羽毛布団に使用されているダウンやフェザー、側生地の綿やポリエステルは洗える素材なので、基本的にご家庭で洗濯ができます。
ただし、羽毛布団の中にはご家庭での洗濯が推奨されていない製品もあります。また、羽毛はデリケートな素材なため、取り扱いには注意が必要です。
この記事では、羽毛布団をご家庭で洗濯する前に確認すべきことや、「洗濯機」「手洗い」「コインランドリー」など方法別の洗い方を紹介します。羽毛布団を洗濯する頻度の目安や注意点も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
羽毛布団を洗濯する前に確認すべきこと
羽毛布団を自分で洗濯する場合には、事前の確認が大切です。洗う前に、以下の点を確認しましょう。
- 羽毛布団の洗濯表示を確認する
- 洗濯機を確認する
- 洗濯に必要なものを準備する
各項目の詳しい内容を紹介します。
羽毛布団の洗濯表示を確認する
はじめに羽毛布団の洗濯表示を確認して、「羽毛布団が家庭で洗濯可能か」をチェックしましょう。
洗濯表示は羽毛布団のタグなどに記載されている記号です。一般的に下記に示すような「家庭洗濯」「漂白」「乾燥」「アイロン仕上げ」「商業クリーニング」の5つの洗濯表示が記載されています。
- 洗濯処理記号(基本記号)
- 漂白処理記号(基本記号)
- 乾燥処理記号(基本記号)
- アイロン仕上げ処理記号(基本記号)
- 商業クリーニング処理記号(基本記号)
出典:消費者庁「洗濯表示」
お持ちの羽毛布団に、洗濯おけに水を張ったマーク(家庭洗濯)があれば、その羽毛布団はご家庭で洗うことが可能です。マークに表示された数字は洗濯する時のお湯や水の温度の上限を示しています。
もし、家庭洗濯のマークに「×」が表示されていたら、その羽毛布団はご家庭では洗濯できません。取扱説明書に記載されている方法にしたがって、手入れを行いましょう。
洗濯機を確認する
自宅の洗濯機で洗う場合は、「その洗濯機が羽毛布団を洗えるか」も大切な確認ポイントです。
取扱説明書の「毛布」コースや「大物洗い」コースの部分をチェックし、洗濯可能な素材やサイズか確認しておきましょう。付属の取扱説明書が見つからない場合は、メーカーの公式サイトで取扱説明書が公開されていないか探してください。
洗濯に必要なものを準備する
洗濯をする前に、必要なものの準備も行いましょう。例えば洗濯機で洗う場合は、「洗濯キャップ」や「洗濯ネット」が必要な場合があります。
羽毛布団の洗剤は、中性の液性洗剤がおすすめです。一般の弱アルカリ性洗剤を使うと羽毛が固まって潰れてしまう恐れがあるため、使用は避けましょう。また、粉末洗剤は溶け残りの心配があるので、溶けやすい液性洗剤を使用してください。
羽毛布団の洗濯方法
羽毛布団をご家庭で洗濯する場合には、主に3つの洗濯方法が挙げられます。
- 洗濯機
- 手洗い
- コインランドリー
各洗濯方法の手順やポイントを解説します。
洗濯機での洗い方
羽毛布団を洗濯機で洗う時の主な手順は以下のとおりです。
- 羽毛布団のほこりを軽く落とす
- 汚れが目立つ部分に薄めた洗剤をなじませる
- 羽毛布団を洗濯機に入るサイズにし、洗濯用ネットに入れる
- 「毛布」コースや「大物洗い」コースなどで洗濯する
- 洗濯後、風通しの良い場所で自然乾燥させる
羽毛布団は軽くほこりを落としたり、目立つ汚れのある部分に洗剤をなじませたりするなど前処理をしておくと、より仕上がりをきれいにできます。
羽毛布団を洗濯機に入れる時には、2つ折、4つ折などにして洗濯機に入るサイズにし、洗濯用ネットに入れましょう。洗濯キャップが推奨されている場合は、洗濯キャップを洗濯機にとりつけ、ネットに入れずに洗濯機へ入れてください。
洗濯後は、風通しの良い場所に物干し竿を設置し、自然乾燥させてください。羽毛布団を軽くたたき、中の羽毛の偏りをならしておくと、よりふっくらとした仕上がりになります。
手洗いでの洗い方
羽毛布団を手洗いする時の主な手順は以下のとおりです。
- 羽毛布団のほこりを軽く落とす
- 汚れが目立つ部分に薄めた洗剤をなじませる
- 浴槽に水をはり、中性洗剤を溶かす
- 羽毛布団を浴槽に広げ、手や足で優しく洗う
- 浴槽の水を入れ替えて、丁寧にすすぐ
- 丸めるようにして軽く脱水し、バスタブの縁などにかけてしばらく放置する
- 風通しの良い場所で自然乾燥させる
羽毛布団はサイズが大きいため、手洗いする時は浴槽を使用すると便利です。洗濯機での洗い方と同様に前処理を行ったあと、浴槽に水をはって中性洗剤を溶かしておきましょう。
洗濯の水に残り湯を使用する時には、お湯の温度に注意してください。一般的に、羽毛布団の洗濯水の適温は30℃以下です。洗濯表示に記載されている温度以上のお湯は使用しないようにしましょう。
