就寝中に関節の痛みで起きてしまうことが多く、困っている方もいるのではないでしょうか。関節痛が起きる原因や痛みを和らげる方法を知っていると、痛みがひどい時にも対処できるでしょう。
また、関節痛が起きた場合にするべきではないことも把握しておくと、症状の悪化を防げる場合があります。
この記事では、関節痛で眠れない原因や関節痛を和らげるための対処法、関節痛が生じた場合に避けたほうが良いことなどを解説します。
関節痛の原因
関節痛は、不眠をもたらす要因の一つです。関節痛の原因は、主に以下の内容が考えられます。
- 風邪やインフルエンザ
- 関節リウマチなどの病気
- 更年期障害
- 関節軟骨のすり減り
- 関節周囲のケガ
それぞれの原因を詳しく説明します。
風邪やインフルエンザ
関節痛の原因はさまざまですが、代表的な原因の一つが風邪やインフルエンザへの感染です。
風邪やインフルエンザに罹患すると、全身の関節痛が生じる可能性があります。人間の体には、ウィルスや細菌が体内に侵入した時に対抗するための免疫機能が備わっています。関節痛は、免疫機能が働き、関節に炎症が起こると発症します。
インフルエンザの症状に関節痛があることは広く知られていますが、一般的な風邪でも関節痛は発症します。インフルエンザの場合、関節痛と併せて38度以上の高熱や倦怠感が伴うことが特徴です。
関節リウマチなどの病気
複数の関節で痛みが生じている場合は、関節リウマチなどの病気が関係している可能性があります。関節リウマチが原因の関節痛は、中年女性に多く見られる傾向にあります。
また、風疹などの病気も原因として考えられ、大人が風疹を発症すると関節痛を伴う場合があります。
更年期障害
更年期障害は、女性のホルモンバランスの化によってさまざまな症状が出ている状態のことです。女性ホルモンには関節の炎症を抑えて痛みを感じにくくする作用があり、関節を形成する骨や軟骨などには女性ホルモンの受容体が存在します。
女性ホルモンの分泌が減少すると、炎症を抑える作用が失われるため、関節痛が起こるとされています。
更年期とは、一般的には50歳前後の約10年間のことです。50歳前後の女性で特に体調の大きな変化がないにもかかわらず関節の痛みを感じる場合は、ホルモンバランスの影響によるものの可能性もあります。
関節軟骨のすり減り
関節の軟骨は、骨同士がぶつかって痛みが生じることを防ぐ役割を担っています。立ち仕事や重いものの運搬、激しいスポーツ、体重の増加などによって軟骨は徐々にすり減ります。
その結果、痛みを感じやすくなって関節痛が生じる場合があります。
関節周囲のケガ
夜も眠れないほどの関節の痛みが続く場合、関節のケガの可能性もあります。最近捻ったり、転倒して何かで打ったりした場合には、関節のケガも視野に入れましょう。
この場合は痛みだけでなく、動かしにくさやケガした部位が腫れる場合がほとんどです。
痛みが徐々に減っている場合でも、捻ったり打ったりした場合には、一度病院を受診すると良いでしょう。
関節痛を和らげて眠るための対処法
関節痛が和らぐと、安眠に繋がる可能性があります。痛みの原因によって対策が異なりますが、風疹や風邪などの病気の場合は自分で何とかしようとせずに医療機関を受診しましょう。
関節痛の原因が病気以外の場合に家庭でできる対処法として、主に以下が挙げられます。
- 関節に負担をかけないように生活する
- 湿布を貼る
- ストレッチなどの適度な運動をする
- サポーターを使う
- 寝具を自分に合ったものに変える
それぞれの対処法を詳しく説明します。
関節に負担をかけないように生活する
関節痛は、関節にかかる負担が大きくなることで痛みが生じる場合があるため、なるべく関節に負担をかけないような生活をすることが重要です。
具体的には、「階段をなるべく避ける」「長時間の歩行や正座を避ける」「肥満気味の方は体重を落とす」などが挙げられます。
湿布を貼る
痛みを抑えるためには湿布を貼ることが多いですが、関節痛によって生じる痛みにも効果的な場合があります。湿布には冷湿布と温湿布があるため、痛みの症状に応じて使い分けましょう。
ただし、副作用が生じるリスクもあるため、違和感を覚えたら使用を中止し医療機関を受診してください。
