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2023.09.29 更新

【医師監修】椎間板ヘルニアを悪化させないためのマットレス選びとは?おすすめの寝姿勢も紹介

【医師監修】椎間板ヘルニアを悪化させないためのマットレス選びとは?おすすめの寝姿勢も紹介

椎間板ヘルニアは、主に腰の痛みや下肢の痺れが症状としてあらわれる病気です。日中の活動に支障が出るだけでなく、痛みのせいで睡眠をとりにくくなる厄介な病気として知られています。

椎間板ヘルニアを悪化させずに楽な状態で眠るには、寝具として使うマットレス選びにこだわることも大切です。この記事では椎間板ヘルニアの概要や楽な寝姿勢、マットレス選びのポイントを詳しく解説します。

  1. 椎間板ヘルニアとは
  2. 椎間板ヘルニアの主な原因
  3. 椎間板ヘルニアを治療する方法
  4. 椎間板ヘルニアを患っている場合はどの姿勢で眠るのが楽?
  5. 仰向け寝の場合
  6. 横向き寝の場合
  7. 椎間板ヘルニアの方がマットレスを選ぶ際のポイント
  8. 適度な柔らかさがあるマットレスを選ぶ
  9. 体圧分散性が高いマットレスを選ぶ
  10. 厚みがあるマットレスを選ぶ
  11. まとめ

椎間板ヘルニアとは

椎間板ヘルニアとは背骨の間のクッション材である椎間板が変形し、神経を圧迫してしまう病気のことです。

代表的な症状としては坐骨神経痛といわれる腰・下肢の痛みや痺れのほか、足に力を入れにくくなるなどが挙げられます。

また、どの部分の腰椎に椎間板ヘルニアが発生しているかで、痛みが生じる場所が変わってくるのも特徴の一つです。一般的には、お尻や太ももの裏に痛みが生じるケースが多いといわれています。

椎間板ヘルニアの主な原因

椎間板ヘルニアの主な原因は、日常生活の負担による椎間板の変性です。

例えば、重い物を持ち上げる、激しいスポーツを行うなど腰に負担がかかる動作が多いと椎間板を痛めてしまい椎間板がすり減ることで椎間板ヘルニアに繋がる場合があります。

このほか、加齢や遺伝的要因も原因となる要素です。

椎間板ヘルニアを治療する方法

椎間板ヘルニアの治療方法には、主に保存療法と手術の2種類があります。保存療法とは投薬治療や注射、コルセットなどの装具療法、リハビリなどをとおして、痛みをはじめとした症状の対処をする治療を指します。

疾患を抱える方の約半数以上は手術をしなくても数ヶ月程度で痛みが改善するといわれており、重度の椎間板ヘルニアでない場合は、保存療法を選択することが多いです。

保存療法で痛みが改善しない場合や痛みがひどい場合、また神経症状が著しい場合は手術での治療を行うケースが多いです。手術の方法によってメリットやデメリットが異なるため、受ける際は医師と相談したうえで慎重に決めましょう。

椎間板ヘルニアを患っている場合はどの姿勢で眠るのが楽?

椎間板ヘルニアを患っている場合はどの姿勢で眠るのが楽?

眠る際に椎間板ヘルニアによる腰の痛みが気になるなら、体への負担が比較的少ない仰向け寝、または痛い方、痺れている方を上にした横向き寝で眠るのがおすすめです。

ほかの寝姿勢としてはうつ伏せ寝も代表的ですが、うつ伏せは神経を圧迫して症状を余計に増悪させる可能性があり、また、腰が緊張しやすく痛みが出やすい姿勢なので、椎間板ヘルニアを患っている方はできるだけ避けましょう

また、仰向け寝、横向き寝で眠っても腰が痛む際は、寝姿勢に少し工夫すると痛みを解消しやすくなります。以下では楽に眠るためのコツを寝姿勢ごとに紹介します。

仰向け寝の場合

仰向け寝で腰の痛みを感じる場合は、膝を立てた姿勢で眠ると良いでしょう。膝を立てて眠ると、腰が丸まって痛みを感じにくくなります。

「膝を立てる姿勢を維持するのが疲れる」と感じる方は、膝やふくらはぎの下にクッションや座布団を敷くと楽になります

横向き寝の場合

横向き寝の姿勢で腰の痛みを感じる場合は、腰のくびれ部分に幅10cm程度になるように折り畳んだタオルを敷いてみましょう。タオルの厚みで腰椎を支えることで、痛みを抑えやすくなります。

