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2022.01.19 更新

熟睡できないのはなぜ?原因や寝る前にできる対処方法を伝授

熟睡できないのはなぜ?原因や寝る前にできる対処方法を伝授

十分寝ているはずなのに疲れがとれず、「睡眠が浅い気がする」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

厚生労働省が実施した「健康実態調査」によると、調査対象1,362人のうち3割の方が睡眠の質に満足していないことがわかっています。

熟睡できない状態を放置すると、集中力や記憶力が低下する原因ともなり得るため、早めに対処することが望ましいです。

この記事では、熟睡できない原因から熟睡する方法まで詳しく解説します。

睡眠に不満を感じている方は、そもそも「熟睡」とはどういう状態なのかを理解したうえで、睡眠の質の改善に取り組みましょう。

  1. 熟睡する方法を知る前に理解しておきたい「熟睡」の意味について
  2. 熟睡できない主な原因とは?
  3. 生活リズムの乱れ
  4. 日常的なストレスや悩み
  5. 心身の異常や病気
  6. 寝具や寝室の環境が自身に合っていない
  7. 熟睡する方法を取り入れ睡眠の質を高めることのメリット3つ
  8. 疲労回復効果がある
  9. 記憶を定着させる効果がある
  10. ストレス解消の効果がある
  11. 生活習慣やさまざまな病気の予防効果がある
  12. 日常的に実践できる熟睡する方法を紹介
  13. 生活習慣を見直し体内リズムを整える
  14. 入浴や軽めの運動・ストレッチなどでリラックスする
  15. カフェインレスの温かいものを飲む
  16. 寝る前のスマホやパソコン操作を控える
  17. 体に合う最適な寝具を使う
  18. 寝室の環境を快適にする
  19. まとめ

熟睡する方法を知る前に理解しておきたい「熟睡」の意味について

厚生労働省が示す「健康づくりのための睡眠指針 2014」によると、日本の成人のおよそ6割が6~8時間の睡眠をとっています。

割合が多いことから、標準的な睡眠時間は6~8時間であるとされるため、この睡眠時間を目安にして「良く寝た」「寝足りない」と判断する方も多いでしょう。

しかし、6~8時間という時間はあくまでも一般的な目安であり、すべての人に当てはまるわけではありません。最適な睡眠時間は、個人の体質や年齢、季節によって異なるため、一概には定義できないからです。

十分な睡眠がとれたか、熟睡できたかの判断は、睡眠の「時間」よりも「」が重要です。

もし睡眠時間が6〜8時間に満たなくても、朝すっきりと目覚められて、日中に眠気や倦怠感で困らないのであれば問題ありません。

また、長く眠ることで体の同じ箇所が圧迫され続けると、肩こりや腰痛などの原因になる可能性があるため、長く眠れば必ずしも疲れがとれるわけではないということも覚えておきましょう。

熟睡を目的とするのであれば「時間」にこだわらず、睡眠の「質」を高めるよう意識することがおすすめです。

熟睡できない主な原因とは?

熟睡できていないのであれば、自分の生活習慣などに何かしらの原因があるのかもしれません。熟睡できない主な原因として考えられるのは、以下のとおりです。

  • 生活リズムの乱れ
  • 日常的なストレスや悩み
  • 心身の異常や病気
  • 寝具や寝室の環境が自身に合っていない

それぞれの原因について、詳しく紹介します。

生活リズムの乱れ

食事の時間や栄養バランス、運動による体調管理、就寝・起床時間などの生活リズムが乱れてしまうと、睡眠のリズムにも影響が及びます。

睡眠は、食事や運動と同様に生活習慣の一つです。毎日食事をとる時間や入眠する時間がバラバラだと、生活リズムを刻む「体内時計」が狂ってしまい、熟睡には繋がらないでしょう。

