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2023.10.30 更新

【医師監修】睡眠のゴールデンタイムは本当にある?質の高い睡眠を取る方法など紹介

【医師監修】睡眠のゴールデンタイムは本当にある?質の高い睡眠を取る方法など紹介

「睡眠にはゴールデンタイムがある」という説を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

睡眠の質を高めたい方や、健康や美容への意識が高い方は、日ごろからゴールデンタイムに就寝することを心がけているかもしれません。

しかし近年では、かつてのゴールデンタイムに関する情報は誤っているとされ、新たな定説へアップデートされています。そのため、新しい情報を知り、適切な方法で質の高い睡眠をとることが大切です。

この記事では、現代のゴールデンタイムに関する定義から、睡眠の質を高める方法まで詳しく解説します。

より質の高い睡眠をとり、日々の健康に繋げるためにも、この記事を通して正しい情報を得てください。

  1. 22時から2時が睡眠のゴールデンタイムという説は変わり始めている
  2. 睡眠のゴールデンタイムは入眠してから3〜4時間
  3. 睡眠に関わる成長ホルモンの役割とは?
  4. ゴールデンタイムに質の高い睡眠をとるべき3つの理由
  5. 心身の疲労が回復する
  6. 肌の状態が改善する
  7. 記憶を定着させる
  8. 睡眠の質を高める方法を具体的に解説
  9. 食生活の改善点
  10. 入浴の改善点
  11. 生活習慣の改善点
  12. 就寝環境の改善点
  13. まとめ

22時から2時が睡眠のゴールデンタイムという説は変わり始めている

睡眠におけるゴールデンタイムとは、「成長ホルモンが最も多く分泌される時間に睡眠をとること」を指します。

これまで、「22時〜2時のあいだに成長ホルモンが多く分泌されるため、その時間帯に睡眠しておくべきである」という説が一般的でした。

しかし現代では、「22時〜2時が睡眠のゴールデンタイム」という説に変化が起き始めています。

成長ホルモンは決まった時間に分泌されるわけではないため、「必ずしも22時から2時に就寝している必要はない」という説が現代のスタンダードになりつつあるのです。

また、現代社会においては、夜遅くまで仕事や勉強をする方が増えた影響で、就寝時間が後ろ倒しになっています。

昔の日本と比較すると、現代のライフスタイルは大きく変化しており、22時に就寝することが必ずしも現実的ではありません。そのため、睡眠のゴールデンタイムの定義が変わり始めていることが考えられます。

睡眠のゴールデンタイムは入眠してから3〜4時間

成長ホルモンは、睡眠中の一定の時間帯ではなく、入眠後3〜4時間のあいだに分泌されることがわかっています。

人間は浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」を約90分の間隔で繰り返しており、さらにノンレム睡眠は「深いノンレム睡眠」と「浅いノンレム睡眠」に分かれます。

成長ホルモンの分泌量が大幅に増加するのは、入眠後「深いノンレム睡眠」に入ったタイミングです。そのため、決まった時間に就寝している必要はなく、「入眠後の3〜4時間までに深い睡眠に入れているかどうか」が重要といえます。

しかし、「入眠後に深い睡眠に入れていれば、睡眠時間が短くても良い」という訳ではありません。まとまった睡眠時間を確保することで脳や体が休まり、成長ホルモンがしっかりと分泌されます。

また、睡眠や成長ホルモンに密接に関わっているものが、メラトニンという睡眠ホルモンです。メラトニンには、睡眠や覚醒のリズムを整える作用があるほか、成長ホルモンの分泌を促す働きもあります。

メラトニンは起床後14〜16時間後に分泌が始まり、深夜1時〜3時ごろにはピークを迎えます。

例えば午前7時に起床するスケジュールである場合、21時〜23時頃からメラトニンが分泌されはじめ、徐々に睡眠モードへと移行していきます。

成長ホルモンが分泌されるタイミングとメラトニンが作用するタイミングを踏まえて、睡眠不足にならないよう、自分にとって必要な睡眠をきちんととることを心がけましょう。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

メラトニンは、朝などに日を浴びると、14〜16時間後に分泌が開始されます。メラトニンの分泌により脈拍・体温・血圧を低下させることによって、体に睡眠の準備ができたことを知らせ、睡眠リズムを整えます。

睡眠に関わる成長ホルモンの役割とは?

