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2023.02.14 更新

【医師監修】寝る前にできる瞑想のやり方を紹介!寝ながら実践できる方法も解説

【医師監修】寝る前にできる瞑想のやり方を紹介!寝ながら実践できる方法も解説

ストレス解消したい時やリラックスしたい時、瞑想すると良い効果があると聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

瞑想は集中できる環境で行う必要があるため、手軽に行いたい方は、集中するための環境が作りやすい寝室で就寝前に行うと良いでしょう。

瞑想による効果を十分に受けるためには、具体的なやり方を把握したうえで適切な方法にて行うことが重要です。

この記事では、瞑想の効果や具体的なやり方について詳しく解説します。日常に瞑想を取り入れたい方は、ぜひ参考にしてください。

  1. 寝る前に行う瞑想ってどんなもの?
  2. 寝る前に瞑想を行うことで得られる効果
  3. リラックス効果
  4. ストレス低減効果
  5. 瞑想を上手く行うための3つのコツ
  6. 室温や湿度を調整する
  7. 楽な姿勢を保つ
  8. アロマなどを使う
  9. 寝る前にできる瞑想のやり方
  10. 座ってやる瞑想のやり方
  11. 横になる瞑想のやり方
  12. 瞑想のやり方がわからない方はアプリや動画を活用しよう
  13. まとめ

寝る前に行う瞑想ってどんなもの?

瞑想とは、リラックスや健康、幸福感の増進効果があるとして古くから活用されている心身療法です。

瞑想の方法には、リラックスした姿勢で目を閉じ、呼吸に集中するだけといったシンプルな方法のほか、座って行う瞑想や寝た状態で行う瞑想、歩きながら行う瞑想などいくつかの方法があります。

また、瞑想においてはさまざまな研究が行われており、不安感、抑うつ感、不眠の改善などの効果があることも報告されています。

後述しているようなリラックス効果やストレス低減効果などによって睡眠の質を高められることも期待できるため、日常生活のなかで有効的に活用すると良いでしょう。

寝る前に瞑想を行うことで得られる効果

寝る前に瞑想を行うことで得られる効果としては、主に下記のものが挙げられます。

  • リラックス効果
  • ストレス低減効果

それぞれについて、以下で詳しく紹介します。

リラックス効果

人の自律神経には活動モードである「交感神経」と、体を休めるモードである「副交感神経」という2つの状態があります。

睡眠前には、体を休めてリラックス状態になれる副交感神経が優位になっていることが大切です。

副交感神経が優位になっていると、心身が落ち着いて呼吸も緩やかになるため、自然に寝つきやすくなるとされています。

瞑想のリラックス効果について、京都大学(※)が行った社会人247人を対象とした瞑想の研究では、191人(77.3%)がリラックス効果を感じているという結果が出たそうです。

この研究結果を踏まえると、寝る前に瞑想を行うことでリラックス状態にて入眠しやすくなるため、質の高い睡眠に繋がることも期待できるといえるでしょう。

(※)奥野, 元子「禅的呼吸法によるストレス低減効果 ―生理的指標(唾液アミラーゼ・血圧)と心理的指標(POMS・感想)による評価―」

ストレス低減効果

前述したとおり、自然な状態で入眠するためには、自律神経のうち「副交感神経」が優位になっていることが重要です。

しかし、心身がストレスを受けていると自律神経が乱れ、夜になっても交感神経が優位な状態が続いてしまうため、寝つきづらくなることがあります。

また、ストレスに繋がる悩みや心配事を抱えていると、布団のなかでもそのことを考えてしまい眠れなくなるケースも考えられるでしょう。

先に触れた京都大学の研究では、瞑想におけるストレス低減効果についても調査が行われており、呼吸法による瞑想を行うと、ストレスを感じている時に上昇する消化酵素である「アミラーゼ値」が低下することがわかっています。

