日本人を対象にした調査では5人に1人が、60歳以上では3人に1人が睡眠に対して何かしらの問題を抱えているといわれています。
「寝つきが悪い」といった問題もそのうちの一つで、一般的には入眠障害と呼ばれています。
睡眠に対する問題を改善するには無理に寝ようとするのではなく、まずは睡眠のメカニズムを理解することが大切です。
また、入眠障害の原因も一つではなく、人によってさまざまなので自分にとっての原因を解明し、原因に合った適切に対処する必要があります。
この記事では入眠障害の特徴や、入眠障害をはじめとする不眠症の主な原因を紹介するとともに改善するために日常的に心がけることを紹介するので、「睡眠の質を改善したい」という方や「寝つけないことに悩んでいる」という方は参考にしてください。
- 入眠障害とは不眠症の一種のこと
- 入眠障害以外の不眠症のタイプ
- 中途覚醒
- 早朝覚醒
- 熟眠障害
- 入眠障害(不眠症)の主な原因
- 加齢による変化
- 睡眠環境が快適ではない
- 生活習慣や睡眠リズムの乱れ
- 不安やストレスを抱えている
- アルコールやカフェインの摂取
- うつ病などの精神疾患
- 睡眠時無呼吸症候群
- 持病などによる体の痛みや違和感
- 入眠障害(不眠症)の改善方法とは?
- ①睡眠のメカニズムや仕組みを理解する
- ②入眠障害の原因を突き止め治療・改善方法を知る
- ③改善方法を実行する
- 睡眠の質を向上させるために日常的にできること
- 適度な運動やストレッチで体をほぐす
- 規則正しい食生活を心がける
- 就寝の約90~120分前に入浴する
- 自分の体に合ったマットレスや枕を使う
- 温かい飲み物を飲む
- 寝る前の食事やアルコール・カフェイン摂取を控える
- アロマや音楽でリラックスする
- まとめ
入眠障害とは不眠症の一種のこと
入眠障害とは、布団に入って寝ようとしても2時間以上寝つけないことが週2回以上あり、その状態が1ヶ月以上続くことをいいます。
睡眠に何かしらの問題がある状態が週2回以上あり、1ヶ月以上その症状が続くことで日中の生活において倦怠感・集中力の欠如など支障をきたしている場合には「不眠症」とされています。
入眠障害も不眠症の一種とされているため、寝つけないことにより日常生活や体調に支障をきたしている場合には注意が必要です。
入眠障害における主な原因の詳細は後述しますが、不安や緊張などによって起こりやすいとされており、入眠障害は不眠症のなかで最も多いとされている症状です。
心当たりがある人は医療機関で受診し、適切なアドバイスをもらいましょう。
山下あきこ
株式会社マインドフルヘルス 代表取締役
入眠障害などについて心当たりがある方は、心療内科や精神科を受診しましょう。
特に、「起きたい時間より2時間以上前に目が覚めてしまう」といった早朝覚醒が2週間以上続く場合は、うつ病の可能性があり、注意が必要です。
入眠障害以外の不眠症のタイプ
不眠症は大きく分けて4つのタイプがあり、入眠障害はそのうちの一つです。
不眠症は複数の症状が重複して現れることもあるため、ほかの不眠症についても知っておきましょう。
入眠障害以外の不眠症としては下記の3つがあります。
- 中途覚醒
- 早朝覚醒
- 熟眠障害
それぞれの概要や主な原因などについて以下で紹介します。
中途覚醒
中途覚醒とは頻尿や喉の渇きなどで夜中に目が覚めてしまい、その後もなかなか寝つけない症状をいいます。
寝る前にカフェインやアルコールを摂取するといった生活習慣が原因になっていることもありますが、頻尿は睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因となっているケースもあります。
また、仕事でのストレスや交代勤務性による睡眠リズムの乱れにより「深く眠れない」といったことが原因で中途覚醒の症状に繋がることも考えられるでしょう。
そのほかでは、高齢になることによる生体リズムの変化によって中途覚醒の症状が現れることがあります。
早朝覚醒
早朝覚醒とは予定よりも2時間以上前に目が覚めてしまう症状のことをいいます。
一般的に睡眠時間は高齢になるにつれて短くなるうえ、体内時計が前にずれやすいため高齢者は早朝覚醒になりやすいとされています。
