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2024.02.29 更新

【医師監修】寝方を忘れた時の対処法を解説!就寝の際に避けたほうが良いことも紹介

【医師監修】寝方を忘れた時の対処法を解説!就寝の際に避けたほうが良いことも紹介

しっかりとした睡眠は、毎日を過ごすうえで欠かせません。しかし、なかなか寝つけない日が続き「寝方が分からなくなってしまった」と悩む方もいるのではないでしょうか。

この記事では、眠れなくなってしまった原因を解説します。そのうえで寝方を忘れて眠れない場合の対処法や、就寝の際に避けたほうが良いことを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

  1. 眠れない原因
  2. ストレス
  3. 自律神経の乱れ
  4. 生活リズムの乱れ
  5. 寝具が合っていない
  6. 眠りにつきにくいと感じる場合の対処法
  7. 筋弛緩法
  8. 不眠に効くツボを押す
  9. 一旦ベッドから離れる
  10. 入浴
  11. 寝室の環境を整える
  12. アロマテラピー
  13. 自分に合った寝具に変える
  14. 定期的に寝具の手入れを行う
  15. ストレスを解消する
  16. 生活リズムを整える
  17. 寝方を忘れて眠れない場合に避けたほうが良いこと
  18. 無理にベッドに入って眠ろうとする
  19. 眠らなければいけないと過剰に意識する
  20. 自己判断で睡眠薬を飲む
  21. タバコを吸う
  22. お酒を飲む
  23. 就寝直前に食事をとる
  24. カフェインが含まれる飲料を飲む
  25. スマホやパソコンなどを使用する
  26. 対策をしても眠れない場合は睡眠障害の可能性がある
  27. 眠れない状態が続く場合は、医療機関を受診する
  28. まとめ

眠れない原因

眠れない原因

眠れない原因は、主に以下の4つです。

  • ストレス
  • 自律神経の乱れ
  • 生活リズムの乱れ
  • 寝具が合っていない

それぞれを詳しく説明します。

ストレス

ストレスを感じると、リラックスできず快適な睡眠の妨げとなります。仕事や学業、人間関係などが主な原因として挙げられますが、人によって原因はそれぞれ異なります。また、神経質で真面目な性格の方はストレスを強く感じやすい傾向があります。

次節で詳しく紹介する自律神経の乱れを引き起こす場合もあるので、なるべくストレスを溜めないように心がけることが大切です。

五藤良将

五藤良将

竹内内科小児科医院 院長

ストレスがない方はまずいませんが、ストレスが適正な状態か、過剰に溜まってしまっていないかを本人がいつもしっかりと把握できているかは、とても難しいところです。

例えば仕事がたくさん溜まっていると、ついつい残業したり、夜も自宅に帰ってからさらに仕事したりして夜寝る時間が遅くなり、睡眠時間も短くなってしまいます。

睡眠時間が短くなると、頭が働かなくなったりイライラしたり怒りやすくなったりすることがあり、余計にストレスが溜まる悪循環に陥ってしまいます。

そのため、やはり規則正しい生活、睡眠時間の確保がとても大切です。

自律神経の乱れ

自律神経の乱れも、眠れない原因の一つです。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。交感神経は体を活発にする役割を、副交感神経は体を休める役割を果たしていますが、ストレスやホルモンの乱れなどにより、夜の時間帯になっても交感神経が優位に働いている状態が続くと、眠れなくなる場合があります。

生活リズムの乱れ

海外旅行による時差ボケや夜更かし、シフト制の仕事などによって生活リズムが乱れると、体内時計が狂い、夜に眠れなくなる場合があります。

特に、勤務時間が不規則(日中の勤務と夜勤を繰り返すなど)な場合、生活リズムが乱れやすくなるので注意してください。

寝具が合っていない

寝具が合っていないと眠れなくなる場合があります。使っている寝具が硬すぎたり、柔らかすぎたりすると、なかなか入眠できません。自分が心地良いと感じる寝具を使うことが大切です。

また、同じマットレスを使用し続けると、へたりが生じる可能性があります。へたりが生じたマットレスを使用すると、寝心地が悪くなり、睡眠中の体の負担を増加させることに繋がります。

眠りにつきにくいと感じる場合の対処法

眠りにつくのが難しくなったと感じる場合におすすめの対処法は、以下の9つです。

  • 筋弛緩法
  • 不眠に効くツボを押す
  • 一旦ベッドから離れる
  • 入浴
  • アロマテラピー
  • 自分に合った寝具に変える
  • 定期的に寝具の手入れを行う
  • ストレスを解消する
  • 生活リズムを整える

