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2022.11.18 更新

【医師監修】息苦しくて眠れない原因は?苦しさから寝つけない場合の対処法も解説

【医師監修】息苦しくて眠れない原因は?苦しさから寝つけない場合の対処法も解説

就寝時に息苦しさを感じ、なかなか寝付けずに困っている方もいると思います。息苦しさを感じる原因は何なのか、病気の可能性があるのかどうかは、把握しておきたいところでしょう。

また、息苦しさを感じる時に自分でできる対処法があれば、寝苦しさを少しでも解消できるかもしれません。

この記事では、息苦しくて眠れない場合に考えられる原因や息苦しくて眠れない場合の対処法、医療機関を受診する必要性に関して説明します。

  1. 息苦しくて眠れない場合に考えられる原因
  2. 精神系の原因
  3. 呼吸器系の原因
  4. 心臓系の原因
  5. 神経系の原因
  6. 息苦しくて眠れない場合の対処法
  7. ストレスを解消する
  8. 睡眠時の姿勢を変える
  9. 息苦しくて眠れない場合は医療機関の受診も検討する
  10. まとめ

息苦しくて眠れない場合に考えられる原因

息苦しくて眠れない場合に考えられる原因

息苦しくて眠れない場合に考えられる原因はいろいろとありますが、大きく以下の4つの観点に分類できます。

  • 精神系
  • 呼吸器系
  • 心臓系
  • 神経系

それぞれの原因に関して、詳しく説明します。

精神系の原因

ストレスを感じることは、息苦しさに繋がる場合があります。精神系の原因には、「パニック障害」や「自立神経の乱れ」などが挙げられます。それぞれに関して症状や発症する原因、何科で診察してもらえるかなどを、以下で詳しく説明します。

パニック障害

パニック障害では心の症状と体の症状がともに出ます。症状が発作的に出現し、突然終わることが特徴的です。具体的な症状には、以下のようなものが挙げられます。

・心の症状
  • 今起こっていることが現実ではないように思える
  • 自分が自分ではない感じがする
  • このまま死んでしまうような恐れを感じる
・体の症状
  • 汗が出て止まらない、脂汗が出る
  • 心拍数が増加して動悸がする
  • 息苦しさを感じる
  • めまいや気が遠くなるような感じがする
  • 四肢に震えが生じる
  • 口が乾く

原因はまだ解明されていませんが、ストレスや脳内の伝達物質の動きに関連があるのではないかといわれています。病院で診てもらう場合は、心療内科や精神科を受診しましょう。

自律神経の乱れ

人間には、心臓や腸のように、自律的に働く臓器があります。これらをコントロールするのが自律神経です。

自律神経とは、緊張した時に優位になる交感神経と、リラックスした場合に優位になる副交感神経のことを指しますが、その二つが上手くバランスをとっていることが大事になります。これがストレスやほかの身体疾患の影響により崩れ、交感神経優位に傾いていると、覚醒物質が出て不眠になります。

不眠以外の具体的な症状には、以下のようなものが挙げられます。

  • 吐き気
  • 息苦しさ
  • 手足のしびれ
  • 立ちくらみやめまい
  • 便秘・下痢
  • 肩こり、首こり
  • 頭痛
  • 火照り、冷え症

ストレスや生活習慣の乱れ、心身の疾患などが原因となることが多いです。病院で診てもらう場合は心療内科を受診すると良いですが、症状に合わせて専門の診療科を受診してもかまいません。

清水聖童

清水聖童

ライトメンタルクリニック院長

日本人の30%が不眠に至ることがあるといわれており、それ単体ではありふれたことですが、昼寝をやめたり朝日を浴びる、日中の活動性を増やすなどの対処をとっても改善しない時は、受診する価値があります。また、気分が落ちていたり、他の身体症状を併発していたり、他疾患の治療のため服薬している場合は、原因が明らかとなり治療ができる可能性があるので、受診が推奨されます。

呼吸器系の原因

呼吸器系の原因には、以下のような疾患が挙げられます。ただし、これら以外も呼吸動態が乱れる疾患全てで息苦しさが見られる可能性があります。

  • 気管支喘息
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 副鼻腔炎

それぞれの疾患に関して症状や発症する原因、何科で診察してもらえるかなどを詳しく説明します。

気管支喘息

気管支喘息は、咳や痰、呼吸困難といった症状を引き起こします。車の排気ガスや工場排煙に含まれる有害物質、カビやホコリ・ダニ・ペットの毛や花粉などのアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)によることが多いです。

病院で診てもらう場合は呼吸器内科を受診しましょう。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まってしまい酸欠状態になるため、睡眠が中断される疾患です。あらためて眠り始めると、無呼吸の状態を繰り返すので慢性的な睡眠不足となり、日中の眠気に繋がります。