しかし、高齢者の場合は病気などではなく生体リズムの変化によるものなので、早朝覚醒の症状があっても日中の生活に支障がない(睡眠の量が足りている)のであれば問題はありません。
そのほか、うつ病でも初期の症状として「朝早く目が覚めてしまう」という早朝覚醒の症状があります。
熟眠障害
熟眠障害とは、睡眠時間を十分にとっても「ぐっすりと眠れた」という満足が得られない症状のことをいいます。
熟眠障害の原因は主に眠りが浅いことによるものですが、眠りが浅くなる原因はストレス・緊張などの心理的要因のほか、アトピー性皮膚炎や睡眠時無呼吸症候群などの睡眠を妨げるような病気が関係しているなどさまざまです。
入眠障害(不眠症)の主な原因
前述のとおり、不眠症は一つだけではなく複数の症状が重複している場合があります。
主な原因については少し触れていますが、入眠障害を含めた不眠症の原因は共通している場合も多くあります。
ここでは入眠障害をはじめとする不眠症の主な原因について、下記のものを紹介します。
- 加齢による変化
- 睡眠環境が快適ではない
- 生活習慣や睡眠リズムの乱れ
- 不安やストレスを抱えている
- アルコールやカフェインの摂取
- うつ病などの精神疾患
- 睡眠時無呼吸症候群
- 持病などによる体の痛みや違和感
不眠症に対処する前に、まずは何が原因となっているかを理解することが大切です。
それぞれに以下で詳しく紹介するので、心当たりがないかチェックしてみてください。
加齢による変化
一般的に年齢を重ねると体内時計の変化によって睡眠に関わるホルモン分泌や生体機能が前にずれるとされています。
また、高齢者になると親しい人と死別や夫婦仲の悪化など、ライフステージの変化に伴って増えるストレスが睡眠の質に影響している場合もあります。
「寝つきが悪い」という症状である入眠障害の場合、定年退職などによる日中の活動量の低下や、加齢に伴う病気によってスムーズに入眠できないことが関係していることも考えられるでしょう。
睡眠環境が快適ではない
住宅周りの騒音や寝室の照明、温度・湿度などがスムーズな入眠を妨げている場合があります。
入眠障害を含め不眠症になる原因はさまざまですが、もし睡眠を妨げるような病気や精神的なストレス、生活習慣などに問題が見当たらない場合、睡眠時の環境に気を配ってみると良いかもしれません。
生活習慣や睡眠リズムの乱れ
交代勤務や夜ふかしなど、生活習慣が乱れていると睡眠リズムが乱れスムーズな入眠や質の高い睡眠が難しくなります。
人の体には体内時計があり、毎日の習慣にしたがって無意識的にホルモン分泌や生理的な活動を調整するとされています。
睡眠もそのうちの一つで、睡眠リズムが整っていれば習慣に従い前もって体は寝る準備をはじめますが、睡眠リズムが乱れている場合はスムーズな入眠が難しくなります。
これらの生体機能は自分の意志でコントロールすることが難しいので、就寝・起床時間を一定にするなど毎日規則正しい生活を心がけることが大切です。
不安やストレスを抱えている
ストレスや不安は自律神経を活動モードである交感神経優位の状態にするため、仕事や家庭でのストレスは目が冴え睡眠を妨げる原因となります。
ストレスや不安の原因がわかっている場合はその元凶を解決することで不眠症も改善するでしょう。
しかし、心配性や生真面目といった気質・性格によりストレスや不安に敏感な方は不眠症になりやすいかもしれません。
例えば「なかなか眠れない」ということ自体がストレスになり、より眠れなくなることもあるため気にしすぎにも注意が必要です。
アルコールやカフェインの摂取
睡眠前の行動として、アルコールやカフェインの摂取は良質な睡眠の妨げになります。
カフェインはアデノシンと呼ばれる眠気物質の働きを抑える効果があるため、コーヒーなどのカフェインを含む飲料は眠気覚ましに効果があることで知られています。
一方でアルコールはリラックス効果により入眠しやすくなるので「寝酒」として活用する人もいるかもしれませんが、習慣化すると少量では足りなくなる可能性があります。
アルコール摂取量が増えると肥満や生活習慣病、依存症となるリスクが高まるうえ、アルコールには利尿作用があるので中途覚醒も多くなるので注意しましょう。