体内時計には、睡眠のタイミングを決めるだけでなく、前もってホルモンの分泌や生理的な活動を調節して睡眠に備えてくれる役割もあります。

そのため、体内時計が乱れると機能が上手く働かず、寝つきが悪くなり深い睡眠が得られなくなる可能性があります。

毎日規則正しい生活をおくることで体内時計を整え、自然な入眠・起床を心がけることは、質の高い睡眠にも繋がるでしょう。

日常的なストレスや悩み

仕事や家庭でのトラブルなど、日常的にストレスや悩みを抱えていることが、睡眠の質の低下に繋がっているかもしれません。

ストレスに繋がる主な原因として、「責任ある仕事を担当する」「友人との人間関係が上手くいかない」「家庭や育児に問題がある」などが挙げられます。

特に、神経質な方や生真面目な方はストレスを感じやすく、熟睡できないことが多いとされるため注意しましょう。

ストレスや悩みの度合いは人によってさまざまですが、自分なりのストレス解消方法を身に付けておくことが大事です。

ストレスがある環境から逃れられない場合、適度に発散して気分転換することをおすすめします。

心身の異常や病気

体や心の病気は睡眠の質に大きく影響します。

睡眠に影響を与える心身の病気の一例として挙げられるものは、以下のとおりです。

病気の種類睡眠に影響する病気
体の病気・高血圧や心臓病(胸苦しさ)
・呼吸器疾患(咳・発作)
・腎臓病・前立腺肥大(頻尿)
・糖尿病・関節リウマチ(痛み)
・アレルギー疾患(かゆみ)
・脳出血や脳梗塞
・睡眠時無呼吸症候群
・ムズムズ脚症候群
心の病気・うつ病
・精神的な問題からくる睡眠障害

(※)三島和夫 不眠症 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html 厚生労働省 2021年閲覧

もし熟睡できない原因が「体の病気」に該当する場合、熟睡(睡眠の質を高める)する方法を探すより、病気を治すことを優先しましょう。

体の病気が治ることで、睡眠の質も改善する可能性があるため、症状に適した治療を行うことが大切です。

また、「心の病気」を持っている方は、不眠症になりやすい傾向があります。

うつ病の9割の方は何らかの不眠症状を抱えており、不眠症状がある方はうつ病になりやすいなど、相互の関係も深いため注意してください。

心身の病気が疑わしい場合は、自分で治そうとすると悪化するリスクもあるため、早めに医療機関で診療を受けて、専門的なアドバイスをもらうことをおすすめします。

寝具や寝室の環境が自身に合っていない

「心身の病気がなく、生活習慣にも心当たりがないものの熟睡できない」と思う方は、就寝環境が整っていないことが原因の可能性があります。

睡眠に影響を与える就寝環境として挙げられることは、寝室の温度や湿度、照明の光加減、周辺の騒音状況、寝具の状態などです。

例えば、あまりにも暑すぎる、爆音が流れている、蛍光灯を消灯していないなどの環境では、上手く入眠できないでしょう。

また、マットレスや枕などの寝具が体に合っていない場合にも、寝づらさを感じるため、熟睡できる状態に繋がりません。

生理現象である「寝返り」の打ちやすさは、マットレスの質に大きくかかわります。体の一部が圧迫されることによる血行不良をリセットするためにも、就寝中に上手に寝返りを打つことは大切です。

しかし、マットレスが柔らかすぎると、腰など体の重い部分だけが沈み込むため、寝返りが打ちづらくなるでしょう。一方、硬すぎるマットレスの場合でも、肩や腰など一部で体全体を支えることになるため、圧迫されることで血行不良に繋がります。

寝返りが打ちづらいマットレスでは血行不良がリセットされず、肩こりや腰痛の原因に繋がるほか、寝苦しさを感じることで睡眠の質が低下する可能性があるので、注意しましょう。

熟睡する方法を取り入れ睡眠の質を高めることのメリット3つ

熟睡する方法を日常に取り入れて睡眠の質を高めることで、以下のメリットが得られます。

  • 疲労回復効果がある
  • 記憶を定着させる効果がある
  • ストレス解消の効果がある
  • 生活習慣やさまざまな病気の予防効果がある

それぞれの効果について、詳しく紹介します。

疲労回復効果がある

睡眠が持つ代表的な効果は、身体的な疲労回復効果です。

睡眠不足の状態が続くと、注意力や作業能率が低下し、生産性を下げ、事故やヒューマンエラーのリスクを高める原因になります。

仕事が忙しい時には睡眠時間を削って働くことがあるかもしれませんが、睡眠時間を削ることによって仕事のミスが増え、結果的に作業効率が低下しやすくなるといえるでしょう。

