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2022.09.15 更新

【医師監修】早朝覚醒すると二度寝できない?主な原因や対処法、睡眠の質を高める方法を紹介

【医師監修】早朝覚醒すると二度寝できない?主な原因や対処法、睡眠の質を高める方法を紹介

朝は毎日決めた時間に起床するのが理想的です。場合によっては予定よりも早く目が覚めてしまうこともありますが、起床時間がくるまで二度寝をすれば生活リズムが大きくずれる心配はありません。

しかし、早く目が覚めた時に二度寝ができない場合は、不眠症の一つである早朝覚醒の症状が生じている可能性があるので注意が必要です。この記事では、早朝覚醒の原因や対処法を解説します。

  1. 早朝覚醒の症状が生じていると二度寝はできない
  2. 早朝覚醒の主な原因
  3. 加齢
  4. 体内時計の乱れ
  5. ストレス
  6. うつ病などの精神疾患
  7. 睡眠時無呼吸症候群
  8. アルコールの影響
  9. 運動不足の影響
  10. 早朝覚醒の対処法
  11. 生活習慣を見直す
  12. ストレスケアをする
  13. 医療機関を受診する
  14. 早朝覚醒に悩む方は睡眠の質を見直してみよう
  15. 睡眠の質を高める方法
  16. 就寝前に温かい飲み物を飲む
  17. 夕食は就寝3時間前までに済ませる
  18. 就寝前はリラックスして過ごす
  19. 体に合っている寝具を使う
  20. まとめ

早朝覚醒の症状が生じていると二度寝はできない

早朝覚醒とは不眠症の症状の一つです。本来の起床時刻よりも早い時間帯に目が覚めてしまい、その後再び入眠できないのが早朝覚醒の主な症状です。症状が出ている場合、一般的にはいつもの起床時間よりも2時間以上早く目が覚めてしまうといわれています。

また、不眠症の症状にはほかにもいくつか種類があり、早朝覚醒と重複して症状があらわれる場合もあります。早朝覚醒以外の不眠症の症状は下記の3つです。

<早朝覚醒以外の不眠症の症状>

不眠症の種類主な症状
入眠障害寝つきが悪く入眠に時間がかかる
中途覚醒睡眠中に目が覚めてしまう
熟眠障害ぐっすりと眠った感覚を得られない

不眠症により睡眠不足に陥ると、心身のさまざまな不調に繋がってしまいます。早朝覚醒をはじめとした不眠症の症状があらわれている方は、早めの対処を心がけましょう。

早朝覚醒の主な原因

早朝覚醒が生じる原因としては、主に下記の6つが挙げられます。

<早朝覚醒が生じる主な原因>
  • 加齢
  • 体内時計の乱れ
  • ストレス
  • うつ病などの精神疾患睡眠時無呼吸症候群
  • アルコールの影響
  • 運動不足の影響

以下で詳しい内容を順番に見ていきましょう。

加齢

人は体に備わっている体内時計によって就寝・起床のリズムを調整しています。しかし、歳を重ねると体内時計のリズムが前倒しとなり、就寝・起床の時間が早まってしまいます。「若い頃に比べると起床時間が早まっている」と感じる方は、加齢に原因がある可能性が高いでしょう。

なお、加齢に伴う早朝覚醒は人間にとって自然な現象であり、厳密には病気ではありません。日中の活動に支障がないのなら、そこまで心配する必要はないといえます。

体内時計の乱れ

人の体内時計は24時間10分が平均ですが、個人差があります。そして24時間からのズレを合わせるために毎日リセットをしなければいけません。体内時計の調節には光が大きく関係しており、朝に太陽の光を浴びることでリセットされます。

しかし、夜に強い光を浴びたり、朝に太陽の光を浴びるのが遅れたりすると体内時計が乱されてしまい、普段の就寝のタイミングで寝つけなくなってしまいます。その結果、早朝覚醒をはじめとした不眠症に繋がる場合があります。

