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2024.10.29 更新

【医師監修】耳栓は睡眠に効果的?選び方や使用時の注意点を解説

【医師監修】耳栓は睡眠に効果的?選び方や使用時の注意点を解説

睡眠時の耳栓の使用は、睡眠にどの程度影響を及ぼすのか気になったことはありませんか?睡眠にとってプラスの影響があれば、耳栓をして寝てみたいと考える方もいるでしょう。

実際に耳栓を使うにあたっては、耳栓の選び方やメンテナンス方法などを把握しておくことが望ましいです。

この記事では、耳栓による睡眠への効果や睡眠に適した耳栓の選び方、睡眠時に耳栓を付ける場合の注意点などに関して、説明します。

  1. 耳栓による睡眠への効果
  2. 睡眠に適した耳栓の選び方
  3. 睡眠用に耳栓をつける場合の注意点
  4. 耳栓のメンテナンス方法
  5. まとめ

耳栓による睡眠への効果

耳栓による睡眠への効果

耳栓による睡眠への効果には、「睡眠に集中できる」「入眠までの時間が短縮できる」といったことが主に挙げられます。それぞれの効果に関して、以下で詳しく説明します。

睡眠に集中できる

「音」は、快適に眠るために重要な要素の一つです。大きな音や不快な音が聞こえる状態ではなかなか寝付けない場合があり、質の高い睡眠がとりにくいです。耳栓をして音をシャットアウトすることで、睡眠に集中しやすくなります。

内尾紀彦

内尾紀彦

耳鼻咽喉科専門医

音以外にも、眠る前は部屋を暗くしてブルーライトを見ないこと、夕ご飯は消化にいいものを食べて夜食をとらないことが、安眠の秘訣です。

入眠までの時間が短縮できる

布団やベッドに入ってから実際に眠りにつく時間も、質の高い睡眠にとっては重要です。

足利工業大学が行った実験によると、耳栓を付けて環境音を軽減することで、入眠にかかる時間が短縮されることが確認されています。なかなか寝付けずに困っている方は、耳栓の使用がおすすめです。

参考文献:「ICU騒音の午睡に与える影響と耳栓使用による軽減効果-心拍RR感覚変動に関する複数の自律神経指標を用いた検討-

睡眠に適した耳栓の選び方

睡眠に適した耳栓を選ぶにあたっては、以下のような点を意識して選ぶと良いでしょう。

  • 遮音性
  • 付け心地
  • 素材

それぞれに関して、詳しく説明します。

遮音性で選ぶ

耳栓は音をカットするためのものなので、遮音性は耳栓選びで重要視すべき要素の一つです。

遮音性の高低を示すのは「NRR(ノイズ・リダクション・レーティング)」と呼ばれる数値で、数値が大きいほど遮音性が高くなります。静かな環境で眠りにつきたいのであれば、なるべくNRRの数値が大きいものを選びましょう。

付け心地で選ぶ

付け心地が良いか、付けた時に違和感がないかも、重要なポイントの一つです。何か違和感がある状態だと、なかなか睡眠に集中できずに、逆効果になってしまう可能性もあります。

また、耳にしっかりフィットしていなければ、隙間から音が入ってしまうことも考えられます。

素材で選ぶ

耳栓の素材は商品によって異なりますが、主に用いられているのはウレタン・ポリウレタン、エラストマー、シリコン、弾性発泡ポリマーなどです。

素材ごとの特徴を、以下に表でまとめました。

素材特徴
ウレタン・ポリウレタン・耳の穴の中で膨らんで隙間なく埋めてくれるので遮音性が高い
・汚れやすいため、使い捨てのものを選ぶ
エラストマー・劣化しにくい素材で汚れても洗って繰り返し使用できる
・遮音性では少し劣る場合もある
シリコン・耐久性があり、長く使い続けても弾力が落ちない
・耳の穴を圧迫する力が強いので、長時間の使用には向いていない
弾性発泡ポリマー・安価で遮音性が高い
・慣れていないと耳穴に入れる前に膨らんでしまうことがある