また、平日の睡眠不足解消のために、休日に「寝だめ」する方もいるかもしれませんが、寝だめは生活リズムを崩す原因になります。

睡眠は溜められるものではないため、寝だめで睡眠不足を解消する効果は薄いといえるでしょう。

睡眠不足が慢性的になってしまうと体内時計は狂い、睡眠による疲労回復が難しくなるため、日常的に熟睡できるよう心がけることが大切です。

記憶を定着させる効果がある

睡眠には、神経の修復による疲労回復効果のほか、日中に体験したことの記憶を脳に定着させる効果もあります。

人の脳は寝ている最中に記憶の整理を行っており、記憶を定着させるためには「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」という睡眠の一連の流れが必要です。

睡眠中に記憶を紐づけて思い出せるように整理しているので、十分な睡眠をとらなければ、日中に学習したことや経験したことが記憶として脳に固定されません。

また、睡眠不足になることで記憶能力が低下するだけでなく、不安、抑うつ、被害妄想、感情調節力や建設的思考力の低下などが発生するリスクがあるとされています。

快適な睡眠を得ることで、記憶力の向上に加え、上記のような症状を防止することにも繋がるでしょう。

ストレス解消の効果がある

睡眠にはストレスを解消させる効果があり、心の健康や疲労回復にも重要な役割を果たしています。

ストレスの原因は人それぞれですが、睡眠不足になることで日中のパフォーマンスが低下し、仕事や家事のミスが増えてしまうと、ストレスが溜まるでしょう。

睡眠不足は情緒の不安定さや判断力の鈍さなども引き起こすため、「怒りっぽくなる」「イライラしやすくなる」などの心の落ち込みにも繋がりやすくなります。

肉体的な重労働ではないデスクワークのような仕事でも、活き活きとした生活を送るためには、睡眠の質を高めて心の疲労を回復させることが大切です。

生活習慣やさまざまな病気の予防効果がある

睡眠の質が低いことで睡眠障害を発症すると、心身への悪影響に繋がり、さまざまな精神疾患や生活習慣病のリスクが高まるとされています。

睡眠障害の一つである「睡眠時無呼吸症候群」はメタボリックシンドロームを合併するケースがあり、以下のような疾病を悪化させる可能性もあるため注意が必要です。

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 高脂血症

睡眠の質が低いことで生じる病気については、十分な睡眠をとって睡眠の質を高めることで予防できる可能性があります。

ただし、睡眠時無呼吸症候群や精神疾患による不眠症・過眠症などを発症した場合には、必要に応じて医療機関を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。

日常的に実践できる熟睡する方法を紹介

熟睡するために、日常生活で気軽に取り組める対策があります。

  • 生活習慣を見直し体内リズムを整える
  • 入浴や軽めの運動・ストレッチなどでリラックスする
  • カフェインレスの温かいものを飲む
  • 寝る前のスマホやパソコン操作を控える
  • 体に合う最適な寝具を使う
  • 寝室の環境を快適にする

ここからは、それぞれの内容を詳しく紹介します。

生活習慣を見直し体内リズムを整える

熟睡するために、入眠する時刻や食生活といった生活習慣を整えましょう。具体的には、以下の行動が挙げられます。

  • 就寝・起床の時間を一定にする
  • 休日と平日の睡眠時間を一定にする
  • 朝起きて日光を浴びる
  • バランスの良い食事をとる
  • 食事のタイミングを一定にする
  • 就寝前に寝つきが悪くなる行動をとらない

睡眠は生活習慣の一部であるため、就寝時間が一定でないと生活習慣そのものの乱れに繋がります。

生活習慣が乱れることで体内時計のリズムが崩れると、睡眠の質の低下に繋がってしまうため気を付けてください。

毎日決まった時間に起きる」「健康的な食事にする」など、日常生活で取り組みやすいことからで構いません。規則正しい生活を送り、体内時計を整えて睡眠の質を高めましょう。

入浴や軽めの運動・ストレッチなどでリラックスする

スムーズに入眠するためには、心身ともにリラックスした状態でいることが大切です。

リラックスした状態とは、自律神経のバランスがきちんと保たれている状態をいいます。自律神経には、活動的な「交感神経」と、休息状態の「副交感神経」があり、このうち入眠時に求められるのは「副交感神経」が優位な状態です。