各方法を詳しく説明します。

筋弛緩法

筋弛緩法とは、一旦、体の各部位の筋肉を緊張させてから、体を緩めてリラックスした状態に導く方法です。

まずベッドの上で仰向けになり、脚を肩幅程度に開いた後、肩の力を抜き、腕を体から離した状態で手のひらを上に向けてだらんと伸ばしましょう。

次に、体の各部位(首、肩、腹部、背中、脚など)の筋肉に思いっきり力を入れ、5秒ほど緊張させます。最後に、各部位を10秒ほど脱力してください。これを数回繰り返すことで、リラックスしやすくなります。

筋弛緩法のやり方をさらに詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

睡眠 全身に力
睡眠中に全身に力が入ると寝起きの不調に繋がる?リラックスして眠る方法など解説

不眠に効くツボを押す

不眠解消の効果が期待できる方法に「ツボ刺激」があります。「ツボ」とは、東洋医学の考え方で全身にある神経が重なり合う場所を指します。指圧マッサージや鍼灸治療でも使われるツボには、不眠解消に効果が期待できるツボもあります。

例えば、頭のてっぺんにある「百会(ひゃくえ)」や、手首付近の「内関(ないかん)」、かかとの真ん中にある「失眠(しつみん)」は眠気を誘うツボとして良く知られています。

ツボ押しのポイントは、少し痛いと感じるまでしっかりと押すことです。ツボ押しは、寝ながらでもできる簡単な不眠解消法で、場所を選ばずに誰でもできるメリットがあります。

一旦ベッドから離れる

どうしても眠れない時は、一旦起き上がってベッドから離れるのも一つの手です。一旦ベッドから出て、気になっていたことを片したり、退屈な本を読んだりするなど、目が完全に覚めない程度にゆったりと過ごすことをおすすめします。

入浴

人間は、一旦上昇した体温が、下がり始めるタイミングで眠気が生じやすくなるので、就寝時間の90分~2時間前の入浴は、眠りやすくする方法として有効です。

入浴時間は、38℃のぬるめのお湯なら25分~30分程度、42℃の熱めのお湯なら5分程度が目安になります。半身浴の場合には、40℃のお湯で30分程度がおすすめです。

また、半身浴でも寝つきへの効果が認められています。半身浴の場合は、腹部まで湯船につかり、約40度のお湯で30分ほど入浴しましょう。

入浴や半身浴は、その日の体調に合わせて無理のない範囲で行うことが大切です。

寝室の環境を整える

眠りにつきやすくするポイントは、リラックスした状態になることです。リラックスした状態になると、副交感神経が優位になり、眠りにつきやすくなります。そのため、寝室をリラックスしやすい環境に整えると眠りにつきやすくなります。

例えば、エアコンを使って室温を快適な温度に調整します。寝室の温度・湿度は寝つきや睡眠の質に影響するため、エアコンを使った室温のコントロールが大切です。また、温度・湿度に加えて部屋の明るさにも気を配り、入眠しやすい明るさに調光すると良いでしょう。   

アロマテラピー

アロマテラピーは、香りを活用したリラックス方法です。生活のさまざまなシーンに香りを取り入れることで、リラックスした空間を作り出せます。アロマテラピーには、さまざまな方法がありますが、精油を薄めたスプレーは、手間もかからず簡単にできる方法です。また、浴槽に張ったぬるめのお湯に2~3滴ほどアロマの精油を垂らし、香りを感じながら入浴するとリラックスしやすくなります。

アロマテラピーに用いられる精油には、ラベンダーやオレンジ、グループフルーツなどさまざまな香りがあります。ゆったりとした気持ちになりたい時はラベンダー、すっきりしたいときはグループフルーツなど、自分の好みやなりたい気分に合わせて選ぶと良いでしょう。

また、アロマテラピーにはさまざまな方法がありますが、精油を薄めたスプレーは手間もかからず簡単にできる方法です。さらに、浴槽に張ったぬるめのお湯に2~3滴ほどアロマの精油を垂らし、香りを感じながら入浴するとリラックスしやすくなります。

自分に合った寝具に変える

体に合わない寝具を使用すると、寝心地が悪くなります。腰や首、背中などに痛みが生じるといった不調により、充分に睡眠がとれなくなる可能性もあるので、自分に合った寝具に変えましょう。

