正月は初売りや初詣、親戚の集まりなどで忙しく過ごす方がいる一方で、「ゆっくりしたい」という思いから寝正月で過ごす方もいます。寝正月で過ごすのはもったいないと感じる方もいるかもしれませんが、寝正月ならではのメリットもあります。
この記事では、寝正月の意味や歴史、メリット・デメリット、仕事始めを気持ち良く迎えるコツ、年始の有意義な過ごし方を紹介します。
寝正月の意味・歴史
寝正月は、「外出せずに正月を家でゆっくり寝て過ごすこと」を指す言葉です。
寝正月には、せっかくの大型連休をダラダラと過ごすというイメージがありネガティブな印象を持たれやすいですが、昔は寝正月で過ごすのは普通だったといわれています。
かつては元旦の初日の出とともに訪れる「年神様」を迎えるため、就寝せずに夜明けを待つ習慣があったそうです。徹夜明けは当然眠いため、元日の昼間に寝る寝正月は当たり前のことでした。
ちなみに、年神様を迎え入れる大晦日の夜に早く寝ると生命力が衰え、白髪やシワが増えると言い伝えられています。
寝正月で過ごすメリット・デメリット
寝正月にはゆったりと過ごせるメリットがある一方で、体内時計が乱れるなどのデメリットもあります。以下では、寝正月で過ごすメリット・デメリットを順番に紹介します。
寝正月で過ごすメリット
寝正月で過ごす主なメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 日頃の疲れを癒せる
- 自宅内でゆっくりと好きなことをして過ごせる
- 外出しない分、お金がかからない
貴重な大型連休である正月は、日頃から溜まっている疲れを癒す絶好のチャンスです。自分の好きなタイミングで寝たり、読書や映画鑑賞をしたりなど自宅でゆったり過ごすことで、心身ともにリフレッシュできるでしょう。
また、旅行や初売りに出かけるなど、正月をアクティブに過ごす場合は支出が増えやすいですが、寝正月なら外出をしない分お金がかかりません。
寝正月で過ごすデメリット
続いて、寝正月で過ごすデメリットを見ていきましょう。
- 体内時計が乱れる可能性がある
- 太りやすくなる
- 筋肉が衰える可能性がある
以下で詳しい内容を紹介します。
体内時計が乱れる可能性がある
寝正月で過ごす場合は、体内時計が乱れやすくなるため注意してください。
体内時計とは、体の活動状態と休息状態を切り替えるメカニズムのことです。多くの方は「日中に活動して夜に就寝する」という生活リズムを無意識に保てていますが、これは体内時計が正しく機能しているためです。
しかし、寝正月で生活リズムが乱れると、体内時計も乱れてしまいます。その結果、就寝したいタイミングでなかなか入眠できず、連休明けの体のだるさや集中力の低下に繋がる場合があります。
なお、体内時計の乱れを整える方法は以下の記事で詳しく解説しています。
太りやすくなる
寝正月で時間を気にせず寝過ぎると、いわゆる「正月太り」に繋がる可能性があります。
正月はおせちやお雑煮、お酒などを飲み食いする機会が多く、摂取カロリーが増えやすい時期です。さらに、寝正月で過ごす場合は運動量も低下するため、カロリーを消費できず体重増加に繋がる可能性があります。
筋肉が衰える可能性がある
正月のほとんどを寝て過ごす場合は、体の筋肉が衰える可能性がある点にも注意が必要です。
体の筋肉を維持するためには日々の運動やトレーニングが欠かせません。運動やトレーニングを行わずに寝たきりで過ごした場合、2日で1%程度の筋肉が減少するといわれています。
寝正月で過ごしたあとの仕事始めを気持ち良く迎えるコツ
正月明けの仕事始めは、コンディションが整った状態で清々しいスタートを切りたいものです。しかし、寝正月で過ごすことにより生活リズムが崩れると、連休明けの仕事始めを気持ち良く迎えられない場合があるかもしれません。
そこで、以下では正月明けの仕事始めを気持ち良く迎えるコツを紹介します。
正月明けに向けて生活リズムを整える
仕事始めを気持ち良く迎えるには、正月明けに向けて生活リズムを整えておくことが大切です。
とはいえ、寝正月で崩れた生活リズムを突然正常に戻すのは難しいものです。そのため、仕事始めに向けて少しずつ調整していくことを心がけましょう。
例えば、寝正月で昼まで眠る生活を送っている場合は、正月最後の数日を使って「11時に起床」「10時に起床」「9時に起床」などのように、起床時間を少しずつ前倒ししていきます。
正月明けまでに本来の起床時間に無理なく起きられるようにしておけば、仕事始めを気持ち良く迎えられるでしょう。
寝正月でも多少は体を動かす
仕事始めに備えたい方は、寝正月で過ごしている間も多少は体を動かすことをおすすめします。
適度な運動は寝つきを良くする効果があります。寝正月でも適度な運動を心がければ本来の就寝時間に自然と眠くなり、生活リズムの乱れを防ぎやすくなるでしょう。
生活リズムの乱れを防ぐための運動をする時間帯は、就寝の数時間前が良いとされています。激しい動きは睡眠を妨げる場合があるため、ジョギングや早足の散歩などの有酸素運動を行うと良いでしょう。
正月明けの仕事のタスクを整理する
長期連休後に仕事をする際は、休日中とのギャップから憂鬱な気分になることも少なくありません。例えば、「連休明けにやる気が出ない」「気持ちを切り替えられない」といった経験をしたことがある方は多いでしょう。
このように正月明けの仕事に対して憂鬱さを感じる場合は、事前に仕事のタスクを整理しておくことをおすすめします。
タスクを整理すると仕事始めに取り組む業務内容を具体的にイメージでき、仕事に対する漠然とした不安が軽減されます。憂鬱な気分も晴らしやすくなり、より良い状態で仕事始めを迎えられるでしょう。
脱寝正月!年始の有意義な過ごし方も紹介
寝正月で過ごすのももちろん良いですが、なかには「来年は寝正月をやめて有意義な連休を送りたい」と考えている方もいるでしょう。ここでは、有意義に正月休みを過ごしたい方に向けて、寝正月以外の過ごし方をいくつか紹介します。
- 初日の出を見る
- 初詣に行く
- 初売りに行く
- 親戚の集まりに顔を出す
- 旅行に行く
新年を清々しい気持ちで迎えたい方は、初日の出を見に行ってはいかがでしょうか。美しい初日の出を求めて、人気の絶景スポットに遠出するのも良いかもしれません。
また、初詣や初売りなど、正月ならではの行事を楽しむのも定番の過ごし方です。ちなみに、初詣の期間は地域によって異なり、関東地方は1月1日〜1月7日まで、関西地方は1月1日〜1月15日までとしている場合が多いです。
このほかには、親戚の集まりに顔を出したり、長期連休を利用して旅行を満喫したりするのもおすすめです。
まとめ
寝正月は自宅でゆったりと自分のペースで過ごせるメリットがある一方で、「体内時計が乱れる可能性がある」「太りやすくなる」などのデメリットもあります。デメリットが気になる方は寝正月で過ごしつつも、生活リズムや食事に気を配りましょう。
また、寝正月で過ごすのはもったいないといわれる場合もありますが、貴重な連休をゆっくりと過ごすのも幸せの一つです。寝正月という言葉の印象にとらわれず、自分にとって理想的な連休の過ごし方を選びましょう。