日中に働く交感神経を上手く副交感神経へと交替させるために、以下のような自分なりのリラックス方法を取り入れてください。

  • 就寝の90~120分前にぬるめのお湯で入浴する
  • 軽めの運動で体を温める
  • ストレッチやマッサージで体をほぐす
  • アロマや読書、ヒーリングミュージックで心を落ち着かせる

注意点として、熱すぎるお湯で入浴することや、就寝直前に激しい運動を行うことは避けましょう。体が興奮して交感神経が優位な状態となるため、スムーズな入眠に繋がりません。

自分なりのリラックス方法を見つけて、筋肉の緊張を和らげた状態で入眠しましょう。

カフェインレスの温かいものを飲む

体温が上昇して下がり始めるタイミングで眠気が促されるため、温かい飲み物を飲んで体を温めることもおすすめです。

以下、代表的な温かい飲み物を紹介するので、好みに合わせて取り入れてみてください。

  • 白湯
  • 生姜湯
  • ホットミルク
  • ハーブティー

それぞれ手軽に取り入れられるうえに、ハーブティーのように香りも良いものであれば、リラックス効果があると考えられます。

ただし、温かい飲み物であっても、カフェインやアルコールが含まれたものは控えましょう。カフェインやアルコールには覚醒作用や利尿作用があるため、就寝中に目覚めて睡眠の質が低下してしまいます。

寝る前のスマホやパソコン操作を控える

就寝前には、スマホやパソコンが発するブルーライトの光を浴びないようにしましょう。

光を浴びることで、脳が「今は昼だ」と錯覚を起こし、寝付きづらくなってしまいます。

また、眠気を促す「メラトニン」という睡眠ホルモンは、強い光を浴びることで分泌量が抑制されるため、就寝直前にスマホやパソコンを操作することは控えることが望ましいです。

さらに、絶えずスマホを操作することで、ゲームやSNSなどの「スマホ依存症」になってしまう可能性がある点も気を付けてください。

眠気があるのにもかかわらずスマホが手放せないと、昼夜逆転の生活に繋がるリスクがあります。

体に合う最適な寝具を使う

マットレスや枕などの寝具が体に合っていないと感じるのであれば、新しいものに見直すことをおすすめします。

マットレスを選ぶ際には、体にかかる負担を分散できる体圧分散性に優れたものを選びましょう。スムーズに寝返りを打つためには、適度な反発力があることも重要です。

コイルが内蔵されたものやウレタン素材のものなど、使われている素材によってマットレスの特徴は異なります。

また、素材だけではなく、人それぞれの体格や体重によっても感じ方が違うため、自分の体に合う寝具を見つけようと心がけることが大切です。
運動やストレッチなども熟睡のための方法としては有効ですが、寝具が体に合わないことで起床時の体調不良に繋がっているのであれば、快適に眠れる寝具に買い替えることを検討しましょう。

寝室の環境を快適にする

寝具とあわせて寝室の環境を整えると、より熟睡するための環境が整うでしょう。

快適に感じる室温は、夏場は25℃〜26℃、冬場は22℃〜23℃、湿度は50~60%です。布団のなかの環境は、温度33℃、湿度50%が理想とされています。

これらの温度や湿度はあくまでも目安であり、使用している寝具や衣類、季節によって感じ方は異なるため、自分にとって快適な環境を整えるよう心がけてください。

また、「照明が明るすぎるのであれば間接照明を使用する」「テレビのうるさい音を消して就寝する」など、落ち着いて入眠できる環境をつくることも大切です。

室温や湿度、照明など、日々の生活のなかで気になる就寝環境があるのであれば、一つずつ改善していきましょう。

まとめ

熟睡できているかの基準は、睡眠時間の長さだけで決まるものではありません。

どれだけ睡眠時間が長くても、睡眠の質が低ければ日中の倦怠感や眠気に繋がる可能性があります。

「熟睡した」とすっきりできる状態を目指すのであれば、生活習慣の改善に取り組んで睡眠の質を高めましょう。

難しいことではなく、「健康的な食事をとる」「運動やストレッチを行う」「寝具を見直す」など、日常生活で気軽に取り組めることから始めることをおすすめします。
今回の記事で紹介したことを参考にして、快適な睡眠を手に入れてください。

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