ストレス

人は日中に心身を活動状態に導く交感神経、夜は心身をリラックスした状態に導く副交感神経がそれぞれ活性化することで、活動と休息のバランスを保っている生き物です。

しかし、過度なストレスを受けると夜の時間帯でも交感神経が活性化し、睡眠中に脳が興奮して「眠りが浅い」「早く起きすぎてしまう」などの不眠の症状に繋がります。

うつ病などの精神疾患

抱えている精神疾患によっては、不眠の症状を伴う場合があります。例えば、代表的な精神疾患であるうつ病は、早朝覚醒の症状が同時にあらわれるケースが多いことで知られている病気です。

うつ病は、ストレスが関係しますが、日中だけでなく睡眠中にも、交感神経が活性化していることが分かっています。

また、うつ病のほかには双極性障害適応障害統合失調症なども不眠に繋がる精神疾患として挙げられます。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候とは、睡眠中に何度も呼吸が止まる、または浅くなる状態を繰り返す病気のことです。

就寝中に空気の通り道である気道が塞がってしまい、呼吸が困難になるのが主な症状です。早朝の時間帯に症状が生じると、息苦しさから目が覚めてしまう場合があります。

アルコールの影響

アルコールの影響

「お酒を飲むと眠りやすくなる」と感じるかもしれませんが、就寝前のアルコール摂取は不眠の症状に繋がるので注意してください。

就寝前にお酒を飲むと寝ている間にアルコールが抜ける反動で眠りが浅くなり、早朝覚醒をはじめとした不眠症の症状に繋がってしまう可能性があります

また、アルコールによる筋弛緩作用により、睡眠時無呼吸症になることもあります。

運動不足の影響

早朝覚醒など、睡眠が浅くなる要因として、運動不足も挙げられます。

ハードな運動は心臓に負担をかけるので注意が必要ですが、適度な運動は睡眠の質を高める効果があります。運動不足を感じている方は、生活の見直しを行いましょう。

早朝覚醒の対処法

早朝覚醒の症状に悩んでいる方は、原因を取り除いたうえで早めに対処しましょう。早朝覚醒の対処法は下記のとおりです。

<早朝覚醒の対処法>
  • 生活環境と生活習慣を見直す
  • ストレスケアをする
  • 医療機関を受診する

以下で各対処法の内容を解説します。

生活習慣を見直す

早朝覚醒をはじめとした不眠症を防ぐには、普段から規則正しい生活習慣を意識することが大切です。生活習慣が乱れていると体内時計がずれてしまい、起床や就寝のリズムが不規則になって不眠に繋がります。

気持ち良く睡眠をとるためにも、毎日同じ時間帯に起床・就寝し、朝は日光を浴びて体内時計をリセットすることを心がけましょう。また、就寝前のアルコールは、不眠の原因になるので控えてください。

ストレスケアをする

過度なストレスは不眠症の原因となります。普段からストレスの多い環境にいる方は、定期的にストレスケアを行いましょう。

ここではストレス発散方法の例を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

<ストレス発散方法の例>
  • 外出して気分転換する
  • 趣味に没頭する
  • 周囲の人に悩みを相談する

医療機関を受診する

不眠の原因が疾患(例えばうつ病や、アレルギー疾患からくるかゆみ等、原因はさまざまです)にある場合は、医療機関を受診しましょう。病気を治療して根本的な原因を取り除けば、不眠の症状の改善に期待できます。

また、病院には不眠の治療に特化した睡眠専門外来もあります。眠れないせいで普段の日常生活に支障が出ている方は、一度受診してみると良いでしょう。

早朝覚醒に悩む方は睡眠の質を見直してみよう

早朝覚醒の症状を改善してぐっすり眠れるようになりたい方は、不眠の対策と併せて睡眠の質も見直してみましょう。

早朝覚醒の症状を改善できたとしても、睡眠の質が低いままだと深く眠ることができず、日中のだるさや集中力の低下に繋がってしまいます。

一方、睡眠の質が高ければ深く眠りやすくなり、朝に気持ち良く起きられます。また、1日の疲れがしっかりとれるので、翌日の仕事や勉強のモチベーションも向上しやすくなります。