楠裕司

楠裕司

渋谷睡眠・呼吸メディカルクリニック 院長

寝る前は瞑想とあわせてジャーナリング(頭に浮かんだことを紙に書き出すこと)を行うと、感情や思考が整理され、入眠しやすくなります。

また、「その日にあった良かったこと」を思い浮かべるのもおすすめです。毎日続けると自己肯定感が上がり、不安なく寝付けるようになっていきます。

瞑想を上手く行うための3つのコツ

瞑想を上手く行うための3つのコツ

瞑想を行う際には、周辺の環境を整えるとより快適に取り組みやすくなるでしょう。瞑想を快適に行うためのコツとして、下記のことが挙げられます。

  • 室温や湿度を調整する
  • 楽な姿勢を保つ
  • アロマなどを使う

それぞれについて、以下で詳しく紹介します。

室温や湿度を調整する

「暑すぎる」「寒すぎる」「ムシムシする」といったように室温や湿度が不快だと、瞑想に集中できない可能性があるため、瞑想を行う際には室温や湿度を適切に保ちましょう。

寝室における快適な温度・湿度は、使用している寝具や衣類、季節などによっても異なりますが、夏場は25〜26℃、冬場は22〜23℃、湿度は通年50〜60%が理想的です。

適切な室温・湿度が保てないのであれば、例えば寒い時にはエアコンで室温を調節する、暑い時には窓から涼しい風を取り入れるなどの対策を行ってください。

また、周辺の音環境や窓から入る光の加減などを調整することも大事です。うるさい音は遮断する、明るすぎる照明は避けるなどの工夫を行えば、瞑想に集中しやすくなるでしょう。

こうして寝室の環境を整えることは、瞑想に集中しやすくなるだけでなく睡眠の質を高めることにも繋がるため、意識して寝室環境の改善に取り組むことをおすすめします。

楠裕司

楠裕司

渋谷睡眠・呼吸メディカルクリニック 院長

想像の世界を巡らせたり、自身を観察して感情を見つめ直したりするために瞑想を行う場合は、寝てしまわないように明るい場所で行うことをおすすめめします。

一方で、寝つきを良くするために瞑想を行う場合には、就寝直前に暗い部屋で瞑想を行うことをおすすめします。

楽な姿勢を保つ

瞑想をする際には、体に余計な力を入れないことが大切です。

瞑想には椅子に座って行う瞑想や、横になって寝た状態で行う瞑想などがありますが、それぞれ楽で安定した姿勢が取れるよう意識することをおすすめします。

椅子に座った状態で行う場合、背骨を伸ばして姿勢を正すと、力を抜いても姿勢が安定しやすくなります。

一方で、横になった状態で行う場合には、床が硬い時にはマットを敷く、首が痛む時は枕を使うなど対策を行うことで、楽な姿勢が取りやすくなる可能性があるため、必要に応じてこれらのアイテムの使用を検討しましょう。

楠裕司

楠裕司

渋谷睡眠・呼吸メディカルクリニック 院長

床に座った状態で瞑想をする場合も、椅子と同様に背筋を伸ばし、力を抜いても安定する姿勢をとることが望ましいです。体重を右ひざと左ひざ、おしりの3点で支え、座骨の上に重心がくるように調整するのがポイントです。

アロマなどを使う

香りの良いアロマを焚くことでリラックス効果が得られるため、瞑想の際に活用してみるのも良いでしょう。

アロマの香りを嗅ぐことで、心身が安らいだ状態の時に発するα波(アルファ波)が増加し、リラックスモードの副交感神経が優位な状態になりやすいとされています。

アロマには、ラベンダー・カモミール・ライム・ローズマリーなど数多くの種類がありますが、自分にとって心地良いと感じる香りを選ぶようにしましょう。

また、心身をリラックスさせる手段として、心が落ち着くヒーリングミュージックや自然音を聞く方法もおすすめです。

寝る前にできる瞑想のやり方

瞑想を上手に行うコツを把握したら、早速瞑想を行っていきましょう。

ここでは、寝る前に取り入れやすい瞑想のやり方をいくつか紹介します。

  • 座ってやる瞑想のやり方
  • 横になる瞑想のやり方
  • 瞑想のやり方がわからない方はアプリや動画を活用しよう

どれも簡単に実践できるものなので、寝る前に瞑想を取り入れることを検討している方は、以下で紹介する方法を参考にしてください。

座ってやる瞑想のやり方

座った状態で瞑想を行う時には、以下の流れで取り組みましょう。

  1. ベッドの上に座る
  2. 体の力を抜いて楽な姿勢を保つ
  3. 鼻からゆっくり息を吸う
  4. 体に空気が巡るのを感じる
  5. 鼻からゆっくり吐く

座り方は特に決まっていませんが、呼吸がしやすく力を抜いても姿勢が保ちやすいように背中を伸ばすと良いでしょう。心身を落ち着かせて目を閉じると、より瞑想に集中しやすくなります。

