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2023.02.03 更新

【医師監修】寝てる時に足がつるのはなぜ?夜中に感じるつらい痛みの原因と予防法を解説

【医師監修】寝てる時に足がつるのはなぜ?夜中に感じるつらい痛みの原因と予防法を解説

就寝中、不意に足がつり、痛い思いをすることはありませんか?

夜中に突然起こるため、「原因は何?」「対処法はある?」と疑問を抱く方も多いかもしれません。

頻繁に足がつると、睡眠にも影響が出ます。足がつって夜中に目覚めることが多くなれば、熟睡できず翌日に疲労感が残る原因にもなるでしょう。

この記事では、夜中に足がつる原因や対処法、予防法について詳しく紹介します。夜中に足がつる頻度が多く悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

  1. 寝てる時に足がつる5つの原因をチェック!
  2. 寝てる時に足がつる原因①筋肉の疲労
  3. 寝てる時に足がつる原因②水分不足
  4. 寝てる時に足がつる原因③体の冷え
  5. 寝てる時に足がつる原因④就寝中の姿勢
  6. 寝てる時に足がつる原因⑤服薬の副作用
  7. そもそも足がつるってどんな状態?ふくらはぎ以外につりやすい部位も紹介
  8. 寝てる時に突然足がつった時の対処法
  9. 日頃から心掛けよう!寝てる時に足がつるのを予防する5つの方法
  10. 食事の栄養バランスを整える
  11. 水分補給を心がける
  12. 適度に運動する
  13. 体を温める
  14. 体を動かしやすいマットレスを使う
  15. まとめ

寝てる時に足がつる5つの原因をチェック!

就寝中に足がつる原因として、身体面をはじめとしたさまざまな要因が考えられます。

以下、主に挙げられる5つの原因です。

  • 筋肉の疲労
  • 水分不足
  • 就寝中の姿勢
  • 体の冷え
  • 服薬の副作用

ここからは、それぞれを詳しく解説します。

寝てる時に足がつる原因①筋肉の疲労

筋肉に対して急激な負荷がかかると、疲労が蓄積され、足がつる原因になります。

とくに、日頃から運動不足の方は注意が必要です。血行不良は冷えに繋がるため、足がつるリスクが上昇します。

また、筋肉量は加齢とともに減少していくものです。

筋肉量の減少に伴い疲労が溜まりやすくなることで、「たくさん歩いた」「久しぶりにスポーツをした」などのちょっとした運動による負担でも、大きな疲労が蓄積されます。

筋肉に過度な疲労を蓄積させないためにも、日頃からほど良く運動を取り入れることがおすすめです。

寝てる時に足がつる原因②水分不足

汗をかいて水分不足になると、脱水状態に陥って足がつることがあります。

水分が足りていないと起こる「電解質異常」は、体内のミネラルバランスが崩れた状態です。電解質異常によって筋肉が過剰な興奮状態を引き起こすことで、痙攣が起きて足がつると推測されています。

就寝中にはコップ1杯分の汗をかくといわれていることから、体内の水分が不足しやすくなります。

筋肉を動かす役割を担う「ミネラル」は、汗と一緒に排出されてしまうため、意識して水分を補給しましょう。

寝てる時に足がつる原因③体の冷え

足がつる原因である「電解質異常」は、水分不足だけでなく、体が冷えることによっても引き起こされます。

体が冷えると血行不良に繋がり、さらにミネラルバランスの崩れを招くためです。

体の冷えは、部屋の空調を調節する、重ね着をする、カイロで温めるなどの対策をすれば、ある程度防ぐことができます。

寝てる時に足がつる原因④就寝中の姿勢

無理な姿勢で寝続けることも、足がつる原因の一つです。

就寝中は自然と動きが少なくなるため、体中の血行が悪くなります。ふくらはぎの筋肉が縮みやすい姿勢になっていることも多いでしょう。

無理な姿勢で就寝し、そこに寝返りによる刺激が加わることがきっかけで足がつります。

寝てる時に足がつる原因⑤服薬の副作用

薬のなかには、足がつりやすくなる副作用を持つものがあります。

ただし、足がつる原因が治療中の薬であると感じても、個人の判断で服用を中断するのは危険です。決して自己判断で服用をやめず、まずは主治医に相談してください。

久手堅司

久手堅司

せたがや内科・神経内科クリニック院長

具体的な薬の種類としては、降圧剤(Ca拮抗薬、利尿剤、β遮断薬、ACE阻害薬)、高脂血症治療薬(スタチン、クロフィブレート)、ホルモン剤(テストステロン、エストロゲン、プロゲステロン)などで起こりやすいです。

そもそも足がつるってどんな状態?ふくらはぎ以外につりやすい部位も紹介

足がつる時、筋肉の収縮バランスが崩れて、痙攣する現象が起きています。

前提として、筋肉は、伸びすぎを防ぐ「筋紡錘」と、縮みすぎを防ぐ「腱紡錘」という2つの感覚器官でバランスをとっています。

いわゆる「足がつる」とは、ミネラル不足が腱紡錘の働きに影響を与え、筋肉が収縮しつづけている状態です。

就寝中は、足のなかでもふくらはぎに起こりやすい症状ですが、太ももや足の指、足の裏などでも症状が出る場合もあります。また、足以外の手や腕、肩、首といった部位もつる可能性がある部位です。