羽毛布団を手洗いする場合、洗濯ネットは使用しません。浴槽に羽毛布団を広げ、手や足を使って優しくもみ洗いしてください。洗濯後は、浴槽の水を3~5回程度入れ替えて、洗剤の泡が出なくなるまで十分にすすぎましょう。
手洗いした羽毛布団は水をかなり含んでいるので、バスタブの縁を使用して30~1時間程度水を切って脱水する方法がおすすめです。脱水後は、風通しの良い場所で自然乾燥させてください。
コインランドリーでの洗い方
羽毛布団をコインランドリーで洗う時の主な手順 は以下のとおりです。
- 羽毛布団を洗濯可能なコインランドリーを探す
- 羽毛布団を洗濯ネットに入れる
- コインランドリーに入れ、洗濯をする
- 乾燥が可能な場合は乾燥機にかける
- 乾燥ができない場合は家に持ち帰って自然乾燥する
はじめに、羽毛布団が洗濯可能な大型の洗濯機がある店舗をチェックします。近年ではネットで料金やスタッフ滞在の有無、機械の空き状況を確認できる場合もあるので、事前に確認してみましょう。
羽毛布団は、洗濯ネットに入れると、洗濯しても形が崩れにくくておすすめです。準備ができたら羽毛布団を洗濯機に入れ、料金を支払って洗濯しましょう。
なお、洗濯表示の「タンブル乾燥(四角のかたちをしたマーク)」に×がなければ、乾燥機も使用可能です。マークに点が一つ(「・」)の場合は低温乾燥機(60℃まで)、マークに点が二つ(「・・」)の場合は高温乾燥機(80℃まで)を使用できます。
羽毛布団を洗濯する頻度の目安
羽毛布団を洗濯する頻度は製品により違いはありますが、5年程度が目安です。
羽毛は化繊と比べると繊細な素材です。頻繁に洗濯すると羽毛のかさが減ってしまったり、保温性が減少してしまったりと、かえって羽毛布団の機能性を損なう可能性があります。
そのため、5年を目安に、汚れが目立つ場合は2~3年程度に1回洗濯するなど柔軟に対応すると良いでしょう。
なお、羽毛布団は日頃のお手入れで比較的清潔に使用できます。羽毛布団を使用する際はカバーをかけ、こまめに洗濯しましょう。また、月に1~2回程度で天気の良い乾燥した日に、片面1時間程度の天日干しもおすすめです。
羽毛布団の寿命の年数や買い替えるサインについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
羽毛布団を洗濯する時の注意点
羽毛布団を洗濯する時は、以下の点に注意しましょう。
- ノンキルト加工の羽毛布団は洗濯しない
- 自宅で洗濯する時は天気予報を確認する
- 穴や破れた部分がないか確認する
各注意点の内容を解説します。
ノンキルト加工の羽毛布団は洗濯しない
キルト加工(キルティング加工)とは、羽毛布団の表裏を格子状に刺し縫いした加工のことです。ノンキルト加工はキルト加工の羽毛布団と異なり、羽毛の固定に接着剤が使用されています。
ノンキルト加工の羽毛布団を洗濯してしまうと、中の羽毛に偏りが生じる原因となるほか、羽毛を固定している接着剤が剝がれてしまいます。そのため、ノンキルト加工の羽毛布団の洗濯は避けるようにしましょう。
内部までキルト加工がされているかどうかは、羽毛布団の真ん中部分の側生地をつまんで持ち上げることによって確認できます。側生地が持ち上がらない場合、キルト加工された羽毛布団なので洗濯が可能です。一方、側生地のみが持ち上がる場合はノンキルト加工の羽毛布団なので、洗濯はできません。
自宅で洗濯する時は天気予報を確認する
羽毛布団は、洗濯後に十分に乾燥させることが大切です。水で濡れたあとに完全に乾燥できないと、羽毛が固まってしまい機能性を損ねてしまいます。また、水分が残るとカビや悪臭の原因ともなり、注意が必要です。
乾燥機にかけることができれば問題ありませんが、自宅で自然乾燥させる場合には、洗濯予定日の天気予報を確認しておきましょう。
羽毛布団の乾燥に適した日は「湿度の低い快晴の日」です。降水確率だけでなく、湿度がどのくらいになるかもチェックしてください。
穴や破れた部分がないか確認する
羽毛布団に穴や破れた部分があると、洗濯する時にそこから羽毛が出てしまう可能性があります。羽毛が飛び出してしまうと羽毛布団自体の機能性が低減するほか、飛び出した羽毛で目詰まりし、洗濯機が故障する原因ともなります。
事前に羽毛布団全体を確認し、穴や破れた部分がないか調べておきましょう。同時に、縫い目のほつれ、引きつれがないかもチェックしてください。
羽毛布団をご家庭で洗濯する場合は慎重に
羽毛布団は自宅やコインランドリーで洗うことができます。汚れや臭いが気になった時は、湿度の低い快晴の日を狙って羽毛布団を洗濯してみましょう。
羽毛布団の洗濯の頻度は基本的に5年に1回程度、汚れが気になる場合でも2~3年に1回程度に留めることが長持ちの秘訣です。
一部、ご家庭での洗濯が推奨されない羽毛布団もあるので、洗濯表示は必ず事前にチェックしておく必要があります。洗濯時は、洗濯機やコインランドリーの取扱説明書などを確認し、正しい方法で洗濯しましょう。