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2024.01.22 更新

【医師監修】自分でできる肩こりへの対処法とは?おすすめのストレッチのやり方など紹介

【医師監修】自分でできる肩こりへの対処法とは?おすすめのストレッチのやり方など紹介

日常的に肩こりに悩まされている方は多いのではないでしょうか。肩こりは、頭痛やめまいの原因になることもあるため、慢性化させないように気を付けなくてはなりません。

慢性化した肩こりに悩まされるのはつらいものですし、日常生活に支障をきたす可能性もあります。肩こりへの具体的な対策を知ることで、肩こりに関する悩みの軽減を図りましょう。

この記事では、肩こりの原因や症状、対策についてわかりやすく解説します。具体的なストレッチの手順や注意すべき姿勢も紹介するので、ぜひ参考にして実践してみてください。

  1. そもそも肩こりとは?原因や症状を解説
  2. おすすめしたい3つの肩こり対策
  3. 肩こり対策のストレッチを行う
  4. 肩甲骨のストレッチ
  5. 首のストレッチ
  6. 腕を伸ばすストレッチ
  7. 正しい姿勢をとる
  8. こりが気になる部分を中心に体を温める
  9. 医療機関では肩こり対策として薬物療法などを行う
  10. まとめ

そもそも肩こりとは?原因や症状を解説

肩こりとは、肩周辺の筋肉がこわばって硬くなり、痛みをはじめとしたつらい症状が感じる状態です。

症状には個人差がありますが、主に以下のものが挙げられます。

  • 肩周辺が重く感じる
  • 頭痛がする
  • 眼精疲労が起こる
  • めまいがする
  • 吐き気がする

肩こりは、主に筋肉の疲労や緊張、血行不良が原因となって起こるものです。例えば、仕事や家事、育児で長時間同じ姿勢をとる場合、肩や首、背中の筋肉が緊張した状態が続くため肩こりを引き起こします。

そのほか、猫背のように姿勢が悪いことや運動不足、体の冷えも肩こりを誘発する原因となり得ます。

肩こりを解消するには、血行を促進して筋肉の疲労軽減を図ることが大切です。特に、デスクワークでずっと座っている方や運動をあまりしない方は、意識して対策に取り組みましょう。

河合隆志

河合隆志

フェリシティークリニック名古屋 院長

同じ姿勢を取り続けると、脳は「これが自然な姿勢なのだ」と認識し、それを維持するように筋肉を緊張させる指示を出します。そのため、悪い姿勢が習慣化するのに伴い、不自然な筋緊張、つまり肩こりのクセもついてしまいます。

おすすめしたい3つの肩こり対策

おすすめしたい3つの肩こり対策

肩こりが慢性化すると、肩や首回り以外にも不調が生じる可能性があるため、放置しないことが望ましいです。

ここでは、自分で取り組める肩こり対策として3つの具体例を紹介します。

  • 肩こり対策のストレッチを行う
  • 正しい姿勢をとる
  • こりが気になる部分を中心に体を温める

それぞれの対策について、詳しく解説します。どれも手軽に取り組める方法なので、ぜひ実践してみてください。

肩こり対策のストレッチを行う

簡単に取り組める肩こり対策としてまず挙げられるのが、肩や首周辺のストレッチです。以下では、肩甲骨と3つに分けて、具体的な手順を紹介します。

ただし、肩こりの症状が強い場合は無理せず、できる範囲で取り組むようにしてください。強い痛みが続く、もしくは異常な症状がある場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。

肩甲骨のストレッチ

肩甲骨の筋肉をほぐすように動かすと、肩こりが楽になりやすいです。以下の方法に沿って、ストレッチを行いましょう。

  1. あぐらをかいて座り、両肘を曲げて指先で肩に触れる
  2. 両肘を肩より上に引き上げる
  3. 胸を張るイメージで両肘を後ろに引く
  4. 肘で円を描くように大きく前回し・後ろ回しを繰り返す

座った姿勢でできるストレッチなので、テレビを見ている最中に取り組むのもおすすめです。

首のストレッチ

続いて、首のストレッチは以下の手順で行います。

  1. 真っすぐ立った姿勢で両肩をすくめるように持ち上げる
  2. 数秒間、姿勢を保ったら肩を下ろしてリラックスする
  3. 左手で頭の右側を持ち、ゆっくり左側に倒す
  4. 倒した状態で10秒ほどキープする
  5. 反対側も同じ動きを行う

肩や首を動かすだけと簡単ですが、首周辺の筋肉を全体的かつ同時に動かせるストレッチです。あごを若干引いて、呼吸を止めずに行ってください。

長時間のデスクワークで無理な姿勢が続くと、首に負担がかかります。しっかりとほぐすようにストレッチしましょう。

腕を伸ばすストレッチ

3つ目に紹介するのは、腕を伸ばして行うストレッチです。以下の手順に沿って取り組みましょう。

  1. 椅子に座り、腕を伸ばした状態で後ろに回す
  2. 両手を組んでゆっくり下方向に伸ばす
  3. そのまま腕を上に引き上げて15秒ほどキープする

終わった後は腕を下ろして脱力し、リラックスするとより効果的です。無理なく腕をゆっくりと動かすイメージで、筋肉が気持ちよく伸びる程度に行いましょう。

正しい姿勢をとる

肩こりを慢性化させないためには、同じ姿勢で長時間の作業を行わず、正しい姿勢を心がけることが大切です。猫背や背中が反りすぎる姿勢を避けて、立っている時も寝ている時も理想的な姿勢をキープできるよう意識しましょう。

