睡眠中のいびきによって熟睡できずに悩んでいる方もいると思います。いびきをかく原因やいびきで眠りが浅くなる原因を知っていれば、適切に対処できるでしょう。
さらに、いびきを軽減し熟睡する方法も把握しておくことで、より良い睡眠に繋がるかもしれません。
この記事では、いびきの原因やいびきで眠りが浅くなる原因、いびきを放置することによる悪影響などに関して説明します。
いびきをかく原因
いびきをかく原因は人それぞれですが、主に以下が原因として考えられます。
- 肥満
- ストレス
- 睡眠時無呼吸症候群
- 女性ホルモンの減少
それぞれの原因に関して詳しく説明します。
肥満
肥満によって喉の周りに脂肪が付くことで、気道が狭くなりいびきをかく場合があります。また、舌に脂肪が溜り肥大化することで、喉を塞ぎやすくなり、いびきの原因となる場合もあります。
肥満体型は、いびきだけでなく睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる可能性もあるため、注意が必要です。
ストレス
ストレスを抱えていると自律神経が乱れやすくなりますが、その影響で呼吸が浅くなり脳に十分な酸素が届きにくくなります。
口呼吸は鼻呼吸に比べ多くの酸素が取り込めるため、体が酸素を必要としている時は自然と口呼吸になりやすいです。口呼吸になると、舌が喉に落ち込みやすく気道が狭くなるため、いびきをかきやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群
いびきは気道が狭まることによって生じますが、その狭まった部位が閉塞し、呼吸が繰り返し止まってしまうのが睡眠時無呼吸症候群です。
いびきと併発することも多く、睡眠時無呼吸症候群がいびきの原因になっている場合も考えられます。
女性ホルモンの減少
女性ホルモンには、「上気道開大筋」と呼ばれる上気道の筋肉を強く拡げる作用があります。女性ホルモンの減少によって筋肉の収縮作用が弱くなると、上気道が狭くなっていびきをかきやすくなります。
特に、40代や50代といった更年期以降の中高年の女性がいびきをかく場合は、女性ホルモンの減少が背景として考えられます。
いびきで眠りが浅くなる原因
いびきで眠りが浅くなる原因には、以下が挙げられます。
- いびきにより就寝中に起きるため
- 就寝中に血液中の酸素濃度が低下するため
それぞれの原因に関して詳しく説明します。
いびきにより就寝中に起きるため
自分のいびきが原因で就寝中に何度も目が覚めてしまうため、眠りが浅くなります。睡眠の途中で目が覚めることによって、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルも阻害されるので、深い睡眠ができずに睡眠の質も悪くなります。
その結果、日中の眠気や疲労感に繋がるケースもあります。
就寝中に血液中の酸素濃度が低下するため
いびきは気道が塞がれることによって起きるので、必然的に酸素が肺に取り込まれにくくなります。その結果、血液中の酸素濃度が低下することで、眠りが浅くなったり目覚めたりする場合があります。
そのため、脳や体が上手く休めず、睡眠時間を確保しても熟睡感をあまり得られないことがあります。
いびきを放置することによる悪影響
いびきを放置することによる悪影響には、主に以下が挙げられます。
- 睡眠の質が低下し熟睡できなくなる
- 睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる
それぞれの悪影響に関して詳しく説明します。
睡眠の質が低下し熟睡できなくなる
いびきをかくことで眠りが浅くなったり、夜中に何度も目覚めてしまったりする場合があります。そうなると、睡眠の質の低下は避けられません。
睡眠の質が低下すると熟睡できなくなり、集中力・判断力の低下、気分の落ち込み、生活習慣病にかかりやすくなるなどのさまざまなリスクが考えられます。
睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる
いびきの原因となる疾患として睡眠時無呼吸症候群がありますが、いびきを放置して悪化することで、睡眠時無呼吸症候群に陥るリスクが高まる可能性もあります。
中等症や重症になると、心筋梗塞や脳梗塞、高血圧、不整脈などのほかの病気が併発することもあるため、注意が必要です。
いびきにより眠りが浅い場合の対処法
いびきにより眠りが浅い場合の対処法は、主に以下のようなことが挙げられます。
- 肥満を解消する
- 横向きで寝る
- 寝具を調整する
- 口テープを使う
- マウスピースを使う
- 喫煙・飲酒を控える
それぞれの対処法に関して、詳しく説明します。
肥満を解消する
肥満によって喉に付いた脂肪がいびきの原因なのであれば、肥満を解消することでいびきをかきにくくなる場合があります。
気道を塞いでいた脂肪を落とすことで、気道が広がり空気がとおりやすくなります。また、舌によって喉が塞がれるリスクも軽減できます。
横向きで寝る
舌の落ち込みはいびきの原因の一つですが、体の構造上、仰向けで寝ると舌が喉に沈み込みやすくなります。一方、横向きで寝れば舌が落ち込まないため、気道を塞ぎにくくなります。
そのため、仰向きで寝ていびきが気になる方は、横向きに寝ることでいびきをかきにくくなるでしょう。
寝具を調整する
頭と背骨は立っている間はS字型の構造になっているので、寝る時もその形を維持できることが望ましいです。枕の高さを調整して適切な寝姿勢を維持すれば、気道が塞がりにくくなり、いびきの軽減に繋がる場合があります。
口テープを使う
口テープを使うことで口呼吸を予防でき、舌が喉に落ち込みにくくなるため、いびきを予防できる場合があります。口呼吸を予防することは、喉や口の乾燥を防ぐことにも繋がります。
なお、就寝中に口テープを剥がれないように使うには、口周りの油分を拭き取っておいたり、2枚貼ったりすると良いでしょう。
マウスピースを使う
寝る時にマウスピースをはめるのも効果的な場合があります。マウスピースで顎を固定して舌の落ち込みを防ぐことで、気道が確保されます。
マウスピースを付けて寝ることは、口呼吸ではなく鼻呼吸で寝るためのサポートにもなります。
喫煙・飲酒を控える
就寝前にアルコールを摂取すると筋肉が緩むため、舌が沈み込みやすくなり気道が塞がれる場合があります。また、タバコは上気道の粘膜を刺激して炎症を起こすため、気道がむくんで塞がりやすくなります。
喫煙や飲酒を控えることで気道が塞がれる要因が減るので、いびきをかきにくくなることが期待できるでしょう。
いびきで眠りが浅い場合は医療機関の受診も検討する
肥満やストレスによるいびきなどは対策できる場合があります。ただし、睡眠時無呼吸症候群や女性ホルモンなどによるいびきの場合、原因の自己判断が難しいことがあります。
睡眠時無呼吸症候群や女性ホルモンが原因と考えられる場合や、対処法を試しても効果が見られない場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
まとめ
いびきの原因には、肥満やストレス、女性ホルモンの減少などが考えられます。いびきをかきやすい状態を放置しておくと、睡眠の質が低下する、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まるといった悪影響があります。
肥満を解消する、寝具を調整する、喫煙・飲酒を控えるなどの対処法を実践して、いびきを解消することが重要です。
対処法を行っても効果がない場合や、睡眠時無呼吸症候群、女性ホルモンの減少によるものだと考えられる場合などは、自己対処が難しいため医療機関の受診を検討してください。