また、ベッドの上が安定しないのであれば、座布団や畳んだブランケットの上に座っても問題ありません。

瞑想の時には、体の各部位や呼吸などに意識を集中させましょう。呼吸に意識を向ける「呼吸瞑想」では、空気が口や鼻から出入りしているところに集中すると良いです。

横になる瞑想のやり方

腰が痛い方や座った状態だと集中できない方は、横になりながら行う瞑想がおすすめです。

横向けで行う「シャバアーサナ瞑想」は、体を解放させて無の状態になることから「屍のポーズ」と呼ばれており、下記の手順によって行います。

  1. ベッドの上で仰向けに寝る
  2. 両手の平を上向きにして体の横に置く
  3. 両足を肩幅にひらいて体の力を抜く
  4. 目を閉じて腹式呼吸を行う
  5. 体の関節を揺らしながらリラックスする
  6. 腰・首・足先・内蔵・脳内まですべての力を抜くイメージを抱く
  7. 体に意識を戻して手や足をゆっくり動かす
  8. 両膝を立ててゆっくり目を開ける
  9. 起き上がって呼吸を整える

瞑想中には体の各部位に意識を巡らせますが、例えば「足・腰・胸・頭」という流れのように、下から上に向かって脱力していきましょう。

嬉しかったことや悲しかったことがどうしても思い浮かんでしまい、感情を無の状態にすることが難しいのであれば、意識を呼吸に集中させて対策を行うことをおすすめします。

また、寝たまま行う瞑想には、ほかにも「ヨガニードラ瞑想」などの方法もあります。

一般的には瞑想中に眠ることは推奨されていませんが、ヨガニードラ瞑想は心地良く入眠してすっきり目覚めることを目的とした瞑想です。

寝る前の瞑想としてもおすすめなので、興味がある方はヨガニードラ瞑想をはじめとしたほかの方法もいろいろと試してみると良いでしょう。

瞑想のやり方がわからない方はアプリや動画を活用しよう

瞑想のやり方がわからない場合には、スマホアプリやYouTubeなどの動画を活用する方法もおすすめです。

ヨガ教室などで瞑想を行う場合、講師の方に指示を仰ぎながら行うのが一般的かもしれませんが、寝る前に自宅で行う瞑想は一人で取り組むことがほとんどなので、具体的な手順がわからず挫折してしまう可能性もあると思います。

スマホアプリや動画ではお手本となる手順をわかりやすく教えてくれるため、文字ではわかりにくい時に参考にすると良いでしょう。

スマホアプリのなかには、iPhoneに標準搭載されている「ヘルスケア」と呼ばれる健康データを管理するアプリと連動できるタイプや、寝つきの悪さに繋がるブルーライトの放出量をカットできる「ダークモード」搭載のタイプなどがあります。

スマホアプリを活用する際には、搭載されている機能をはじめとして、対応機種や有料・無料などもチェックしておくと良いでしょう。

Youtubeをはじめとした動画サービスでは、初心者におすすめのものや寝たまま行えるものなど、さまざまな動画が配信されています。動画を実際に見てみて、音楽や雰囲気などが好みのものを選んで視聴してみましょう。

まとめ

瞑想には、リラックス効果やストレス低減効果などがあることが多くの研究で報告されています。特別な道具を用意せずに取り組めるため、すぐに実践しやすい心身療法だといえるでしょう。

自然な形で入眠するためには、就寝前に副交感神経が優位になってリラックスしていることが大切です。就寝前にリラックスできず寝つけないと悩んでいる方は、ぜひ寝る前に瞑想を取り入れてみてはいかがでしょうか。

今回紹介した瞑想のやり方を参考にしつつ、必要に応じてスマホアプリや動画も活用しながら、寝る前の瞑想に取り組んでみましょう。

この記事の監修者
楠裕司
楠裕司渋谷睡眠・呼吸メディカルクリニック 院長
山梨医科大学を卒業後、日本医科大学呼吸器内科入局。2011年から本格的に睡眠診療の研鑽を積み、2022年11月渋谷睡眠・呼吸メディカルクリニックを開院。「最高の睡眠診療を身近に」を合言葉に睡眠専門医の治療を気軽に受けて頂けるよう日々取り組んでいる。資格:医学博士、睡眠学会専門医、内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医等
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