なお、理想的な姿勢は、立った状態・座った状態・寝た状態でそれぞれ異なります。

まず立った状態での理想的な姿勢は、頭・肩・足が一直線になる姿勢です。肩には力を入れすぎず、あごは引いて骨盤を立てるように意識してください。

その際、猫背にならないよう胸を張りますが、胸を張りすぎて背中が反らないように注意が必要です。背中が反りすぎると腰に負担がかかってしまいます。

続いて、椅子に座った状態での理想的な姿勢の一つは、立っている時と同じように骨盤を立て、椅子の背もたれに寄りかからず浅く腰掛けた状態です。もう一つ、深く腰掛ける場合は、背もたれに軽く触れるくらいが良いでしょう。胸や肩に力が入って背中が反ったり、逆に猫背になったりしないように気を付けてください。

最後に、仰向けに寝た時の理想的な姿勢は、背骨が緩やかなS字カーブを描く状態です。正しく立った時の姿勢を仰向けになった時もキープできるよう意識するとわかりやすいでしょう。

なお、枕が高すぎる、マットレスが硬すぎる、柔らかすぎるなど寝具が体に合わない状態では、理想的な寝姿勢はキープできません。寝返りも打ちづらくなり肩こりに繋がる恐れがあるため、寝具は自分の体に合うものを使いましょう。

こりが気になる部分を中心に体を温める

肩や首など、こりが気になる部分を中心に、体を温める方法も有効です。体を温めると血行が良くなり、肩こりの軽減に繋がる可能性があります。

体を温められる簡単な方法として挙げられるのは、入浴やカイロの使用、蒸しタオルを使う方法です。入浴は多くの方が毎日行うものなので、まずは入浴して体を温める方法から取り組むと良いでしょう。

入浴時はシャワーで済ませず、湯船に浸かってしっかり体を温めましょう。湯船のなかで肩回りの筋肉を軽くマッサージしてほぐすと、筋肉の疲労緩和に繋がります。

ゆっくり入浴する暇がない時は、カイロや蒸しタオルを使うと手間をかけずに気になる部分を温められます。ただし、カイロを使う際、肌に直接貼ったり就寝時に長時間使用したりすると、低温やけどを招く可能性があるため注意してください。

河合隆志

河合隆志

フェリシティークリニック名古屋 院長

日常生活のなかで、特にスマホを見る姿勢には気を付けていただきたく思います。公共交通機関のなかなどでも、非常に悪い姿勢になっている方が少なくありません。知らないうちに、肩こりの原因となる可能性があります。

医療機関では肩こり対策として薬物療法などを行う

ここまで自分でできる肩こり対策を3つ紹介しましたが、基本的には気になる症状がある場合は医療機関の受診を推奨します。自分では単なる肩こりだと思っていても、実はほかの病気が隠れているかもしれません。

例えば、ひどい肩こりで眠れない、長期間症状が続く、頭痛やめまいを伴うといった場合には、無理せず医師に相談したほうが良いでしょう。

医療機関では、肩こり対策として理学療法や薬物療法などが行われます。理学療法は、リハビリテーションやストレッチ、温熱療法などで筋肉の緊張や痛みを解消する方法です。薬物療法は、筋肉の炎症を抑えたり緊張を改善させたりする内服薬や、湿布をはじめとした外用薬、局所麻酔を用いて痛みを一時的に遮断する注射などを行います。

なお、肩こりは整形外科の受診が一般的です。しかし、発熱を伴う場合は内科のように、異なる科が適する場合もあります。どの科を受診すべきかわからない場合は、かかりつけ医に相談してみると良いでしょう。

まとめ

肩こりになると、肩や首回りの痛みや重さ、頭痛やめまいなど、さまざまな症状が引き起こされます。つらい症状の改善を目指すなら、ストレッチをしたり体を温めたり、肩こりを放置せずに対策に取り組むことが大事です。

ただし、痛みが強い、もしくは症状が長引くといった場合には、無理せず医療機関を受診しましょう。医療機関では、症状に適する方法で理学療法や薬物療法が行われます。

医療機関の受診に加えて日頃から肩こり対策に努めて、こりをほぐして快適な毎日を送ることを目指しましょう。

この記事の監修者
河合隆志
河合隆志フェリシティークリニック名古屋 院長
フェリシティークリニック名古屋 院長。1975年、愛知県出身。医学博士。日本整形外科学会専門医。慶應義塾大学理工学部卒業、同大学院修士課程修了。東京医科大学医学部卒業。東京医科歯科大学大学院博士課程修了。愛知医科大学学際的痛みセンター勤務後、米国ペインマネジメント&アンチエイジングセンターほか研修。2016年、フェリシティークリニック名古屋を開院。著書に『見るだけでしつこい痛みがすーっと消える すごい写真(アスコム)』『医者が考案した 腰痛がラクになる「酸素たっぷり呼吸法」(笠倉出版社)』など。
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