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2022.06.13 更新

イライラするのは睡眠不足が原因?日常生活へ及ぶリスクや対処法など解説

イライラするのは睡眠不足が原因?日常生活へ及ぶリスクや対処法など解説

普段は気にならないことにイライラしたり、怒りっぽくなったり、そんな時は睡眠不足に陥っているのかもしれません。

睡眠不足になるとイライラするだけでなく、日常生活にさまざまな影響が及びます。生活の質を向上させるためにも、睡眠時間の確保は重要です。

この記事では、睡眠不足が原因でイライラする理由や対処法を解説します。自分が睡眠不足か確認できるチェックリストも掲載するので、イライラに悩んでいる方はぜひご活用ください。

  1. 睡眠時間がイライラを引き起こすメカニズム
  2. 睡眠不足が招くイライラ以外の悪影響
  3. 家事や仕事のパフォーマンスが低下する
  4. 病気のリスクが高くなる
  5. ストレスが増えて落ち込みやすくなる
  6. 疲労がとれづらくなる
  7. 睡眠不足に該当するか確認できるチェックリスト
  8. すぐ取り組める睡眠不足への対処法
  9. 自分に必要な睡眠時間を把握する
  10. 寝不足の時には15分〜30分程度の仮眠をとる
  11. 睡眠の質を向上させる
  12. まとめ

睡眠時間がイライラを引き起こすメカニズム

睡眠不足になると、内臓の働きや体温などをコントロールする「自律神経」が乱れ、イライラしやすくなると考えられています。

夜は、通常であれば体を休める「副交感神経」優位な状態が理想的です。しかし、睡眠不足で自律神経が乱れると、夜でも活動モードの「交感神経」が優位な状態になり、アドレナリンなどのホルモンが分泌されます。

アドレナリンが過剰に分泌されると攻撃的な感情が優位になるため、イライラしやすくなると考えられています。睡眠不足の状態が続くことで、よりイライラしやすくなるとも考えられており、慢性的な睡眠不足に陥ると「睡眠負債」が蓄積していきます。

睡眠負債とは、日々の睡眠不足が重なり、疲労回復できない状態のことです。脳に疲労が溜まり、仕事や家事などに悪影響を与えるため、睡眠負債は溜めずに日々解消させることが大切だといえます。

睡眠不足が招くイライラ以外の悪影響

睡眠不足はイライラ以外にも、さまざまな影響を体や生活に与える原因となります。睡眠不足の悪影響として挙げられるのは、主に以下のとおりです。

  • 家事や仕事のパフォーマンスが低下する
  • 病気のリスクが高くなる
  • ストレスが増えて落ち込みやすくなる
  • 疲労がとれづらくなる

家事や仕事のパフォーマンスが低下する

睡眠不足は体だけでなく、脳の休息も取れていない状態です。脳の疲労回復ができず疲れが残ってしまうと、記憶の整理ができない、物忘れをしてしまうなど、思考力や記憶量に悪影響を与えると考えられています。

睡眠不足によって、思考力や記憶力などに悪影響が及んでしまうと、仕事や勉強の質の低下家事の効率の低下などに繋がるでしょう。

集中力が低下すると、仕事などでのヒューマンエラー(人為的ミス)も引き起こしやすくなり、大きなミスに繋がりかねません。仕事や家事の効率を上げるためにも、適切な睡眠は不可欠です。

病気のリスクが高くなる

睡眠不足になると、メタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧などをはじめとする「生活習慣病」を発症しやすくなります。すでに生活習慣病を発症している場合、睡眠不足になることで症状の悪化を招く可能性もあるため注意が必要です。

また、睡眠不足は肥満とも深い関係があると考えられています。睡眠不足になると、食欲を抑制するホルモン「レプチン」が減少し、食欲を増進させる「グレリン」が増加するため、空腹感があらわれて、本来食べる必要のない時でも食べてしまいやすくなるようです。

さらに、睡眠不足になると起きている時間が必然的に長くなることから、必要以上に食事をとってしまうこともあるでしょう。

睡眠が不足した状態は、翌日に疲労が残って活動量が低下し、動く量が減ることでさらに肥満に繋がる悪循環が生まれます。

そのほか、睡眠不足になると心臓や脳の病気のリスクも高くなるとされているため、睡眠不足によって体調が悪い日が続いているなどの場合は、医療機関を受診して適切な診断を受けましょう。

ストレスが増えて落ち込みやすくなる

睡眠不足になると、ストレスが増えて落ち込みやすくなる傾向にあります。

人は睡眠中、ストレスを含めた記憶の整理を行います。睡眠中に整理することでストレスの蓄積は軽減されますが、睡眠不足が続くとストレスがどんどん蓄積していくため、日中イライラしたり落ち込みやすくなったりするでしょう。

また、長期に渡って睡眠不足の状態が続くと、うつ病の症状があらわれるリスクも高くなります。厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針 2014(※)」によると、うつ病の方の9割近くは何かしらの不眠症状を伴い、睡眠による休養感も少ないとされています。

(※)厚生労働省健康局 健康づくりのための睡眠指針 2014

疲労がとれづらくなる

睡眠不足が続くと、体内のホルモン分泌にも影響を与える可能性があります。睡眠不足になって「成長ホルモン」や「メラトニン」の分泌量が減ると、日中の疲れの修復が行われず、入眠しづらくなる傾向にあります。

また、夜更かしすることで翌日遅く起きてしまい、夜にまた眠れなくなり、睡眠リズムが悪循環に陥る可能性もあるでしょう。睡眠不足になると疲れやすくなるだけでなく、疲労を軽減する妨げにもなり得ます。

