日中の生産性を高めるためにも、朝に目覚めた後は眠気を感じずに過ごしたいところですが、睡眠時間が足りていない、睡眠の質が低いなどの理由から、普段起きている時間帯でも強い眠気が生じることがあります。
また、眠気がひどい場合は、医療機関での治療が必要な場合もあります。
この記事では、夜寝ているのに日中に生じる強い眠気に困っている方に向けて、原因と対策方法を紹介します。ぜひ参考にしてください。
「眠すぎる」と感じる主な原因
日中に「眠すぎる」と感じる方は、まず眠気の原因を把握しましょう。原因を取り除くことで、日中の強い眠気を抑えやすくなります。
日中に眠気が襲ってくる主な原因として挙げられるのは次の7つです。
- 睡眠時間が短すぎる
- 睡眠の質の低下
- アルコールやカフェインの影響
- 不規則な生活スタイル・睡眠リズムの乱れ
- 月経周期に伴う体温の上昇
- 薬の副作用
- 食後の血糖値の変動
以下で各原因の詳しい内容を紹介します。
睡眠時間が短すぎる
眠すぎると感じる原因として考えやすいのが睡眠時間の不足です。睡眠が足りていないと心身に疲れが残り、日中の強い眠気に繋がってしまいます。
睡眠が足りていない方は1日の時間配分を見直し、普段より多めに睡眠時間を確保しましょう。
なお、必要な睡眠時間は人によって異なりますが、一般的には6時間〜8時間の睡眠をとるのが理想だといわれています。睡眠時間が5時間未満になると、昼間の眠気が強くなる傾向があります。ですが、必要な睡眠時間は個人差があります。
睡眠の質の低下
「睡眠時間を十分取ったにも関わらず、昼間に眠い」と感じる方は、睡眠が浅い可能性があります。夜の睡眠と昼間の眠気は表裏一体の関係にあります。
アルコールやカフェインの影響
「お酒を飲んでからベッドに入ると寝つきが良くなる」と感じることがありますが、寝酒は睡眠の質の低下に繋がるので気をつけましょう。就寝前にお酒を飲むと寝ている間にアルコールが抜けていく反動で眠りが浅くなり、翌日の眠気に繋がってしまいます。
お酒以外には、カフェインが入った飲み物にも注意が必要です。カフェインには覚醒作用が含まれているため、摂取するタイミングによっては不眠に繋がります。しっかり眠って日中の眠気を解消するためにも、アルコールやカフェインを就寝前に摂取するのは避けましょう。
不規則な生活スタイル・睡眠リズムの乱れ
不規則な生活スタイルは、日中の眠気に繋がります。平日と休日の睡眠時間の差を減らすことも、昼間の眠気対策になります。
睡眠と覚醒のリズムは、地球の自転に伴う昼と夜のリズムから、生物が進化の過程で獲得してきたパターンです。可能な限り、規則正しいリズムにしましょう。
月経周期に伴う体温の上昇
人の体温は1日のなかで変化しており、活動している日中は高く、休息をする睡眠時は低くなるようになっています。
睡眠のタイミングで体温が低くなるのは、脳や体を休息させるためです。体温が低いほど心身は休息しやすい状態となり、睡眠の質も高まります。
しかし、月経前のタイミングは基礎体温が高くなるため、睡眠の質が低くなり、通常時に比べてると日中のだるさや眠気が強くなることがあります。
一般的には、月経の約1週間前から日中の眠気が強くなり、就寝中も体温が下がらず睡眠の質が低下することで、翌日の眠気やだるさに繋がりやすくなります。
薬の副作用
薬の種類によっては、副作用として眠気が生じるものがあります。薬の副作用に眠気の原因がある場合は、薬の種類を変えてもらえないか受診先の医療機関に相談してみると良いでしょう。
なお、自分の判断で薬を服用するタイミングを変えたり中止したりする行為は、症状の悪化に繋がる可能性があるので絶対にやめましょう。
薬の服用をやめて日中の眠気が改善する可能性があったとしても、まずは医療機関に副作用の症状を相談するのが優先です。
ただし、医師との相性もありますので、どうしても医師の処方に納得いかない場合などにはセカンドオピニオンを受けるのも手です。
食後の血糖値の変動
食後の血糖値の変動が大きい場合、眠気が強くなります。炭水化物を減らす等で、眠気を改善出来る場合があります。
医療機関での治療が必要な疾患
過眠をきたす疾患として、代表的な疾患は、「睡眠時無呼吸症候群」です。他に、「ナルコレプシー」や「特発性過眠症」も挙げられます。
以下では、「睡眠時無呼吸症候群」について説明します。
睡眠時無呼吸症候群
就寝中のいびき、呼吸停止で特徴づけられる疾患です。高血圧や心筋梗塞、脳卒中のリスクにもなり、見逃されていることが多い疾患です。
中高年で肥満傾向の方に多い傾向がありますが、肥満でなくても耳鼻科疾患や顎の形の影響で、睡眠時無呼吸症候群になる場合も多く、いびきを指摘されたことがある方、起床時に頭痛がする方等は、医療機関にご相談ください。放置は突然死のリスクになることがわかっています。
睡眠障害を改善するには医療機関で治療を受けるのが一番ですが、規則正しい生活習慣を心がけることも大切です。起床や就寝、食事のリズムがバラバラになりやすい方は、この機会に生活習慣の見直しを検討してみましょう。
生活スタイルの改善でも解決しない場合は医療機関に相談しよう
日中の眠気がひどく日常生活に支障が出ている場合は、無理せず医療機関に相談しましょう。自分では単なる睡眠不足だと思っていても、過眠症や睡眠を妨げる疾患を発症している可能性も考えられます。
神経科・精神科・心療内科等では、睡眠診療を行っています。
まとめ
睡眠時間や睡眠の質、アルコールやカフェインを摂取するタイミング、普段飲んでいる薬の副作用などを見直し、眠気の原因に合わせて適切に対処をしましょう。
まずは生活習慣の改善を図り、それでも日中の眠気が改善しない方は、医療機関にご相談ください。放置せず、早めに医療機関を受診することをおすすめします。