睡眠の質を高める方法

睡眠の質を高めるには下記4つの方法が効果的です。

<睡眠の質を高める方法>
  • 就寝前に温かい飲み物を飲む
  • 夕食は就寝3時間前までに済ませる
  • 就寝前はリラックスして過ごす
  • 体に合っている寝具を使う

以下で各方法を紹介するので、睡眠の質を高めたい方はぜひ実践してみてください。

就寝前に温かい飲み物を飲む

人は体内部の温度「深部体温」が低くなると眠気が訪れる仕組みになっています。この深部体温を就寝のタイミングで下げるには、就寝前に温かい飲み物を飲むのが効果的です。温かい飲み物を飲んで深部体温が上昇すると、その後体温が下がっていく際に自然と眠気が訪れてくれます。

ただし、アルコールやカフェインが含まれている飲み物は、睡眠の妨げとなるので注意してください。アルコールを含むお酒全般はもちろん、カフェインを含んでいるコーヒーやエナジードリンク、煎茶などを就寝前に飲むのは避けましょう。

就寝前に飲むのなら、白湯ホットミルクホットココアなど刺激が少ない飲み物を選ぶのがおすすめです。飲んでいてリラックスできる飲み物であれば、より高い安眠効果に期待できます。

夕食は就寝3時間前までに済ませる

睡眠の質を高めたい方は、就寝直前に食事をしないように気をつけましょう。就寝直前に食事をすると、睡眠中に消化活動がおこなわれる影響で休息をとっている脳が刺激されてしまいます。その結果、目が覚めやすくなったり眠りが浅くなったりする可能性があります。

一般的に、消化活動にかかる時間は2時間〜3時間だといわれています。そのため、夕食は就寝3時間前までに済ませておくと良いでしょう。

就寝前はリラックスして過ごす

就寝前に不安やストレスを抱えていると心身が緊張してしまい、寝つきが悪くなる可能性があります。心身の緊張をほぐすためにも、就寝前はできるだけリラックスして過ごしましょう

リラックスする方法はさまざまありますが、例としては「アロマを焚く」「聴き心地が良い音楽を流す」「読書する」「ストレッチする」などの方法が挙げられます。

適したリラックス方法は人によって変わってくるので、自分に合う方法を探すためにも色々と試してみると良いでしょう。

体に合っている寝具を使う

枕やマットレスをはじめとした寝具は高さや硬さが各製品で異なり、使う人の体格によって体に合う・合わないが変わってきます。寝具が体に合っていないと、眠りにくさから睡眠の質の低下に繋がる可能性があるので注意しましょう。

睡眠の質を高めるためには、自分の好きな寝心地や体に合っている寝具を使うことが大切です。寝具に違和感を覚えている方は、この機会に自分に合った製品に買い替えてみると良いでしょう。

まとめ

早朝覚醒の症状が生じていると早く目が覚めてしまうだけでなく、二度寝することもできません。結果的に睡眠が不足してしまい、日中のだるさや集中力の低下、注意力の低下などさまざまな体の不調に繋がってしまいます。

毎日元気に過ごすためにも、早朝覚醒の症状があらわれている方は早めに対処しましょう。

早朝覚醒は生活習慣の改善やストレスケア、適度な運動などで対処できます。よりぐっすり眠れるようになりたい方は、早朝覚醒の対処だけでなく普段の睡眠の質を高めることも意識してみてください。

この記事の監修者
種市摂子
種市摂子合同会社Ridente産業医事務所 代表
精神科専門医・産業医・合同会社Ridente産業医事務所代表。たわらクリニックなどを経て、現在合同会社Ridente産業医事務所代表。IT企業・ベンチャー企業・IPOを目指す企業を中心にメンタルヘルス領域で産業医AIやテクノロジーの活用を推進、日本精神神経学会産業保健に関する委員会委員、ストレングスファインダー認定コーチ、T-PEC優秀専門医、日本産業精神保健学会優秀賞受賞。
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