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2024.03.26 更新

睡眠不足は腹痛の原因?寝不足による体調不良のメカニズムと解消方法を紹介

睡眠不足は腹痛の原因?寝不足による体調不良のメカニズムと解消方法を紹介

睡眠不足と腹痛は一見関係がないように思えるかもしれませんが、実は睡眠不足によって起こる場合があります。

この記事では睡眠不足と腹痛の関係やメカニズムについて紹介するとともに、日常的にできる改善方法を紹介します。

睡眠不足は腹痛だけではなくさまざまな体調不良や病気に繋がるリスクもあるため、睡眠不足の自覚がある方は注意し、この記事を参考にして早急な解消を目指してください。

  1. 睡眠不足と腹痛の関係について
  2. 過敏性腸症候群の症状
  3. 過敏性腸症候群の原因
  4. 過敏性腸症候群を疑うなら医療機関で治療を行う
  5. 寝不足による腹痛を軽減・解消するためにできること
  6. 生活リズムを改善し自律神経を整える
  7. 消化の良い食生活を心がける
  8. ぬるめのお湯で入浴してリラックスする
  9. 休憩時間に仮眠をとる
  10. 運動などで気分転換する
  11. 腹痛の原因が睡眠不足ではなく病気である可能性も
  12. 腹痛以外にも注意!睡眠不足の解消を心がけよう
  13. まとめ

睡眠不足と腹痛の関係について

腹痛の原因は人によって異なりますが、睡眠不足が関係している場合は「過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん)」の可能性があります。

過敏性腸症候群とは、腸に炎症などの異常がないにも関わらず、腹痛や便秘などの症状が起こる病気です。

以下、過敏性腸症候群の主な症状や原因を紹介します。

過敏性腸症候群の症状

過敏性腸症候群は、悩みやストレスを抱えることが多い現代社会で急増している疾患の一つであり、日本では有病率が10%~20%といわれています。中でも20代~30代に多い疾患で、主な症状としては下記のようなものがあります。

  • 下痢もしくは便秘が慢性的に続く
  • 下痢と便秘を繰り返している
  • 腹痛とともに便秘が続いている
  • コロコロとした便が出る時がある
  • おならがよく出る
  • お腹が張っている感じがする

症状は人によって異なりますが、男性は下痢が多く、女性は便秘または、下痢と便秘を繰り返すことが多いといわれています。

過敏性腸症候群の原因

過敏性腸症候群は、腸の動きをコントロールする自律神経の乱れによって起こるとされています。自律神経が乱れる原因として考えられるのは、睡眠不足や日常的なストレス、暴飲暴食、過労、不規則な生活などです。

十分な睡眠がとれていないのであれば、自律神経が乱れることで過敏性腸症候群を引き起こしている可能性も考えられるでしょう。

過敏性腸症候群を疑うなら医療機関で治療を行う

睡眠不足で腹痛が起こる場合、単純な腹痛や下痢の場合も考えられますが、症状が長く続くようなら過敏性腸症候群の可能性もあります。

気になる方は一度、消化器内科で受診しましょう。

寝不足による腹痛を軽減・解消するためにできること

前述しているように、慢性的な下痢や便秘など気になる症状がある場合は、基本的に医療機関を受診することがおすすめです。

ただし、自律神経の乱れは、日々の生活習慣に気をつけることで改善できる可能性もあります。自分で取り組めることには、主に以下が挙げられます。

  • 生活リズムを改善し自律神経を整える
  • 消化の良い食生活を心がける
  • ぬるめのお湯で入浴してリラックスする
  • 休憩時間に仮眠をとる
  • 運動などで気分転換する

それぞれについて、以下で詳しく紹介します。

生活リズムを改善し自律神経を整える

自律神経を整えるためには毎日の生活リズムを整えることが大切です。

自律神経は活動中のモードである交感神経と睡眠前のリラックスモードである副交感神経があり、日中と睡眠前で自動的に切り替わります。

生活リズムが乱れていると、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかず、睡眠リズムが乱れてしまい「夜になかなか眠れない」「ぐっすりとした深い睡眠がとれない」といった睡眠不足の原因となるため注意しましょう。

前述したとおり、自律神経は腸の働きもコントロールしているため、生活リズムを整えることは自律神経を整え、過敏性腸症候群を軽減・解消することに繋がります。

生活リズムを整える方法として下記が挙げられます。

  • 朝起きて日光を浴びる
  • 規則正しく食事をとる
  • バランスの良い食生活を心がける
  • 入眠前はリラックスする
  • 運動習慣を身につける
  • 平日も休日も就寝・起床時間を一定にする

一方で、寝る前のスマホ・パソコン操作や、カフェイン摂取、アルコール摂取は脳を覚醒させて睡眠の質を低下させるため、控えましょう。

消化の良い食生活を心がける

睡眠不足が続くと自律神経の切り替えが上手くいかず、睡眠中でも活動モードである交感神経優位の状態になる場合があります。

交感神経優位の状態は、すぐに活動できるように消化活動が抑えられているため、重たいものを食べると消化不良を起こしやすく、吐き気などの症状に繋がる可能性があります。

過敏性腸症候群と疑わしい場合は毎日の食事内容にも気を配り、下記のような消化の良いものを食べるように心がけましょう。

種類食品
米、パン、麺類おかゆ、煮込みうどん
肉類鶏ひき肉、ささみ
魚類白身魚、はんぺん
乳製品牛乳、ヨーグルト
野菜にんじん、大根、キャベツ、ほうれん草
果物バナナ、缶詰

