寝ながらできるストレッチは、誰でも気軽に行えてフォームが安定しやすい点がメリットです。腰痛がある方や高齢者でも、寝ながら行えるストレッチなら無理なく行うことができます。
この記事では、体幹や太もも、腰などの部位別に、寝ながら行えるストレッチ方法を紹介します。期待できる効果や注意点も解説するので、取り入れたいと考えている人は参考にしてください。
ストレッチで期待できる効果
日常生活の中で長時間同じ姿勢が続いた時やストレスがかかる状況では、筋肉は緊張して柔軟性に偏りが生じます。硬くなった部分は動きが制限され、関節の可動域が狭くなってしまいます。
そのため、意図的に筋や関節を伸ばすストレッチを行い、柔軟性を高めることが重要です。動きの制限がなくなりスムーズに体を動かせるようになります。
- ストレートネックの改善
- 腰痛の予防
- 冷えやむくみの解消
- 精神的なリラックス効果
首や肩まわりのストレッチは、スマホやパソコンを長時間使用することが原因で引き起こされるストレートネックの解消に繋がります。また、腹筋や背筋などの筋肉の強化とともに腰回りのストレッチで筋肉の柔軟性を高めることで、腰痛予防にもなるでしょう。
さらに、体の各部位のストレッチでは血流改善による冷えやむくみ解消のほか、ストレスの解消やリラックス効果も期待できます。
寝ながら行うストレッチのメリット
ストレッチにはさまざまな効果がありますが、その方法によって得られる効果やメリットは異なります。寝ながら行うストレッチには、主に以下のようなメリットがあります。
- 腰痛持ちの方や高齢の方でも行いやすい
- 起床や就寝の切り替えとして役立つ
- 寝ながら行うとフォームが安定しやすい
腰痛持ちの方や高齢の方でも行いやすい
すでに腰痛がある場合、起きてストレッチを行うこと自体が大きな負担になってしまったり、面倒に感じたりすることもあります。
しかし、寝ながらのストレッチは起き上がる必要がないため、腰痛がある人や足腰への負担が気になる高齢の方でも行いやすい点がメリットです。
なお、腰痛を軽減させたい方向けのストレッチに関してはこちらの記事で具体的に解説しています。ぜひご覧ください。
起床や就寝の切り替えとして役立つ
不規則な生活や心身のストレスが重なると、起床や就寝の切り替えが上手くいかず、結果として体にさまざまな悪影響を及ぼす恐れがあります。そうならないためにも、起床時や就寝時のストレッチを習慣にし、1日の生活にメリハリをつけることが大切です。
起床時にストレッチを行うと眠っていた体と頭をすっきりと起こすことができ、活動するためのウォーミングアップになります。また、就寝前のストレッチでは、副交感神経を優位に働かせることでリラックス効果が高まり、質の高い睡眠を誘発します。
寝ながらのストレッチは布団の中でも気軽に行うことができ、起床時や就寝前の切り替えとして役に立ちます。
寝ながら行うとフォームが安定しやすい
寝ながら行うストレッチは、フォームが安定しやすいこともメリットです。立ったままのストレッチでは自分で体勢を維持しなければならず、慣れていないと難しい場合もあります。また、人によってフォームに差が出ることもあります。
その反面、寝ながら行うストレッチでは地面に体を預けられるため、フォームが比較的安定しやすくなります。バランスをとる必要もないため、ストレッチ初心者にもおすすめです。
寝ながら行うストレッチの方法
寝ながら行うストレッチは具体的にどのように行うのか、あまり馴染みのない方も多いのではないでしょうか。ここでは、寝ながら行えるストレッチ方法を部位ごとに紹介します。
- 肩のストレッチ
- 腰まわりのストレッチ
- 上半身や肩甲骨のストレッチ
- 太もも前面のストレッチ
- 太もも裏面のストレッチ
- 腰まわりのストレッチ
肩のストレッチ
※画像はイメージです
肩や腰まわりに効果があるストレッチです。
- 仰向けに寝た状態で、両膝を立てる
- 両腕を天井に向けて伸ばす
- 両腕をゆっくり頭の上の方におろし、床につかないギリギリのところでキープする
- 3の状態でゆっくりと呼吸を3回行う
- 手を再び天井に向けて伸ばし、同じ動作を3回繰り返す
呼吸はゆっくり行うことを意識しましょう。
上半身や肩甲骨のストレッチ
上半身や肩甲骨まわりに効くストレッチです。