また、アルコールは睡眠後半の覚醒度が高まることがわかっており、スムーズに入眠できても結果的に睡眠の質を下げるといったデメリットが多くあります。
そのため、寝る前のアルコールやカフェインの摂取は控えましょう。
うつ病などの精神疾患
うつ病などの精神疾患は不眠症に深く関係しています。
厚生労働省の発表によると、うつ病になると9割近くの人が何かしらの入眠障害を伴うともされています。
うつ病によるストレスや不安感が入眠障害の症状に繋がっていることが考えられますが、うつ病では入眠障害だけでなく中途覚醒や早朝覚醒、熟眠障害など複数の不眠症を伴っているケースもあるため注意しましょう。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に無呼吸症状(10秒以上の呼吸停止状態)が1時間あたり5回以上、または7時間の睡眠に30回以上ある病気のことを指します。
睡眠時無呼吸症候群になると脳が低酸素状態になることにより睡眠の質が下がるほか、心臓をはじめとする臓器に負担をかけることによる高血圧、心筋梗塞などの合併症に繋がることもあるため注意が必要です。
睡眠の質が低下で日中に眠気を感じ、思うように仕事が進まない・仕事でミスが増えるなど、間接的にストレスが増える要因ともなる場合があります。
睡眠時無呼吸症候群自体は睡眠中に起こる症状ですが、間接的にストレスが増えると夜寝つけないといった入眠障害の症状に繋がることも考えられます。
山下あきこ
株式会社マインドフルヘルス 代表取締役
睡眠時無呼吸症候群かどうか気になる方は、呼吸器内科、耳鼻科、神経内科などを受診しましょう。
睡眠時無呼吸の検査機械を貸し出してくれる診療科があります。指につける簡単な機械で夜間の無呼吸の有無を調べられます。
持病などによる体の痛みや違和感
リウマチやレストレスレッグス症候群(むずむず足症候群)、アトピー性皮膚炎など、痛みや痒みといった「睡眠の妨げとなる持病」を持っている場合も入眠障害を含む不眠症の原因になります。
もし体の痛みや違和感により入眠が妨げられているのであれば、入眠障害に対処しようとするのではなく、その原因となっている病気や症状などを改善・治療することが先決です。
特定の病気が寝つけないという症状に繋がっているのであれば、原因が解消することで不眠も解消する可能性が高いでしょう。
入眠障害(不眠症)の改善方法とは?
続いては入眠障害を含めた不眠症の改善方法について紹介しますが、前提として日常生活に何かしらの問題がでているのであれば自己解決しようとせず医療機関で受診し、専門的な治療やアドバイスを受けることをおすすめします。
場合によっては何かしらの病気の可能性もあり、自己判断で誤った処置をすると悪化するリスクもあります。
その前提で、寝つけないという症状を改善したい場合の改善方法として、下記の3つのステップを紹介します。
- 睡眠のメカニズムや仕組みを理解する
- 入眠障害の原因を突き止め治療・改善方法を知る
- 改善方法を実行する
それぞれについて、以下で詳しく紹介します。
①睡眠のメカニズムや仕組みを理解する
眠れないからといって無理に寝ようとしても難しいため、まずは睡眠のメカニズムについて理解することが大切です。
人の睡眠・覚醒のリズムは体内時計によって調整されていることがわかっています。
しかし、人の体内時計は約25時間であり、地球の周期である24時間とは約1時間のずれがあるため、普通に生きていると周期のずれにより徐々に夜型になっていきます。
体内時計と地球の周期のずれを解消するには、日の光を有効活用しましょう。
体内時計は外界のさまざまな刺激を受けることで同調するとされていますが、日の光もそのうちの一つです。
人は日の光を浴びると体内時計がリセットされるうえ、日の光を浴びることによって分泌される「セロトニン」は夜になると眠気を促すホルモンである「メラトニン」の原料となります。
つまり、スムーズに入眠するためには無理やり寝ようとするのではなく、この仕組みを理解して体内時計を整えることが大切なのです。
毎朝日の光を浴びるとともに、就寝・起床の時間を一定にすることで体内時計が調整され、決まった時間にスムーズに入眠できるようになる可能性が高くなります。
