夜寝ている時、首回りや全身にひどい寝汗をかいて不快に感じている方もいるのではないでしょうか。寝汗の気持ち悪さが気になると、寝付きにくくなったり睡眠の質が低下したりする可能性があります。
さらに、寝汗をかくと寝苦しさだけでなく、寝具が汚れるといった悪影響もあるため、寝汗の原因を把握したうえで改善することが大切です。
この記事では、寝汗の主な原因や対処法などを解説します。首回りや全身に寝汗をかいて悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
寝汗とは?
寝汗とは、睡眠中にかく汗のことを指します。
汗は体温を調整する重要な役割を担っており、日中の活動中や就寝中に多少の汗をかくのは自然な生理現象です。
しかし、体温調整以外の理由で大量にかく寝汗を「盗汗(とうかん)」と呼び、全身ではなく首筋から頭にかけてかきやすい特徴があり、疾患の可能性があります。
盗汗が続くと、体が冷えて睡眠が浅くなる、寝苦しさを感じるなどの弊害により睡眠の質の低下に繋がる可能性もあるため注意が必要です。
着替えが必要なほど大量の寝汗をかく場合、潜在的な疾患が原因の可能性もあるため、一度原因を調べることを推奨します。
首回りや全身にかく寝汗の原因
寝ている時、首回りだけではなく全身に寝汗をかく場合、何らかの原因があると考えられます。
以下では、首回りをはじめとした全身にかく寝汗の原因を6つ紹介します。
- アルコール・水分の過剰摂取
- ストレス
- 女性ホルモンの影響
- 加齢
- 肩こり
- 何らかの病気
アルコール・水分の過剰摂取
就寝前にアルコールや水分を過剰に摂取すると、寝ている時にひどく汗をかく場合があります。
さらに、過剰飲酒による影響は寝汗だけでなく、酔いが醒めた時に目が覚めて熟睡しにくくなる悪影響もあります。寝汗を予防し睡眠の質を高めるためにも、過度な飲酒は避けるよう心がけましょう。
ストレス
仕事や学校生活など、日常で受けるストレスにより、自律神経が乱れて寝汗に繋がることもあります。
自律神経とは、体温や呼吸、内蔵の動きなど、人間のさまざまな機能をコントロールする神経のことです。活動的なモードの「交感神経」と、リラックスモードの「副交感神経」があります。
昼間は交感神経が優位な状態ですが、夜になると副交感神経が優位な状態に切り替わり、眠気が促されることが通常の動きです。しかし、ストレスによって自律神経が乱れると、この切り替えが上手くできなくなってしまいます。
ストレスによる自律神経の乱れは睡眠に支障をきたすほか、睡眠中の体温調整が難しくなることで寝汗にも繋がります。ストレスの原因を見つめ直し、日々受けるストレスを溜めない意識を持ちましょう。
女性ホルモンの影響
PMS(月経前症候群)の症状の1つとして、ひどい寝汗があらわれることがあります。
PMSとは、生理前3日~10日程度続く、精神的・身体的な症状です。頭痛や腰痛のほか、ほてりの症状が出ることがあり、のぼせが原因となって寝汗をかいていると考えられます。
女性ホルモンが影響している場合、生理前に症状があらわれ、生理が始まると症状が落ち着くことが多いようです。個人差はありますが、生活習慣を整えたり適度な運動をしたりすると、改善しやすくなることがあります。
加齢に伴う更年期障害
加齢に伴ってホルモンバランスが乱れ、さまざまな症状があらわれることを更年期障害といいますが、更年期障害の症状の1つに、のぼせやほてりからくる寝汗があります。
更年期障害は寝汗のほか、イライラや肩こり、疲れやすいといった症状が代表的です。更年期障害が原因の場合、夜間だけでなく昼間もひどく汗をかく傾向があります。
なお、自分では更年期障害だと思っていても、ほかのことが原因の可能性もあるため、症状が重くてつらい場合は、我慢せずにすぐ医療機関を受診して医師への相談をおすすめします。
肩こり
慢性的な肩こりも、寝汗の原因になる場合があります。肩こりによって筋肉が固くなり、周辺の血管が圧迫されると体温調整がしにくくなるため、結果として汗をかいてしまいます。
湿度が高く、汗が蒸発しないと筋肉が緊張しやすくなり、さらに肩こりを引き起こす原因となります。
何らかの病気
寝汗をかくのは、何かしらの病気が原因の可能性もあります。考えられる病気として挙げられる例は、主に以下のとおりです。
- 呼吸器疾患
- ホルモン疾患
- 自律神経失調症
呼吸器疾患は肺炎や結核、ホルモン疾患は前述した甲状腺機能亢進症などが該当します。自律神経失調症は、自律神経が乱れることで疲労感やのぼせなど、さまざまな症状があらわれる状態です。
また、これら以外にも寝汗を引き起こす病気はいくつもあり、自分でどの病気かを判断するのは難しいです。病気が原因の場合、医師のもとで適切な治療を行うことが重要なため、速やかに医療機関を受診しましょう。
寝汗は何科を受診すれば良い?
