仕事でストレスを感じている方のなかには「仕事が気になって目覚める」「体は疲れているのに眠れない」などの悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
仕事をしていると、長時間の労働や職場の人間関係などさまざまなストレスがかかります。
この記事では、ストレスで眠れなくなる原因やストレスによる寝不足の特徴、寝不足による影響を解説します。仕事でストレスを溜めないための方法や眠れない時の対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ストレスで眠れなくなる原因
仕事のストレスで眠れなくなる原因の一つは、自律神経の乱れによるものです。
人の体には活動を支える交感神経と、休息へと促す副交感神経の2つの自律神経があり、バランスをとりながら働いています。日中は交感神経が優位となり、夜になると副交感神経が優位となって、体のリズムを支えています。
ストレスが過度にたまると、自律神経のバランスが崩れることがあります。夜でも交感神経が刺激され、体の興奮・緊張状態が続き「なかなか寝つけない」「眠りが浅い」などの症状となってあらわれます。
ストレスによる寝不足の特徴
ストレスによる寝不足の主な特徴は以下のとおりです。
- ベッドに入ってもすぐに眠れない
- 疲れているが早朝に目覚める
- 就寝中何回も目覚める
それぞれの状況を以下で解説します。
ベッドに入ってもすぐに眠れない
ベッドに入っても、仕事でのミスやトラブルが頭から離れなく眠れない、次の日の仕事が気になって寝付けないなどのケースがあります。
疲れているが早朝に目覚める
起きようと思っていた時刻より早く目覚める場合は、早朝覚醒の可能性があります。
早朝覚醒では、一度目覚めるとなかなか眠れない、体が疲れているのに起きてしまうなどの症状を伴う傾向があります。
就寝中何回も目覚める
仕事量が多い、人間関係に問題があるなどのストレスがかかると、眠りが浅くなり、就寝中に何回も目覚めるケースがあります。
ストレスによる寝不足が続く影響
ストレスにより寝不足が続くと、十分な疲労回復ができません。結果、以下のような症状に繋がる恐れがあります。
- 自律神経の乱れ
- うつ病
それぞれを項目ごとに解説します。
自律神経の乱れ
ストレスなどによって自律神経のバランスが崩れると不眠をはじめ、心身の不調を来します。ストレスによる刺激や不規則な生活による自律神経の興奮などが原因となります。
うつ病
うつ病はストレスなどのさまざまな原因により、「不眠」「意欲低下」「抑うつ気分」「食欲不振」など、心と体の症状がでる病気のことです。うつ病は、自律神経の乱れの一種です。
寝不足だけでなく、「何もやる気がしない」「今まで楽しめていたことが楽しめない」などの症状が継続して伴う場合は、うつ病の可能性があるため注意が必要です。
仕事でストレスを溜めない方法
以下のような方法を行って、できるだけストレスを溜めない生活を心がけましょう。
- 仕事とプライベートを分ける
- ミスなどを重く捉えすぎない
- 仕事を一人で抱え込まない
仕事とプライベートを分ける
仕事とプライベートの区別は、仕事のストレスと上手に付き合うために効果的です。就業時間以外はできるだけ仕事のことを考えず、リフレッシュしましょう。
リフレッシュの方法には、以下のようなものがあります。
- 親しい人と交流し、不安や悩みを相談する
- 仕事と関係のない趣味を持ち、気分転換をする
- 自然と触れる時間をつくる
過度にストレスがかかっている時は、親しい人に不安や悩みを聞いてもらうだけでも心が楽になります。また、仕事と関係のない趣味、自然との接触も、ストレス解消に繋がります。
ミスなどを重く捉えすぎない
ミスを重く捉えすぎるとそれ自体がストレスとなるため、眠れない原因となります。ミスは重く捉えすぎず、一旦リフレッシュをして切り替えることが大切です。
ミスの対処法には、「同じミスをしないように工夫する」「ミスを重く捉え過ぎない」などがあります。
仕事を一人で抱え込まない
仕事を一人で抱え込むと大きなストレスがかかります。自分一人では対処しきれない仕事があった場合は、一人で抱え込まず周囲の人に相談しましょう。
相談相手には、信頼できる上司や同僚、友人や知人などが挙げられます。相談することで解決の糸口が見えたり、有益なアドバイスを受けられたりするケースも多いです。
仕事によるストレスで眠れない場合の対処法
仕事によるストレスで眠れない場合は、以下のような対処法を試してください。心と体をリラックスさせることで、スムーズに眠れる場合があります。
- 就寝前に仕事のことを考えない
- アロマや音楽でリラックスする
- 入浴は就寝時間の約90~120分前に済ませる
- スマホとパソコンは就寝2時間前まで
就寝前に仕事のことを考えない
就寝前に仕事のことを考えると、体が緊張し交感神経が働きやすくなります。眠る前は、脳を休息の状態へ導くことが重要なため、できるだけ仕事について考えないようにしましょう。
どうしても仕事が頭を離れない場合は、ストレッチや深呼吸などを行い、意識を仕事から体へ向けましょう。
アロマや音楽でリラックスする
好きなアロマを焚く、好きな音楽をかけるなどの方法でリラックスすると、緊張がほぐれ、質の高い睡眠に繋がります。
アロマの場合は、「アロマポッドを使用する」「枕元にアロマを垂らしたガーゼなどを置く」といった方法があります。音楽の場合は、自分がリラックスできるものを聴いてください。
入浴は就寝時間の約90~120分前に済ませる
入浴は就寝の約90~120分前に済ませましょう。約90~120分前に入浴すると、ちょうど寝るタイミングで深部体温が下がっていくため、自然な眠気を促します。
お湯の温度は38℃で、時間は25分~30分程度が良いでしょう。お湯に浸かることで副交感神経の働きが優位となり、睡眠の質が高まります。
ただし、熱すぎる温度は交感神経が優位となり、体が興奮状態となる恐れがあります。反対に眠りにくくなるため、注意してください。
スマホとパソコンは就寝2時間前まで
スマホやパソコンのブルーライトや強い光は、眠気を促すホルモンであるメラトニンの分泌を妨げ、覚醒度をあげてしまいます。
メラトニンの分泌が阻害されないように、スマホとパソコンの使用は就寝2時間前までに抑えましょう。スマホとパソコンを使用しなければ、就寝前に仕事をしないことにも繋がります。
仕事のストレスがひどい場合は医療機関を受診する
仕事のストレスがひどく、不眠や寝不足の状態が続く場合には、医療機関を受診してください。
悩みや不安を聞いてもらうことで気持ちが整理され、解決への道筋が見える場合があります。また、職場の状況を共有できるため、アドバイスを受けられるケースもあります。
まとめ
人が生きていくうえでストレスは日常的なものですが、仕事で過剰なストレスがかかると、自律神経のバランスが崩れ眠れなくなる場合があります。
「ベッドに入ってもすぐに眠れない」「疲れているのに早朝に目覚める」などの状況が続く場合は、ストレスを感じていないか自分の状況を振りかえりましょう。過剰なストレスによる寝不足は自律神経の乱れなどに繋がります。
仕事でストレスを溜めない対処法には、仕事とプライベートを分ける、ミスなどを重く捉えすぎないなどの方法があります。また、ストレスで眠れない時には、入浴などでリラックスすることがおすすめです。
今回紹介した方法を試して、快適な睡眠へ繋げてください。