夏になると、日中に眠気を感じたり、なんとなくだるさを感じたりする方もいるのではないでしょうか。
実際、NELLが20〜50代の男女1,000名を対象に実施した調査では、67.9%が寝起き時に背中や腰の汗ばみ・身体のだるさを感じていました。
出典:【熱帯夜の盲点】夏の睡眠不満は「寝返り不足」が原因?6割以上が知らない寝返りの新常識「体温調節のための放熱」
https://morght.com/news/20260714
夏は生活習慣などから夏バテになりやすく、疲れや睡眠不足により日中に眠気を感じやすい季節でもあります。
この記事では、夏に眠い原因や夏バテで疲れないための対策方法、睡眠の質を高める方法を解説します。
この記事のまとめ
- 夏に眠い原因としては、夏バテによる疲れや気温の高さが挙げられる
- 夏バテは自律神経の乱れや脱水などが原因で起こる
- 夏バテによる疲れを解消するには、睡眠の質を高めることも重要
夏に眠い原因は夏バテや気温の高さによるもの
夜になかなか眠れず、日中に眠気を感じることは夏バテの症状の1つです。
夏は室内外の温度差が大きく、体温調整を担う自律神経に乱れが生じやすくなります。自律神経の乱れは睡眠の質の低下に繋がり、結果として、疲れが上手くとれずに日中に眠気を感じることが多くなります。
体温調整機能が低下すると、熱中症のリスクも高まります。眠気だけでなく、めまいや吐き気など熱中症の症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
自律神経の乱れのほかには、深部体温の下がりにくさも夏の眠気の原因として挙げられます。
深部体温は、睡眠に影響する要素の1つです。人の体は心身を休息させるために、入眠時に手足から熱を放出して深部体温を下げる働きがあります。
しかし、気温が高いと体から熱が放出されにくくなり、深部体温も下がりにくくなります。その結果、なかなか熟睡することができず、日中の眠気やだるさに繋がる可能性があります。
渥美正彦
医療法人上島医院院長
夏の夜は高温多湿により、入眠に不可欠な「深部体温の低下」が妨げられます。本来、睡眠中は脳や内臓の温度を下げることで脳を休息させますが、室温が高いと手足からの熱放散がうまく行われません。その結果、浅い睡眠が増加し、中途覚醒が起こりやすくなります。
睡眠の質が低下することで脳の疲労が十分に回復せず、翌日の日中に強い眠気やだるさを引き起こすのです。
そもそも夏バテはなぜ起こる?
前述のとおり、日中に眠気を感じることは夏バテの症状の1つですが、そもそも夏バテはなぜ起こるのでしょうか。夏バテが起こる理由はさまざまありますが、代表的なものとしては以下の3つが挙げられます。
- 自律神経の乱れ
- 脱水
- 栄養不足
先述したように、夏は室内外の温度差が大きく、体温調整が機能しにくいため、自律神経に乱れが生じやすいです。室内外の温度差のほかには、ストレスや不規則な生活も自律神経が乱れる原因になります。
また、夏は気温が高く汗をかきやすいです。大量の汗をかいて体内の水分が不足すると、夏バテの原因である脱水を起こす可能性があります。
さらに、栄養不足も夏バテを起こす原因の1つです。気温が高い日は冷たい飲み物や食べ物ばかりを口にすることもありますが、このように食事が偏ると体に必要な栄養を摂取しにくくなります。
渥美正彦
医療法人上島医院院長
夏バテの根本的な原因の一つは「自律神経の疲弊」です。冷房の効いた室内と厳しい暑さの屋外を頻繁に行き来すると、体温を一定に保とうとして自律神経が過剰に働き、エネルギーを消耗します。
また、大量の発汗により水分だけでなくナトリウムなどのミネラル(電解質)も失われることで、筋肉の働きや神経伝達が低下し、全身の強い倦怠感や食欲不振、睡眠の質の低下といった悪循環に陥りやすくなります。
夏バテで疲れないための対策方法
夏バテで疲れないための主な対策方法は、以下のようなものがあります。
- 規則正しい睡眠習慣を作る
- 生活リズムを乱さない
- こまめに水分補給を行う
- 適度な運動で疲れにくい体を作る
- 冷たいものの過剰摂取を避ける
- 紫外線対策をする
それぞれの内容を詳しく説明します。
規則正しい睡眠習慣を作る
疲れを溜めないためには、規則正しい睡眠習慣を作ることが大切です。夜更かしをして睡眠時間が短くなったり、睡眠習慣が乱れていたりすると疲れがとれにくくなり、夏バテの原因となるので注意しましょう。
また、睡眠中に分泌される成長ホルモンには疲労回復効果があります。規則正しい睡眠により成長ホルモンが分泌され、疲れが残りにくくなるため、夏バテ防止にも繋がります。
生活リズムを乱さない
