一般的に眠気は夜に訪れるものですが、仕事中や授業中など、日中の集中力が必要な際に、睡魔に襲われて悩んでいる方もいるでしょう。
昼間に襲ってくる眠気を飛ばし、集中力を保つには昼寝が効果的です。この記事では、昼寝の効果や昼寝をする際の注意点などを紹介します。
昼間に眠くなってしまうのはなぜ?
昼間に眠くなってしまう理由は人それぞれですが、代表的な原因として挙げられるのが睡眠不足です。夜にしっかり眠れていない状態が続くと、日中の眠気や集中力の低下に繋がる可能性があります。
また、「しっかり寝ているはずなのに昼間眠い」という場合は、日中に眠気が生じる「過眠症」を発症している可能性も考えられるので注意してください。心配な方は、近くの医療機関に相談しましょう。
昼寝がもたらす3つの効果
昼間に突然襲ってくる眠気に悩んでいる方は、昼寝をすると良いでしょう。以下のように昼寝にはさまざまな効果があり、眠気を飛ばしてリフレッシュすることができます。
- 作業効率が上がる
- 疲労回復
- 健康維持にも繋がる
昼寝がもたらす効果①作業効率が上がる
仕事中などに眠気のせいで集中できず、作業効率が下がってしまう場合は昼寝が効果的です。昼寝には記憶力や学習能力の向上、集中力の復活などの効果があり、日中の眠くなりやすい時間帯でも作業効率を上げることができます。
昼寝がもたらす効果②疲労回復
昼寝をしている間は脳の活動レベルが下がるため、疲労回復にも繋がります。疲れが出やすい昼過ぎの時間帯に昼寝をすれば、溜まった疲れをリセットし、モチベーションが高い状態で作業を再開することが可能です。
昼寝がもたらす効果③健康維持にも繋がる
昼寝はストレス解消や疲労回復、精神の安定などさまざまな効果があるため、健康維持にも繋がります。とくにストレスが溜まっていると、頭痛や疲労感など、体の不調に繋がる可能性があります。
しかし、昼寝で心身の疲れを癒すことで、ストレスを軽減して健康的な生活を維持しやすくなるでしょう。
昼寝の効果を最大限にするために押さえておきたいポイント
昼寝にはさまざまな効果がありますが、下記の4つのポイントを押さえるとより良い効果が期待できます。
- 昼寝の時間は15分〜30分に留める
- 15時以降は昼寝をしない
- 昼寝中は光を遮断する
- 昼寝の前にカフェインを摂取しておく
以下では、それぞれのポイントについて詳しい内容を紹介します。昼寝の効果をより高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
昼寝の時間は15分〜30分に留める
昼寝には集中力の復活や疲労回復など多くの効果がありますが、これらの効果をより高めたい方は、昼寝の時間を15分〜30分に留めましょう。15分〜30分の昼寝は、脳に休息を与える効果的な時間だといわれています。
反対に、昼寝の時間が長すぎると脳が睡眠モードに入ってしまい、起きた後にスッキリ起きられず、集中力の維持が難しくなるため注意してください。
夕方以降は昼寝をしない
夕方に昼寝をすると、夜に眠れなくなる場合があるので注意しましょう。
夜に眠れないと睡眠リズムが崩れてしまい、慢性的な寝不足に陥る可能性があります。昼寝の長さやタイミングは、生活リズムに合わせることをおすすめします。
昼寝中は光を遮断する
昼寝をする際は、できるだけ外部の光を遮断すると良いでしょう。外部から光が漏れていると目を閉じていてもなかなかリラックスできず、昼寝の効果が薄くなってしまう可能性があります。
カーテンを閉めても外部の光が遮断できない場合は、アイマスクを付けることをおすすめします。
昼寝の前にカフェインを摂取しておく
昼寝をした後にスッキリとした状態で起きたい方は、事前にカフェインを摂取しておくことをおすすめします。カフェインには脳を覚醒させる作用があり、摂取してから30分程度で効果があらわれはじめます。
昼寝前に摂取しておけば丁度起きたタイミングでカフェインの作用が働き、よりスッキリと目覚められるでしょう。
ただし、カフェインを過剰に摂取すると、めまいや心拍数の増加、不安など影響がでる可能性があるため注意してください。
カフェインが健康面にもたらす影響は個人差が大きく、摂取許容量は明確に決められていませんが、一般的に成人の場合は1日最大400mgまでが良いといわれています。
