ストレスを抱えやすい方に多い悩みの一つが過呼吸です。
「過呼吸の症状がつらい」「大切な場面で過呼吸の症状を起こしてしまう」など、過呼吸に悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、過呼吸の症状や主な原因、症状が発生した際の対応方法などについて紹介します。過呼吸に悩まされている方は、ぜひご一読ください。
過呼吸の症状について紹介
過呼吸とは、息を何度も激しく吸ったり吐いたりする状態のことを指します。上手く呼吸ができず、息苦しさを感じるのが主な症状です。
息苦しさを感じる根本的な原因は、過呼吸状態の際に血液中の炭酸ガス濃度が低くなり、呼吸を調整する役割を持つ神経「呼吸中枢」によって呼吸が抑制されるためだといわれています。
また、日常的に過呼吸を繰り返す状態は、過換気症候群と呼ばれています。過換気症候群を発症している場合は、過呼吸以外にも頭痛やめまいなどの症状が出る可能性もあるので注意が必要です。
過呼吸を引き起こす主な原因2つ
過呼吸に悩んでいる方は意図しないタイミングでの発症を防ぐためにも、過呼吸を引き起こす原因を把握しておきましょう。過呼吸を引き起こす原因として考えられるのは次の2つです。
- ストレスや極度の緊張
- 睡眠不足や肉体的疲労
それぞれの原因について、以下で詳しい内容を紹介します。
ストレスや極度の緊張
過呼吸を引き起こす原因の一つが、ストレスや極度の緊張です。ストレスや緊張により呼吸のリズムが崩れると血液中の酸素と二酸化炭素のバランスが崩れてしまい、過呼吸に繋がる場合があると考えられています。
そのため、几帳面な方や心配性の方など、ストレスを抱えやすい性格の方は発症しやすいといわれています。
睡眠不足や肉体的疲労
睡眠不足や激しい運動などによって肉体的な疲れが溜まっていると、過呼吸の原因となる可能性があるので注意してください。肉体的な疲れがあると脳にある呼吸中枢が刺激され、過呼吸の症状を引き起こす場合があるといわれています。
過呼吸になった場合の対応方法
過呼吸になった際は慌ててしまいやすいですが、まずは落ち着くことが大切です。気持ちを落ち着かせたら、冷静に対応をしましょう。
ここでは、「自分が過呼吸になった場合」と「他人が過呼吸になった場合」の対応方法を紹介します。
なお、一般的に知られている対応方法として「紙袋を口と鼻にあてる」という方法がありますが、この方法だと酸素濃度が低下してしまい、窒息する可能性があるといわれています。
このようなリスクを考えると、紙袋を用いた対処はしないほうが良いといえるでしょう。
自分が過呼吸になった場合
自分が過呼吸になった場合は、まず本来の呼吸のリズムを取り戻しましょう。
呼吸のリズムは、吸った息を10秒程度かけてゆっくり吐き出すようにすると整えやすくなるといわれています。
また、過呼吸状態の時は、腹式呼吸をしやすい体勢をとると良いでしょう。お腹からしっかり息を吸うことで、過呼吸の症状である息苦しさが薄れるといわれています。うつ伏せや前屈みの姿勢だと腹式呼吸がしやすくなるので、意識してみてください。
自分以外の人が過呼吸になった場合
自分以外の方が過呼吸になった場合は、まずゆっくりと話しかけて落ち着かせてあげましょう。そして背中をさすって呼吸のリズムを整える手伝いをしてあげてください。
この時に自分が慌ててしまうと、過呼吸を起こした方が余計不安になってしまうので注意しましょう。
生活習慣を見直して過呼吸の悩みから解放されよう
先述したとおり、過呼吸はストレスや睡眠不足、肉体的疲労などが主な原因です。過呼吸の発症が心配な方は、原因となるストレス・睡眠不足・肉体的疲労を解消するように心がけましょう。
また、ストレスや睡眠不足を解消するためには、普段から質の高い睡眠をとることが大切です。睡眠の質は下記のような方法で高めることができるので、ぜひ実践してみてください。
- 適度に運動をする
- 就寝前は自分なりの方法でリラックスする
- 快適な睡眠環境を整える
- 寝酒としてのアルコール摂取は控える
- 湯船に浸かる
それぞれの方法について、詳しい内容を順番に紹介します。
適度に運動をする