生活リズムが崩れると体内時計が乱れ、体調や睡眠の質に影響を与えます。休みの日でも夜更かしをせず、普段どおりの生活を心がけましょう。
生活リズムを整えると睡眠習慣も規則正しくなりやすく、睡眠の質向上や疲労回復に繋がります。
こまめに水分補給を行う
脱水状態になると体への負担が大きくなるため、こまめに水分を補給しましょう。個人差はありますが、1日あたり約1.2リットルの水分補給を行うことが目安となります。
また、入浴中や睡眠中は水分が失われやすいので、入浴や睡眠の前後には積極的に水分を補給することがおすすめです。
適度な運動で疲れにくい体を作る
体力の低下も夏バテの原因となります。体力を落とさないためには、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。
適度な運動は疲れにくい体を作るだけでなく、ストレス解消や睡眠の質の向上にも繋がります。
冷たいものの過剰摂取を避ける
冷たいものを過剰に摂取すると胃腸に負担がかかり、食欲不振や胃もたれ、消化不良などが起こりやすくなります。
また、暑い時期は冷たくて食べやすいそうめんや冷やしうどんなど、炭水化物に偏った食事が続くこともあります。麺類だけで食事を済ませると、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどが不足し、疲れやすくなる可能性があります。肉や魚、卵、大豆製品、野菜なども組み合わせ、バランスの良い食事を心がけましょう。
特に、糖質をエネルギーに変える働きに関わるビタミンB1は、夏バテ対策として意識したい栄養素です。ビタミンB1は豚肉やレバー、マグロ、ウナギ、玄米、豆類などに多く含まれているので、食事に取り入れるように意識してみると良いでしょう。
紫外線対策をする
人の体は、紫外線を浴びると体内で活性酸素が生成される仕組みになっています。活性酸素は感染を防ぐためにウイルスや細菌を攻撃してくれる役割がある一方で、正常な細胞も攻撃してしまう特徴がある物質です。
活性酸素が過剰に生成されると、正常な細胞も多くのダメージを受けてしまいます。その結果、心身が疲れやすくなったり、自律神経が乱れたりする場合があります。
活性酸素が過剰に生成されるのを防ぐためには、紫外線対策が欠かせません。紫外線対策としては、「ビタミンCを摂取する」「日焼け止めを使う」「UVカット加工の服を着る」などの方法が効果的です。
渥美正彦
医療法人上島医院院長
夏バテ対策には、食事と睡眠からのアプローチが不可欠です。汗で失われる水分やミネラルをこまめに補給し、疲労回復に役立つビタミンB群(豚肉やウナギなど)を意識して摂取しましょう。
また、睡眠中の温度・湿度コントロールも重要です。室温を「28℃」に固執する必要はありません。就寝中はエアコンを適切に使用して室温を26℃前後、湿度を50〜60%に保ち、薄手の掛け布団で調整するのが疲労回復に最も効果的です。
疲れを溜めないためには睡眠の質を高めることが重要
上述したように、夏に眠気を感じる原因は夏バテによる疲れの可能性があります。
夏バテによる疲れを解消するには、疲労回復の役割がある睡眠が重要なため、睡眠の時間だけでなく、質の向上にも配慮する必要があります。
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夏に睡眠の質を高める方法
夏に睡眠の質を高めて快適に眠るには、「温度」「湿度」「体温」を意識して眠りやすい環境を整えることが重要です。具体的には以下のような方法があります。
- エアコンを適切に使って温度・湿度を調整する
- エアコンや扇風機の風を体に直接当てない
- 通気性が良い素材の寝巻きで寝る
- 接触冷感のシーツや掛け布団を使う
- 夏でも湯船に浸かる
それぞれの方法を詳しく紹介します。
エアコンを適切に使って温度・湿度を調整する
夏に睡眠の質を高めるには、エアコンを適切に使い、寝室の温度や湿度を快適な状態に保つことが大切です。
寝具と体の間にできる空間の温度を「寝床内温度」といい、約33℃、湿度は50〜60%が快適に眠りやすい目安とされています(※)。室温や寝具を調整し、寝床内に熱や湿気がこもらないようにしましょう。
就寝中にエアコンが切れると、室温が上がって寝苦しくなったり、途中で目が覚めたりする可能性があります。必要に応じて朝まで使用し、暑さを我慢せずに眠れる環境を整えてください。
ただし、設定温度を低くしすぎると、体が冷えたり、室内外の温度差によって自律神経に負担がかかったりすることがあります。「28℃」などの設定温度だけにこだわらず、室温が26〜28℃程度になるよう、寝室の広さや外気温、体感に合わせて調整しましょう。