カフェインの量は飲み物によっても異なりますが、例えばインスタントコーヒーだと5杯程度の量が約400mgになります。念のため、カフェインを摂取する際は量にも気を付けましょう。
日頃から睡眠の質を高めて昼間の眠気を防ごう
昼間の眠気がひどい方は、普段の睡眠の質を高める工夫をすると良いでしょう。眠気の原因が睡眠不足の場合は、睡眠の質を高めることで改善できる可能性があります。睡眠の質は下記の方法で高めることができるので、ぜひ試してみてください。
- 習慣的に運動をする
- 夕食は就寝の3時間前に済ませる
- 湯船に浸かる
- 睡眠環境を整える
- 毎朝太陽の光を浴びる
習慣的に運動をする
睡眠の質を高めるためには、習慣的に運動を行うことが大切です。習慣的に運動をすると、寝つきが良くなり、深い睡眠をとりやすくなるといわれています。
普段体を動かす機会が少ない方は、この機会に運動をする習慣をつけましょう。ただし、1回の運動だけでは効果が薄いため、継続して行うことをおすすめします。
また、運動の内容が激しすぎると体が覚醒してしまい、眠りを妨げる可能性があるので注意してください。運動を行う際は、ウォーキングなど軽い有酸素運動に留めると良いでしょう。
夕食は就寝の3時間前に済ませる
「残業で仕事の帰りが遅くなった」などの理由から、夕食をとる時間が就寝直前になってしまうこともあるでしょう。しかし、夕食はできるだけ就寝の3時間前までに済ませるようにしてください。
夕食の時間が就寝直前になってしまうと、睡眠中に消化活動が行われる影響で脳が刺激され、睡眠の質の低下に繋がる可能性があります。一般的に、この消化活動は2時間〜3時間程度かかるといわれています。
消化活動が終わった状態で眠るためにも、夕食の時間帯には気を配りましょう。
湯船に浸かる
普段の入浴をシャワーで済ませている方は、湯船に浸かる習慣を付けましょう。湯船にゆったりと浸かれば心身がほぐれてリラックスできるため、より眠りやすくなります。
また、入浴をするタイミングは就寝時間の90分〜120分前がおすすめです。人の体は、深部体温が下がると眠くなるようにできているため、就寝時間の90分〜120分前に入浴して深部体温を高めておくと、お風呂上がりに体温が下がっていくタイミングで眠気が訪れてくれます。
ただし、温度が高すぎたり、入浴時間が長すぎたりすると逆効果なので注意してください。入浴は38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度、半身浴の場合は約40℃のお湯で30分程度に留めましょう。
睡眠環境を整える
質の高い睡眠をとるには、寝室の環境や寝具などの睡眠環境を整えることも重要です。「寝室が明るすぎる」「枕が高くて眠りにくい」など、眠る環境が整っていないと寝つきが悪くなってしまいます。
なかなか眠れずお悩みの方は、下記の睡眠環境を整えるポイントを意識してみてください。
- 自分に合ったマットレス・枕を使う
- 外部から光が漏れる場合は遮光カーテンを使う
- 寝室の温度や湿度を調整する
毎朝太陽の光を浴びる
夜に熟睡できていない方や寝つきの悪さを感じている方は、人の生体リズムを調整してくれる体内時計をリセットできていない可能性があります。
人は体内時計が1日周期でリズムを刻むことで、「日中に活動をして夜に眠くなる」という生体リズムを自然と保つことができています。
しかし、体内時計のリズムを正しい状態にキープするためには、朝に日光を浴びてリセットしなければいけません。リセットをしないと体内時計が狂ってしまい、「夜に眠れない」など不眠の症状に繋がる可能性があります。朝起きた時はまず太陽の光を浴びるように心がけましょう。
まとめ
眠気覚ましや集中力の復活、疲労回復など、昼寝にはさまざまな効果があります。「お昼に眠気が襲ってきて集中できない」「午前の疲れが出てきてやる気が出ない」という時は、積極的に昼寝をすると良いでしょう。
また、普段から熟睡できるように睡眠の質を高めることで、昼間の眠気を防ぎやすくなります。昼間の眠気を日常的に感じている方は、この機会に睡眠の質を高めるための工夫をしてみてください。