疲れた足のケアやむくみ対策として、足を上げて寝る方法に興味がある方は多いのではないでしょうか。足を上げて寝ることにはむくみの軽減や足の重だるさの緩和が期待できる場合がありますが、誤った方法で行うと体に負担がかかることもあります。
この記事では、足を上げて寝ることのメリットや足を上げて快適に寝る方法、注意点を詳しく解説します。また、足枕などのおすすめグッズも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事のまとめ
- 足を上げて寝ると、むくみ改善や疲労回復などの効果が期待できる足の上げ方や姿勢によっては、逆効果になる場合がある足を上げて寝る際は、足枕などのアイテムがあると便利
足を上げて寝ると楽に感じるのはなぜ?
足を上げて寝ると、体が楽になるような感覚を得られることがあります。このように感じる主な理由は、心臓より高い位置に足を上げると、下半身にたまりやすい余分な水分や血液が心臓に戻りやすくなるためです。
その結果、足の重だるさや張りが和らぎ、楽に感じられることがあります。
立ち仕事やデスクワークなどで、日中に同じ姿勢が続き、足のむくみや重だるさが気になる場合は、足を上げて寝ることで楽に感じられることがあります。
足を上げて寝るメリット
足を上げて寝ることには、主に以下の5つのメリットがあります。
- 足のむくみ改善が期待できる
- 疲労感の軽減が期待できる
- 骨盤や腰の負担を軽減できる
- 膝痛対策ができる
血行促進が期待できる
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
足のむくみ改善が期待できる
足のむくみは、足の皮膚の下に必要以上に水分が溜まることで生じます。また、長時間の立ち仕事やデスクワークによって足をあまり動かさないと、重力の影響で足に余分な水分がたまり、むくみに繋がることがあります。
このような一時的な症状には、足を上げて寝ることで足のむくみ軽減が期待できます。足を上げて寝ると重力によって血液が心臓に戻りやすくなり、水分も体の上部に流れやすくなるためです。
普段から足のむくみに悩んでいる方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
疲労感の軽減が期待できる
長時間立ちっぱなしで足を酷使したり、悪い姿勢を長時間続けたりして足が疲れると、ふくらはぎの筋肉がこわばることがあります。すると、ふくらはぎの筋肉によるポンプ作用が働きにくくなり、足の血流や水分の巡りが滞って、重だるさを感じることがあります。
足を上げて寝ることで足に溜まった血液やリンパ液が流れやすくなり、疲労回復に繋がることが期待できます。
骨盤や腰の負担を軽減できる
足を伸ばして寝ると、骨盤や骨盤周辺の筋肉が足先の方へ引っ張られ、骨盤や腰に負担がかかって痛みを感じることがあります。仰向けになった状態で足の下に足枕やクッションなどを入れて高く上げることで膝が曲がると、骨盤や腰への負担を軽減しやすいです。
腰痛対策ができる
腰痛で眠れない時は、足を上げて寝ると腰痛対策になります。
足を伸ばして寝ると、骨盤や骨盤周辺の筋肉が足先の方へ引っ張られ、骨盤や腰に負担がかかって痛みを感じることがあります。仰向けになった状態で足の下に足枕やクッションなどを入れて高く上げることで膝が曲がると骨盤や背骨への負担を軽減しやすいです。
膝痛対策ができる
就寝時に膝が痛い場合、足を上げて寝ると膝への負担を減らせることがあります。
膝に痛みを感じる方は、膝の関節が伸びにくくなっていることが多いです。就寝中、伸びにくくなっている膝の関節が重力によって無理に伸ばされると、痛みを感じることがあります。
就寝中に膝痛対策をしたい時は、仰向けになって膝の下に足枕やクッションを入れましょう。足を下から支えると膝が伸びにくくなり、膝にかかる負担を減らせます。
なお、膝が痛い方は、うつ伏せで寝ると膝の血流が悪くなることがあるほか、横向きで寝ると太ももやすねの骨が捻れることがあるため注意が必要です。
血行促進が期待できる
足を上げて寝ると下半身から心臓に血流が促され、体全体の血行が良くなります。