- 仰向けの状態で両手を頭の上へ伸ばす この際手のひらを上にして床に手の甲をつける
- そのままの姿勢で、手の甲を床から離さないように腕を太ももの横にスライドする
- 太ももの横にある腕をそのまま再びスライドさせながら頭の上へ戻す
1セット5回を目安に行います。手はしっかりと伸ばした状態で行いましょう。痛みがある場合は無理をせず、手の甲が床から離れても良いです。
太もも前面のストレッチ
太ももの前面やお尻に効くストレッチです。
- 横向きの状態で寝て、上側の足首を手で掴みながら後ろに軽く曲げる
- そのまま、かかとをお尻に近づけるように軽く引っ張る
- 反対を向いて寝て、もう片側の脚も同じように行う
それぞれ5~10秒を目安に行います。無理をせず、伸びを感じながら行いましょう。
太もも裏面のストレッチ
※画像はイメージです
坐骨神経痛や腰痛がある方におすすめのストレッチです。
- 仰向けの状態で片方の膝を立てる
- 立てた脚の太ももの裏側を両手で抱え、足が床と垂直になるように伸ばす
- その状態で膝の曲げ伸ばしを繰り返す
- 反対側も同様に行う
それぞれ10回3セットを目安に行います。手で太ももを抑えにくい場合は、タオルを太ももの裏側に引っ掛けて行いましょう。屈伸をする際は、伸ばしている方の脚の膝が浮かないように注意してください。
腰まわりのストレッチ
※画像はイメージです
腰まわりやお尻に効くストレッチです。
- 仰向けの状態で両膝が約90度になるようにそろえて立てる
- 両手は真横に広げる
- 両膝をそろえてつけたまま、片側に膝を倒す
- そのまま5~10秒キープする
1セット左右10回を目安に行います。膝を倒す際は手を楽な位置に置き、肩が床から浮かないように、また両膝が離れないように意識しましょう。
より負荷をかけたい場合は、片方の脚を伸ばした状態で、もう片方の脚が伸ばした脚の上に乗るように腰をひねると負荷が高まります。
寝ながら行うストレッチの注意点
- 呼吸を止めない
- 無理せずリラックスして行う
- 硬い床では行わない
- 床周りを片付けておく
呼吸を止めない
ストレッチを行う際は自然な呼吸を続けることが基本です。呼吸が止まると体は緊張状態になり、筋肉が硬くなります。その結果、筋を緩める効果が弱まり、ストレッチの効果を十分に得られなくなります。
また、呼吸を止めると血圧が上がるなど体にも負担となるため、寝ながら行う場合に限らずストレッチ全般において注意が必要です。ストレッチ中は鼻と口で細く長い呼吸を意識しましょう。
無理せずリラックスして行う
ストレッチは、気持ち良いと感じる範囲内で行うことが大切です。過度なストレッチをオーバーストレッチといい、やり過ぎると筋を痛める原因になります。痛みを伴う場合もあるため、無理なストレッチは行わないようにしましょう。
前述のとおり呼吸を意識して、勢いや反動をつけずに行える程度で無理せずリラックスした状態で行ってください。
硬い床では行わない
硬い床で寝ながらストレッチを行うと、背中に痛みを感じる場合があります。そのため、寝ながらストレッチを行う際は、ヨガマットやカーペット、タオル、布団の上などで行いましょう。
ただし、柔らかすぎる布団やベッドなどの上で行うと、体が沈み上手く伸ばしにくくなります。適度な硬さの敷物の上で行ってください。
床周りを片付けておく
寝ながらストレッチを行っている際に、床のものや机の足などにぶつけてしまうことも考えられます。あらかじめ床周辺を片付けておき、十分なスペースを確保したうえで取り組みましょう。
ベッド上で行う場合は、ベッドフレームなどにぶつからないように注意してください。
寝ながらできるストレッチで体を整えよう
ストレッチで体の柔軟性を高めると、ストレートネックの改善や腰痛の予防、冷えやむくみの解消、リラックス効果などさまざまな効果が期待できます。
中でも、寝ながらのストレッチはフォームが安定しやすく体に負担がかかりにくいというメリットがあり、腰痛がある方や足腰への負担が気になる高齢の方でも行いやすいストレッチ方法です。
ストレッチは必ずしも椅子やタオルなどの道具が必要なわけではありません。気軽に行える方法として、起床時や就寝前に寝ながらストレッチを習慣化して柔軟性のある体を目指しましょう。