反対に毎日不規則の時間に就寝・起床しているとスムーズな入眠や質の高い睡眠は難しくなるので「平日は夜ふかしして休日に多く眠る」といった生活リズムも控えましょう。
山下あきこ
株式会社マインドフルヘルス 代表取締役
日光や就寝・起床時間以外にも、食事によって睡眠・覚醒のリズムを整えられます。
具体的には、夕食を早めに済ませ、起床後1時間以内に朝食を食べることをおすすめします。腸は、絶食時間が長いと夜だと認識します。そのため、12時間程度の絶食の後に朝食を食べると体内時計をリセットする信号を脳に発信します。
②入眠障害の原因を突き止め治療・改善方法を知る
睡眠のメカニズムや仕組みを理解したら、次は入眠障害や睡眠リズムの乱れに繋がっている行為・原因を突き止めましょう。
例えば「寝る前にスマホでゲームする習慣があり夜更かしをしている」といった場合はその行為を意識的にやめるなどが挙げられます。
一方で、もし何かしらの病気が快適な眠りを妨げているのであれば、日常的な行動ではなくその病気を治療することが先決となります。
つまり、原因によって対処の仕方が変わるということです。
紹介したように不眠症の原因は一つではなく人によって異なるため、原因に対応した適切な対処をすることが大切です。
③改善方法を実行する
入眠障害や不眠症の原因が判明したら、次は対処法となる改善策を実行しましょう。
前述のとおり睡眠リズムは体内時計によって調整されているため、長期的に規則正しい睡眠リズムになるように習慣化することが大切です。
一方でもし病気と疑わしい場合、自己判断で改善しようとすると悪化するリスクがあるため医療機関で専門医に診断してもらい、適切な治療を受けることをおすすめします。
また、対処することによって入眠障害が解消されても、日々の生活のなかで同じ原因を作らないように質の高い睡眠がとれる生活習慣を心がけることも大切です。
質の高い睡眠のために日常の中で意識できることについては後述するので、睡眠の質が低いと感じる方は参考にしてください。
睡眠の質を向上させるために日常的にできること
睡眠の質を向上させるために日常的にできることとして、下記のようなものが挙げられます。
- 適度な運動やストレッチで体をほぐす
- 規則正しい食生活を心がける
- 就寝の約90~120分前に入浴する
- 自分の体に合ったマットレスや枕を使う
- 温かい飲み物を飲む
- 寝る前の食事やアルコール・カフェイン摂取を控える
- アロマや音楽でリラックスする
それぞれの効果などについて、以下で詳しく紹介します。
適度な運動やストレッチで体をほぐす
適度な運動やストレッチはストレス解消効果のほか、疲労による質の高い睡眠に繋がります。
運動習慣がある人は不眠が少ないこともわかっているため、夜眠れないという人には特におすすめです。
また、人は体温が上昇し、低下し始めるタイミングで眠気が促されるとされています。
そのため、睡眠の3時間ほど前にウォーキングやジョギングといった軽めの有酸素運動を取り入れると、寝床に入るタイミングで体温が下がり始め自然な眠気によるスムーズな入眠も期待できます。
規則正しい食生活を心がける
規則正しい食生活は体内時計を整える役割があります。
朝・昼・晩と規則正しく食事をとることで体内時計を確立することで1日の体内リズムや夜の睡眠リズムも整えられることが期待できるでしょう。
また、朝食は日中を活動的に過ごすためのエネルギーになるほか、朝食によって胃が活動をはじめて目が覚めるといった効果もあります。
なお、寝る直前の食事は消化活動によって睡眠が浅くなるため、夕食は寝る3時間ほど前に済ませておきましょう。
ただし、空腹の状態では交感神経が活発になり眠りが浅くなる可能性があるため、空腹でどうしても眠れない場合には消化の良いものやコップ1杯程度の牛乳を飲むなどがおすすめです。
就寝の約90~120分前に入浴する
入浴はリラックスするとともに、運動と同じく体温上昇から低下によるスムーズな入眠に効果的です。
就寝の約90〜120分前に入浴することで寝床に入るタイミングに自然な眠気が促されることが期待できるためおすすめです。
ただし、お湯の温度が熱すぎると体を興奮させ、寝つきが悪くなる可能性があるため注意しましょう。
おすすめの入浴温度や入浴方法は以下のとおりです。