マットレスを選ぶ際は、「寝返りがスムーズに打てるか」「通気性に優れているか」の観点から選ぶことがおすすめです。快適な眠りを実現するうえで重要な要素となります。

定期的に寝具の手入れを行う

上述したように、同じマットレスを使用し続けるとへたりが生じ、寝心地の悪さに繋がります。

定期的(半年もしくは1年に1回程度)にマットレスの上下や表裏を入れ替えると、肩や腰といった体重がかかりやすい部分が、マットレスの同じ箇所に当たり続けることを防止でき、へたりにくくなります。

ストレスを解消する

「重要な仕事を抱えている」「試験を控えている」など、さまざまな要因でストレスが溜まることがあります。ストレスをゼロにすることは難しいですが、可能な限りストレスを溜め込まず、寝る前に解消することを心がけましょう。

おすすめのストレス解消法は、読書や映画鑑賞といった趣味を持つことや、友人との会話、ノートなどに気持ちを書き出すことが挙げられます。自分に適した方法を探してください。

また、あまりにもつらい状況であれば、ストレスのかかる環境から離れること(職場を変える、部活動やサークルをやめるなど)も検討してください。

生活リズムを整える

夜更かしや昼夜逆転の生活が習慣化している場合は、正しい生活リズムに戻すための行動を取り入れることが大切です。

「毎日、決まった時間に起きる」「太陽の光を浴びる」「朝食をしっかりとる」「毎日、決まった時間に寝る」などを心がけると、体内時計のリズムが安定します。

寝方を忘れて眠れない場合に避けたほうが良いこと

寝方を忘れて眠れない場合に避けたほうが良いことは、以下の8つです。

  • 無理にベッドに入って眠ろうとする
  • 眠らなければいけないと意識する
  • 自己判断で睡眠薬を飲む
  • タバコを吸う
  • お酒を飲む
  • 就寝直前に食事をとる
  • カフェインが大量に含まれる飲料を飲む
  • スマホやパソコンなどを使用する

それぞれを詳しく説明します。

無理にベッドに入って眠ろうとする

無理にベッドに入って眠ろうとすると、反対に緊張を高めてしまい、眠りへの移行を妨げる場合があります。決まった時刻ではなく、その日の眠気に応じて、眠くなってからベッドに入るほうがスムーズに入眠できます。

また、ベッドに入ったのに眠れない経験を繰り返すと、脳が「ベッドは眠れない場所である」と記憶し、眠れない状態が慢性化するおそれがあるので注意してください。とりあえずベッドに横になるという行動は避けましょう。

眠らなければいけないと過剰に意識する

眠らなければいけないと意識しすぎること自体が、眠れない原因になる場合があります。

眠ろうと焦れば焦るほど目が冴えてしまい、「このまま眠れなかったらどうしよう」「明日の仕事に影響するかもしれない」といった不安から、脳が活性化する場合があります。「眠ろう」と過剰に意識せず、自然に眠くなるのを待つほうが良いでしょう。

自己判断で睡眠薬を飲む

睡眠薬を使用する場合は、医師の指示を守り、薬剤師から服薬指導を受ける必要があります。

ドラッグストアで市販されている「睡眠改善薬」は、医師の処方箋がなくても購入可能ですが、用法・用量を守らずに自己判断で飲んで過剰に摂取すると、逆に症状が出て眠れなくなる恐れがあります。

また、薬剤が自分に合わず、副作用が出る可能性もあるので注意してください。

五藤良将

五藤良将

竹内内科小児科医院 院長

自己判断で市販の睡眠改善薬を服用する前に、睡眠障害になっているそもそもの原因を突き止めることが大切です。

精神的に疲れてしまって抑うつ状態になってしまっているのであれば、やはり仕事を休む必要もあるでしょうし、精神科や心療内科を受診することも必要でしょう。

いきなりそういった診療科に受診するのは抵抗がある方は、まずはお近くの内科診療所に受診して相談してみてはいかがでしょうか。

甲状腺疾患などホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群による睡眠障害もあるので安易に睡眠薬を飲むのは危険です。また、翌日にもその睡眠薬の効果が残ってしまうこともあり、翌朝の自動車の運転にはとても注意が必要です。

タバコを吸う

喫煙者の中には、「寝る前にタバコを吸って気分を落ち着かせよう」と考える方がいるかもしれません。

しかし、ニコチンには覚醒作用があり、入眠を妨げて眠りを浅くする可能性があるので、就寝の1時間前になったら喫煙をやめましょう。

お酒を飲む

就寝前にお酒を飲むこと(寝酒)は、一時的な入眠を促すものの、中途覚醒が増え睡眠が浅くなります。睡眠の質が低下するので、寝付けないからといって飲酒はおすすめできません。