血流が促進されると体内の酸素や栄養素がスムーズに運搬されるようになり、新陳代謝の向上が期待できます。
渥美正彦
医療法人上島医院院長
立ち仕事やデスクワークなどで長時間同じ姿勢が続くと、重力により下肢の静脈圧が上昇し、水分が血管の外へ漏れ出して「むくみ」が生じます。
睡眠時に足を心臓より少し高く上げる(下肢挙上)と、重力を利用して静脈血やリンパ液の心臓への還流が促進され、翌朝のむくみや疲労感が軽減します。
また、膝を軽く曲げた状態で足を支えることで、骨盤を引っ張る筋肉(腸腰筋)が緩み、腰の反りが軽減されるため、睡眠中の腰痛予防にも医学的に有効です。
足を上げて快適に寝る方法
足を上げて寝る時は足先だけを上げるのではなく、ふくらはぎも含めて足全体を上げましょう。足枕やクッションを使って足を上げる場合、足首あたりに置くイメージがあるかもしれませんが、足先だけ不自然に高くなると腰や膝の痛みに繋がる可能性があります。
足枕やクッションを置く位置は足先ではなく、膝裏から足先まで全体が上がる位置に置いてください。
また、足枕やクッションは高さ10cm〜15cm程度のものを選び、足の高さを心臓よりも高くします。足の位置が低すぎると、効果が期待できないため注意が必要です。
自分が気持ち良いと思える高さに足の位置を調整すると、快適な眠りに繋がりやすくなります。
足を上げて寝る際の注意点
前述のとおり、足を上げて寝ることにはさまざまなメリットがありますが、足の上げ方を誤るとデメリットが生じる可能性があります。
足を上げて寝ることで生じる可能性がある主なデメリットは、主に以下のとおりです。
- 足の上げ方を誤ると、膝や腰に負担がかかり逆効果になる
- 足がしびれる場合がある
- 足先が高く上がるなどの不自然な姿勢になると寝付きにくくなる
血行不良を引き起こす可能性がある
それぞれのデメリットについて解説します。
足の上げ方を誤ると、膝や腰に負担がかかり逆効果になる
足を上げて寝ると腰痛対策になる反面、足の上げ方を誤ると膝や腰に負担がかかることがあります。足の上げ方を誤った例として、足枕の位置が合っていない、電動ベッドの高さを上げすぎたなどのケースが挙げられます。
足の上げ方を誤ると、血液が上手く流れない、膝を痛める、腰に負担がかかるなど、逆効果になる可能性があるため注意が必要です。
足がしびれる場合がある
高すぎる足枕を使った場合や電動ベッドの足側を高く上げすぎた場合など、足を上げる位置が高すぎると足がしびれることがあります。長時間足が高すぎる位置にあると足の血の気が引き、足先に血液が循環しにくくなってしびれに繋がります。
足先が高く上がるなどの不自然な姿勢になると寝付きにくくなる
足を上げることによって、例えば足先だけが極端に高く上がるなどの不自然な姿勢になると、寝付きにくくなることがあります。足を上げることに慣れるまでは、足元が気になって睡眠の質の低下を招くこともあるかもしれません。
また、姿勢に違和感があると寝苦しさを感じることがあり、睡眠の途中で目覚める可能性も懸念されます。
血行不良を引き起こす可能性がある
足を上げて寝ることで下半身の静脈血や余分な水分が心臓側へ戻りやすくなる一方、長時間同じ姿勢が続くと、ふくらはぎや太もも周辺の血流が滞る可能性があります。
就寝中の姿勢は寝返りを打つことで自然と変わりますが、足を固定するタイプの足枕を使う場合は寝返りが打ちにくいです。寝返りを打ちにくい状態が続くと、睡眠中に同じ部位へ負担がかかり、血流が滞りやすくなる場合があります。
そのため、足枕を使って足を上げて寝る場合は、体勢を変える、寝返りを打つなどの動作が楽に行えるか事前に確認しましょう。
渥美正彦
医療法人上島医院院長
足を高くしすぎると、今度は心臓から足先に向かう動脈の血流(動脈灌流圧)が低下し、足先の冷えやしびれを引き起こす原因になります。高さの目安は10〜15cm程度が適切です。
また、足首の周辺だけにクッションを置くと、膝関節が逆方向に反ってしまい(過伸展)、膝裏の組織を痛めたり、逆に腰へ負担をかけたりするリスクがあります。必ず「膝の裏からふくらはぎ、かかと」まで面で広く支えるようにしてください。
足を上げて寝るとダイエットや血圧改善に繋がる?