足がつりやすいケースとして、「激しい運動をする」、「ヒールがある靴を穿く」、「デスクワークが続く」などが挙げられます。

当てはまる方は、この後紹介する対処法や予防方法をチェックしてみてください。

久手堅司

久手堅司

せたがや内科・神経内科クリニック院長

寝ている時は、つま先を伸ばした状態になっていることが多いです。すると、腓腹筋(ふくらはぎ)が収縮した状態になるため、ふくらはぎが最もつりやすいといわれています。

寝てる時に突然足がつった時の対処法

就寝中に足がつった場合、しばらく耐えれば痛みがひくことが多いです。しかし、急に目覚めて痛みが続くと、つらいだけでなく睡眠不足に繋がる可能性もあります。

足がつった時にすぐできる対処法として、つった部位のストレッチをおこなうことがおすすめです。

以下、 ストレッチの方法を具体的に解説するので、ぜひ試してみてください。

アキレス腱を伸ばすストレッチ
  1. 座った状態でまっすぐ足を伸ばす
  2. つった足のつま先を両手で持つ
  3. 自分の体の方へつま先を引き寄せる

立ったままの状態でおこないたい場合は、つった足を後ろへ引いて、反対側の足に体重をかけるようにして、ふくらはぎを伸ばすと良いです。

ストレッチ時には、つった足を強く押すのではなく、優しくほぐすように優しくマッサージしましょう。

また、蒸しタオルを使って、つった部位を温めることも効果的です。いずれも足がつった時にすぐできるので、ぜひ試してください。

また、頻繁に足がつる場合は、筋肉の収縮を抑える漢方を取り入れる方法もあります。服薬中の方は、飲み合わせについて主治医の判断を仰ぎましょう。

久手堅司

久手堅司

せたがや内科・神経内科クリニック院長

医療機関での治療には、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という漢方を使用することが多いです。

筋肉の緊張を緩め、けいれんから起こる痛みに効果があり、即効性があるため頓用で使用します。予防として飲む場合もありますが、それは主治医に相談しましょう。

また、筋弛緩薬を使用する場合もあります。

日頃から心掛けよう!寝てる時に足がつるのを予防する5つの方法

普段の生活を見直すことによって、足がつってしまう状況を改善できる可能性があります。

  • 食事の栄養バランスを整える
  • 水分補給を心がける
  • 適度に運動する
  • 体を温める
  • 体を動かしやすいマットレスを使う

それぞれの方法について、詳しく解説します。手軽に試せる予防法ばかりのため、ぜひ今から取り組みましょう。

食事の栄養バランスを整える

ミネラルが失われると足がつる原因になりますが、ミネラルのバランスは日々のちょっとした変化で崩れてしまいます。

普段の食事から意識して摂取するように心掛け、体がミネラル不足になることを防ぎましょう。 ミネラルのなかでも、足がつる症状に関係する主な3つの栄養素について、具体的な食品名を紹介します。

カルシウム乳製品、小魚、魚介類、など
カリウムバナナ、トマト、アボカドなど
マグネシウムアーモンド、納豆、ほうれん草など

また、タウリンやビタミンB1といった栄養素は、筋肉疲労に効果的です。上記3つの栄養素をあわせて、積極的に取り入れましょう。

水分補給を心がける

就寝中に電解質異常が起こることを防ぐためにも、寝る前にコップ1杯の水を飲むようにしてください。

もちろん、夜だけでなく日中もこまめに水分補給をすることが大切です。1日を通してしっかり水分をとるよう心掛けることが予防に繋がります。

適度に運動する

日頃運動不足だと感じているのであれば、軽いストレッチやウォーキングといった運動を取り入れることがおすすめです。

ストレッチは、屈伸やふくらはぎを伸ばすなど、簡単なもので構いません。また、散歩も立派な運動です。

一度のみ過度な運動をするのではなく、運動を日常のものとして取り入れて続けることが重要なので、無理なく続けやすい運動にチャレンジしましょう。

体を温める

血行不良は足のつりをまねくため、お風呂では体を温めるために湯船に浸かるようにしてください。足は冷えやすい部位なので、足湯をすることを効果的です。

また、普段から素足でいることを避けて、足を冷やさない服装を心がけましょう。冷え性の方は、カイロや湯たんぽを活用することもおすすめです。

体を動かしやすいマットレスを使う

同じ姿勢で寝続けて、血流が滞ることを防ぐためにも、スムーズに寝返りを打てるマットレスを使用しましょう。

マットレスは、柔らかめより硬めのほうが寝返りを打ちやすいとされていますが、好みには個人差があります。自分が快適だと感じるマットレスを選ぶことが大事です。

また、重みがある掛け布団は、就寝中の動きを妨げます。ふくらはぎの筋肉が収縮した状態になるため、できる限り避けたほうが良いです。

まとめ

不意に襲ってくる「足がつる」状態は、痛みがつらいだけでなく、睡眠不足をまねくことで心身の不調にも繋がります。

足がつる症状で悩んでいるのであれば、普段の生活を見直し、予防に努めるようにしましょう。
水分を補給する、適度に運動する、体を温めるなど、手軽に取り組める予防法も多いです。また、快適に過ごせる睡眠環境を整えるために、マットレスをはじめとした寝具を見直すこともおすすめします。

「足がつってつらい」状態から抜け出せるよう、足がつる原因を知った上で、対処法や予防法を積極的に実践してください。

この記事の監修者
久手堅司
久手堅司せたがや内科・神経内科クリニック院長
医学博士。「自律神経失調症外来」、「気象病・天気病外来」、「寒暖差疲労外来」等の特殊外来を行っている。これらの特殊外来は、メディアから注目されている。著書に「気象病ハンドブック」誠文堂新光社。監修本に「毎日がラクになる!自律神経が整う本」宝島社等がある。
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