子どもの成長を促進することで知られる「成長ホルモン」は、大人にとっても重要な役割を果たしています。

そもそも「成長ホルモン」は一生のあいだ分泌され続けるホルモンであり、生涯にわたって私たちの健康を支えてくれるものです。

成長ホルモンは「脳下垂体」から分泌され、体のさまざまな部分に働きかけます。筋肉や骨、皮膚を丈夫に保つ「成長促進作用」や、代謝を促し脂肪を分解する「代謝促進作用」が主な役割です。

また、成長ホルモンの分泌は、思春期前後にピークを迎えます。その後、年齢を重ねるにつれて減少していき、最盛期と比較した60歳頃の分泌量は30%程になります。

成長ホルモンの分泌量が減少すると、心臓病や糖尿病、肥満といった生活習慣病のリスクが高くなる、骨や筋肉、皮膚が弱くなるなどの影響があらわれます。

加齢だけでなく、病気によるものや、原因不明のまま成長ホルモンの分泌量が少なくなるケースもあります。

成長ホルモンの減少は老化現象を招くため、可能な限り成長ホルモンの分泌を促す行動をとることが大切です。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

成長ホルモンは、脂肪を分解したり肝臓で作られたコレステロールの取り込みを促したりすることによって、血中のコレステロールを低下させます。そのため、成長ホルモンが低下すると動脈硬化が進展しやすくなります。

また、成長ホルモンが不足すると内臓脂肪が増えインスリンの効きが悪くなり、結果的に糖尿病になりやすくなります。

ゴールデンタイムに質の高い睡眠をとるべき3つの理由

ゴールデンタイムに質の高い睡眠をとるべき3つの理由

慌ただしい現代社会において、「睡眠時間を確保できない」「質の高い睡眠がとれない」などの悩みを抱えている方は多いでしょう。

しかし、以下のとおり、ゴールデンタイムに質の高い睡眠をとったほうが良い理由があります。

  • 心身の疲労が回復する
  • 肌の状態が改善する
  • 記憶を定着させる

ここからは、それぞれついて詳しく解説します。

心身の疲労が回復する

成長ホルモンは、体の修復や回復を促します。

体が受けた疲れや怪我などのダメージは、眠っているあいだに修復されるため、なるべくしっかり睡眠時間をとることを意識しましょう。

また、睡眠中には体だけではなく脳も休まります。このあいだに自律神経やホルモンのバランスが整い、ストレスの解消にも繋がります。

肌の状態が改善する

体の修復や回復をするなどの成長ホルモンの働きは、肌に対しても例外ではありません。睡眠と肌には密接な関係があります。

肌に関係する成長ホルモンの役割は、ターンオーバーを促し、ダメージを受けた細胞を修復して再生する働きなどが考えられます。

また、睡眠中に分泌される「メラトニン」には強い抗酸化作用があり、肌のハリを保ち、新たにシミやシワができることを防いでくれる効果が期待できます。

記憶を定着させる

仕事や勉強の場で新しいことを身につける際にも、睡眠は大きな役割を担っています。

日中に記憶したことや学習したことは、その日の睡眠中に定着するため、忙しい時でも睡眠時間を確保することは重要です。

記憶を定着させるには「レム睡眠」と、睡眠の前半にあらわれる「深いノンレム睡眠」、睡眠の後半にあらわれる「浅いノンレム睡眠」の働きが深く関わります。

それぞれの役割は、以下のとおりです。

  • レム睡眠…習得した技術を定着させる
  • 深いノンレム睡眠…嫌な記憶を消去する
  • 浅いノンレム睡眠…新たな記憶を古い記憶と紐付ける

「約90分の間隔でレム睡眠とノンレム睡眠は繰り返されること」「睡眠時間の前半と後半でノンレム睡眠の働きが変化すること」を踏まえると、何かを習得する際は、睡眠の時間と質の両方を高く保つことが大切であるとわかります。

睡眠の質を高める方法を具体的に解説

睡眠の質を高めて快適に過ごしたい方は、日常生活の改善に取り組みましょう。

ここからは、日常生活における以下4つの観点から、すぐに実践できる具体的な改善方法を紹介します。

  • 食生活の改善点
  • 入浴の改善点
  • 生活習慣の改善点
  • 就寝環境の改善点

どれもすぐ実践できる方法であるため、ぜひ取り組んでみてください。

食生活の改善点

睡眠の質を高めるために、食生活においては以下の2点を意識しましょう。

  • 毎日同じ時間帯に食事を済ませる
  • 朝昼晩の3食きちんと食べる

食事の時間帯を揃えることは、日々の生活リズムを整えることに繋がります。とくに朝は忙しく、朝食を食べられない方もいると思いますが、1日のエネルギーを得るためにもきちんと食べることが大切です。

また、夕食は就寝時間の3時間ほど前までに済ませるようにしましょう。消化活動と就寝時間が重なると、睡眠が妨げられ、眠りが浅くなる原因になります。

また、就寝前にハーブティーやホットミルクなど、ノンカフェインの飲み物で体を温めることも効果的です。

ハーブティーは脳の興奮状態を抑える役割をもつうえに、良い香りでリラックス効果も得られます。また、牛乳には、メラトニンのもととなるトリプトファンという成分が含まれており、安眠効果が期待できるためおすすめです。

