朝起きた時に「しっかり寝たはずなのに肩こりがある」という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
寝る時の姿勢によっては、肩こりの原因に繋がる場合があります。肩こりを改善するためには、睡眠時の寝方や、使用する寝具選びが大切です。
この記事では、肩こりが起きやすい寝方や改善方法などを紹介します。肩こりに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
寝方によっては肩こりを引き起こす可能性がある
肩こりは、運動不足や疲労だけではなく、睡眠時の寝方によって引き起こされる可能性もあります。
そもそも肩こりが生じるのは、筋肉疲労や血行不良などが主な原因です。そのため、筋肉に負荷がかかる、または血液が体に流れにくい姿勢で寝ると、筋肉疲労や血行不良を引き起こし、結果として肩がこることがあります。
疲れをとるために睡眠しているにもかかわらず、起きた時に肩がこっていると1日を快適に過ごせません。起きた時の肩こりがひどい場合は、寝る時の姿勢を見直してみると良いでしょう。
肩こりが起きやすい寝方とは?
起きた時に肩こりを感じる場合は、筋肉疲労や血行不良が起きやすい寝方をしている可能性があります。
とくに以下の姿勢で寝ると、肩こりに繋がる場合があるため注意してください。
- うつ伏せ
- 横向き
ここからは、それぞれの寝方によって肩こりが生じる原因を紹介します。
肩こりが起きやすい寝姿勢①うつ伏せ
肩こりが起きやすい姿勢の一つが「うつ伏せ」です。
うつ伏せで寝る場合、左右どちらかに首を曲げる姿勢になりますが、この姿勢をすることにより、首の筋肉に大きな負担がかかります。
首と肩の筋肉は繋がっており、首の筋肉の負担はそのまま肩へと影響します。そのため、首や肩に負担がかかりすぎると、肩こりを引き起こす場合があります。
肩こりが起きやすい寝姿勢②横向き
「横向き」は多くの方がとっている寝姿勢ですが、肩こりに繋がる場合があるので注意が必要です。
横向きに寝ると、肩や腰などの体の出っ張った部分にだけ負担がかかってしまい、血のめぐりが悪くなります。その状態でしばらく寝ると血行不良を引き起こし、肩こりが生じる場合があります。
また、自分の腕で頭を支える「1人腕枕」のような状態で寝る場合も注意してください。この姿勢で寝ると、腕や肩に大きな負担がかかり、結果的に血のめぐりが悪くなるため、肩こりを引き起こす可能性があります。
川上洋平
かわかみ整形外科 院長・医学博士
バンザイ寝も肩こりに繋がりますので注意が必要です。バンザイ寝はその名のとおり、寝ている間も無意識のうちに腕を伸ばし、両手を上げた体勢で寝てしまうことです。
眠っている時の姿勢というのは自分では分からないものですが、朝起きた時にいつの間にか両腕を上げている方は、睡眠中にバンザイ寝をしている可能性があり、要注意です。
バンザイ寝をしていると、腕を上げた状態で筋肉が凝り固まり、血行不良になってしまいます。また、特に冬の間はずっと腕が布団の外に出ていることになりますので、冷えの原因にもなります。
睡眠時の肩こりを防ぐには寝返りが重要
肩こりを防ぐには睡眠時の寝方を意識するだけでなく、適度に寝返りを打つことも重要です。
体の痛み全般にいえることですが、肩こりなどの体の不調が生じる主な原因として、体の1ヶ所に負荷がかかり、血のめぐりが悪くなることがあります。
睡眠時の血のめぐりを良くするためには、適度な寝返りが必要です。
寝返りを適度に打つと体に血流が促されるため、血行不良が原因で起きる体の痛みを解消できます。
寝方を意識しても起きた時に肩こりなどの体の不調を感じる方は、適度な寝返りが打てていないのかもしれません。このような方は、寝返りの打ちやすい寝具を使用するなどして、対策すると良いでしょう。
川上洋平
かわかみ整形外科 院長・医学博士
睡眠中の適度な寝返りを促すためには、体に合った枕を使用し、十分に寝返りが打てるスペースを確保するなど、自然に寝返りが打てる環境を整えることが大切です。
まっすぐ立った時、背骨はなだらかなS字のカーブを描いています。このカーブが歪んでしまうと、周辺の筋肉のバランスが崩れ、肩こりの原因になるため、就寝中もS字カーブを保つことが大事です。
仰向け寝の場合、枕は高すぎたり低すぎたりすることなく、寝ている姿を横から見た時に、首の骨がゆるやかにカーブした状態であればS字を維持できている証拠です。S字を維持するためには、首のカーブと布団の間の隙間を埋めてくれるような高さの枕を選びましょう。横向きで寝る場合は、首の骨がまっすぐになるような高さの枕がベストです。