ストレスを抱え込まないためには、適度に運動を行うことが大切です。適度に運動をすると人を覚醒に導く役割を持つ交感神経が優位となる時間帯が長くなり、前向きな考えになりやすいといわれています。
早足のウォーキングやランニングなど軽めの有酸素運動で良いので、時間がある時は積極的に体を動かしましょう。
また、習慣的に運動を続けると寝つきが良くなるメリットもあります。とくに就寝3時間前くらいの運動は睡眠の質を高めるのに効果的なので、意識してみると良いでしょう。このほか、就寝前に行うヨガやストレッチにも寝つきが良くなる効果があります。
不眠に悩んでいる方は、ぜひ試してみてください。
就寝前は自分なりの方法でリラックスする
就寝前に不安を抱えていたり、考え事をしていたりすると、心身が緊張してしまい入眠しにくくなる可能性があります。
寝つきを良くするためにも、就寝前は自分なりの方法でリラックスしましょう。
以下でリラックスする方法の例を紹介するので、思いつかない方は参考にしてください。
- アロマオイルを焚く
- ヒーリングミュージックを流す
- 読書する
また、リラックスする方法にはさまざまありますが、スマホやパソコンの操作が伴う方法はおすすめできません。
就寝前にスマホやパソコンを操作すると、画面から発せられる光によって脳が覚醒してしまい、眠りにくくなる可能性があります。
快適な睡眠環境を整える
睡眠の質を高めるためには、自分が眠りやすいと思える睡眠環境を整えることも大切です。
例えば、快眠に向けて運動をしたりリラックスしたりするなどの工夫をしても、いざ眠る時に寝づらさを感じてしまっては、熟睡することができません。
そのため、睡眠環境はできるだけ優先的に整えることをおすすめします。睡眠環境を整えるポイントは下記の4つです。
- 自分に合った寝具を使う
- 外部からの光が気になる場合はアイマスクや遮光カーテンを使う
- 騒音が気になる場合は耳栓などを活用する
- 寝室の温度や湿度を調整する
なお、寝室の温度は夏場が25℃〜26℃、冬場は22℃〜23℃、湿度は通年50%〜60%が理想的だとされています。エアコンや加湿器などの家電を使って調整すると良いでしょう。
寝酒としてのアルコール摂取は控える
就寝前にお酒を飲むと、寝つきが良くなると感じる場合があるかもしれません。しかし、寝酒は睡眠の質を低下させる原因となってしまうので注意してください。
就寝前に摂取したアルコールは寝ている間に体から抜けていきますが、その反動で眠りが浅くなってしまいます。
眠りが浅いと途中で目が覚めやすくなり、不眠に繋がる可能性もあります。睡眠不足の場合は寝酒を控え、お酒以外の方法でリラックスするように意識しましょう。
湯船に浸かる
睡眠の質を高めるには、就寝時間90分〜120分前の入浴も効果的です。湯船にゆったり浸かるとリラックスできるうえ、お風呂上がりに深部体温が下がる影響で寝つきも良くなります。
ただし、お湯の温度が熱すぎたり、入浴の時間が長すぎたりすると逆効果になってしまうので注意してください。
寝つきを良くするために入浴するのであれば、38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度、半身浴の場合は約40℃のお湯で30分程度の温度・時間を意識することをおすすめします。
過呼吸の症状がひどい場合は病院へ行くべき?
過呼吸の症状は自分でも対応ができるため、「病院に行く必要はあるのか」と悩む場合があるかもしれません。しかし、症状がひどい場合は無理をせず医療機関に相談するべきです。
調べた知識や自分の知識だけでは対応に限界がありますし、症状を解消できない可能性もあります。
過呼吸の症状がつらい方は、内科・心療内科・呼吸器科などの医療機関を受診し、医者の判断に従って対応すると良いでしょう。
まとめ
過呼吸に悩んでいる方は、正しい対応方法を把握したうえで原因となるストレスや睡眠不足、肉体的疲労を解消することが大切です。
ストレスや睡眠不足は普段の睡眠の質を高めることで解消しやすくなるので、ぜひ意識してみてください。
また、過呼吸の原因を取り除いても症状に悩む場合は、早めに医療機関に相談することをおすすめします。