睡眠不足に該当するか確認できるチェックリスト

睡眠不足に該当するか確認できるチェックリスト

そもそも睡眠不足とは「自分にとって十分な睡眠がとれていない状態」を指します。

睡眠不足は、本人が自覚していないケースも多いようです。以下のような状態に当てはまると睡眠不足の可能性が高いでしょう。

  • 30分〜1時間以上眠りにつけない
  • 予定の時間より早く目が覚めてしまいその後眠れない
  • たっぷり寝ても熟睡できた感じがない
  • 夜間に何度も起きてしまう
  • 日中に気分良く過ごせない
  • 日中に通常どおり活動できない
  • 日中に眠くて仕方ない

上記のいずれかに当てはまる方は、睡眠不足に陥っている可能性があります。

睡眠不足を解消させるためにも、日頃の生活習慣から見直すことを意識しましょう。

すぐ取り組める睡眠不足への対処法

前述したチェックリストで「睡眠不足」の状態に該当する、もしくは睡眠不足だと自覚している方は、睡眠不足解消を目指して対処法に取り組みましょう。

ここでは、下記3つの方法を解説します。

  • 自分に必要な睡眠時間を把握する
  • 寝不足の時には15分〜30分程度の仮眠をとる
  • 睡眠の質を向上させる

どれもすぐに取り組める方法なので、ぜひ実践してみてください。

自分に必要な睡眠時間を把握する

一般的には、睡眠時間は6〜8時間が理想だといわれていますが、これには個人差があり、季節ごとにも変化します。そのため、6〜8時間はあくまでも目安として、「自分にとって必要な睡眠時間」を把握することが大切です。

なお、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針 2014」によると、一般的に成人してから加齢するにつれて徐々に睡眠量は減っていくことがわかっています(※)。

年齢一晩あたりの睡眠量
10代前半8時間以上
25歳約7時間
45歳約6.5時間
65歳約6時間

「睡眠時間が長ければ長いほど健康的に過ごせる」わけではないため、一般的な睡眠時間に当てはまらなくても不安に思う必要はありません。自分にとっての睡眠時間が足りていること、日中に眠気を感じず活動的に動ける状態であることが重要です。

無理に睡眠を取ろうと考えるのではなく、日中に眠気で困らない程度の自然な睡眠を確保することを目指しましょう。

自分にとっての適切な睡眠時間を知るために、睡眠時間を変えて日中の体調などをチェックするなど工夫してみてください。

(※)厚生労働省健康局 健康づくりのための睡眠指針 2014

寝不足の時には15分〜30分程度の仮眠をとる

昼間どうしても眠い場合は無理をせず、思い切って適度な仮眠をとるのもおすすめです。

適度な仮眠をとれば、寝不足が解消されて仕事や家事のパフォーマンス向上に繋がります。夜の睡眠に影響を与えないよう、長時間寝過ぎてしまわないこと、15時以降に仮眠を取らないことに注意してください。

なお、仮眠から目覚めた後に頭をすっきりさせるためには「浅いノンレム睡眠」のタイミングで起きることが大切です。浅いノンレム睡眠にあたるタイミングが入眠から15〜30分なので、仮眠は15〜30分の間で行いましょう。

睡眠の質を向上させる

睡眠の「時間」だけでなく「」も大事なポイントです。いくら長時間寝たとしても、睡眠の質が低ければ「寝ているはずなのに疲れが取れない」状態に陥る可能性があります。

睡眠の質を高める方法の例として挙げられるのは、以下のとおりです。

  • アルコール・カフェイン摂取は控える
  • 就寝90~120分前までに入浴する
  • 眠りに適した温度や湿度にする
  • 眠りやすい寝具を使う

アルコールやカフェインには覚醒作用があり、睡眠の質を下げてしまうため、寝る前に摂取するのは避けましょう。寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりするだけでなく、利尿作用によって夜中トイレに行く回数が増えることにも繋がります。

良い睡眠には、入浴するタイミングも重要です。人の眠気には体温が密接に関わっており、深部体温が下がると眠くなります。そのため、就寝約90~120分前に湯船に浸かって体を温めておくのが理想です。

また、睡眠環境が整っていないと、質の良い睡眠が難しくなります。眠りに適した室温湿度は、夏場は25℃〜26℃、冬場は22℃〜23℃、湿度は通年50%〜60%です。エアコンやヒーターなどを使って、適温を保ちましょう。

さらに、就寝中の体に常に触れる寝具は、好みの素材で寝やすいと感じるものを使うことをおすすめします。もし枕が硬すぎたりマットレスが凹んでいたりすると、寝づらさを感じて睡眠の質が低下するだけでなく、体の痛みに繋がる可能性もあるため注意が必要です。

日常生活の過ごし方や就寝環境などは睡眠の質に大きな影響を与えるため、ぜひここで紹介した方法に取り組んで、快適に眠れる日々を目指しましょう。

まとめ

睡眠不足が続くと、心の余裕がなくなり、イライラしたり気分が落ち込んだりすることに繋がります。翌日に疲労が残ることで仕事や家事のパフォーマンスが低下し、日中の活動量が減ることから夜になっても眠気が促されないなど、悪循環に陥ることもあるでしょう。

また、睡眠不足になると、メタボリックシンドローム、糖尿病などの生活習慣病を発症しやすくなります。睡眠不足が続いており、「眠気以外の症状がある」「体に違和感がある」など病気を疑う場合は、医療機関を受診して適切な診断を受けてください。

睡眠不足は本人が自覚していない場合が多くあることからも、意識して改善することが大切です。この記事で紹介した対処法をぜひ実践して、質の良い睡眠をとれるよう努めましょう。

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