反対に、カフェインやアルコールを含む飲料を就寝前に摂取することは避けましょう。

眠りが浅くなったり、利尿作用でトイレに行きたくなったりする可能性があり、睡眠の質が低下する原因になります。

齋藤幹

齋藤幹

さいとう内科・循環器クリニック院長

乳製品や大豆製品などに多く含まれるトリプトファンを摂取すると、睡眠リズムに関わるホルモンであるセロトニンやメラトニンの原料となるため、睡眠の質を高める可能性があります。

また、就寝前にはコーヒーや緑茶、チョコレートなど、カフェインが含まれる飲食物は避けたほうがいいでしょう。

入浴の改善点

睡眠の質を高めるために、入浴する際は浴槽にお湯をはって、ゆっくり浸かるようにしましょう。

適度に体が温まる程度のお湯に浸かると、副交感神経が優位になって体が休まります。

熱すぎる湯温は避け、38〜40℃くらいのお湯に浸かることがポイントです。湯温が高すぎると、交感神経が刺激され、かえって目が覚めてしまいます。

また、体を温めると同時に、デトックス効果が期待できる半身浴も効果的です。体の深部から温まり、リラックス効果を得られます。

眠気は体温が下がるにつれて生じるため、入浴は就寝時間の約90~120分前に済ませることが望ましいです。

生活習慣の改善点

睡眠の質を高めるために、生活習慣を改めて、体内時計を整えましょう。体内時計のズレは睡眠の質を低下させ、睡眠不足の原因になります。

体内時計は、「1日の活動をコントロールする」「ホルモンの分泌を促す」「自律神経を調節する」など、さまざまな働きに関わる重要なものです。

近年は、時間問わずパソコンやスマホを使用する方も多いですが、就寝前の使用はできる限り避けてください。

理由として、パソコンやスマホが発するブルーライトを浴びることで、体内時計にズレが生じる場合があります。ただし、どうしても避けられない場合には、ブルーライトをカットする眼鏡の使用も効果的です。

また、夜に強い光を浴びると体内時計に遅れが生じる一方、朝日には体内時計を早める効果があります。起床後はカーテンを開けて朝日を浴びることで、体内時計のズレを整えましょう。

最後に、慢性的な運動不足になっている場合は、手軽に始められる運動を行いましょう。ウォーキングや散歩など、激しい運動でなくても十分です。

あわせて、就寝前にストレッチやヨガを行うと、体の緊張がほぐれ、血行も良くなり、睡眠に良い影響をもたらします。

就寝環境の改善点

「寝起きに体が痛い」「すっきり目覚められない」などの不調を感じる場合は、就寝環境を見直しましょう。

枕、マットレス、掛け布団など、使用している寝具が体に合っていないと、起床時の不調に繋がる可能性があります。

NELLマットレスは、寝返りのしやすさを追求した体圧分散性の高いマットレスです。
一般的なマットレスに使用されるコイル数の約2倍以上のポケットコイルを使用しており、体圧を細かく分散されるため、寝返りがしやすく綺麗な寝姿勢が得られます。

NELLマットレスの詳細は、こちらから確認できます。

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睡眠の質を高めたいと考えている方は、この機会に寝具を見直してみてはいかがでしょうか。
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自分の身体に合っているかをじっくり試せるので、この機会にぜひNELLマットレスを検討してみてください。

また、寝室の照明が明るすぎると、脳が覚醒して睡眠に悪影響を及ぼすため注意が必要です。寝室には、暖色系の照明や間接照明を取り入れることをおすすめします。

さらに、部屋の温度が適切でないと、夜中によく目が覚める「中途覚醒」の原因になるため、空調や寝具を上手く組み合わせて、室温を調整してください。

就寝時にリラックスするには、自分が心地良いと感じるものを取り入れることが効果的です。着心地の良いパジャマ、アロマやお香、好きな音楽などを楽しみ、快適に眠れる環境を作りましょう。

まとめ

かつてのゴールデンタイムは、「22時~2時」とされる説が一般的でした。

しかし、現在では定義が変わり始めており、就寝してから3~4時間のあいだに深い睡眠に入ることが重要であるといわれています。

成長ホルモンは決まった時間に分泌されるものではないため、「就寝時刻」よりも「睡眠の時間と質」を重視してください。

日々の生活を快適に保つには、翌朝すっきりと起床できるだけの睡眠時間を確保することが望ましいです。

深い睡眠をとることで、心身の疲労を回復でき、日々をより活き活きと過ごせるようになるでしょう。

この記事の監修者
齋藤幹
齋藤幹さいとう内科・循環器クリニック院長
1996年北海道大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院にて内科研修。その後東京大学医学部付属病院(循環器内科)や専門病院での経験を経て、2019年に「さいとう内科・循環器クリニック」を開業。医学博士、内科認定医、総合内科専門医、循環器専門医・指導医、臨床研修指導医。

※医師が特定の商品を推奨しているわけではありません

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