腰痛の原因としてはいろいろなことが考えられますが、その中の一つに「寝る時の姿勢」があります。
寝る時にどのような姿勢をとっているかによって、腰痛は緩和する場合もあれば逆に悪化してしまうこともあります。
腰痛持ちの方はなるべく腰に負担をかけない姿勢で睡眠をとるべきですが、「腰に負担をかけないためにはどのような姿勢で寝れば良いのか」「寝具の選び方で腰痛の具合は変わるのか」などの疑問もあるでしょう。
この記事では、寝る姿勢と腰痛の関係や腰に負担をかけない寝方、腰痛にならないための寝具の選び方について、詳しく解説します。
腰痛と寝る姿勢の関係
寝る時の姿勢は人それぞれですが、寝ている間ずっと同じ姿勢である場合、体の同じ部分ばかりに体重がかかり続けてしまいます。
その結果、血行不良により筋肉が凝り固まってしまい、腰痛になったり腰痛の状態が悪化したりしてしまうのです。
このような状況を避けるには、「寝返りを打つこと」が大切です。
寝ている間に寝返りを打つか打たないかについては個人差も大きく、15回以上打つ方もいれば10回弱ほどしか打たない方もいます。上手に寝返りを打てる方のほうが、腰痛にはなりにくいのです。
腰に負担をかけない寝方
寝る時にどのような姿勢をとっているかによって、腰痛になりやすいかなりにくいかは変わります。
以下、腰に負担をかけない寝方として挙げられるものです。
- 仰向けで膝を立てる
- 横向きでクッションを膝に挟む
- 腰にバスタオルを巻いて隙間を埋める
それぞれ詳しく見ていきましょう。
仰向けで膝を立てる
仰向けで足を伸ばした姿勢で寝ていると、足を伸ばすことによって骨盤を引っ張る力がかかります。
その引っ張られた力が腰に伝わることで、腰痛を引き起こす原因になってしまうのです。
仰向けで寝る場合は、膝を立てて腰や骨盤に負担がかからない姿勢で寝るようにすることで、腰痛になりにくくなります。
人によっては膝を立てながら寝ることに違和感があるかもしれませんが、そのような場合は膝の下にクッションなどを置いて寝ると良いでしょう。
クッションを使用することで、睡眠中に余計な力がかからずに済み、骨盤が引っ張られて腰痛になってしまう心配もありません。
ただし、使用するクッションは柔らかすぎるとあまり効果がないため、ある程度硬さがあるものを選んでください。
横向きでクッションを膝に挟む
上述した「膝の下にクッションを置いておく」という寝方は、寝る時に上を向いて寝る方向けの方法です。
なかには、寝る時の姿勢が横向きの方もいるでしょう。その場合、クッションを膝で挟んで寝るのがおすすめです。
横向きの場合は、仰向けの場合よりも背筋を伸ばさずに背中を少し丸めた姿勢になる分、腰への負担も少なくなります。
上向きで寝る場合と同様に、クッションが柔らかすぎると挟みこんでいる効果をあまり感じられない場合もあるため、少し硬めのクッションを利用すると良いでしょう。
腰にバスタオルを巻いて隙間を埋める
腰が浮いた寝方をしていると、筋肉に力が入って腰が凝りやすくなります。
腰にバスタオルを巻き、腰と床の間の隙間を埋めてあげることで、筋肉に力が入ってしまうことを防ぐことができます。
タオルが入っていることで安心感にも繋がるため、よりリラックスして寝られる効果も期待できるでしょう。
腰痛にならないための寝具の選び方
寝る時の姿勢を改善してみても腰痛が一向に改善されない場合は、寝る姿勢だけではなく寝具が影響している可能性もあります。
腰痛にならないための寝具の選び方として、以下の3つが挙げられます。
- 寝返りしやすいマットレスを選ぶ
- 適度な高さの枕を選ぶ
- 十分な広さのベッドを選ぶ
ここからは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
寝返りしやすいマットレスを選ぶ
先述したとおり、睡眠中にずっと同じ姿勢でいることが腰痛になる要因の一つであるため、寝る時の姿勢を変えられるように、何度も寝返りを打つことが大切です。
寝返りを打つためには、ある程度硬さがあるマットレスを選ぶと良いでしょう。
目安としては、仰向けに寝た時に、腰とマットレスの間に手のひらがギリギリ入らない程度のものを選ぶことです。
マットレスが硬すぎると腰痛の原因になるうえ、柔らかすぎても寝返りが打ちにくいデメリットがあるため、腰痛の悪化に繋がる可能性があります。
マットレスの体圧分散性に注目したうえで、自分が最も寝心地が良いと感じる硬さのものを選ぶと良いでしょう。
適度な高さの枕を選ぶ
「腰痛に枕が関係あるの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、実際に枕の高さは首への負担に影響します。
首に負担がかかると背骨で連動して腰にも負担がかかってしまいます。仰向けに寝た時に、少しあごを引くくらいの高さのものを選ぶと良いでしょう。
また、枕には横向きの寝姿勢に特化したものもあります。ほぼ確実に横向きで寝ているという人は、横向き用の枕を選ぶこともおすすめです。
ただし、このような枕は寝返りが多少打ちにくくなるため、寝姿勢が横向きではない方は、一般的な枕を選ぶほうが寝返りを打ちやすいでしょう。
十分な広さのベッドを選ぶ
体の大きさや寝相に対してベッドが狭いと、寝返りを打ちにくいため、腰に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、眠りも浅くなって睡眠の質が低くなってしまうので、どれだけ寝ても疲労感が抜けません。
1人で寝る場合はその名の通り1人用の「シングルサイズ」を選びがちですが、必ずしもシングルサイズのマットレスが適しているとは限りません。
「大柄である」「手足を伸ばして寝る」「良く寝返りを打つ」などに当てはまる人は、シングルサイズではなくセミダブルサイズを選んだほうが、より快適に眠ることができます。
2人で寝る場合の考え方も同じで、セミダブルサイズやダブルサイズで少し狭さを感じるのであれば、クイーンサイズやキングサイズを選ぶことがおすすめです。
まとめ
結論、寝る姿勢は、腰痛の原因として大きく影響します。
寝返りを打つ回数が少なく、寝ている間ずっと同じような姿勢だと、筋肉が凝り固まって腰痛になったり、腰痛の状態が悪化したりする可能性もあるため、注意が必要です。
腰に負担をかけないためには、仰向けで膝を立てながら寝ることで、横向きで膝にクッションを挟んで寝たりするなどの工夫が有効です。
寝具の選び方も重要で、寝返りを打ちやすいマットレスを選んだり、サイズが大きめのベッドを利用したりすると良いでしょう。