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2023.04.24

【医師監修】遮光カーテンと睡眠障害の関係性は?選ぶ際のポイントや使用上の注意点を解説

【医師監修】遮光カーテンと睡眠障害の関係性は?選ぶ際のポイントや使用上の注意点を解説

遮光カーテンは、特殊な加工が施されており、外部からの光を遮断します。光は睡眠の質に影響を及ぼすため、良質な睡眠環境を作りたい方は、遮光カーテンの使用を検討しましょう。

ただし、遮光カーテンは睡眠障害を招く恐れがあるので、使用する際には注意が必要です。

この記事では、遮光カーテンと睡眠障害の関係性や選び方などを解説します。遮光カーテンに興味がある方は参考にしてください。

  1. 遮光カーテンと睡眠障害の関係性
  2. 遮光カーテンで良質な睡眠環境を作れる
  3. 睡眠に役立つ遮光カーテンの選び方
  4. 遮光等級
  5. 機能性の有無
  6. 生地の素材や色
  7. 遮光カーテンを使用する際の注意点
  8. 起床したら遮光カーテンを開ける
  9. カーテンレールから光が漏れる場合がある
  10. 日中でも暗くなりやすい
  11. 遮光カーテンのポイントを理解しておけば睡眠障害の対策が行える

遮光カーテンと睡眠障害の関係性

遮光カーテンとは、外部からの光を遮るカーテンのことです。通常のカーテンと違い、生地に黒い糸を織り込んだり、生地裏に加工を施したりしているため、外部からの光を遮ります。

人間には、地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、体内環境を変化させるサーカディアンリズムが備わっています。いわゆる体内時計のことです。

人間のサーカディアンリズムは24時間よりも若干長い(※)ので、朝日を浴びることなどで体内時計のズレを調整しています。

遮光カーテンを使用すると、遮光効果により朝日を浴びることができず、サーカディアンリズムのズレが修正できない場合があります。

サーカディアンリズムがズレて体内時計が乱れると、「朝起きられない」「自律神経が乱れる」「うつ病に陥る」などの睡眠障害に繋がる可能性があります。

山本耕司

山本耕司

奏の杜耳鼻咽喉科 千葉いびき・無呼吸クリニック 院長

睡眠障害を放置すると、体の健康リスクとして、心血管疾患や糖尿病、肥満、免疫機能の低下、消化器疾患などに繋がります。

また、精神の健康リスクとして、うつ病や不安症状、ストレス、注意力障害、パニックなどを起こす可能性があります。

(※)サーカディアンリズムの周期は個人によって異なり、24時間より短い場合もあります

遮光カーテンで良質な睡眠環境を作れる

遮光カーテンを使用すると日の光を浴びる機会が少なくなり、サーカディアンリズムが乱れ、睡眠障害に陥る可能性はあります。

一方で、遮光カーテンは、街灯や車のヘッドライトなどの外部からの明かりを遮断したり、起床時間よりも前に差し込む朝日を遮断したりするなどのメリットがあります。

夜間の外部からの明かりや、起床時間より前の朝日などは、途中で覚醒を促してしまうので、睡眠の質を低下させます。これらを防ぐために遮光カーテンは正しく使用すれば、睡眠の質の向上が期待できます。

実際に、遮光カーテンを使用することを推奨する論文もあります。

睡眠の質を高めるために良質な睡眠環境を作ろうとしているなら、遮光カーテンの導入を検討しましょう。

山本耕司

山本耕司

奏の杜耳鼻咽喉科 千葉いびき・無呼吸クリニック 院長

睡眠に影響を与えない明るさは、個人差があるため一概にはいえませんが、一般的には100ルクス以下とされています。100ルクスは、夜間の街灯の明かりの下にいるくらいの明るさです。

遮光カーテンを使用する際は、室内の明るさを100ルクス以下に抑えましょう。

睡眠に役立つ遮光カーテンの選び方

睡眠に役立つ遮光カーテンの選び方は以下のとおりです。

  • 遮光等級
  • 機能性の有無
  • 生地の素材や色

睡眠に役立つ遮光カーテンの選び方を順番に解説します。

遮光等級

原則として、遮光カーテンは遮光率99.40%以上を満たしたカーテン用生地や縫製カーテンのことを指します。

遮光カーテンは、外部からの光を透過する割合を示す遮光等級によって、次の3種類に分類されます。

遮光等級遮光率状態表現
1級99.99%以上室内で人の顔の表情が識別できない程度
2級99.80~99.99%未満室内で人の顔や表情がわかる程度
3級99.40~99.80%未満室内で人の顔や表情はわかるが、作業するには暗い程度