椎間板ヘルニアの方がマットレスを選ぶ際のポイント

椎間板ヘルニアによる痛みを抑えるためは、普段どれだけ腰に負担をかけないで過ごせるかが重要です。負担を減らすには「重い荷物を持たない」「無理な姿勢をとらない」などさまざま挙げられますが、腰への負担を考慮するうえで特に重視したいのが眠る時に使うマットレス選びです。

使っているマットレスの種類によっては、腰への負担が増えてしまう可能性があります。腰の痛みに睡眠を妨げられないためにも、マットレスは腰に優しい製品を使うようにしましょう。腰に優しいマットレスを選ぶポイントは下記の3つです。

<腰に優しいマットレスを選ぶポイント>
  • 適度な柔らかさがあるマットレスを選ぶ
  • 体圧分散性が高いマットレスを選ぶ
  • 厚みがあるマットレスを選ぶ

各ポイントの内容を以下で詳しく紹介します。

適度な柔らかさがあるマットレスを選ぶ

腰への負担を考慮するなら、適度な柔らかさがあるマットレスを選ぶと良いでしょう。適度な柔らかさがあるマットレスなら体が沈み込みやすい分、腰椎の支えが大きくなり、腰の痛みを軽減しやすくなります

反対に硬すぎるマットレスは、腰の負担が増える原因となるので注意してください。硬めのマットレスは反発力が高く、体が沈み込みにくい特徴があります。

そのため、肩や背中、骨盤などの出っ張った部分で体を支えることで腰椎がしなってしまい、腰の痛みに繋がる場合があります。

しかし、マットレスが柔らかすぎても体に負担がかかってしまうので気をつけましょう。腰への負担を抑えるためには、丁度良い柔らかさのマットレスを使うことが大切です。

体圧分散性が高いマットレスを選ぶ

体圧分散とは、体にかかる圧力を分散させることを意味します。各マットレスで体圧分散の性能は異なりますが、腰に負担が少ないマットレスを探している方には体圧分散性の高いマットレスがおすすめです。

体圧分散性の高いマットレスは広い範囲で体を支えてくれるため、一部分だけに負担が集中せず、腰の痛みをはじめとした体の不調を防ぎやすくなります。

マットレスのなかでもラテックスタイプマットレス、ポケットコイルマットレスは体圧分散性が高い製品が多いので、ぜひ試してみてください。

厚みがあるマットレスを選ぶ

マットレスの厚みが薄すぎると体が床板についてしまい、圧迫感が生じる可能性があります。腰の負担が増える場合もあるため、マットレスは横になった時に底つき感がない製品を選びましょう。

一般的にはマットレスの厚さが10cm以上あれば、体格に関係なくしっかりと体を支えてくれるといわれています。心配な方は20cm〜25cm程度の厚みがある製品を選ぶと良いでしょう。

まとめ

椎間板ヘルニアは、日中の過ごし方に気をつけつつ、寝姿勢やマットレスに気を配るようにしましょう。特に自分の体を支えてくれる役割を持つマットレスは、腰への負担を減らすうえで重要なアイテムです。

今使っているマットレスで腰への負担を感じる方は、新しい製品への買い替えを検討すると良いでしょう。

普段の過ごし方やマットレスに気をつけても痛みがひどい場合は、無理せず医療機関に相談することをおすすめします。

この記事の監修者
神田良介
神田良介北千束整形外科 院長
北千束整形外科 院長。帝京大学医学部卒業後、救急救命室で勤務ののち、一心病院整形外科医長、帝京大学リハビリ科助教などを歴任し、平成10年に北千束整形外科を開院。整形外科医ながら触診をして解剖学的に理に適った施術が評判で、「その場で痛みが消えた」と海外や地方からもリピーターが続出。「つらい症状をつらくなくする」をモットーに延べ2万人以上を診療し、9割が寛解。東邦大学医学部客員講師。
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