大量の寝汗を数日にわたってかくなら、内科を受診しましょう。特に、寝汗とともに発熱や下痢、食欲低下、急激な体重減少などの症状が伴う場合は、重大な疾患の兆候である可能性があるため、早めの受診が必要です。
また、加齢によるホルモンバランスの変化が関係している場合もあり、そのケースでは婦人科や心療内科などの受診が適しています。どの科を受診すれば良いかわからない場合は、まずかかりつけ医に相談しましょう。
寝汗をかく主な原因や、汗が気になる場合の対策方法については以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
寝汗による影響
寝汗は必ずしも悪いものではありません。汗には体温を下げる役割があり、深い眠りを促す効果が見込めます。寝ている間にコップ1杯程度の汗をかくのは自然なことです。夏だけでなく、冬でも寝汗をかきます。
ただし、多すぎる寝汗には悪影響もあります。
- 睡眠の質が低下する
- 肌トラブルの原因になる
- 体臭の原因となる
寝具が汚れるだけでなく、肌トラブルの原因にもなるため、確認していきましょう。
睡眠の質が低下する
寝汗をかくと、睡眠の質や体臭など、さまざまなことに悪影響が及ぶ可能性があります。
寝汗によってパジャマや寝具が汗で濡れると、体がベタベタして不快さを感じるでしょう。不快感が気になると、寝付きにくくなったり寝苦しくなったりするため、睡眠の質が低下する可能性があります。
さらに、寝汗の量が多いと夜中に目覚める原因になるのもデメリットです。寝苦しく、もう一度寝付こうとしても浅い眠りになりやすくなります。
肌トラブルの原因になる
寝汗はすぐに拭き取ることができないため、肌トラブルを引き起こすこともあります。大量の汗によって汗腺が詰まって炎症を起こす「あせも」が代表的な症状です。悪化すると赤みと強いかゆみを引き起こします。
また、汗が蒸発する時に、肌の水分まで奪われる結果、乾燥肌になりやすいのもトラブルの1つです。乾燥肌は肌のバリア機能が低下した状態であり、かぶれやニキビに繋がる可能性があります。
体臭の原因となる
寝汗がシーツや枕、毛布などに付着して汚れると、清潔な就寝環境を保てなくなります。特に首回りに汗をかくと枕が汚れ、臭いが気になる場合もあるでしょう。不潔な寝具を使っていると寝心地が悪いだけでなく、ダニやカビの繁殖にも繋がります。
さらに、汗をかいたまま放置すると、体臭の原因になる可能性もあります。体臭は自分だけでなく、周囲にも迷惑をかけることになるため注意したいポイントです。
このようなデメリットを避けるためにも、日頃から寝汗対策を行うことが大切です。
寝汗への6つの対策
寝汗をかく状態が慢性的に続くと、体臭や衛生面だけでなく、睡眠の質にも悪影響を与えます。寝汗にはいくつかの対処法があるため、日頃から意識して対策に取り組みましょう。
寝汗の主な対処法は以下のとおりです。
- 就寝前に水分を補給する
- 首回りに冷たいタオルを巻く
- ストレスを発散する
- 規則正しい生活を送る
- 通気性が高いパジャマ・寝具を使う
- 寝室の温度と湿度を整える
それぞれ詳しく解説します。どの方法も生活に取り入れやすいものなので、寝汗に悩んでいる方は、実践してみましょう。
就寝前に水分を補給する
寝る前には水分補給として、コップ約1杯分の水を飲むことをおすすめします。寝汗を抑えようと考え、就寝前に水分をとるのを控える方がいるかもしれませんが、それは逆効果です。
水分をとらずに寝ると汗がベタつきやすくなるとされており、不快さを感じやすくなる可能性があります。睡眠前の水分補給をやめるのではなく、飲みすぎないように気をつけながら水分を摂取しましょう。
首回りに冷たいタオルを巻く
寝汗対策として、首回りに冷たい水で濡らしたタオルを巻くのも良いでしょう。首筋は動脈が走っており、体の中でも血液が集まる部分の1つです。血液が集まる部分を冷やすことで冷えた血液が全身を巡り、効率的に体温を下げることができます。