また、遮光1級は更に5段階(A++〜C)に分類されており、ほとんど光を感じない遮光カーテンは遮光1級(A++)と表記されています。

寝室に朝日が差し込む場合や、街灯や車のヘッドライトなどの外部の光を遮断したい場合は、遮光等級が高いものを選びましょう。

機能性の有無

遮光効果の高い遮光カーテンを探している方は、商品の機能性にも注目して、特殊加工が施されている商品を選びましょう。

商品によっては、遮光以外に遮音や防音、遮熱などの機能性があります。外の音が気になるなら遮音カーテンを、部屋の寒さが気になるなら遮熱カーテンを選ぶなど、自身の部屋や睡眠時に気になる点に合わせて選ぶことがおすすめです。

生地の素材や色

遮光1級の商品でも、生地の素材や色によって光の遮り具合に違いがあります。そのため、生地のサンプルを見ずに購入すると、遮光の状態がイメージと違っている場合があります。

また、カーテンは、色によって部屋の雰囲気や睡眠の質に影響を及ぼします。遮光カーテンを選ぶ時はなるべくサンプルを見て、部屋の雰囲気とマッチするものを選びましょう。

遮光カーテンを使用する際の注意点

遮光カーテンを使用する際の注意点

遮光カーテンを使用すれば良質な睡眠環境を作ることが可能です。一方で、遮光カーテンは朝日を遮るため、サーカディアンリズムが乱れる可能性があります。

そのため、遮光カーテンを使用する際は、次のポイントに注意しましょう。

  • 起床したら遮光カーテンを開ける
  • カーテンレールから光が漏れる場合がある
  • 日中でも暗くなりやすい

遮光カーテンを使用する際の注意点を順番に解説します。

起床したら遮光カーテンを開ける

サーカディアンリズムが乱れると、概日リズム睡眠障害や免疫力の低下などを招くリスクがあります。

人間には、さまざまな刺激により明暗周期のズレを修正するシステムがあります。光は、このズレを修正するために重要な刺激なので、起床したら遮光カーテンを開けて、日光を浴びましょう。

なお、日光を浴びること以外にも、決まった時間に起床したり、栄養バランスの取れた食事をとったり、適度な運動を行ったりすることで、サーカディアンリズムを整えることに繋がります。

山本耕司

山本耕司

奏の杜耳鼻咽喉科 千葉いびき・無呼吸クリニック 院長

日光を浴びることで、視床下部にある視交叉上核が刺激され、体内時計がリセットされます。また、昼間は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されることにより、夜間にメラトニン分泌が増加し、体内時計と睡眠のリズムが調整されます。

カーテンレールから光が漏れる場合がある

遮光カーテンを設置しても、カーテンレールの隙間から光が漏れる可能性はあります。

良質な睡眠環境を目指して、わずかな光でも遮りたい場合は、「カーテンレールにトップカバーやカーテンボックスを付ける」「レールサイドまでカーテンで覆うリターンタイプにする」などの工夫をしましょう。

特に、カーテンレールの上に設置するトップカバーは外気の室内侵入を防ぐ効果も期待できるので、部屋が寒いと感じる方は試してください。

日中でも暗くなりやすい

遮光カーテンを使用する際は、日中でも部屋が暗くなりやすいことに注意しましょう。

遮光等級が3級でも部屋の中が暗くなります。そのため、昼間に遮光カーテンを使用していると、室内で仕事や家事を行う時でも明かりが必要です。

日中にカーテンをしていないと外から部屋が見えてしまう場合は、レースカーテンを設置しましょう。

遮光カーテンのポイントを理解しておけば睡眠障害の対策が行える

遮光カーテンは生地に黒い糸を織り込んだり、生地裏に樹脂で加工したりして、外部の光を遮断する機能があるカーテンのことです。商品によっては、人の顔や表情が認識できないレベルまで光を遮ることができます。

遮光率の高い遮光カーテンは、朝日を遮るため、誤った使い方をしているとサーカディアンリズムが乱れてしまい、睡眠障害になる可能性があります。

一方で、街灯や車のヘッドライトなどの夜間の光を遮断するので、遮光カーテンがあると良質な睡眠環境を構築でき、睡眠の質を高める効果も期待できます。

遮光カーテンを使用する方は、起床時に遮光カーテンを開け日光を浴びることを習慣づけましょう。

この記事の監修者
山本耕司
山本耕司奏の杜耳鼻咽喉科 千葉いびき・無呼吸クリニック 院長
東京慈恵会医科大学卒業後、同大学耳鼻咽喉科学教室入局。2013年より現職。睡眠時無呼吸症候群の治療であるCPAP(シーパップ)療法や、アレルギー性鼻炎の根本治療となる舌下免疫療法にも注力しており、治療薬処方数は日本一の実績あり。日本睡眠学会専門医、日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。
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