素材ごとの特徴を把握して、自分にとって使いやすいと感じるものを選びましょう。

睡眠用に耳栓をつける場合の注意点

睡眠用に耳栓をつける場合の注意点は、主に以下のようなことが挙げられます。

  • 耳に疾患などがある場合は医師へ相談する
  • 清潔に保ち定期的に買い換える
  • 自分で加工しない
  • 横向きで眠らない
  • 目覚ましが聞こえない場合がある

それぞれの注意点に関して、詳しく説明します。

耳に疾患などがある場合は医師へ相談する

耳に疾患がある場合、耳栓を付けることで症状が悪化する可能性も考えられます。また、耳栓を付けても大丈夫かどうかを自己判断することは難しく、リスクも伴います。

そのため、耳栓を取り入れる際は医師に相談してからにしましょう。

内尾紀彦

内尾紀彦

耳鼻咽喉科専門医

耳にかゆみがある場合、耳漏(耳から出てくる分泌物)が出ている場合は、外耳炎や慢性中耳炎を起こしている可能性があり、耳栓をすることで症状が悪化してしまう可能性もあるため、医師への相談が必要です。

清潔に保ち定期的に買い換える

耳栓は耳に入れて使うため、長く使っていると少しずつ汚れが溜まっていってしまいます。汚れたまま使い続けていると病気の原因になってしまう場合もあるので、耳栓は清潔に保ち定期的に買い替えましょう。

内尾紀彦

内尾紀彦

耳鼻咽喉科専門医

清潔でない耳栓を使い続けてしまうと、耳の中に感染を起こして、外耳炎を起こし、耳痛、耳のかゆみ、耳漏などの症状が出現するリスクがあります。

自分で加工しない

耳栓はフィット感が重要ですが、耳にフィットしないからといって自分で加工してはいけません。自分で加工すると、耳栓による本来の効果を得られなくなる可能性がありますし、加工した耳栓が耳の内部を傷つけてしまうリスクもあります。

横向きで眠らない

耳栓を付けて寝る場合、横向きで寝ると耳栓が耳に入り込んで痛みを感じる場合があります。なるべく横向きではなく、仰向けで寝ることがおすすめです。

どうしても横向きでないと眠れない場合は、短く作られているような、横向き寝にも対応している耳栓を使用してください。

目覚ましが聞こえない場合がある

耳栓は外部の音をシャットアウトするためのものなので、耳栓を付けて寝ると目覚ましの音も聞こえにくくなります。耳に近いところに目覚ましを近付ける、音量を上げるなどの対策が必要な場合があります。

耳栓のメンテナンス方法

耳栓は素材によって、濡れても大丈夫なものと、濡れないほうが良いもの(ウレタンやポリウレタンなど)があります。濡れても大丈夫な耳栓は、水洗いして清潔な状態を保ちましょう。

あまり濡れないほうが良いものは、アルコールを吹き付けたティッシュやウェットティッシュなどで表面を優しく拭いて、汚れを落とします。

また、耳栓を使い続けていると型崩れしてしまう場合もあります。型崩れしてしまった耳栓を使い続けることは耳に良くないので、新しいものに買い替えましょう。

まとめ

耳栓を付けることで、睡眠に集中しやすくなったり入眠までの時間の短縮などの効果を期待できます。睡眠時に使用する耳栓を選ぶ際は、遮音性や付け心地などをもとに比較することがおすすめです。

なお、耳栓を付けて眠る場合は、清潔に保つ、むやみに加工しないなど、注意しなければいけないことがあります。特に、耳に疾患がある方が耳栓の使用を検討する場合は、事前に医師に相談することが賢明です。

この記事の監修者
内尾紀彦
内尾紀彦耳鼻咽喉科専門医
そらいろ耳鼻咽喉科センター北駅前院 院長。東京慈恵会医科大学を卒業後、東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科学教室に入局し研鑽を積む。現在はそらいろ耳鼻咽喉科センター北駅前院の院長として、地域医療に貢献している。専門は音声障害。趣味はカラオケで、カラオケ大会入賞歴あり。声に悩んでいる全ての人のために、声のアンチエイジングやボイストレーニングを中心とした、情報発信を行っている。NHK「チョイス@病気になったとき」、フジテレビ「めざましテレビ」、日刊ゲンダイ、女性自身等、メディア出演歴あり。
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