(※)参考:厚生労働省「快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」
エアコンや扇風機の風を体に直接当てない
エアコンや扇風機の風が直接当たると、体温が奪われてしまい、起床時のだるさや睡眠の質の低下に繋がります。
エアコンの風が直接当たらないようにベッドをレイアウトする、扇風機は体に直接当たらない向きで設置するなどの対策をとりましょう。
通気性が良い素材の寝巻きで寝る
寝巻きは、通気性・吸水性に優れた素材のものがおすすめです。通気性・吸水性に優れた素材を使った寝巻きなら、汗を吸収して湿気を放出してくれます。
寝巻きは製品によってさまざまな素材が使われていますが、特におすすめなのは麻の寝巻きです。麻は通気性と吸水性が高く、汗をかいてもサラサラとした肌触りを保つため、寝苦しさを軽減できます。
接触冷感のシーツや掛け布団を使う
接触冷感のシーツや掛け布団は、暑さによる寝苦しさを改善して快適な睡眠に繋がる寝具です。また、掛け布団を使用すると、エアコンや扇風機によって過剰に体の熱が奪われることを防げます。
夏用の掛け布団には、薄めの肌掛け布団やタオルケットなどさまざまな種類があるので、室温や気候に合わせて選択してください。
夏でも湯船に浸かる
睡眠の質を高める観点からは、夏でも湯船に浸かることがおすすめです。体の内部温度である深部体温の働きにより、眠りやすくなります。
入浴は就寝の約90~120分前までに済ませましょう。38~40℃のお湯に15分ほど浸かり、体の深部体温を一時的に上げると、眠る際に深部体温が下がり始め、スムーズに入眠できます。
よくある質問
ここからは、夏の眠気や夏バテに関するよくある質問を紹介します。
日中の眠気を覚ます方法は?
日中の眠気を覚ます方法の例としては、「カフェインを摂取する」「仮眠をする」「ストレッチをする」などが挙げられます。
ただし、夏バテによる眠気の場合、カフェインの摂取には注意が必要です。 弱った胃腸への刺激や、利尿作用による脱水のリスクがあるため、適量を心がけ、水や麦茶などでの水分補給も併せて行いましょう。
眠気を覚ます方法をより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
夏バテになりやすい生活習慣は?
夏バテになりやすい生活習慣としては、偏った食事や夜更かし、運動不足などが挙げられます。
夏の日中に眠いときは昼寝をしてもよいですか?
夏の日中に強い眠気を感じる場合は、短時間の昼寝を取り入れる方法があります。
ただし、長時間眠ると深い睡眠に入り、起きたあとにだるさが残ったり、夜の寝付きに影響したりする可能性があります。昼寝をする場合は、午後の早い時間帯に15〜30分程度を目安にしましょう。
昼寝をしても強い眠気が改善しない場合や、十分に睡眠時間を確保しているにもかかわらず日中の眠気が続く場合は、睡眠障害などが隠れている可能性もあります。日常生活に支障が出ている場合は、医療機関への相談を検討してください。
過眠症の症状や原因については、以下の記事で詳しく解説しています。
夏の時期に疲れやすいと感じる理由は?
「夏の時期は疲れやすい」と感じる大きな理由の1つに脱水があります。
気温が高い夏の時期は多くの汗をかくため、脱水を起こしやすいです。脱水を起こすと血中の水分量が不足し、細胞が脱水状態となってしまいます。その結果、体が疲れを感じやすくなる場合があります。
自分が夏バテかどうか確かめる方法は?
実際に自分が夏バテかどうかを確認したい場合は、夏バテの症状が起きているか確認してみましょう。夏バテの主な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
・体が疲れやすい
・体の冷え
・胃腸の不調
・頭痛
・めまい
・首こり・肩こり
ただし、これらの症状は夏バテ以外に原因がある可能性も考えられます。つらい症状が続くようなら、無理をせず医療機関に相談しましょう。
まとめ
夏の日中に眠気を感じる原因は、夏バテによる疲れや気温の高さによる睡眠の質の低下が挙げられます。夜更かしや低すぎるエアコンの温度設定は、夏バテになりやすく、疲れから日中の眠気を誘う可能性があるため注意してください。
夏バテ対策には、規則正しい睡眠習慣やこまめな水分補給、バランスの良い食事などがあります。また、睡眠の質を高めるためには、エアコンを適切に使って寝室の温度や湿度を調整することも大切です。
夏バテでの疲労回復には睡眠の質が重要な役割を果たします。特に、夏は夜も高温多湿となりやすいため、温度や湿度に気を付けた環境作りが大切です。今回紹介した方法を試して、睡眠の質を高めてください。