ぬるめのお湯で入浴してリラックスする

入浴は体を温めリラックスすることにより副交感神経優位の状態にする効果があります。

そのため38℃のぬるめのお湯で25分~30分程度、42℃の熱めのお湯であれば5分程度、半身浴なら40℃程度のお湯で30分間ゆっくりと浸かることをおすすめします。

また入浴は血行を促進することで、腹痛の改善が期待されますが、睡眠不足が原因ではない場合、逆効果になることもあります。

症状が改善しない場合や、悪化した際は医療機関を受診しましょう。

休憩時間に仮眠をとる

睡眠不足になると日中に眠気を感じることがあると思いますが、無理に眠気を耐えずに仮眠をとりましょう。

15~30分以内の昼寝は「パワーナップ」と呼ばれており、夜の睡眠にも影響を与えにくく、眠気の解消やリラックス効果、疲労回復効果、気分の改善、仕事効率の向上に繋がります。

ただし、仮眠は30分以内に留めることが大切です。

30分以上の睡眠を超えると深い睡眠に入り、寝起きが辛く感じてしまう可能性があるため、短めの仮眠を心がけましょう。

運動などで気分転換する

自律神経を整える方法として、運動もおすすめです。

運動時、自律神経は活動モードである交感神経優位の状態になりますが、回復中は副交感神経優位の状態となります。このメリハリは自律神経を整え、適度な運動はストレス解消や適度な疲労によるスムーズな入眠や熟睡にも繋がります。

一方で「休日に気だるいからダラダラする」といったことは、自律神経の切り替えがつかず、乱れる原因となるため注意しましょう。

気軽に取り組める運動の一つとしてストレッチが挙げられますが、詳細な方法については以下の記事で解説しています。

安眠 ストレッチ
【医師監修】安眠には就寝前のストレッチがおすすめ!3つのポイントを押さえて寝付きを改善しよう

腹痛の原因が睡眠不足ではなく病気である可能性も

腹痛の原因が睡眠不足ではなく病気である可能性も

ここまで睡眠不足が腹痛に繋がる原因として過敏性腸症候群の症状や軽減・解消法を紹介してきましたが、中には睡眠不足が原因ではない場合もあります。

腹痛を伴う病気として、下記のようなものがあります。

  • 慢性膵炎(まんせいすいえん)
  • 機能性ディスペプシア
  • ピロリ菌感染
  • 食中毒
  • 急性虫垂炎(きゅうせいちゅうすいえん)
  • 感染性胃腸炎
  • 胃潰瘍(いかいよう)
  • 尿路結石

過敏性腸症候群や上記のような疾患は、自分では判断が難しいです。そのため、「慢性的に腹痛や下痢、便秘などが生じる」「症状が改善しない」など、気になることがあれば自分で判断せずに、医療機関を受診しましょう。

専門の医師による適切なアドバイスや処置によって、早期改善が期待できます。

腹痛以外にも注意!睡眠不足の解消を心がけよう

睡眠不足によって心身へ影響が起こると考えられる症状は、腹痛以外にも下記のようなものが挙げられます。

  • 日中の眠気
  • 意欲低下・記憶力減退
  • 体内ホルモン分泌の乱れによる食欲増大
  • 体内時計の乱れによる生活習慣病
  • さまざまな睡眠障害

そのほか、睡眠不足の状態が慢性的になると「不眠症」や「睡眠負債」などに繋がるリスクもあるため注意しましょう。

不眠症とは、下記のような症状が1ヶ月以上続き、日常生活に支障をきたす病気です。

不眠症の種類症状
入眠障害寝床に入ってから寝付くまでに30分~1時間以上かかり、それ苦痛と感じる状態
中途覚醒睡眠中に目が覚めることが多く、一度目が覚めるとそのあとなかなか寝付けない状態
早朝覚醒予定起床時刻より2時間以上早く目覚めてしまう状態
熟眠障害睡眠時間を十分とっても、熟睡した感じが得られない状態

睡眠負債とは、慢性的な睡眠不足によって心身に支障をきたしている状態のことを指し、どちらもうつ病や生活習慣病のリスクが高まる要因となるため、意識的に改善する必要があります。

睡眠不足の方の中には「休日の長時間睡眠(寝だめ)によって睡眠不足を解消しよう」と考える方もいるかもしれませんが、寝だめには寝不足を解消する効果はありません。

寝だめによる長時間睡眠は次の日の生活リズムが崩れや、その後の睡眠リズムの乱れに繋がり、睡眠不足を悪化させる場合があるため控えましょう。

睡眠不足が続いているのであれば、毎日自分の最適な睡眠時間を確保し、睡眠不足の状態にならないよう注意しましょう。

まとめ

睡眠不足によって腹痛が起きている場合、過敏性腸症候群の可能性があります。過敏性腸症候群は自律神経の乱れによって、腸の働きが低下して起こる病気で、「慢性的な下痢や便秘を引き起こす」「下痢と便秘を繰り返す」などの症状があらわれます。

そのため、過敏性腸症候群と疑わしい場合は、毎日の生活習慣や睡眠時間を見直し、自律神経を整えることを意識しましょう。

腹痛を伴う病気は過敏性腸症候群以外にもあるため、慢性的に続く場合には医療機関にて受診することをおすすめします。

また睡眠不足は腹痛以外にもさまざまな病気に繋がる可能性があるため、「寝だめ」などで解消しようとせず、自分にとって十分な睡眠時間を確保し、毎日の睡眠リズムを整えましょう。

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