- 入浴は38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度
- 42℃の熱めのお湯であれば5分程度
- 半身浴なら約40℃のお湯で30分程度
忙しくて時間がない場合でもシャワーなどで済ませず、湯船にゆっくりと浸かることをおすすめします。
自分の体に合ったマットレスや枕を使う
快適な睡眠には自分に合った寝具選びも重要です。
体に合わないマットレスは疲労回復とは反対に肩こりや腰痛、寝起きのだるさなどの原因になるほか、睡眠の質が下がることによる日中の眠気などにも繋がるため注意が必要です。
また、日頃の生活習慣に問題がなくても寝具が合っていないことが寝つきが悪い原因になっている可能性もあります。
例えばマットレスであれば、体圧分散性と適度な反発力を併せ持ったものがおすすめです。
睡眠中の体には体重による圧力(体圧)がかかっていますが、体圧分散性に優れたマットレスであればバランス良く負荷を分散してくれます。
一般的に柔らかいマットレスは体圧分散性に優れているとされていますが、柔らかすぎると体が沈み込み、寝返りが打ちにくくなります。
寝返りは睡眠中に同じ姿勢が続くことによって起こる血行不良を防ぐ役割があり、快適な寝返りが打てるマットレスでは肩こりや腰痛、寝起きのだるさなどの軽減が期待できます。
そのため、質の高い睡眠を求めるのであれば体圧分散性だけではなく、寝返りをサポートしてくれるような「適度な反発力」を併せ持ったものを選びましょう。
温かい飲み物を飲む
温かい飲み物も運動や入浴のように体を温める効果があるため、スムーズに入眠するための方法としておすすめです。
ただし、コーヒーや緑茶、紅茶といったカフェインを含む飲み物は覚醒作用によって寝つきの悪さに繋がるので控えましょう。
寝る前におすすめな飲み物の一例は下記のとおりです。
- 白湯
- 生姜湯
- 豆乳
- ハーブティー
- ホットミルク
すぐに実践できると思うので、寝る前に取り入れてみてください。
寝る前の食事やアルコール・カフェイン摂取を控える
快適で質の高い睡眠をとるには寝る前の行動に注意しましょう。
例えば、寝る直前に食事をとると睡眠中でも体が消化活動を行うことで睡眠の質が低下する可能性があります。
夕食は脂っこい消化の悪いものを控えるほか、消化する時間を考慮して寝る3時間前までに済ませておきましょう。
また、覚醒作用があるカフェインも控えましょう。
眠れない人のなかにはアルコールを「寝酒」として活用する方もいると思いますが、前述しているとおりアルコールは睡眠に悪影響を与えるため寝る前の行動としてはNGです。
リラックスするための寝酒は避け、前述したカフェインレスの飲み物をおすすめします。
アロマや音楽でリラックスする
人は活動モードである交感神経が優位な状態と、体を休ませるモードである副交感神経が優位な状態があります。
日中は交感神経が優位な状態ですが、寝る時間になるにつれて副交感神経優位の状態に切り替わっていきます。
スムーズに入眠するためには副交感神経優位の状態を妨げないことが大切なので、夜はリラックスすることを心がけましょう。
心身をリラックスさせ、副交感神経優位の状態を保つためにはアロマや音楽がおすすめです。アロマは嗅覚から、音楽は聴覚から脳をリラックス状態にする効果があります。
音楽は激しいものを避け、川のせせらぎのような自然音やクラシックなど落ち着きがあり歌詞がないもの、一定のリズムのものがおすすめです。
まとめ
入眠障害とは寝床に入ってもなかなか寝つけないことが1ヶ月以上慢性的になっている状態のことを指し、日常生活に支障をきたしているのであれば不眠症と診断されます。
不眠症はほかにも中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害といったものがあり、入眠障害によって睡眠リズムが乱れるとほかの不眠症に繋がるケースもあるため注意しましょう。
日常生活に支障をきたしている場合は医療機関で受診し、専門医に適切なアドバイスをもらうことをおすすめします。
軽度なものや、一時的なものであれば毎日の生活習慣を見直すほか、自分に合った寝具を使うなどして睡眠の質を高めることが大切です。
今回紹介した内容を参考にし、睡眠の質を高める毎日の行動を心がけて過ごしてください。