ただし、「より効果的に冷やしたい」と考えて保冷剤を使用するのはおすすめできません。保冷剤は水で濡らしたタオルよりも長く首を冷やせますが、首が冷えすぎると、肩こりの悪化や頭痛の原因になることがあるため、注意が必要です。
ストレスを発散する
ストレスによる自律神経の乱れが寝汗の原因になっているなら、ストレスを発散させることが大切です。
仕事や学校の人間関係をはじめとして、社会生活を送っているとストレスをまったく受けないのは難しいため、受けたストレスを溜め込まない意識を持ちましょう。
自分に合うストレス解消法を見つけると、心身ともにリラックスしやすくなります。ストレスの発散方法として、例えば以下のものがあります。
- 映画を見る
- ゆっくりお風呂に入る
- アロマの香りを楽しむ
- カラオケで思いっきり歌う
ストレスの発散方法は人それぞれ異なります。どうやってストレスを解消すれば良いかわからない場合は、いくつか試して自分に合う方法を探しましょう。
規則正しい生活を送る
生活リズムの乱れは体内時計の乱れにも繋がり、自律神経のバランスが崩れたりPMSの悪化に繋がったりする可能性もあります。寝汗を防いで睡眠の質を高めるためにも、規則正しい生活を送ることが大切です。
規則正しい生活を送るためには、以下のことを意識しましょう。
- 朝起きた時に太陽光を浴びる
- 日常に軽めの運動を取り入れる
- 毎日お風呂に浸かってリラックスする
- 質の高い睡眠をとる
自律神経の乱れやPMSが寝汗の原因であれば、このように規則正しい生活を意識することで改善・予防に繋がりやすくなります。
通気性が高いパジャマ・寝具を使う
通気性が高いパジャマや寝具を使えば、寝汗をかいた時の蒸れが軽減できて眠りやすくなります。通気性に加えて吸湿性にも優れているパジャマや寝具を選ぶと、汗をかいてもベタベタせず快適に過ごしやすいでしょう。
通気性や吸湿性を重視して選ぶ場合、パジャマの素材は綿・麻・シルクがおすすめです。肌触りが良く、夏場でも汗を吸収しやすいため、サラッとした着心地を保てます。
枕の中材は、そば殻・パイプ・羽毛(ダウン)・ファイバーは通気性が高く、頭に熱がこもりにくい素材です。
また、寝具の中でも体に触れる面積が大きいマットレスは、特に通気性を重視して選ぶことをおすすめします。内部に風がとおりやすい構造のコイルマットレスは、マットレスの素材の中でも通気性が高い特徴があります。
通気性の良いマットレスについては以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひご一読ください。
寝室の温度と湿度を整える
就寝時の快適な温度は、夏場は25℃〜26℃、冬場は22℃〜23℃が目安です。暑すぎる場合は冷暖房を活用して、温度を調整しましょう。
また、快適な湿度は50%〜60%です。湿度が高い場合は除湿機を活用して湿気を減らすと、汗が蒸発しやすくなります。
まとめ
寝汗は、睡眠中にかく汗のことで、体温を調整する重要な役割を担っているため、就寝中に多少の汗をかくのは自然な生理現象です。
しかし、体温調整以外の理由で首回りや全身にかく寝汗の原因は、水分の過剰摂取やストレス、加齢の影響などが考えられます。寝汗は病気の症状である可能性もあるため、気になる症状がある場合は放置せず、速やかに医療機関を受診してください。
また、寝汗をかくと、寝苦しくなって睡眠の質が低下する可能性があるため、日頃から対策を行うことが大切です。規則正しい生活を心がけて、寝具やパジャマの質にも気を配りましょう。
そのほか、「状況に合わせて首回りにタオルを巻く」「ストレスを発散する」「就寝前に水分補給する」など、この記事で紹介した方法を参考にして、できることから取り入れてみてください。