ストレッチなどの適度な運動をする
ストレッチなどの適度な運動は、関節の動きを良くし、関節の痛みを和らげることに効果的です。痛みを感じる箇所によって適切な運動方法は異なるため、それぞれに応じたストレッチなどを行いましょう。
ただし、適切に行わなければ痛みが悪化する可能性もあります。痛みが酷くならない範囲での運動を心がけましょう。
どの程度の運動を取り入れたら良いのかわからない場合には、一度病院を受診してアドバイスをもらうと良いでしょう。
サポーターを使う
膝や腰の関節痛に悩んでいる場合は、サポーターの使用もおすすめです。痛みを感じる箇所を固定すると関節への負担軽減が期待できるほか、患部の冷え防止にも繋がります。
ただし、正しく着用できていないと、血行不良などを招く場合があるため注意しましょう。購入したサポーターの説明書をしっかりと読み、正しい方法で装着することが大切です。
寝具を自分に合ったものに変える
寝姿勢を改善すると痛みが生じにくくなる場合があります。そのため、寝姿勢に関わる枕やマットレスなどを自分に合ったものに変え、正しい寝姿勢で眠ることが重要です。
自分に合った寝具は関節の痛みを和らげるだけでなく、睡眠の質の向上にも繋がります。
自分に合ったマットレスの選び方を以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてください。
関節痛が生じた場合に避けたほうが良いこと
関節痛が生じた場合に避けたほうが良いこととして、以下が挙げられます。
- 全く動かない
- 自己判断で薬を服用する
- マッサージや保温を自己判断で行う
それぞれ以下で詳しく説明します。
全く動かない
関節痛が生じ始めた時には、まず安静にすることが大切です。しかし、痛みの悪化を予防するために動かずに運動不足になると、筋力の低下や体重増加を招く可能性があります。その結果、関節への負担が増加して痛みが悪化する場合もあるため、痛みがある程度治ったら可能な範囲で動くほうが良いでしょう。
適度な運動を行うことで筋力アップや体重減少が期待できるため、痛みの改善に繋がるかもしれません。日頃から痛みがない部位のストレッチなどは行っても良いでしょう。
自己判断で薬を服用する
慢性的な関節痛などで通院しているにもかかわらず、薬が効かないからといって、自己判断で服用量を増やしたり勝手に服用を止めたりしてはいけません。
医師の判断に従うべきであり、薬の服用に関して疑問がある場合は、まず医師に確認しましょう。
マッサージや保温を自己判断で行う
全く動かないと筋力低下や体重増加を招くと先述しましたが、痛みがある部分を自己判断で動かし、マッサージを取り入れることも避けましょう。
痛みがない部位の運動やストレッチは筋力低下予防に繋がりますが、痛みがある部分を動かし続けると、痛みや状態の悪化に繋がる可能性があります。
また、「冷やすより温めたほうが気持ち良い」などの理由から、自己判断で痛みがある部位を温めることも避けましょう。
痛みの原因がわかったうえで温めるのは問題ありませんが、ケガなどの急性の炎症時には温めると状態が悪化する場合もあります。冷やすか温めるか自分で判断がつかない場合は、受診して医師の診察を受けることが大切です。
関節痛の痛みで眠れない場合は病院の受診も検討する
リウマチや更年期障害などの病気が原因の場合は、医師の診断を受け、正しい治療を行うことが望ましいです。そのため、関節痛で眠れない場合は早めに医療機関の受診を検討しましょう。
適切な処置を受けることで、痛みが和らいで眠れるだけでなく、日常生活も過ごしやすくなる場合があります。
まとめ
関節痛の原因として考えられるのは、風邪やインフルエンザ、関節リウマチをはじめとする病気、更年期障害、関節周囲のケガなどです。これらによって引き起こされる痛みにより、睡眠が阻害される場合があります。
関節の痛みを和らげて眠りやすくするためには、湿布を貼ったりサポーターを使用したりすると良いでしょう。普段から関節に負担をかけないように生活することや、寝具を自分に合ったものに変えることも効果的です。
ただし、痛みの原因がわからない場合は、自己判断で対処するのではなく、早めに医療機関を受診して、適切な処置を受けることを心がけましょう。