柔らかすぎるマットレスや布団を使わないことも大切です。柔らかすぎるマットレスは不自然な寝姿勢になりやすく、頚椎や腰椎への負担が大きくなります。また、寝返りが打てず、肩こりや腰痛の原因になってしまうので注意が必要です。体をしっかりと受け止めてくれるだけの硬さと、体圧を分散してくれる機能を備えているものを選びましょう。
寝着は「パジャマ」を着用することも大切です。いわゆるパジャマ以外のものは、生地が厚いこともあり、寝具との間に摩擦を起こしてスムーズな寝返りを妨げてしまう可能性があります。
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寝返りのほかにも!寝起きの肩こりを解消するためにできること
寝起きの肩こりに悩んでいる方は、寝返りを打つこと以外にも、以下の3つを実践してみてください。
- 寝方に気をつける
- 枕の高さを調整する
- 寝る前にストレッチする
それぞれ、詳しい内容を見ていきましょう。
寝方に気をつける
先述したように、睡眠時の寝方によっては、肩こりを引き起こす要因に繋がる可能性があります。
寝起きの肩こりがひどい方は、首や肩の筋肉に負担がかかりやすい「うつ伏せ」や「横向き」を避けて、負担の少ない姿勢で寝るようにしましょう。
一般的には、「仰向け」の姿勢が首や肩に負担の少ない寝方だといわれています。
仰向けであれば自分の体重を体全体で受け止めることができるので、首などの一部分だけに負担がかかることを防げます。
なお、仰向けで寝る際は、後頭部と肩甲骨、お尻とかかとが寝具についている姿勢が理想です。ぜひ、これから意識してみてください。
枕の高さを調整する
寝方に気を付けても肩こりが改善しない方は、枕の高さを調整してみてください。
枕が高すぎると、首が圧迫されて血のめぐりが悪くなってしまい、肩こりに繋がる可能性があります。高めの枕を使っている方は、高さを再度調整したほうが良いでしょう。
ただし、枕が低すぎてもいけません。枕の位置が低すぎると、首周りの筋肉に負荷がかかってしまいます。
低めの枕が好きな方は、バスタオルなどで負荷がかかっている部位を支えるなどして、対策しましょう。
川上洋平
かわかみ整形外科 院長・医学博士
枕が高すぎると頚椎が圧迫され、血流が妨げられてしまいます。逆に枕が低すぎる、もしくは枕を使わない場合は、頚椎をしっかりと支えられないため、肩や首周辺の筋肉に負荷がかかり、やはり肩こりの原因に繋がります。
仰向けに寝る時にタオルをロール状に巻いて、これを首の下に置いて寝ると横を向いたり、寝返りを打ったりする時に、首が不安定になるのであまり望ましくありません。
理想的なタオル枕の作成法をご紹介します。
①バスタオルを縦に2つ折りにし、端からクルクル丸める
②丸めたタオルに首が当たるようにして、頭を置く位置のタオルを平らに残す
③実際に寝てみて、丸めたタオルが高く感じたら、頭の下にタオルを重ねて高さを調整する
理想的な枕の高さは、仰向けに寝た時に、首や肩の位置が立っている姿勢と同じになる高さとされています。マットレスと首の間のすき間を埋めるように、バスタオルを設置することが理想です。
寝る前にストレッチする
デスクワークの方など日中に同じ姿勢で過ごす時間が多い方は、首や肩に緊張性の疲労が生じて肩こりを引き起こす場合があります。
首や肩の緊張状態をほぐすためにも、寝る前に軽いストレッチをすると良いでしょう。
とくにおすすめのストレッチ方法が、「バックアーム」と「チェストアーム」の2つです。
<バックアーム>
- 椅子に座った状態で体の前で両手を組む
- 鼻から息を吸って吐きながら背中を丸め、肩の後ろや腕を伸ばす(15〜30秒)
- 鼻から息を吸って伸ばした手のひらを返し、息を吐きながらさらに伸ばす(15〜30秒)
- ゆっくりと背中を伸ばし、力を抜いて深呼吸する(10〜20回)
<チェストアーム>
- 椅子に浅く腰掛けて後ろで両手を組む
- 鼻から息を吸い、吐きながら肩甲骨を寄せるような状態で胸を伸ばす(15〜30秒)
- 鼻から息を吸い、吐きながら肩甲骨を寄せて組んだ手首を10〜20cmゆっくり引き上げる(15〜30秒)
- ゆっくりと腕を腰まで降ろして手を離し、力を抜いて深呼吸する
どちらも椅子に座って行うストレッチであるため、場所を取らずに気楽に実践できます。寝る前にぜひ試してみてください。
まとめ
肩こりになる原因として、運動不足や疲労のほか、睡眠時の寝方も関係しています。
肩こりを防ぐためには、適度に寝返りを打つことが重要です。肩こりが改善しない方は適度に寝返りが打てていない可能性が高いです。
寝返り以外にも、寝方や枕の高さを変えたり、ストレッチをしたりするなどして、肩こりの悩みを解消していきましょう。
※医師が特定の商品を推奨しているわけではありません。