体のだるさや、慢性的に感じる眠気にお悩みの方もいらっしゃると思います。
だるさや眠気といった症状があると、仕事や勉強に集中できないだけでなく気持ちも前向きになれません。
体がだるい、眠いといった症状は睡眠不足や心の病気など、さまざまな原因から来ているため、その原因を特定して対処することが重要です。
この記事では、体がだるい、眠いという症状の原因や対処法などを解説します。ぜひ参考にしてください。
体がだるい・眠いのはなぜ?考えられる原因
全身がだるく意欲がわかない、いつもとにかく眠いなどの症状が起きる原因はさまざまですが、主に考えられるのは以下のようなものです。
- 睡眠不足
- 精神的ストレス
- 何らかの病気
- 栄養バランスの偏り
それぞれの原因について、詳しく説明します。
睡眠不足
夜眠れていなければ、日中眠気を感じるのはある意味当然のことです。また、睡眠には肉体的な疲労を回復させる効果があるといわれています。
そのため、睡眠が不足して疲労回復がしっかり行われていなければ、体もだるく感じやすいでしょう。睡眠が不足していると集中力が欠如しやすいですが、それが原因でより一層体がだるく感じるということも考えられます。
精神的ストレス
精神的なストレスや負担は、体に変調をもたらすきっかけの一つです。激しい運動をすると体が疲労を感じますが、精神的に緊張した状態が続く時は脳が疲労を感じ、その蓄積がだるさや眠気に繋がることもあります。
うつ病で良く見られる症状に倦怠感やひどい眠気などが挙げられるように、心の病気が原因となる可能性も考えられます。不安や緊張の連続から心身ともに疲れるということも起こり得ます。
病気には至っていないものの、過度なストレスによる自律神経のバランスの乱れがだるさや眠気を誘発することも考えられます。
何らかの病気
十分な休息をとっているにもかかわらずだるさや眠気が解消されない場合は、何らかの病気が影響しているかもしれません。
肝臓や心臓の病気、貧血などのほか、甲状腺やホルモンの病気など自分ではなかなか気づきにくい病気である可能性も考えられます。また、眠りが浅いために日中に眠気を生じる無呼吸症候群の場合もあるでしょう。
齋藤幹
さいとう内科・循環器クリニック院長
感染症や貧血、また糖尿病や甲状腺機能異常などが、慢性的な疲労や眠気でしばしば遭遇する疾患です。
栄養バランスの偏り
意外に思われるかもしれませんが、栄養バランスの偏りがだるさや眠気の原因になる場合があります。
糖質を過剰摂取したり食物繊維が不足したりするとだるさや眠気を感じる「機能性低血糖症」と呼ばれる症状に陥ることがあります。
糖質をとった時に血糖値は急速に上昇しますが、そうすると体内では上昇を抑えるためにインスリンが大量に分泌されます。インスリンの大量分泌により血糖値は急激に下降します。これがだるさや眠気を生じる要因の一つです。
体のだるさや眠気を感じるメカニズム
人の体は、心と体を一定の状態に保とうとする仕組みがあります。
体のだるさは、発熱、痛みとともに体内のアラーム機能でもあり、ストレスや睡眠不足などで疲れることによりだるさや眠気を感じると考えられます。
だるさや眠気は肉体的、精神的な疲労が原因で起こりやすいですが、肉体疲労からくるだるさや眠気は十分な休息をとることで解消に繋がる場合があります。一方で、精神的な疲労はその原因にもより、休息をすることで解消する場合もあれば、心の病気のために休息しただけでは解消できない場合もあります。
現代社会には多くのストレス要因が潜んでいるため、肉体的な疲労だけでなく精神的な疲労を感じやすくなっているのかもしれません。
日頃からできる!体のだるさや眠気の対処法を紹介
体のだるさや日中の眠気に悩んでいらっしゃる方は、以下のような対処法を行うことで解消できる可能性があります。
- 規則正しい生活リズムを作る
- 自律神経のバランスを整える
- 軽く仮眠をとる
- 質の高い睡眠を心がける
それぞれの対処法について詳しく説明します。
規則正しい生活リズムを作る
規則正しい生活リズムを作れば、必然的に十分な睡眠時間が確保できます。寝起きや食事を毎日決まった時間にするなど、生活リズムを体に覚えさせることで、だるさや眠気も感じにくくなるでしょう。
また、朝起きた時に太陽の光を浴びると、自然に脳と体が目覚めて体内時計がリセットされるといわれています。できるだけ太陽の光を浴びるように心がけましょう。
