSNSを見続けないなど、ブルーライトを浴びないように気を付けましょう。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

市販のブルーライトカットのめがねや、画面保護シートの効果が気になる方もいるでしょう。

はっきりとしたエビデンスはありませんが、夜に強い光を浴びることで体内時計が狂い睡眠障害をきたす可能性があります。

ブルーライトカットの効果を過信せずに、夜にデジタル端末を操作するのはなるべく控えましょう。

ストレッチをして緊張をほぐす

就寝前にストレッチを行って、体の緊張をほぐすのもおすすめです。緊張した筋肉がほぐれて心身ともにリラックスできると、副交感神経が優位になって眠りやすくなります。

寝る前にベッド上でできる簡単な全身のストレッチを紹介するので、ぜひお試しください。

  1. 仰向けに寝転がって両腕と両脚を伸ばす
  2. 上下に引っ張られるように背伸びした状態を保つ

これ以外にもさまざまなストレッチ方法があるため、自分がやりやすい方法を見つけましょう。

ストレッチは簡単に取り組めるうえに、腰痛や肩こりへの対策にもなります。そのため、就寝前だけでなく日中の空いた時間にも取り組むように習慣づけると良いでしょう。

就寝前におすすめのストレッチをより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。

安眠 ストレッチ
【医師監修】安眠には就寝前のストレッチがおすすめ!3つのポイントを押さえて寝付きを改善しよう

寝室の環境を整える

快眠を得るためには、寝室環境を整えることも重要です。寝室環境は、主に「室温・湿度・音・光」に気をつけることをおすすめします。理想的とされる寝室環境を以下の表にまとめたため参考にしてください。

寝室環境内容
室温夏場は25℃〜26℃、冬場は22℃〜23℃
湿度通年50%〜60%
音・光テレビや音楽、明るい照明は消して落ち着いた環境を整える
齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

寝室は広すぎず狭すぎず、快眠しやすい適切な大きさであることが大切です。

また、家具の配置などに不安的なものがないように、なるべくワークスペースとの兼用を避けるか、余計なものを置かずにくつろげる環境が望ましいです。

自分の体に合う寝具を選ぶ

快眠するためには、温度や湿度、使用する寝具など、自分にとって「眠りやすい」と感じる環境を整えることが大切です。

就寝中に使う寝具は、自分の体に合うものを選ぶと体への負荷が軽減されます。特に、就寝時の体や頭を支えるマットレスと枕の選び方にこだわることをおすすめします。

マットレスは、適度な反発力があり体圧分散性に優れていれば、スムーズに寝返りを打って体圧を分散でき、眠りやすくなるでしょう。さらに、吸放湿性に優れていると、寝汗による湿気を逃しやすく、就寝中の蒸れを軽減できます。

枕は、寝返りを打った時に頭が落ちて寝姿勢が崩れないよう、自分の頭3つ分ほどの余裕があるサイズを選びましょう。枕の高さは、高すぎても低すぎても寝心地が悪く感じやすいため、自分の体格に合うものを選んでください。

なお、寝具の選び方は、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひこちらもご一読ください。

寝具 選び方
寝具の選び方を徹底解説!自分の体に合うマットレスや枕を使って快眠しよう
枕 柔らかい
柔らかい枕の種類とは?使うメリット・デメリットや選ぶ際のポイントも解説

まとめ

寝る時に足の裏が熱いと感じる原因は、自律神経の乱れや筋肉の疲労、体の冷えなど、さまざま考えられます。足の裏が熱い状況が続くなら病気の可能性も疑われるため、医療機関で医師の診察を受けましょう。

また、睡眠にはさまざまな要因が影響を与えるため、眠れない時は就寝前の行動や生活習慣を見直すことも大切です。

生活習慣を整える方法は、「規則正しい生活を心がける」「就寝前に入浴して体を温める」「ストレッチを行う」など、簡単にできることが多いため、まずは自分ができることから取り組んでみてください。

この記事の監修者
齋藤幹
齋藤幹さいとう内科・循環器クリニック院長
1996年北海道大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院にて内科研修。その後東京大学医学部付属病院(循環器内科)や専門病院での経験を経て、2019年に「さいとう内科・循環器クリニック」を開業。医学博士、内科認定医、総合内科専門医、循環器専門医・指導医、臨床研修指導医。
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