足を上げて寝ると血液が流れやすくなることから、「足を上げて寝ると痩せる」「血圧が改善する」などと噂されることがあります。
しかし、これは医学的な治療ではありません。足を高く上げて寝たからといって、例えば「血圧が元に戻る」などの効果は得られないとされています。
また、足を上げて寝ると痩せるといわれる背景には、むくみが軽減して足がすっきり見える場合があることが関係していると考えられます。ただし、足を上げて寝ること自体に脂肪燃焼効果があるわけではありません。
ダイエットをしたい場合は運動をする、治療目的の場合は医師に相談するなどして、正しい方法で改善を目指しましょう。
渥美正彦
医療法人上島医院院長
足を上げて寝ることで翌朝足が細く見えるのは、足に滞留していた水分(むくみ)が上半身へ移動しただけであり、皮下脂肪が燃焼したわけではないため、直接的なダイエット効果はありません。
また、足を上げると足に溜まっていた血液が心臓へ戻る量(静脈還流量)が増えるため、心拍出量が増加し、むしろ一時的に血圧が上がる方向に働きます。高血圧の根本的な治療にはならないため、基礎疾患がある方は自己判断せず医師にご相談ください。
足を上げて寝る時のおすすめグッズ
足を上げて寝る時のおすすめグッズには、以下の3つがあります。
- 足枕(フットピロー)
- バスタオル
- クッション
それぞれの特徴を紹介するので、自分の好みに応じて選びましょう。
足枕(フットピロー)
足を上げて寝る時は、専用に作られた足枕(フットピロー)を使うのがおすすめです。足枕は高さや大きさ、形状の種類が豊富にあり、自分に合ったものを選べます。腰痛が気になる人は膝下枕も検討しましょう。
足枕の効果や選び方について、詳しくは以下の記事をご覧ください。
バスタオル
足枕がない時は、身近にあるバスタオルで代用することも可能です。バスタオルを以下の手順で折りたたみ、厚みを出して使います。
- バスタオルを横半分に折る
- 長さが半分になるように折る
- バスタオルの端からきつめに巻く
- 巻き終わりの部分を下にして置く
バスタオルで代用する場合、足を部分的に支える姿勢にならないように注意が必要です。バスタオルを折る回数や巻き方を工夫して、自分に合った高さに調整しましょう。
また、完成した足枕が狭い場合には、足枕を2つ作り、左右の足をそれぞれ乗せても良いです。
クッション
バスタオル以外に、クッションも足枕の代わりとして使えます。小さいクッションを使うと、寝返りを打った時に足が落ちる可能性があるため、足全体を支えられるように幅が広いクッションを使いましょう。
ただし、厚みがあるクッションを使うと、理想的な寝姿勢が保てず体に負担がかかりやすくなるので注意してください。
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よくある質問
ここからは、足を上げて寝ることに関するよくある質問を紹介します。
足を上げる高さの目安は?
足は心臓より少し高い位置まで上げましょう。ふくらはぎの辺りが心臓から10〜15cm程度上の高さにくるのが目安です。
短時間足を上げて寝るだけでも効果はある?
15分〜30分程度でも、足を心臓より少し高くして休むことで、足の重だるさやむくみ感が和らぐことがあります。
ただし、長時間同じ姿勢を続けると、腰や膝に負担がかかったり、寝返りが打ちにくくなったりする場合があるため、無理のない範囲で行いましょう。
足を上げて寝ないほうが良いケースはある?
人によっては、健康上の理由から足を上げて寝るのを避けたほうが良いケースもあります。例えば、下半身の関節に痛みがある方の場合、無理に足を上げて寝るのは避けたほうが良いでしょう。
健康面への影響が心配な場合は、足を上げて寝ても問題ないか医師に相談するようにしてください。
足を上げて寝るために使う足枕を選ぶポイントは?
足を上げて寝ることを目的に使う足枕は、適度に柔らかいものを選ぶと良いでしょう。適度な柔らかさがある足枕は就寝中の体の動きを妨げにくく、寝返りを自然に打つことができます。
ただし、足枕が柔らかすぎると足が沈み込んでしまい、足を適切な高さまで上げることが難しくなる可能性があるので注意してください。さらに、足が沈み込むことで体の動きが妨げられ、寝返りを打ちにくくなる可能性もあります。足枕は、足が沈み込みすぎない適度な柔らかさのあるものを選びましょう。
また、高さ調整ができるタイプの足枕なら、足の位置が高すぎる・低すぎるといった問題が生じる心配が少ないです。
足のむくみを解消する方法は?
足のむくみを和らげるには、足を上げて寝るほかに「マッサージでリンパの流れを整える」「入浴して血流を促進する」などの方法も効果的とされています。足のむくみを解消する方法について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
足を上げて寝る際は正しい姿勢を意識しよう
足のむくみや疲れが気になる時は、足枕などを使って足を上げて寝ると改善に繋がることが期待できます。
ただし、足の上げ方を誤ると腰や膝に負担がかかり、寝付きにくくなるデメリットが生じる可能性があります。こうしたデメリットを避けるためには、足を適切な位置に上げて寝ることが大切です。
足を上げて寝ることは治療ではないため、足の疲れやむくみなどが一向に改善しない場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
※医師が特定の商品を推奨しているわけではありません。