自律神経のバランスを整える
自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っています。このバランスが崩れると、だるさや眠気を感じる可能性があります。
自律神経のバランスを整えるには、朝食をしっかりとること、軽い運動を習慣化することなどを意識しましょう。また、太陽の光を浴びることで、体内時計をリセットさせるだけでなく自律神経のバランスも整いやすくなります。
ストレスも自律神経のバランスに影響を与えるので、なるべくストレスを感じないように過ごすことを心がけましょう。
軽く仮眠をとる
日中にだるさや眠気を感じるのは疲労や睡眠不足などさまざまな原因がありますが、解消するには仮眠をとることも一つの方法です。
疲労や睡眠不足が原因であれば、仮眠をとることでだるさと眠気の両方を軽減できるでしょう。
また、夜の睡眠に影響が出にくいうえに、頭や体もすっきりとすることが期待できます。仮眠をとる時は、15~30分程度を目安にするのがおすすめです。
質の高い睡眠を心がける
前述したように、だるさや眠気を感じる原因として睡眠不足が考えられますが、長時間眠れば良いというわけではありません。
睡眠の時間よりも、質の高い睡眠をとることが大事です。睡眠の質が高まれば疲労の回復に繋がり、だるさや眠気も軽減できるかもしれません。
今回紹介したような方法を実践することで、体のだるさや眠気にはある程度対処することができます。もし体のだるさや眠気が長期間続く場合や休養してもなかなか回復しない場合は、医療機関の受診も検討しましょう。
睡眠の質を高めるためにできること
だるさや眠気に対処するためには質の高い睡眠を心がけることが大切ですが、質の高い睡眠をとるためにはどのようなことを心がければ良いのでしょうか。
簡単にできる対策としては、以下のようなことが挙げられます。
- 就寝に近い時間の食事を避ける
- 寝る直前のアルコールやカフェインを控える
- ストレッチや軽い運動をする
寝る直前に食事をとると、胃腸が活発に動いている状態で眠りにつくことになります。胃腸が活発に動いている分、体が熟睡できない状態のまま入眠することになるので、睡眠の質も低くなりやすいです。
また、寝る直前のアルコールやカフェイン摂取も控えたほうが良いでしょう。アルコールの利尿作用、カフェインの覚醒作用は、どちらも睡眠の質を下げやすいことが特徴です。寝酒を摂取される方もいらっしゃいますが、質の高い睡眠のためには控えたほうが賢明です。
適度な運動は寝つきの良さと深い睡眠に繋がるため、日頃から軽めのストレッチや運動で体を動かすことを習慣化しておくことが重要です。
ただし、激しい運動をすると体が興奮状態になり、かえって寝つきを悪くする可能性があります。適度な運動に留めることを心がけましょう。運動をする場合は、就寝の3時間ほど前(夕方から夜)に行うのが効果的です。
齋藤幹
さいとう内科・循環器クリニック院長
上記のことに加えて、睡眠時間の長さ、決まった時間に就寝して決まった時間に起床することが大切です。睡眠時間は最低でも6時間は取りたいところです。
また、休日などに長時間睡眠時間をとったり、夜更かしなどをしてリズムを狂わせたりするのは避けましょう。
体のだるさや眠気解消のためにマットレスを見直そう
睡眠の質を高めるためには寝具にこだわるのも効果的です。特に、マットレスを見直してみることをおすすめします。
質の高い睡眠には寝姿勢が重要ですが、理想的な寝姿勢を保てるかどうかにはマットレスが大きく関わります。
体圧分散性の高いマットレスは体重を分散して支えるため、寝ている間に体のどこか一ヶ所に負担が集中しにくいことが特徴です。また、適度な硬さのマットレスは寝返りが打ちやすいため、快適な眠りを得ることが期待できます。
睡眠の質を高めるための行動を習慣化すると同時に、快適な眠りへと導くマットレスを使用することも検討しましょう。
まとめ
体がだるかったり日中でも眠気を感じたりする場合は、原因として睡眠不足や精神的ストレスなどが考えられます。規則正しい生活リズムを心がけたり、質の高い睡眠をとったりすることでだるさや眠気に対処できる可能性があります。
質の高い睡眠をとるためには、寝具を見直すことも重要です。自分に合ったマットレスを使用して、質の高い睡眠をとれるようにしましょう。