睡眠薬代わりにアルコールを摂取している方がいますが、次第に体が慣れてしまい、徐々に摂取量が増えていく傾向があるので注意しましょう。

就寝直前に食事をとる

就寝直前に食事をとると、消化機能が活性化されて眠りにくくなります。胃腸の運動が終わるまでに約3時間が必要なので、就寝時間から逆算して食事をとるように心がけましょう。

カフェインが含まれる飲料を飲む

カフェインには覚醒作用があり、作用は3時間程度持続します。利尿作用もあり、尿意で目が覚めてしまう場合もあります。

カフェインが多く含まれる緑茶、紅茶、コーヒー、ココア、栄養・健康ドリンク剤などを就寝前3~4時間以内に飲むのは避けましょう。

スマホやパソコンなどを使用する

人間には「朝に光を浴びると覚醒し、夜になると眠くなる」という「概日リズム」が備わっています。これは、眠気を誘うホルモン「メラトニン」の分泌量が、強い光を浴びると減少し、暗い場所にいると増加するためです。

就寝前にスマホやパソコン、タブレット端末などの画面から発せられるブルーライトや強い光を浴びると、脳の錯覚によりメラトニンの分泌量が減少するため、睡眠の妨げになります。加えて、画面に表示されている情報を読むことによっても、脳が活性化され覚醒します。

対策をしても眠れない場合は睡眠障害の可能性がある

ここまで紹介してきた対策を講じても改善しない場合は、睡眠障害の可能性があります。睡眠障害とは、睡眠に関連したさまざまな病気の総称であり、睡眠障害の中で最も多いものが「不眠症」です。

不眠症とは、「入眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」「熟眠障害」などが1ヶ月以上継続し、日中に倦怠感や意欲低下、集中力低下、食欲低下などの不調が出現する病気です。原因はさまざまで、ストレスや心体の病気、薬の副作用などが挙げられます。

眠れない状態が続く場合は、医療機関を受診する

対処を試みても「熟睡できない」「途中で起きてしまう」といった状態が続く場合は、睡眠障害の可能性があるので、医療機関を受診してください。

特に、「睡眠時無呼吸症候群」「レストレスレッグス症候群(ムズムズ脚症候群)」「周期性四肢運動障害」「うつ病」による不眠は、それぞれに適した治療法が存在し、通常の睡眠薬では治らない場合があります。専門施設で検査・診断を受けましょう。

五藤良将

五藤良将

竹内内科小児科医院 院長

睡眠障害の原因にはさまざまなものがあります。精神的に疲れてしまってうつ病や抑うつ状態になってしまっているのであれば、やはり仕事を休む必要もあるでしょうし、精神科や心療内科を受診することも必要でしょう。

いきなりそういった診療科を受診することに抵抗がある方は、まずはお近くの内科診療所に受診して相談してみてはいかがでしょうか。

甲状腺疾患などホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群による睡眠障害もあるので、甲状腺機能異常が疑われる場合には採血と甲状腺エコー検査が必要でしょうし、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には終夜睡眠ポリグラフィーSAS検査が必要になりますので、内科、内分泌代謝内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科を受診することをおすすめいたします。

まとめ

睡眠は、日々の疲れをとるうえで大切な時間です。しかし、ストレス・自律神経の乱れ・生活リズムの乱れ・寝具が合っていないといった原因で、眠れなくなることがあります。

寝方を忘れて眠れない場合は、「ストレスを解消する」「入浴やアロマテラピーでリラックスする」「一旦ベッドから離れる」「生活リズムを整える」「自分に合った寝具に変える」「定期的に寝具の手入れを行う」といった対処法を試してください。

また、「無理にベッドに入って眠ろうとする」「眠らなければいけないと意識する」「自己判断で睡眠薬を飲む」「タバコを吸う」「お酒を飲む」「就寝直前に食事をとる」「カフェインが含まれる飲料を飲む」「スマホやパソコンなどを使用する」といった行為は避けましょう。

寝付けない、なかなか眠れないといった状態が続くのであれば、医療機関の受診も検討しましょう。

この記事の監修者
五藤良将
五藤良将竹内内科小児科医院 院長
内科認定医、日本抗加齢医学会専門医。防衛医科大学を首席卒業後、自衛隊医官としての勤務や一般の総合病院などを経て、2019年に田園調布の内科小児科医院を受け継ぐ形で院長に就任。専門は糖尿病内科とアレルギー内科。患者に寄り添うことをモットーに、往診やオンライン診療も行う。
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