閉塞性(OSA)のものと中枢性(CSA)のものに分類でき、それぞれ原因が異なります。

閉塞性の睡眠時無呼吸症候群では、舌根や軟口蓋などによる上気道の狭窄、首やのど回りの脂肪沈着などによって、呼吸が止まってしまいます。睡眠時無呼吸症候群の方の9割以上は閉塞性に該当します。

一方、中枢性の睡眠時無呼吸症候群は、脳からの呼吸指令が出ないことなどによる呼吸中枢の異常です。睡眠時無呼吸症候群の中でも、数パーセント程度にとどまります。

検査や治療ができるのは、内科、耳鼻咽喉科、循環器科、呼吸器内科などです。

清水聖童

清水聖童

ライトメンタルクリニック院長

睡眠時無呼吸症候群に自分でも気付きやすくなるためには、スマホで利用できる睡眠アプリ(寝ている時にいびきや体動を感知するアプリ)が利用できます。顎が小さく首が太い方や男性、肥満などがリスクとなるので、該当する方は日中の眠気を意識すると良いと思います。

副鼻腔炎

副鼻腔炎では、鼻水・鼻づまり・息苦しさ・頬や両眼の間、額などの痛みといった症状が表れます。ウィルスや細菌の感染によって鼻腔に炎症が起こり、鼻腔と繋がっている副鼻腔にも炎症が及ぶことで発症します。

病院で診てもらう場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

心臓系の原因

心臓系の原因には、心不全が考えられます。心不全は、全ての慢性的な心臓疾患の終末像です。心臓の働きが悪いために息切れやむくみなどが起こる病気です。

病院で診てもらう場合は心臓血管系の内科や循環器内科、心不全科を受診しましょう。

清水聖童

清水聖童

ライトメンタルクリニック院長

心不全を引き起こさないためには、高血圧、脂質異常症や糖尿病、貧血にならないようにすることです。つまり規則正しくバランスの良い栄養と運動、減塩が大事です。

神経系の原因

神経系の病態としては、神経変性疾患(パーキンソン病や皮質基底核変性症(ひしつきていかくへんせいしょう)、認知症など)により睡眠を良質に保つ脳神経核や神経伝達物質の減少が生ずることで睡眠活動が悪化することが挙げられます。

また、良質な睡眠を阻害する薬剤を内服している可能性があります。

病院で診てもらう場合は、脳神経内科を受診しましょう。

息苦しくて眠れない場合の対処法

息苦しくて眠れない場合の対処法には、「ストレスを解消する」「睡眠時の姿勢を変える」といったことが主に挙げられます。それぞれの対処法に関して、以下で詳しく説明します。

ストレスを解消する

ストレスが原因の場合は、ストレスを解消または軽減することで息苦しさの改善に繋がる可能性があります。ストレスの解消方法は人によって異なりますが、主に以下のようなことが挙げられます。

  • アロマを焚く
  • 好きな音楽を聴く
  • マッサージを受ける
  • カラオケで思いっきり歌う

ストレスが溜まってきたと感じたら、自分なりの方法でなるべく早く解消しましょう。

睡眠時の姿勢を変える

睡眠時の姿勢を変えることでも、息苦しさや寝苦しさが改善される可能性があります。うつ伏せではなく、仰向けや横向けで寝ることが望ましいでしょう。に横向き寝は、舌が喉に落ち込みにくいため、いびきや睡眠時無呼吸症候群などの改善が見込まれます。

自分に合った枕やクッションを使用して、楽な姿勢をとって寝ることを意識しましょう。

息苦しくて眠れない場合は医療機関の受診も検討する

息苦しくて眠れない原因が呼吸器系や心臓系などの場合、何らかの病気も絡んでいるため自力での改善は難しいです。

専門的な治療を受けることが重要な場合もあるため、すみやかに医療機関を受診しましょう。

まとめ

息苦しい時に考えられる原因には、精神系であればパニック障害、呼吸器系であれば気管支喘息や睡眠時無呼吸症候群といったように、さまざまなものが考えられます。原因によって対処法も変わってくるため、早めに突き止めることが重要です。

ストレスが原因の場合はストレスを発散することで息苦しさを解消できる場合がありますが、呼吸器系や心臓系、神経系の原因の場合は、病気も絡んでいるため自力での改善は難しいです。専門的な治療を受けるために、なるべく早く医療機関を受診しましょう。

この記事の監修者
清水聖童
清水聖童ライトメンタルクリニック院長
ライトメンタルクリニック院長。横浜医療センター・横浜市立大学病院にて初期研修。国立精神・神経医療研究センター病院勤務、tDCS研究に従事。都内精神科・心療内科クリニック勤務し心理療法を研修。さくらライフクリニックにて日中は総合診療に携わりつつ、令和2年11月ライトメンタルクリニック開設・院長就任。悪化する前に気軽な受診を治療指針に掲げるライトメンタルクリニック院長。朝10時から23時まで診療に没頭しており外来診療経験は都内随一。
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